[PR]予算管理クラウドを全社員活用 | アンファーが実現した、予算策定の迅速化と社員の利益意識向上
2019年2月15日、オラクルの予算管理クラウド「Oracle PBCS」の導入支援イベント「PBCS Customer Success Day」が開催された。本イベントは、「Oracle PBCS」のさらなる活用を推進すべく企画されたユーザー企業向けのイベントで、ユーザー企業による活用事例の紹介や、ユーザー間の情報共有・懇親会など、ユーザー同士の交流を深める場として企画されている。今回のセッションでは、全社員で「Oracle PBCS」を活用しているアンファーの活用事例が報告された。
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Excelベースの予算管理により、広告宣伝費の正確な把握が困難に
アンファーは、化粧品やサプリメント、健康食品、専門医師監修によるクリニック専売品などの研究開発および製造・販売を行う企業だ。社員数は152名(2019年2月時点)ほどだが、頭皮ケアシャンプー「スカルプD」をはじめとする強力なブランドを有している。
インターネットを中心に製品の販売を行う同社にとって、広告宣伝費の運用は、売上を左右する企業戦略そのものと言える。ところが現実は、「広告宣伝費を把握すること自体が難しい状態でした」と、アンファー株式会社・経営企画課の堂馬大亮氏は振り返る。
「本来は、予算の進捗をタイムリーに把握し、必要なタイミングで広告費を投入することが求められます。しかし現実には、各部署が独自のExcelフォーマットを作成しているため集計に手間がかかる、共有ファイルを用いた運用により編集中のものがいると他者が入力できないなど、とても予算の進捗をタイムリーに把握できる状況ではありませんでした」。
さらに、各部門が管理している「広告宣伝費」と経理部門が管理している「広告宣伝費」の基準が異なり、数値が一致しないという問題もあった。そこで同社は、堂馬氏が所属する経営企画部門を中心に、管理会計の強化を図ることにした。
「各部門からすべてのExcelファイルを収集し、経理部門が管理している会計システムのデータと突き合わせて、広告宣伝費を正確に把握することにしました。ところが、その作業が膨大で、半年もしくは1年に1回実施するのがやっとでした。そのため、予算策定のタイミングと合わず、予算が予想以上に余る、逆に足りなくなるといった事態が発生しました」。
管理会計の効率化を目的に全社員に「Oracle PBCS」を導入
こうした状況下では、必要なタイミングで広告費を投入する機動的な動きはとても不可能だ。そこで、管理会計の効率化を目指して同社が選択・導入したのが、オラクルの予算管理クラウド「Oracle PBCS」だった。
「Oracle PBCS」は、世界中で人気の管理会計・予算管理システム「Oracle Hyperion Planning」のクラウド版だ。堂馬氏は、オラクルの主催する「Oracle PBCS」のセミナーに参加し、すぐに導入を決断したという。
「導入にあたっては、請求書登録、広告宣伝費管理、利益分析を主な利用用途としました。まずは、社員全員が請求書データを『Oracle PBCS』に登録できる仕組みを構築。その後に、ブランド別や部門別に各月の広告宣伝費の予算・実績を確認できる広告宣伝費管理、ブランド別・販路別で損益計算書を確認できる利益分析の仕組みを構築することにしました」。
アンファーでは、まず請求書登録システムとして契約後3か月で「Oracle PBCS」を利用開始。その後、定着化の期間を経て、2018年4月から広告宣伝費管理と利益分析のシステムとして利用すべく要件定義を行い、わずか3か月の短期間で本格稼働をスタートさせた。
また、同社では、広告宣伝費のデータを閲覧できるのは全社員、利益分析の全データを確認できるのは役職以上のみというように、役職によるアクセス権限管理を行いながら利用している。
従来は広告宣伝費の予算計上は稟議書単位で行っていたが、その単位で予算と実績(請求書の金額)の差異が把握できておらず、予算と実績にギャップが生じることも多々あった。そこで、担当者ごとに請求書登録を行い、予実差異を認識させることで経費に対する意識の向上ができるのではと考え、全社員での導入を決めたという。
これにより、全員が「Oracle PBCS」を活用できて、かつ、きめ細やかなアクセス制御の実現などセキュリティも担保された環境を整備したのである。
予算策定が高速になり議論が活発化。全社員に「利益意識」が芽生える
「Oracle PBCS」の導入によって、これまでExcelに頼っていた予算管理は大きく変わった。もっとも大きな変化は、「Oracle PBCS」が各部門、経理部、経営企画部の共通の数値格納先となり、データの一元管理が実現したことだ。
また、以前はExcelファイルを複数人が同時に編集できなかったが、「Oracle PBCS」導入後は、同時にログインしてデータ入力が可能になった。さらに、経理部門は現場と会計の数値のズレに早期に気づけるようになり、経営企画部門は予算掌握のスピードが上がった。堂馬氏は、その成果を次のように説明する。
「以前は作業が膨大で、1月に予算策定するのが精一杯だったため、いったん策定したら『この予算でやってほしい』と各部門にお願いするしかありませんでした。しかし、『Oracle PBCS』導入後は、前年の10月の段階で、おおよその予算を各部門に示せるようになりました。その結果、予算を決める1月までに余裕ができ、予算について活発な議論が可能になったのです。これはとても大きい成果でした」。
また、利益分析では、商品ランキングを確認できるようになったことが高く評価されたという。
「『Oracle PBCS』では、直感的な操作で商品を売上や利益別に簡単にソートできるので、売上は大きいけれども利益はそれほど出ていない商品や、逆に売上はそれほどでもないのに利益は大きい商品を簡単に確認できます。これは各ブランドの担当者からとても好評でした」。
管理者向けには、さまざまな情報をグラフなどのビジュアルで表示し、必要に応じてブランドや商品にドリルダウンして分析できるダッシュボードを提供。こちらも高く評価されているという。
さらにもう1つの大きい成果が、「Oracle PBCS」のアカウントを全社員に配布したことで、社員に利益意識が生まれたことだ。たとえば、商品開発課では「商品別利益率を新商品の原価率設定に活用している」、生産管理課では「商品売上ランキングを在庫管理に活用している」といった声も聞かれるようになったという。
売上・利益のシミュレーションなどを強化し、活用をさらに推進
予算策定のスピードと質を向上させ、全社員に利益意識を芽生えさせることに成功したが、堂馬氏は「まだやることはあります」と述べる。
「請求書の登録だけといった部分的な利用にとどまっている社員もいるため、社員が『Oracle PBCS』を能動的に活用できるようにして、さらに稼働率を上げたいと考えています。具体的には、ダッシュボードをさらに強化し、売上・利益のシミュレーション機能、広告宣伝費以外の試験研究費や旅費・交通費などの予算管理機能などを追加する予定です」。
また、現状では売上入力の一部に手作業が残っているため、マクロやRPAを活用して自動化をすすめ、「Oracle PBCS」の利用者の負担を軽減することも検討している。最後に堂馬氏は、「Oracle PBCS」の導入を検討している企業に対して、次のようにアドバイスしてセミナーを締めくくった。
「本格稼働開始後に、各部門から要望がたくさん出てくるため、要件定義のフェーズでは、各部門にしっかりヒアリングすることをおすすめします。また、活用するほどさらなる高度化・効率化を目指したくなるので、システムに精通した社員がいると、構築の幅やアイデアがさらに広がります。長期的に活用することで、価値が高まっていくシステムなので、ぜひうまく運用していきたいですね」。