自治体向けRPAおすすめ比較！解決できる課題

自治体で活用できるRPAの機能

RPAは「Robotic Process Automation」を略した言葉で、作業を自動化できるソフトウェアロボットを活用し、業務の自動化を図る取り組みを指します。

ただし近年は、自動化を実現するツールもRPA（あるいはRPAツール）と呼ばれるようになり、多くの業界で利用されるようになりました。民間企業はもちろん、自治体での導入例も増えています。

RPAはパソコン上で一定の操作を記録し、忠実に再現する機能を持っており、ブラウザ上の操作や、アプリケーションの自動化も可能です。さらに、システム管理からスクレイピング、複数のデータベースの同一性の確認などもできます。

RPAシステムの機能をさらに詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてみましょう。

自治体における業務効率に関する課題

自治体では、アナログ業務の多さやIT人材の不足などの原因により、非効率な業務を抱えるところが増えています。日常の業務において解決すべき課題は何か、確認してみましょう。

アナログ的な業務が多く非効率な作業も目立つ

自治体では旧態依然としたアナログ業務が残っている組織が多く、非効率な業務が目立つところが少なくありません。日本全体の少子高齢化に伴い、公務員も全体として高年齢化しています。新しい技術に追いつけず、何となく非効率な状況を知りながらも、特に改善することなく仕事を続けている自治体も多いのが実態です。

今後さらに公務員の高齢化は進むと考えられるので、デジタル技術をうまく活用しながら、個人のスキルに依存しない業務体制の構築も求められます。

帳票や書式などの標準化・電子化も必要

自治体は民間企業に比べて、さらに多種多様な書類を取り扱う組織です。住民が内容を記載しなければならない場合も多く、標準化・電子化が課題とされています。自治体によって書式が異なると、住民が自治体ごとに異なる書類を作成しなければいけません。また、民間企業と同様に、多くの自治体で電子化・ペーパーレス化の遅れも指摘されています。

IT人材の不足

自治体でも地方をはじめとして、いわゆるIT人材（デジタル人材）が不足しており、DXがなかなか進まない現状も課題とされています。IT人材は就職先に民間企業を選択するケースが多く、自治体も積極的に人材を集めなければ、なかなかシステムの刷新や効率化が実行されない側面があります。

自治体は市場競争が発生しないため、DXの必要性を感じていない公務員もおり、上記のように非効率な業務を淡々と続けている場面も珍しくありません。若手を中心にデジタル技術の必要性を周知し、啓発する活動も必要でしょう。IT人材の採用にも工夫が必要です。

自治体の課題をRPAで解決できる理由

自治体では、アナログ業務の多さやDXの遅れなどの課題があります。しかしRPAの導入をきっかけとして組織内の業務効率化を進めることで、課題の解決につながる可能性があります。その理由を、RPAの機能とともに押さえておきましょう。

定型業務の効率化で作業をデジタル化

RPAは手順の決まった業務を簡単に自動化できるため、アナログ処理が横行している組織では、自動化による恩恵が大きいでしょう。

自治体は、民間企業におけるバックオフィス業務のような仕事が中心です。事務作業の割合が多いため、RPAで一連の作業を自動化できれば、短時間で非常に多くの作業を完遂できるようになるでしょう。実際、早い段階でRPAを積極的に採用している自治体は、多くの公務員の業務効率化に成功しています。

システムの導入とRPAでペーパーレス化を実現

これまで、紙ベースで処理していた業務をシステムに置き換え、さらにRPAによって処理を自動化することにより、ペーパーレス化を強力に推進できます。日常の業務はもちろん、住民の手による作業が必要な処理に関しても同様です。

専用のシステムとRPAの組み合わせにより、効率的に書類の作成ができる体制にしている自治体も、徐々に増えています。また、RPAとチャットボットを組み合わせれば、住民からの問い合わせに対して、自動で応答できる環境の構築も可能です。

IT人材の不足をソフトウェアロボットで補える

RPAは基本的に、誰でも簡単に業務自動化を担うソフトウェアロボットを作成できます。ドラッグ＆ドロップやテンプレートの組み合わせで、自動化シナリオを構築できるサービスも多く、自治体でも問題なく導入・運用が可能です。ユーザーのITリテラシーがそれほど高くなくても、定型業務の自動化を実現できます。

上記のように、自治体でもIT人材の積極的な採用が必要であり、組織としてDXの推進が求められます。人材の確保に注力するとともに、RPAで組織の生産性を向上させることも重要です。RPAを通じて、既存の人員のITリテラシーを高めるのもよいでしょう。

自治体向けRPAの比較

BizRobo!は、国内でトップクラスの知名度を誇るRPAツールです。デスクトップ型・サーバー型いずれの形態でも導入が可能です。特別な知識がなくても、簡単操作でソフトウェアロボットを作成できます。

開発環境と実行環境がオールインワンで提供されるのが特徴で、ロボットや開発者を増やす際の追加コストを心配する必要はありません。状況に応じて柔軟にスケールアップできるので、業界・業種を問わず広く活用されています。自治体での導入例も少なくありません。

導入から運用の定着まで並走型の支援をしてくれるので、初めてRPAを導入する企業も安心できます。

RPAロボパットDXは、充実したサポートがすべて無料で受けられるRPAです。1ライセンスで多くの端末を利用できるのが特徴であり、複数の部門や拠点で効果を発揮するライセンス形態なので、事業規模を問わず広く活用できます。

現場で簡単にソフトウェアロボットを作成でき、プログラミングや専門知識は必要ありません。多くのアプリケーションやシステムの自動化に対応しているため、自治体の業務効率化にも役立ちます。

無料トライアル版も用意されているので、操作性を確認したうえで、環境に合った使い方を検討してみましょう。1か月単位での契約も可能です。

UiPath StudioXは、世界的に知名度が高いシステムであり、RPAの先駆け的なシリーズの製品として知られています。直感的な操作で、ソフトウェアロボットの自作が可能です。ロボットの作成をサポートする機能群が豊富で、プログラミングの知識は必要ありません。

複数のテンプレートを組み合わせて自動化シナリオを設計できるので、業界・業種を問わず導入しやすいのも特徴です。実際、国内でもIT業界や金融業界・保険業界など、幅広く活用されており、自治体での導入例も増えています。

マクロマンは、完全無料でスモールスタートが可能なRPAツールです。必要に応じてサポート費用を負担するタイプで、ツール自体は無料で利用できます。人的ミスが起きやすい単純作業をはじめ、手間のかかりがちな繰り返し作業など、比較的簡単な定型業務の自動化におすすめです。

サービスベンダーが、有償のサポートによって収益を上げるビジネスモデルであるため、操作方法のレクチャーはもちろん、受託開発や常駐派遣などの充実したサポートを利用できます。自治体はもちろん、あらゆる業界のバックオフィス業務の効率化に有効です。

WinActorは定型業務に加えて、処理に時間がかかる業務や、繁閑差のある業務でも、安定した自動化が可能なRPAです。日常業務に使用しているアプリケーションや、システムを改修することなく、業務の改善が可能です。

NTTデータが提供しているシステムで、業界トップクラスの知名度を誇ります。同社の日本全国にあるパートナー企業に、導入から運用まで丁寧にサポートしてもらえるのも魅力です。無料のトライアル版も用意されているので、まずは気軽に使い勝手を確認してみましょう。

アシロボRPAは、完全無料の育成サポートが利用できる、中小企業向けのRPAツールです。定型業務の自動化はもちろん、基幹システムの操作やソフトウェアの連携、Web情報の収集やデータ整理など、さまざまな業務を効率化できます。

月額5万円から導入できるのも魅力で、業界・業種を問わず利用が広がっています。民間企業を前提としているものの、自治体での導入事例もあり、ベンダーも積極的にサポートしているようです。実際、国土交通省や防衛省などの事例もあります。低価格かつ短時間で作業を習得できるシステムで、細部機能も充実しています。

RaBit - ラディックス株式会社

RaBitは、月額10,450円からスタートできるRPAツールです。低コストで専用のRPAを作成できるのが魅力で、定型業務が多いホワイトカラーのデスクワークを強力にサポートします。

表計算ソフトへの入力作業や、ソフト間のデータ転記作業・会計ソフトの操作など、社員の手間を要する作業を簡単に自動化できます。導入にあたっては、専任のエンジニアがヒアリングから導入後のサポートまで、ワンストップで担当するので、初めてRPAに触れる組織でも問題ありません。

業界・業種を問わず幅広く利用されており、事務作業の多い自治体にもおすすめできます。2023年の12月時点において、初期費用が半額で導入できるキャンペーン中のようです。

自治体向けRPAで職員の生産性を向上させる

RPAは手順の決まった作業を自動化できるツールです。すでに多くの業界で導入・運用されていますが、事務作業の多い自治体でもRPAの活用は有効で、職員の業務負担を軽減し、より重要な仕事に時間を割けるようになります。

特にアナログ的な業務が残っているところや、ペーパーレス化を目指している自治体におすすめです。管理システムやクラウドサービスとともにRPAを導入すれば、業務効率の改善はもちろん、職員の生産性を大幅に向上させられるでしょう。DXの推進にも役立ちます。

導入するRPAを選ぶ際には、価格や機能性に加えて、システムの連携性やサービスベンダーのサポート体制などにも注目しましょう。将来的に運用規模を大きく広める予定ならば、スケールのしやすさも重要なポイントです。複数のツールを比較検討したうえで、環境に合ったRPAを慎重に選択しましょう。

なお、自治体ではRPAに関連して、次のようなサービスも導入されています。こちらも検討してみましょう。

• 自治体向けグループウェア
• 自治体向け請求書発行システム