RPAによる業務の自動化で一部データ入力業務の70~80%削減を実現 -「RPAロボパットDX」導入事例
目次を閉じる
事例概要
株式会社FCEプロセス&テクノロジーが提供する、「RPAロボパットDX」の活用事例です。
サービス導入企業
- 企業名:地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立医療センター中央市民病院
- 業種:医療
- 従業員規模:1000人以上
- 所在地:兵庫県
- 設立年:1924年
受賞部門
「BOXIL SaaS AWARD 2024」導入事例セクション医療業界部門1位
※対象
医療に関連する企業の生産性向上に貢献した事例を対象とする
導入前の課題
「RPAロボパットDX」を導入した地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立医療センター中央市民病院は、地域住民の健康に貢献する市営の医療機関です。
市民の健康と命にかかわる同院は、限られた業務時間内で質の高い医療の提供に必要不可欠な教育と研究を臨床と両立するため、大幅な業務効率化が必要でした。
医療の質の向上を図るための時間が不足
「根拠に基づく医療(EBM:Evidence-Based Medicine)」が叫ばれている昨今、医療機関には学術的なエビデンスに基づく効果的な医療が求められています。
EBMを実現するためには、臨床だけでなく教育と研究の両立が不可欠です。そのため、同院ではOJTとしてのベッドサイドティーチングやOFF-JTとしての症例検証、カンファレンスによる教育や研究活動にも精力的に取り組んでいます。しかし、これらを十分に行うためには職員の時間を確保する必要がありました。
同院でシミュレーションを行った結果、診療業務には最低でも6時間が必要であり、その他の業務を加えると、医療の質の向上のために充てられる時間は1日20分程度しかありませんでした。
業務効率化による働き方改革の推進
前述したように、同院で働く職員は通常の業務に加えて、教育や研究が求められている背景があります。とはいえ、働き方改革を進めていくなかで、時間外労働を逼迫するような教育や研究を求めることはできません。
「理学療法士・作業療法士の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査(※)」によると、労働時間をひっ迫している主な業務はカルテ報告書などの書類作成業務であることがわかります。
質の高い医療を提供するために、書類作成業務の効率化によって業務時間を短縮する必要性が浮かび上がりました。
※「理学療法士・作業療法士の勤務実態 及び働き方の意向等に関する調査」研究班が2018年3月に報告(PDF)
導入による効果
このような課題を解決するために、RPAによる書類業務の自動化による効率化を検討していた同院。
充実のサポートで技術者の必要なく、担当者自らの手で業務の自動化を実現できる「RPAロボパットDX」を導入し、以下のような効果を得ています。
データ入力業務の70~80%の作業時間を削減
同院では、年間約15,000件のリハビリテーション実施計画書を作成していました。リハビリテーション実施計画書は、従来複数のシステムを介して作成します。
RPAロボパットDXの導入により、これら業務の一部を自動化しました。院内システムやスプレッドシート、クラウドサービスなどにログインしてデータを抽出し、データ入力を行う一連の業務をRPAロボパットDXで行えるようになりました。
これにより、データ入力業務にかかる時間は70~80%削減できました。
症状詳記内容確認業務の自動化で作業時間がゼロに
RPAロボパットDXを導入する以前は、作成された症状詳記の記録を確認し、不備があれば修正を依頼する業務が発生していました。
症状詳記の作成をRPAロボパットDXで自動化したことにより、記録の不備がなくなったことで確認作業自体が不要になりました。1回あたり3時間程度かかっていた業務にかかる時間はゼロになったとのことです。
患者一覧の確認業務を自動化し月30時間の業務が10分に削減
診療報酬算定に必須のリハビリ記録の漏れや不備を確認する業務を自動化したことにより、確認作業が月30時間から10分まで短縮できました。
従来、患者ごとにカルテを開き内容を確認していた同院ですが、患者一覧から一括で確認できるようになり、作業は最終チェックのみになったといいます。
リハビリ診察記事作成補助で作業時間が3分の1以下に
リハビリ記録から必要なデータを抽出して作成する医師診察記事の作成補助も自動化し、1日3.5時間かかっていた業務は、1日1時間程度まで低減できました。
組織内のDXが加速する効果も
RPAをさまざまな業務に活用したことで、組織内のDXが加速する効果もありました。また、業務時間の圧縮によって、理学療法士はより診療に時間が使えるようになり、質の高い医療の提供にも貢献しています。
効果をもたらした機能
簡便で直感的な操作性
専門のIT知識がない医療者でも使用ができる
現場のスタッフの手により、ロボと業務フローの両側面から業務改善が図れる病院に求められる利用基準を満たした高いセキュリティ
PCにインストールする形式のライセンス提供のため、ロボの起動に外部への常時インターネット接続が不要
BOXIL SaaS AWARDとは
「BOXIL SaaS AWARD(ボクシル サース アワード)」は、SaaS比較サイト「BOXIL SaaS(ボクシル サース)」を運営するスマートキャンプ株式会社が、優れたSaaSを審査、選考、表彰するイベントです。年1回、SaaSの日(※)を記念し発表しているほか、Spring、Summer、Autumn、Winterの四半期ごとにも、優れたSaaSを表彰しています。
「BOXIL SaaS AWARD 2024」では、エントリー式で審査する「導入事例セクション」と、データを元に定量評価する「BOXIL SaaSセクション」「BOXIL SaaS質問箱セクション」の計3つのセクションを設けています。各セクションの選考基準に従い、部門ごとにもっとも評価の高いサービスを部門1位として選出します。さらに部門1位の中から総合1位を選出し、その証として「Best SaaS in Japan」の称号を付与します。
「BOXIL SaaS AWARD 2024」公式サイトはこちら
「BOXIL SaaS AWARD 2024」導入事例セクション受賞サービス一覧はこちら
※スマートキャンプが独自に定めた記念日で、毎年3月4日です