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CTIシステムのオンプレミスとクラウドの違い
電話機器をパソコンと連携させるCTIシステムには、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。オンプレミス型とは、自社のサーバーにCTIシステムをインストールして運用する形態のことです。
ニーズや環境に合わせたカスタマイズが可能で、既存システムとも連携しやすいのが大きな特徴です。導入時に初期費用がかかるものの、社内でデータを管理できるため、高いセキュリティレベルを確保したい企業の利用に向いています。
一方で、クラウド型は、ベンダーが提供するシステムをインターネット経由で利用する形態です。初期費用が抑えられるほか、外出先からアクセスが可能でリモートワークにも対応できる柔軟性が魅力です。初期費用を抑え、場所を選ばず利用したい場合の利用に向いています。
オンプレミスのCTIシステムのメリット
オンプレミス型CTIシステムのメリットをクラウド版と比較しながら解説します。
既存システムと連携しやすい
社内環境に合わせてシステムを構築し運用するため、カスタマイズ性が高く、他のシステムとも柔軟に連携が可能です。
CRMやSFAなどの既存システムと連携してデータを統合し、業務プロセスをより効率化したい場合はオンプレミス型のシステムが適しています。
一方で、クラウド型でもAPIを活用することで外部システムと連携可能な場合が多いですが、サービスによっては制限があるため事前に確認が必要です。
セキュリティ強化
オンプレミスのCTIシステムは、自社のサーバーにインストールするため、インターネットに接続せず運用が可能です。そのため、マルウェアやサイバー攻撃のリスクがクラウドより小さく、情報漏えいのリスクを低減できます。万が一セキュリティに問題が発生した場合でも、社内で対応するため迅速な対応が可能です。
コールセンターで取り扱う顧客情報や機密情報に、より厳格なセキュリティ対策が求められる場合でも安心して利用できるでしょう。
柔軟なカスタマイズが可能
オンプレミスのCTIシステムは、ベンダーによってすでに用意されたサービスを利用するクラウド型に比べて、カスタマイズ性に優れています。
オンプレミスは運用方法や規模に合わせて機能や設定を柔軟に変更できる点もメリットです。オンプレミスのCTIをカスタマイズすることで、特定の業務や業界特有の顧客に対応しやすい仕組みを構築できます。
そのため、業務効率向やサービスの品質を向上させ、顧客満足度向上を実現しやすくなるでしょう。
オンプレミスのCTIシステムのデメリット
オンプレミス型CTIシステムには多くの利点がある一方で、導入や運用に関していくつかの注意点も存在します。具体的なデメリットと対処方法について解説します。
初期導入コストが高額になりやすい
オンプレミス型は、自社内にサーバーやネットワーク機器を設置する必要があります。そのため、初期費用が高くなりがちです。さらに、ソフトウェアライセンス費用や設計・構築にかかるコンサルティング費用なども発生します。
コスト面での負担を抑えるには、必要な機能を絞り込んで段階的に導入する方法があります。既存のIT資産を活用できるかどうかも検討材料です。複数のベンダーから見積もりを取得し、費用対効果を比較することも大切です。
構築や運用に専門知識が必要
オンプレミス型では、自社でシステムを構築・運用していく必要があります。ハードウェアやネットワークの管理、セキュリティ対策などもすべて社内で対応しなければなりません。これには高度な専門知識が求められます。
この負担を軽減するには、外部のITパートナーと連携することが効果的です。導入時に設計から構築までを任せられるベンダーを選ぶことで、社内のリソース不足を補えます。運用フェーズでも、保守サポートが充実したサービスを活用することが望ましいです。
外部からのアクセスや拡張に制限がある
オンプレミス型は社内ネットワークに閉じた環境で動作するため、外部からのアクセスが難しいです。リモートワークや複数拠点での活用に向かない点が課題です。また、システムの拡張やバージョンアップも手間がかかります。
この制約を補う方法として、VPNをはじめとするセキュアな通信手段を導入するケースが増えています。将来的なクラウド移行を見据えて、ハイブリッド構成が可能なシステムを選ぶのもひとつの選択肢です。
オンプレミスのCTIシステムに向いている企業
オンプレミス型CTIシステムは、あらゆる企業にとって最適とは限りません。とくにオンプレミス型の導入に適している企業の特徴を具体的に紹介します。
セキュリティ要件が厳しい業種・業界
金融・保険・医療・公共機関など、機密データを多く扱う業界では、セキュリティへの要求が非常に高いです。社外との通信リスクを最小限に抑えたいと考える企業も少なくありません。
オンプレミス型であれば、システムが自社のネットワーク内に閉じているため、クラウドに比べてアクセス制御や物理的なセキュリティを強化しやすいです。情報漏えいリスクを抑えたい企業に適しています。
社内にITインフラや専門人材が整っている企業
自社内にサーバー設備を持ち、ネットワークやセキュリティに詳しいIT担当者が在籍している企業では、オンプレミス型の運用が現実的です。自社内で構築から管理まで一貫して対応する体制があれば、外部に頼らず柔軟な運用が可能です。
こうした体制が整っている企業にとっては、オンプレミス型のほうが自社独自の要件に合わせて最適な構成を実現しやすいでしょう。長期的に見てコスト効率が高まるケースもあります。
カスタマイズ性やシステム連携を重視する企業
既存の社内システムとCTIを密接に連携させたい、あるいは独自のフローに合わせて機能をカスタマイズしたいなどのニーズがある企業では、クラウド型では対応が難しいかもしれません。
オンプレミス型であれば、ソースコードレベルでの調整や詳細な設定が可能になるため、自社仕様に最適化された環境を構築できます。業務効率を最大限に引き出したい企業にとっては大きなメリットです。
オンプレミスのCTIシステムの選び方
オンプレミス型CTIシステムを選定する際には、次のポイントに注意しましょう。
業務形態に合っているか
CTIシステムは、電話受付業務に特化したインバウンド型、もしくは発信して営業活動を行うアウトバウンド型のどちらかに特化した製品が多いため、業態に合っているものを選びましょう。
インバウンド型・アウトバウンド型両方に対応したシステムもありますが、どのようなシステムを選ぶか、業態や規模などを踏まえて検討が必要です。たとえば、規模によっては、多機能さよりもムダな機能のないシンプルなシステムの方が使いやすい場合もあるでしょう。
反対に、規模や業態に合っていないもの選ぶと、使用しない機能があることで使い勝手が悪くなりかねないため注意しましょう。
サポート体制の充実度
サービスの選定時には、サポートの対応内容や方法についても確認しましょう。
トラブルや疑問点があったときにすぐにサポートを受けられなければ、業務に影響がおよびかねません。とくに24時間365日運営をしているコールセンターでは、24時間365日対応可能なサポートがあるか、また電話・メール・チャットなど対応方法について確認しておくとよいでしょう。
他にも、システムの操作マニュアルがあるかどうかも確認が必要です。利用者や管理者向けにわかりやすい操作マニュアルがあれば、よりスムーズに運用や顧客対応を行えます。
クラウド型へ切り替えは可能か
クラウド型への切り替えが可能かどうかについても確認が必要です。
オンプレミス型で導入したものの、運営規模の拡大、在宅勤務の導入などによって、クラウド型への切り替えが必要になる可能性もあります。ただし、クラウド型はカスタマイズがしにくく、既存システムとの連携が困難になる可能性もあります。
そのため、クラウド型・オンプレミス型の両方に対応し、切り替えがスムーズに行えるサービスを選ぶとよいでしょう。また、オンプレミス型からクラウド型への移行は、システム設計やデータ移行の手間がかかる場合があるため、移行のしやすさや費用も考慮して選定することが重要です。
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オンプレミスのおすすめCTIシステム6選
オンプレミス型でおすすめのCTIシステムを紹介します。
AmeyoJ
AmeyoJは、コールセンター関連事業が盛んなインドで開発されたCTIシステムです。秒単位で課金される電話回線と、柔軟な料金体系が強みで、オンプレミス型とクラウド型から選べます。
インバウンド機能・アウトバウンド機能の両方を備えているのが特徴です。インバウンド機能では、着信時に顧客情報をポップアップで表示したり、自動応答やキューイングを設定したりできます。
CRM機能も搭載しており、通話履歴や受発注の記録をCRMで社内共有できます。すでに使用しているCRMとの連携も可能です。
MediaCalls(メディアコールズ)
MediaCalls(メディアコールズ)は、高品質な音声通話と豊富な機能が強みのCTIシステムです。クラウド型とオンプレミス型から選べます。インバウンド型コールセンターでの、業務効率化につながる機能を豊富に搭載しているのが特徴です。
たとえば、自動音声応答や録音、通話履歴管理などの機能を搭載しています。オンプレミス型の料金には、基本パッケージのサーバーライセンス500,000円に加え、シートライセンス15,000円/1ユーザー、エージェントライセンス20,000円/1ユーザーなどがあります。
InfiniTalk
InfiniTalkは、コールセンター運営に適したCTIシステムです。オンプレミス型と、クラウド型から選べ、オンプレミス型とクラウド型の併用も可能です。オンプレミス型は、PBX・ACD・通話録音・IVRなどの機能を搭載しています。
リアルタイムモニターや統計レポートで業務やエージェントの状況を把握できる機能もあり、カスタマーサポートや、受注受付、顧客からの問い合わせ対応などの利用に適しています。
オンプレミス型の料金は、一括購入の場合は10席分で298,000円から、月額サービスの場合は10席分で56,258円からです。
eSmileCall
eSmileCallは、オペレーションにこだわった画面設計や操作性で、はじめての方にも簡単に利用可能なCTIシステムです。クラウド型とオンプレミス型から選べ、両方を組み合わせることも可能です。
インバウンド機能が豊富で、着信と同時に顧客を特定する機能や、FAQ検索、通話録音などの機能を搭載しています。FAQ検索機能では、応対履歴から直接FAQを登録でき、重要度評価スコアの順に表示されるため参照も容易です。
さらに、入力画面は柔軟にセルフカスタマイズでき、必須入力項目や画面表示項目は業務内容に合わせて変更できます。
Open Dialer
Open Dialerは、セキュリティ対応や機能の拡張性が強みのCTIシステムです。クラウド型とオンプレミス型から選択が可能です。アウトバウンドに特化したコールセンターシステムで、プレディクティブダイヤル、通話録音、リスト作成・管理などの機能を搭載しています。
プレディクティブダイヤルにより、電話機のプッシュボタン操作だけで自動発信を行い、相手が応答した電話のみをオペレーターにつなぎます。オンプレミス型の料金は、初期費用が100,000円に加え、最小発信数23chで8席174,000円/月からです。
Tetra
Tetraは、コールセンター運用に特化したCTIシステムです。インバウンドにもアウトバウンドにも対応でき、オンプレミス型とクラウド型が選べます。ACD、IVR、通話録音、オペレーター管理などの機能を搭載しています。
CRMやSFAなど他システムとの連携にも強く、独自のサーバー連携モジュールを開発し差し込むことも可能です。留守録メッセージのメール通知や指定のリストを効率よくかけていくアウトバウンド機能など、多様なニーズに対応するオプションも揃っています。
自社に適したコールセンター業務が実現するでしょう。
導入形態ごとの特徴を比較してサービスを選ぶ
オンプレミス型は自社サーバーにインストールして利用するため、情報漏えいのリスクが少なくセキュリティ面に優れています。また、クラウド型と比べ機能のカスタマイズもしやすいため、自社に合わせた設定や拡張機能の追加が容易です。
一方で、初期費用やメンテナンスの労力がかかるといったデメリットもあります。
規模が大きく、安定的にコールセンター業務を行う企業は初期費用を回収できる可能性が高いためおすすめです。また、個人情報を扱ううえに特定の機能や設定が必要となるケースが多い企業にも向いています。
CTIシステムの導入を検討する際には、ニーズや予算に合わせて、複数のサービスを比較することが大切です。BOXILではCTIシステムのサービス資料をまとめてダウンロードできるので、ぜひご活用ください。
CTIシステムは次の記事でも詳しく紹介しています。
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