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心理的安全性を測定する7つのアンケート質問項目│専用の計測ツールも紹介

最終更新日:(記事の情報は現在から149日前のものです)
心理的安全性とは、組織やチームでメンバーが自由に意見やアイデアを出せる環境のことです。心理的安全性が低い場合、従業員のエンゲージメントやパフォーマンスが低下し、組織や企業の生産性に影響します。心理的安全性を測定するための質問項目や専用ツールを紹介します。

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心理的安全性とは

心理的安全性(Psychological Safety)とは、組織やチームにおいてメンバーが自分の意見やアイデアを自由に発言したり、表現できたりする環境のことです。

Google社が「プロジェクト・アリストテレス」で、心理的安全性の高いチームは離職率が低く、生産性が高いことを発表し、心理的安全性の重要性が注目を集めるようになりました。

メンバーの新しいアイデアや発想が積極的に発信・共有されるほか、チーム内でのコミュニケーションが円滑になり、お互いが協力的になります。

また、心理的安全性の高い組織では失敗やミスを批判せずに学びの機会としてとらえられるため、メンバーは積極的にチャレンジでき、企業の成長に貢献しやすい傾向があります。

※出典:Google「「効果的なチームとは何か」を知る」(2024年10月25日閲覧)

心理的安全性が低いとどうなる?

組織やチームの心理的安全性が低い場合に考えられる影響は次のとおりです。

  • 従業員エンゲージメントが低下する
  • 創造的なアイデアや意見が不足する
  • 個人のパフォーマンスや組織の生産性が低下する
  • 情報共有がされにくくなる

従業員エンゲージメントが低下する

心理的安全性が低いと、従業員が意見やアイデアを自由に表現することが難しくなります。従業員は自分の存在が軽視されていると感じやすくなり、企業や組織への愛着心や貢献意欲が低下します。

こうしたエンゲージメントの低下によって、従業員は仕事に対するモチベーションを失い、離職率が上昇する恐れもあるでしょう。

創造的なアイデアや意見が不足する

心理的安全性が低い場合、上述したとおり、従業員は新しいアイデアや意見を出すことを避ける傾向があります。発言や発信内容に対する批判や失敗を恐れるためです。

創造的なアイデアや意見が不足すれば、企業のイノベーション能力が低下し、競争力が低下するでしょう。

また従業員が自由に発言できない環境では、問題解決のための新しいアプローチや改善策が生まれにくく、企業が市場の変化に対応できなくなるほか、ビジネスの機会を逃すリスクが高まります。

個人のパフォーマンスや組織の生産性が低下する

自由に発言できない環境では、従業員がストレスや不安を感じやすくなります。ストレスの蓄積によって集中力が低下し業務効率が悪化すれば、組織全体の生産性の低下へとつながり、最終的には業績へも影響するでしょう。

情報共有がされにくくなる

心理的安全性が低いと、従業員同士のコミュニケーションの希薄化し、業務に必要な情報が十分に共有されない恐れがあります。

情報共有やチーム間連携が十分に行われていないチームや組織では、業務効率が低下するほか、ミスやトラブルが発生しやすくなります。とくに部門間での連携が重要な業務では、情報共有の不足は大きな障害です。

また心理的安全性が低ければ、トラブルがあった際に後ろめたさから報告・連絡・相談が行われにくくなるため、認識に齟齬があったり、トラブル対応に遅延が生じたりする恐れもあるでしょう。

心理的安全性を測る7つのアンケート質問項目

企業や組織の心理的安全性を数値化したい場合、有名な7つの質問が有効とされています。

これは、心理的安全性の概念を提唱したハーバード大学ビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン教授による、心理的安全性の測定アンケートです。

7つの質問内容は次のとおりです。

  • 1.チーム内でミスを起こすと、批判されることが多いか
  • 2.チームのメンバー内で、困難な課題を提起できるか
  • 3.チームのメンバーは、異質な意見を受け入れない、拒絶することがあるか
  • 4.チームに対して、リスクが考えられるアクションを取っても安全か
  • 5.チームメンバーに対して、助けを求めにくいか
  • 6.チーム内にあなたの成果をわざと無下にするような行動をする人はいないか
  • 7.チームメンバーで仕事をする際、自分のスキルと才能が尊重され、役立っていると感じるか

これらの質問に対して「まったくそのとおり」から「まったくそのとおりではない」までの1から7の7段階評価でチェックをしてもらいます。

このアンケートは質問1・3・5がネガティブな内容、質問2・4・6・7がポジティブな内容とわかれているのが特徴です。そのため評価方法としては、質問1・3・5の点数がどれだけ低いか、質問2・4・6・7の点数がどれだけ高いかを指標として考えます。

回答と評価の関係性は次のように表せるため、参考にしてください。

  • 心理的安全性が高い:質問1・3・5の点数が低く、質問2・4・6・7の点数が高い従業員が多い
  • 心理的安全性が低い:質問1・3・5の点数が高く、質問2・4・6・7の点数が低い従業員が多い

アンケート以外で心理的安全性を測る方法

チェックシートにより数値化する以外では、心理的安全性を測る方法として、心理的安全性の高い・低い職場それぞれの特徴を理解し、これが自社に当てはまるか考える方法があります。

前述でも簡単に紹介していますが、それぞれの特徴をまとめ、より詳しく紹介するためどの程度当てはまるか考えましょう。

心理的安全性の高い会社・職場の特徴

心理的安全性の高い会社・職場の特徴としては、主に次の3つが考えられます。

  • ポジティブな発言・思考をする従業員が多い
  • 反対意見や新しく斬新な考え方が歓迎される
  • 自社が抱える課題に対し、全員が厳しい意見を交わせる

ポジティブな発言・思考をする従業員が多い

まず大きな特徴として、ポジティブな発言や思考をする従業員が多いことが考えられます。たとえばチーム内でなにか大きな失敗があった場合でも、原因となった人物を責めたり悲観的になったりするのではなく、どうすれば失敗を防げたか、これからどうすればいいか前向きに発言します。

反対意見や新しく斬新な考え方が歓迎される

1つの意見に対する反対意見や、今までなかったような新しい意見が否定されず、スムーズに受け入れられるのも特徴の1つです。もし自分の考え方とは反対の考え方や、自分の常識とは外れた考えが出たとしても、心理的安全性が高ければ、これを感情的にとらえることなく寛容に受け止められます。

自社が抱える課題に対し、全員が厳しい意見を交わせる

心理的安全性が高いことは、馴れ合いとは異なるため、自社が抱える課題に厳しい意見を発言できることも大切です。従業員が自社の課題を自分ごととして考え、本音をさらけ出して率直な意見を交わし合えます。

ただしこのときただ相手の欠点やミスを責めるのではなく、あくまで厳しい現状を明らかにしたうえで、今後どうすべきかを前向きに考えられる環境であるのが重要です。

心理的安全性の低い会社・職場の特徴

心理的安全性の低い会社・職場の特徴としては、主に次の2つが考えられます。

  • 環境の変化を好まない
  • コミュニケーションをあまり取らない

変化を好まない

心理的安全性が低いと大きな変化を好まない傾向にあります。前述したように心理的安全性が低いと失敗を恐れるようになり、新たな挑戦には挑まなくなるでしょう。結果何ごとにも穏便に、無難に、過去の事例と同じ流れで業務を行うようになります。

コミュニケーションをあまり取らない

心理的安全性が低い職場は、コミュニケーションをあまり取らないのも特徴の1つです。「こんなことも知らない・できないの?」と自分を否定される不安があるため、積極的な質問や相談を避けたがります。また相手からの提案に対する意見や質問も出にくい傾向があります。

心理的安全性を高める方法

もしアンケートの結果や職場の特徴から、心理的安全性が低かった場合には次のような方法で心理的安全性を高められます。

質問や相談、意見をしやすい職場環境をつくる

まずは誰でも質問や相談、意見を気軽にできるような職場の雰囲気・環境づくりを行います。次のような気軽に日常会話がしやすい空間づくりや、サポートツールの導入を行いましょう。日常会話のハードルが下がれば、会話の流れで質問や相談、意見交換などを行いやすくなります。

  • 社内SNS(社内だけで投稿やコメントなどができる)やチャットツールの導入
  • 居心地のいい休憩スペースやカフェスペースの設置
  • 交流会や親睦会の開催

またとくに意見交換はハードルが高いため、上司や組織の上層部から積極的に意見を話す機会の提供を行うのもおすすめです。たとえば1on1ミーティング・フィードバックの定期実施が挙げられます。

実際Googleでは半年に1回、部下からマネージャーに対して匿名でフィードバックを行っていると言われており、従業員が率直な意見を話しやすくしています。

賞賛や感謝を日常的に送り合える仕組みをつくる

従業員同士で賞賛や感謝を日常的に交わせれば、コミュニケーションの活性化や、従業員エンゲージメントの向上に期待できます。具体的には感謝のメッセージを送る「サンクスカード」や、「ピアボーナス®」の導入などが挙げられます。

ピアボーナス®とは、従業員同士で感謝の気持ちとともに、毎月付与されるポイントや少額のギフトなどを送り合う制度のことです。ピアボーナス®も原点はGoogleの制度と言われています。小さな行動でも成果を実感しやすく、相手にどういった貢献ができるか考えるようになるといった、好循環を生み出してくれます。

心理的安全性を計測できる専用ツール2選

心理的安全性を計測するには、専用のツールを使用する方法もあります。

SAFETY ZONE

SAFETY ZONE(セーフティゾーン)は、チームの心理的安全性を測るサーベイツールです。心理的安全性研究者である石井遼介氏が提唱する、4つの因子(話しやすさ・助け合い・朝鮮・新奇歓迎)のスコアを算出します。これによりチームや組織の心理的安全性を向上させる次の一手を講じられます。

またサーベイによって組織の現状を可視化することで、次のアクションを立案・提案しやすくなるほか、人事施策や人事異動の前後診断にも活用可能です。

心理的安全性評価アセスメント by Attuned

心理的安全性評価アセスメント by Attunedは、組織の心理的安全性をアセスメントによって定量的に測定できるサービスです。
サーベイの設問は合計42問で、スマートフォンからも回答でき、想定する回答時間は10分から15分程度です。回答はすぐに分析・スコア化されるため、リアルタイムで確認できます。

心理的安全性以外にも、従業員の内発的なモチベーションとエンゲージメントを測れる機能が搭載されており、人事戦略や1on1の改善など、さまざまな課題の解決に活用できます。

心理的安全性の確保に役立つツール6選

心理的安全性の確保には、前述したようにピアボーナス®やサンクスカードなど、コミュニケーションを活性化させる手段も有効です。心理的安全性の確保に役立つおすすめツールを紹介します。

※「ピアボーナス®」はUnipos株式会社の商標です。商標権者から使用許諾を得ています。

RECOG - 株式会社シンクスマイル

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RECOGは、感謝や賞賛のコミュニケーション促進によって、組織内の心理的安全性を高められるシステムです。RECOGでは、アプリ上でレターを送ることで、従業員の行動や成果を日常的に賞賛できます。すべてのデータが蓄積されて後から見返せるほか、組織の状態を分析して可視化する機能も搭載されているため、人事施策の立案にも活用できるでしょう。

Teampot - 株式会社エージェント

Teampotは、風通しのいい職場環境を構築して組織の壁をなくし、成長を継続できる企業をつくるためのエンプロイーサクセスツールです。今日がどのような1日だったのかを5つのテーマから選択して1日1回投稿し、投稿した内容は組織全体のタイムラインで共有されます。自分が組織のエンゲージメントに貢献しているかスコア化されフィードバックされるほか、スコア上位の従業員はランキング形式で表示されます。

TUNAG - 株式会社スタメン

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TUNAGは、従業員の業務DXや情報共有を加速させるアプリです。掲示板機能を使えば、役員から現場の従業員に至るまで、スムーズな情報共有が可能です。Web日報機能やサンクスカード機能も搭載されており、従業員から情報を発信できます。従業員がもつスマートフォンで簡単に使用でき、社内用のメールアドレスがなくても自由にIDを発行できるため、手間をかけずに導入できるでしょう。

THANKS GIFT - 株式会社Take Action

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THANKS GIFTは、感謝をきっかけに従業員同士のコミュニケーションを促進し、日々の貢献を称賛し合えるクラウドサービスです。従業員間で交換し合えるメッセージカード「サンクスカード」によって、組織やチームでのコミュニケーションを活性化できます。また、企業のミッションやビジョンを把握できるビジョンブック機能や、従業員の行動に理念を紐づけて評価できるオリジナル理念コインを活用すれば、企業の理念理解・浸透を促進できるでしょう。

GRATICAは、サンクスカードで従業員エンゲージメント向上を期待できるシステムです。従業員同士で日々の業務や貢献に対してサンクスカードを贈り合うことで、従業員同士のコミュニケーションを活性化できます。サンクスカードを贈り合い、感謝の気持ちを伝えることが習慣化されることで、相手を尊重し、敬意をもって接する文化の醸成につながります。

Talknote - Talknote株式会社

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BOXIL SaaSセクション | BOXIL SaaS AWARD 2024
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Talknoteは、組織力を最大化できるビジネス情報共有プラットフォームです。他の従業員に対する称賛を送り合う機能や、業務ノウハウや業務ナレッジを蓄積できる機能が搭載されています。さらに、個別・グループでのチャット形式でのメッセージ送信機能やスタンプ機能などを用いることで、従業員同士のコミュニケーションを活発化できるでしょう。

Unipos - Unipos株式会社

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BOXIL SaaS AWARD 2021 Autumn 人事・給与部門受賞
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Uniposは、ピアボーナス®を日本に広めたサービスであり、毎週ポイントが与えられメッセージとともに自身で設定したポイントを送り合えます。SlackやChatWork、Microsoft Teamsといったチャットツールと連携でき、ワンクリックで共感や賞賛もできるといった、感謝や賞賛を送り合う仕組みが充実しています。

また従業員の利用状況や会社の価値観・行動指針の浸透度合いを可視化できるといった、データの活用機能も豊富です。

Colla - 株式会社トラックレコード

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Collaは、Slackを使ってコミュニケーションを活性化し、チーム連携が強化できるサービスです。システムが定期的に質問やお題を投げかけ、これに対して従業員が回答し、システムが回答を集めて紹介します。

従業員同士が共通の話題を見つけて雑談につながるといった、カジュアルなやり取りをしやすくなるため、テレワークでのコミュニケーションにおすすめです。また感謝の気持ちや賞賛は、キャンディ(ポイント)を添えてメッセージで伝えられます。

心理的安全性のアンケート調査から始めよう

心理的安全性は、従業員の働きやすさやエンゲージメント、モチベーションに関わります。風通しがよく自由に発言できる企業であるほど、業績が向上しやすいデータもあることから、今後はさらに重視されるでしょう。

職場の心理的安全性を高めたい場合は、アンケート調査といった方法で現状の把握から始めるのがおすすめです。本記事を参考に、心理的安全性を高め、働きやすい職場環境を構築しましょう。

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