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売上台帳とは?ひな形付きで記載事項を解説

最終更新日:(記事の情報は現在から150日前のものです)
売上台帳とは、商品販売やサービス提供などの取引から発生した毎日の売上について記載した帳簿です。売上が発生した日付や取引先および取引内容や金額などを起票し、月ごとに集計したものを事業年度ごとにまとめて、7〜10年間の保存が必要です。本記事では、売上台帳の必要性や利用シーンの紹介と、保存期間や記載の仕方について解説します。記事の最後では、すぐに使える売上台帳のひな形がダウンロード可能です。

売上台帳とは

売上台帳とは、商品の販売やサービスの実施などの商取引によって発生する金銭のうち、売上のみを記載して月ごとに集計した帳簿です。売上台帳に記載する事項は、売上日付や取引先および発生要因や金額などがあり、月末にはその月の売上を集計します。このような売上台帳の作成方法は、個人事業主でも法人でもほとんど差異はありません。

確定申告もしくは決算報告では「収入を記載した帳簿」が必要であり、さらに青色申告や法人の決算報告では複式簿記による起票が必須です。しかし、複式簿記には複雑なルールがあるため、正確に起票するにはそれなりの企業会計の知識が必要です。

ただし、正確な財務諸表(貸借対照表、損益計算書)を作成しておけば、財政状態の自己分析や経営方針の策定が正確に行え、金融機関の融資審査など与信の評価にもよい影響があります。したがって、財務諸表の元となる売上台帳は正確に作成しなければなりません。

売上台帳はなぜ必要か

経営判断を正確に行うためには、売上の傾向やお金の流れを把握する必要があり、そのために次のような情報が帳票化されている必要があります。

  • 売上管理
  • 収益管理
  • 在庫管理
  • 与信管理

売上管理

毎日の売上内容(誰に何を何個いくらで販売したのか)が確認できるため、現在の売上傾向が把握しやすくなり、今後の売上予測や営業方針の策定などに役立ちます

収益管理

正確な売上台帳があれば、収益(利益)も簡単に把握できます。収益の把握は、設備投資や人的投資および株式配当や内部留保などに分配するために必要であり、適切な経営判断や成長戦略を実行するうえでも非常に重要な情報です。

在庫管理

売上金額や商材の種別および一定期間の商品数を分析すれば、どの商品がよく売れてどの商品の在庫が過多なのかが正確に把握できます。これにより、効率的な在庫管理や仕入予測が行えます。

与信管理

売上台帳を適切に整備すれば財務状況が正確に把握できるため、欠点や改善策が見つけやすくなります。また、企業の評価や与信調査がしやすくなるため、投資家や株主および銀行などからの信頼を得やすくなります。

売上台帳の保存期間

売上台帳の保管期間は、法人および個人事業主では法律で次のように定められています。

法人の保存期間

  • 会社法:10年
  • 法人税法:7年(ただし、下記の場合は10年)
  • 青色申告書を提出した事業年度で欠損金額が生じた場合
  • 青色申告書を提出しなかった事業年度で災害損失欠損金額が生じた場合

これらの条件を踏まえると、念のため帳簿類はすべて10年間は保管しておくと安心です。

個人の保存期間

個人事業主の場合、青色申告・白色申告を問わず売上台帳の保管期間は7年です。

売上台帳の書き方

売上台帳に公的な統一書式はないため、インターネットからフリーの書式をダウンロードしてパソコンで作成しても問題ありませんし、ノートなどに手書きで作成しても問題ありません。ただし、取引内容をあとから振り返られなければ帳簿の意味がないため、次の項目の記載が必要です。

  • 売上日
  • 取引先
  • 売上の内容
  • 金額

また、各月ごとのページ単体でも帳票の意味がわかる程度の情報量を基準に、タイトル(売上台帳)や帳票の年月、事業者名、その月の売上合計額を明記しておきましょう。

売上日

売上が発生した日を記載します。ただし、売上発生日の基準は業種によって異なるため、自分がどのルールで起票すべきかを経理担当者に確認しておきましょう。なお、売上日の基準は、契約締結や請書の交付など売上が発生した日を売上日とする「発生主義」と、実際に代金を受け取った日を売上日とする「現金主義」がありますが、前者の発生主義で起票するのが一般的です。

取引先

商品の販売やサービスの提供をした相手方の個人名や屋号もしくは商号で、原則として正式名称を記載します。なお、株式会社を(株)と簡略したり長い商号を短縮表記したりも問題ありませんが、取引先名は取引を特定するうえで重要な情報であるため、勘違いをできるだけ避けるためにも、省略せずに正式名称で記載するほうが望ましいです。

売上の内容

どのような取引内容で売上につながったのか、その売上の発生要因をわかりやすく簡潔に記載します。たとえば「株式会社AAAに◯◯を50個販売」や「株式会社BBBの給湯室の電気工事」など、具体的かつ簡潔を意識することが大切です。税務調査などがあり社外の第三者が見た場合でも、取引内容が分かるような表現が望ましいです。

金額

次の2点に注意して売上の金額を記載します。

  • 取引がなく売上が0円だった場合は、0円と記載する
  • 税込か税抜か、社内の統一ルールに沿って記載する

月末には当月の売上金額を集計し、最終行に合計額を記入しておきます。毎日の売上計上が誤っていれば月の売上や年間売上まで誤った金額で集計されるため、金額の誤記載は厳禁です。

売上台帳のひな形(テンプレート)

こちらに、売上台帳の作成で利用できるテンプレートを用意しました。これから売上台帳を作成する方はぜひご利用ください。

売上台帳のひな形(テンプレート) 売上台帳のひな形(テンプレート)

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