【企業向け】EAPサービスおすすめ比較14選!導入メリット・選び方
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EAPとは?
EAPとは「Employee Assistance Program」の略称で、従業員支援プログラムのことです。
もともとは、1960年代にアメリカで社会問題となったアルコール依存症対策として始まった取り組みからスタートしています。
現在では、メンタルヘルス支援からキャリア支援、コンプライアンスに関わることなど、予防対策や問題解決のためにさまざまなアプローチをする特徴があります。
また、EAPは組織と個人の両方がサポートの対象となり、仕事からプライベートまで幅広い領域が対象です。仕事の結果に影響を及ぼす可能性があるあらゆる分野に存在する問題について、解決のためのアプローチを行います。
内部EAPと外部EAPの違い
EAPには内部EAPと外部EAPがあり、どちらも従業員支援プログラムの主な実施形態です。
内部EAPは、企業内に専門のカウンセラーや相談員を常駐させる方式です。相談員が社内の事情や文化を熟知しているため、状況把握や自社のニーズに適したプランの作成や実施が簡単にできるメリットがあります。
しかし、人件費が常時発生するほか、相談員の不在時の対応が難しい点がデメリットです。また、社内の人物に相談することへの抵抗感から、従業員が相談をためらう恐れがあります。
外部EAPは、専門の第三者機関に相談窓口を委託する方式です。専門知識と豊富な経験をもつ外部機関による最適な提案が得られるほか、相談窓口が社外にあるため、従業員のプライバシーが保護され、安心して相談できるメリットがあります。コスト面でも、内部EAPに比べて一般的に安く抑えやすいといえます。
一方、外部機関は社内の詳細な事情を把握できないこともあるため、パーソナライズされたケアが難しい場合もあることがデメリットです。
EAPサービスを導入するメリット
EAPサービスを導入するメリットは次のとおりです。
- 生産性が向上する
- 離職率が低下する
- 企業イメージが向上する
- コストを削減できる
- 職場環境を改善できる
- 法令を遵守できる
メンタルヘルスの問題を抱える従業員を早期に発見して対応できるため、仕事の効率や質が改善されます。悩みを抱えた従業員のパフォーマンスの低下やミスを防ぐことで、組織全体の生産性向上を期待できるでしょう。
EAPの導入によってメンタルヘルスの不調による休職や退職を防ぐことで、人材の流出を抑制できます。導入企業に対するイメージ効果で社会的な評価が高まるため、優秀な人材の獲得や顧客からの信頼獲得につながるのもメリットです。
また、長期休職や労災などの発生を抑えられるほか、離職率が低下するため、関連するさまざまなコスト削減を期待できます。
さらに、EAPを通じて従業員の声を聞くことで、職場の問題点が明確になり、より良い職場環境づくりにつながるほか、労働安全衛生法で義務付けられているストレスチェックの対策をEAPを通じて効果的に実施できるでしょう。
このように、EAPの導入によって、企業はさまざまなメリットを享受できます。
EAPサービスのタイプ
EAPサービスの主な種類は次のとおりです。
- ストレスチェック・メンタルヘルス
- カウンセリング・相談窓口
- 研修・支援
ストレスチェック・メンタルヘルス
ストレスチェック・メンタルヘルスタイプは、従業員のメンタルヘルスケアに特化したプログラムを提供するサービスです。
サービスの特徴は次のとおりです。
- ストレスチェックの実施
- メンタルヘルス研修の実施
法令で義務付けられているストレスチェックを定期的に実施し、従業員のストレス状態を把握するほか、結果の分析やストレスが高い場合での面談勧奨を行います。
また、従業員のメンタルヘルスリテラシー向上を目的とした研修プログラムを実施したり、ストレスチェックの結果をもとに、職場のストレス要因を分析し、改善策を提案したりするサービスもあります。
ストレスチェックサービスは次の記事でも詳しく紹介しています。
カウンセリング・相談窓口
カウンセリング・相談窓口タイプは、従業員が抱えるさまざまな悩みや問題に対して、専門家によるサポートを提供する形式のサービスです。
サービスの特徴は次のとおりです。
- さまざまな相談方法に対応できる
- 専門家によるカウンセリングを受けられる
- 夜間や休日も対応できる
- ハラスメント事案にも対応できる
カウンセリングタイプや相談窓口タイプのサービスでは、電話やメール、チャット、対面など、さまざまな相談方法を選択できるため、気軽に利用できます。
メンタルヘルスだけではなく、キャリアや職場の人間関係、家庭問題、経済的な悩みなど、仕事とプライベートのどちらもカバーするのが特徴です。
公認心理師、臨床心理士、産業カウンセラーなど、専門的な知識と経験を持つスタッフによるカウンセリングを利用できるほか、夜間・休日に対応できるサービス、ハラスメント事案への対応や改善策を提案してくれるサービスもあります。
研修・支援
研修・支援タイプは、従業員の能力開発やメンタルヘルスリテラシーの向上を目的としたプログラムを提供するサービスです。
サービスの特徴は次のとおりです。
- さまざまな研修プログラムを提供している
- ニーズに合わせてカスタマイズできる
- 復職支援を受けられる
研修・支援タイプでは、メンタルヘルス、ストレスマネジメント、コミュニケーションスキル、リーダーシップなど、さまざまなテーマの研修を利用でき、従業員の心身の健康維持と職場環境の改善を期待できます。
企業ごとのニーズや課題に応じて、研修内容をカスタマイズできるサービスが多く、効果的な学習機会を提供できるのも特徴。対面研修に加えて、eラーニングやウェビナーなどのオンライン研修も利用でき、時間や場所の制約なく学習できます。
また、研修後のフォローアップや個別相談など、継続的なサポートを提供するサービスや、 管理職向けのメンタルヘルス研修や部下育成スキル向上プログラムといった、マネジメント層向けのサービスも提供されています。
他にも、メンタルヘルス不調で休職した従業員に対して、段階的な復職プランの作成や、フォローアップカウンセリングなどを実施し、スムーズな職場復帰をサポートするサービスもあります。
EAPサービスの選び方
EAPサービスには上述のような種類があるため、サービスの選び方が重要です。選び方のポイントは次のとおりです。
- カバーできる範囲はどこまでか
- 専門的なアドバイスやサービスが受けられるか
- 導入効果を測れるか
カバーできる範囲はどこまでか
EAPサービスの選び方のポイントの1つが、サービスがカバーできる範囲です。一般的なEAPサービスでは、メンタルヘルスケアを中心に、次の領域をカバーしています。
- ストレスチェックの実施と結果分析
- 心身の健康に関する相談
- キャリアや職場の人間関係に関する相談
- 家庭や経済的問題などのプライベートな相談
- メンタルヘルスやコミュニケーションスキルに関する研修
- ハラスメント対策(相談窓口設置、研修、事後対応など)
- 産業医との連携サポート
- 新入社員や復職者などへのサポート
他にも、身体の健康に関する相談や医療機関の紹介、海外赴任者向けの健康サポートなど、より広範囲のサービスを提供するEAPサービスもあります。
自社の課題や従業員のニーズに適したカバー範囲を持つEAPサービスを選択することが重要です。
専門的なアドバイスやサービスが受けられるか
EAPサービスの選び方のポイントとして、専門的なアドバイスやサービスが受けられるかを確認することも重要です。
EAPサービスには、専門家による次のようなサポートを提供しています。
- 公認心理師や臨床心理士によるメンタルヘルスカウンセリング
- 産業カウンセラーによる職場の人間関係や仕事の悩み相談
- 医師や看護師による健康相談
- キャリアコンサルタントによるキャリア相談
- 弁護士による法律相談
- ファイナンシャルプランナーによる金銭問題の相談
上記のような専門家が、従業員のさまざまな悩みや問題に対して、専門的な知識と経験に基づいたアドバイスを提供するほか、必要に応じて適切な外部機関や専門医療機関への紹介も行います。
専門家の資格や経験、対応可能な相談内容の範囲を確認し、従業員のニーズに合ったサービスを選択することが重要です。
導入効果を測れるか
EAPサービスの選び方において、導入効果を測れるかどうかは重要です。効果測定が可能なサービスを選択することで、次のようなメリットがあります。
- 投資対効果を把握できる
- 経営層へ報告できる
- 組織の課題を可視化できる
導入効果を測れるサービスを選択すれば、サービス導入前後での従業員の生産性や欠勤率の変化を数値化でき、投資に見合った効果があるかを確認できます。
また、具体的な数値やデータを用いて、EAPサービス導入の成果を経営層に報告できるほか、ストレスチェックの結果分析や相談内容の傾向を把握することで、組織全体の課題の明確化が可能です。
ストレスチェックの結果推移、相談窓口の利用率、従業員満足度調査などの効果測定ができ、分析サポートを行うEAPサービスを選択するといいでしょう。
EAPサービスおすすめ3選【広範囲】
法研の健康相談
法研の健康相談は、個人のケアから組織のコンサルティングまで、従業員の健康を幅広くサポートするEAPサービスです。予防的領域・発見領域・対応領域・安定化領域の領域について、質の高いサービスを提供しているのが特徴。
臨床心理士が組織の状態について企業担当者と話し合い、ニーズに応じてサービスを提案しながら、課題や悩みを解決するためのアドバイスをしてくれます。メンタルヘルスカウンセリングやハラスメント相談、ストレスチェック、休職予防、復職支援、フィジカルサポートなど、広い範囲に対応したEAPサービスです。
ティーペック
ティーペックは、従業員の日常の健康やメンタルヘルスサポートを行うEAPサービスです。心理カウンセラーや職場改善コンサルタントに加えて、医師や看護師などの専門家が対応しており、他のサービスにはないユニークで質の高いEAPサービスを提供しています。
従業員の健康・医療領域と企業の職場改善・健康経営領域のサポートを展開しており、日常の健康やメンタルヘルス、認知機能の予防・早期受診・治療、治療と仕事の両立や職場復帰、ストレスチェック、職場改善、ハラスメント、コンプライアンスなど、さまざまな分野のサポートサービスを利用できます。
M3PSP
M3PSPは、日本最大規模の医師ネットワークから提供する医療支援プログラムです。医療の専門家によるさまざまなサービスを利用できるのが特徴です。
看護師や助産師、保健師などが心身の不調に関する相談に無料で応えられるサービスや、治療方針に迷った際のマルチオピニオンサービス、医師が選ぶおすすめの医療機関を把握できるベストドクターセレクションサービス、気になる症状についてスマートフォンやパソコンから24時間365日医師に相談できるAskDoctorsなどを利用できます。
EAPサービスおすすめ5選【ストレスチェック・メンタルヘルス】
ストレスチェックサービス「ストレスチェッカー」 - 株式会社HRデータラボ
ストレスチェッカーは、日本最大級の利用実績を誇るEAPサービスです。厚生労働省のストレスチェック制度に準拠したストレスチェックサービスで、無料で利用できるプランやWeb代行プラン、紙プラン(マークシート方式)など、ニーズに応じたプランを選択できます。
すべてのプランに無料で集団分析レポートが提供されるため、利用しやすいサービスといえます。
HRBrain ストレスチェック - 株式会社HRBrain
HRBrain ストレスチェックは、ストレスチェック調査や関連業務を効率化できるツールです。ストレスチェックの進捗状況や面談指導者を可視化・管理、回答結果の自動集計ができるほか、従業員はストレスチェックにスマートフォンから回答でき、セルフチェックも可能です。
また、結果報告書の電子申請が可能なことに加えて、同社の別シリーズと組み合わせた幅広い活用ができるなど、労務DXに関するさまざまな機能が搭載されたツールです。
ソシキスイッチ ストレスチェック - 株式会社情報基盤開発
ソシキスイッチストレスチェックは、組織改善PDCAの推進を伴走してサポートするストレスチェックサービスです。ワークエンゲージメントや総合満足度、心理的安全性など、6大指標といわれる項目から組織状態の可視化ができるほか、サーベイ実施後には組織ごとの傾向や分析結果に関するフィードバックと今後の方向性についてアドバイスを受けられます。
企業にとって重要な指標を選択できたり、組織に必要なポイントを一覧で確認できたりするといった機能が搭載されています。
ORIZINは、職場の課題解決の手段としてストレスチェックを実施できるシステムです。ストレスチェックを実施した後に判明した課題に対して、相談窓口や研修、医師派遣などのサービスを利用できます。
基本料金内でストレスチェックの種類を選択できるほか、独自質問も設定できるため、ニーズや必要性に応じたストレスチェックが可能です。搭載された集団分析機能が充実しており、健康リスクや因子ごとの結果など、さまざまな角度から分析結果を利用可能。
ウィーメックス ストレスチェック - ウィーメックス株式会社
ウィーメックスストレスチェックは、ストレスチェックの手間を解消しつつ、メンタルヘルス対策を向上できるサービスです。企業側の管理画面上でストレスチェックの受検設定が可能なほか、労基署報告書を事業所別に編集・保存できたり、従業員からの問い合わせ窓口を開設できたりするなど、ストレスチェックの運用負担を軽減できます。
チェック後にはコメント付きの集団分析レポートが提供されるため、課題を発見しやすいのも特徴です。
EAPサービスおすすめ2選【カウンセリング・相談窓口】
マモリナは、コンプライアンスやハラスメント、メンタルヘルスについて相談できるホットラインを提供するEAPサービスです。中小企業のための通報・相談代行窓口で、電話での相談・通報のほか、24時間365日利用できるWeb窓口も利用できます。
さまざまな資格を持ったプロの相談員が対応するため、安心して利用できるでしょう。
アドバンテッジEAP
アドバンテッジEAPは、医師・臨床心理士が職場のメンタルヘルスケアをサポートするサービスです。担当カウンセラーが収集した情報を集約して継続的に対応するため、高いカウンセリング効果を期待できます。
また、独自の健康診断サービスの結果に応じて、対応が必要な方に対して医師が積極的にアプローチをするのも特徴。メンタルヘルス不調の早期発見・早期対応を促せます。
EAPサービスおすすめ4選【研修・支援・その他】
ねむりの応援団は、睡眠の改善で従業員億メンタルヘルス対策ができるサービスです。伴走型支援による睡眠の改善プログラムを提供しているのが特徴です。自宅の寝室に睡眠センサーを設置し、日々の睡眠を計測。パーソナルトレーナーが、計測データをもとに生活習慣や悩みに応じたアドバイスを提供して、睡眠改善をサポートします。
睡眠の質を向上させる情報をセミナーやショート動画、コラムなどで配信しているほか、LINEのチャット機能を使って、いつでも睡眠に関する相談ができます。
リモート産業保健は、企業の産業保健業務を委託できるサービスです。産業医の選任や訪問・オンラインでの面談、ストレスチェックなど、産業医と産業看護職の2名態勢で人事労務や産業保健業務の負担を軽減できるほか、従業員のメンタルケアにも対応できます。
産業保健業務に関連するサービスが低コストかつトータルパッケージで提供されています。
ウツ会議とは、体験カード型のメンタルヘルス研修サービスです。カードゲームによってサポート方法を疑似体験できるのが特徴。参加者全員で協力したり、話し合ったりしながら、適切なサポート方法を学べます。
メンタルヘルスに関する現状の把握やうつ・組織対処への理解を深められるでしょう。
Eパートナー
Eパートナーは、出張カウンセリングによって、メンタルヘルス不調の予防や職場復帰をサポートするサービスです。有資格者が契約企業の専業カウンセラーとして、出張カウンセリングを実施。企業文化を理解したうえで、従業員のメンタルヘルスをワンストップで対応します。
また、人事担当者向けのコンサルティングや各種研修、産業医スタッフとの連携など、ニーズに合わせた伴走型のサポートサービスを受けられます。
EAPサービスで心理的安全性の高い組織づくりを
個人や組織を守ったり、仕事への影響を抑えたりするためにも、EAPサービスの導入は企業の重要課題です。現在では、さまざまなEAPサービスが提供されているため、どのサービスがニーズに合っているのか、慎重に検討することをおすすめします。
本記事を参考に、実際に導入するサービスを検討してみてください。
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