健康経営の実現に向けたおすすめ福利厚生サービス9選

健康経営と福利厚生の違い

健康経営と福利厚生は、従業員の幸福と企業の成功を追求するうえでは重要なポイントですが、目的と手法は異なります。

健康経営とは、従業員の健康維持・増進を経営戦略の一環として位置づけ、企業の生産性向上と業績向上を目指す取り組みです。具体的には、従業員の健康状態を改善することで、病気による欠勤や生産性低下を防ぎ、企業全体のパフォーマンスを高めることを目的としています。

一方、福利厚生は従業員と家族の生活の質を向上させ、安心して働ける環境を整えることが目的です。なお、福利厚生には、健康保険や年金などの法定福利厚生と、企業が独自に提供する法定外福利厚生があります。福利厚生を充実させることで、従業員の満足度向上や人材確保・定着に寄与し、間接的に企業の業績向上につながります。

健康経営と福利厚生の関係性の変化

両者の共通点は、従業員の健康と幸福を重視し、それが企業の成長につながるといった考え方です。しかし、健康経営がより直接的に企業の生産性向上を目指すのに対し、福利厚生は従業員の生活全般をサポートする幅広いアプローチを取ります。

近年、両者の境界は曖昧になりつつあり、健康増進を目的とした福利厚生サービスが増えるなど、相互に影響し合っています。企業は両者のバランスを取りながら、従業員と企業双方にとって最適な施策を展開することが求められています。

健康経営に関するサービスは次の記事でも詳しく紹介しています。

健康経営に取り組むメリット

健康経営に取り組むメリットは次のとおりです。

• 生産性の向上
• 定着率の向上
• ブランドイメージ向上

生産性の向上

健康経営に取り組むことで、企業は従業員の生産性向上が期待できます。従業員が健康になれば、病気による欠勤や遅刻が減少し、業務に集中できる時間が増加するためです。

また、メンタルヘルスケアの充実により、ストレスによるパフォーマンス低下も防げるほか、適切な運動習慣や食生活の改善によって、従業員の体力と集中力を向上させ、創造性や問題解決能力の向上にもつながります。

たとえば、オフィスでのストレッチタイムの導入や、健康的な社員食堂の設置などの取り組みは、従業員の健康意識を高め、結果として生産性の向上に寄与します。

定着率の向上

従業員の定着率が向上する点も、健康経営のメリットです。従業員の健康と幸福を重視する企業文化は、従業員の帰属意識と満足度を高めます。

健康診断の充実やメンタルヘルスケアの提供といった従業員の健康を支援する取り組みは、会社への信頼感を醸成し、長期的な勤務意欲を促進します。

また、健康経営の取り組みを通じて、従業員同士のコミュニケーションが活性化したり、チームワークが向上したりすることで、働きやすい職場環境が形成され、人材の流出を防止する効果が期待できます。

ブランドイメージ向上

企業のブランドイメージを向上させる効果が期待できる点も健康経営に取り組むメリットです。従業員の健康と幸福を重視する企業姿勢は、社会的責任を果たす企業として高く評価される傾向があります。

就職活動中の学生や転職希望者にとっては、健康経営に積極的な企業は魅力的な就職先となるため、優秀な人材の獲得につながります。健康経営の取り組みをメディアや自社のウェブサイトで積極的に発信することで、企業の社会貢献度や先進性をアピールできるでしょう。

健康経営によって、企業価値の向上や投資家からの評価向上にもつながり、長期的な企業成長の基盤となります。

健康経営につながる福利厚生サービスの種類

健康経営につながる福利厚生サービスの種類は、主に次のとおりです。

• メンタルヘルスケア・医療支援
• 運動・睡眠支援
• 食事・栄養支援

メンタルヘルスケア・医療支援

健康経営につながる福利厚生サービスとして、メンタルヘルスケアや医療支援があります。

従業員のメンタルヘルスケアを支援するEAPサービスを導入すれば、定期的なストレスチェックの実施やカウンセリングサービスを利用でき、ストレス管理や心の健康維持に効果的です。

また、オンライン診療を提供しているサービスもあり、従業員が気軽に医療相談できる環境を整えられます。人間ドックや各種健康診断の費用補助によって、疾病の早期発見・予防も可能です。

運動・睡眠支援

運動支援の福利厚生サービスは、フィットネスジムの法人契約や利用料補助、ウェアラブルデバイスを活用した歩数計測や運動量管理などです。

睡眠支援については、睡眠セミナーの開催や睡眠トラッキングアプリの提供、仮眠スペースの設置、パワーナップ（昼寝）の推奨などがあります。

従業員の活動量を増やし、質の高い睡眠を促進することで、心身の健康維持と業務効率の向上を実現可能です。

食事・栄養支援

健康経営につながる福利厚生サービスには、食事や栄養支援を行うタイプがあります。たとえば、栄養士による個別相談や食生活改善セミナーの開催、健康的な食品や飲料を提供する自動販売機の設置などが提供されています。

さらに、在宅勤務の増加に伴い、食事宅配サービスの利用補助や、オンラインでの料理教室の開催といったサービスも登場しています。

従業員の食生活への意識を高めて、適切な栄養摂取を支援することで、長期的な健康維持と疾病予防につながり、従業員の健康と企業の生産性向上の両立に貢献可能です。

メンタルヘルス・医療支援ができる福利厚生サービスおすすめ1選

ストレスチェッカーは、日本における利用実績が豊富なストレスチェックサービスです。厚生労働省のストレスチェック制度に準拠したストレスチェックが可能で、チェック後の集団分析レポートが提供されます。

無料で利用可能なプランから、有料にてWebや紙でのチェックができるプランなど、ニーズに応じた幅広いプランを提供しているのが特徴です。

運動・睡眠支援ができる福利厚生サービスおすすめ4選

ねむりの応援団は、睡眠の改善によりメンタルヘルスをサポートできるサービスです。自宅の寝室に睡眠センサーを設置して日々の睡眠を計測し、データをもとに生活習慣や悩みに対するアドバイスを提供しながら、睡眠改善をサポートしてくれます。

LINEを使って睡眠に関する相談ができるほか、睡眠の質を挙げるためのコンテンツを多数配信しているなど、睡眠改善に特化した点が特徴です。

KIWI GO

KIWI GOは、社員同士の交流と行動科学によって、個人の意思に頼らずに運動を習慣化できるサービスです。歩数によってコインが貯まる仕組みで、ゲーム感覚で運動を楽しく継続できます。

社内でチームを作ってウォーキングイベントを開催して運動を促進できるほか、アプリが自動的に同じ趣味の仲間が集まって交流できる点も特徴です。

chocoZAPステーション

chocoZAPステーションは、人的資本経営を後押しする福利厚生サービスです。chocoZAPをはじめとする8つのブランドサービスを仕事帰りやアポイントの隙間時間などに利用できます。

運動以外にもセルフエステや脱毛、ネイルなども利用可能で、運動以外の目的で施設を訪れ、ついでに運動できる機会が増加するため、従業員の健康増進をサポートします。

オフィスdeリラックスは、企業専用の出張リラクゼーションサービスです。プロの施術師が企業の職場へ定期的に出張訪問して、従業員に施術するのが特徴です。心身の疲れやストレスの軽減・解消に効果が期待できます。

短時間で心身のメンテナンスケアの習慣化を促進できるため、従業員の健康維持や促進のきっかけづくりとしても利用できます。

食事・栄養支援ができる福利厚生サービスおすすめ4選

OFFICE DE YASAIは、オフィスでいつでも健康的な食事ができる福利厚生サービスです。レンタルの冷蔵庫に新鮮なサラダやフルーツ、無添加や国内食材にこだわった総菜などの健康的な食事が届けられます。

1つ100円から購入できるため、従業員の満足度を向上させながら、食からの健康改善を促進できます。

社食DELIは、さまざまなお弁当を社内や指定場所で販売する弁当専用の社員食堂サービスです。バリエーション豊かなメニューが用意されており、日替わりで飽きずに利用できます。

販売スタイルはスペースや環境に応じて運用できるため、ニーズや状況に合わせた利用が可能です。導入実績も豊富なため、安心して利用できるでしょう。

KIRIN naturalsは、従業員のヘルスリテラシーやエンゲージメント向上につながるサービスを提供する福利厚生サービスです。野菜不足を補えるスムージーやプラズマ乳酸菌入り飲料といった、健康関連のKIRIN商品を手軽に購入できるウェルネススタンドを利用できます。

また、健康施策の動画コンテンツや、食事・運動・睡眠・飲酒などの生活習慣改善につながる健康プログラムも提供されており、従業員の健康増進をサポート可能です。

オフィスおかんは、健康的な総菜をいつでも食べられる社食サービスです。1つ100円から購入できる総菜は、主食・主菜・副菜をカバーしています。管理栄養士が監修しているメニューによって、日常生活で不足しやすい魚や野菜などを食べる機会を提供できます。

総菜は冷蔵で届けられるため、レンジでの温め時間も短く、そのまま食べられる総菜もあります。忙しい方への欠食防止にも効果的です。

健康経営実現に向けて福利厚生サービスを導入する際の注意点

健康経営を実現するために福利厚生サービスを導入する場合は、次の点に注意しましょう。

• 健康状態を把握する
• 長期的なスパンで行う
• 導入効果を検証する

健康状態を把握する

健康経営を実現するための福利厚生サービスを導入する場合は、従業員の健康状態を把握することが重要です。

定期健康診断の結果やストレスチェックのデータを活用し、組織全体の健康課題を明確にしましょう。また、従業員アンケートを実施して、個々の健康に関する悩みや要望を収集することも効果的です。

これらのデータを分析することで、どのような福利厚生サービスが必要かが明確になります。メンタルヘルスの問題が多い場合はカウンセリングサービスの導入、生活習慣病のリスクが高い場合は運動促進プログラムの実施を検討するなど、的確なサービス選択が可能になるでしょう。

長期的なスパンで行う

健康経営に向けた福利厚生サービスの導入では、長期的な視点での取り組みが大切です。従業員の健康状態や生活習慣の改善には時間がかかります。

最低でも3年から5年程度の期間を設定し、継続的に取り組む必要があります。また、定期的に効果測定を行い、必要に応じてサービス内容を見直すことも大切です。

さらに、健康経営の効果が企業の業績にも反映されるまでには一定の時間を要するため、経営層の理解と支援を得ながら、粘り強く継続することが成功の鍵となります。

導入効果を検証する

健康経営に関連する福利厚生サービスを導入した後は、効果検証が重要です。たとえば、次のような点を可能な限り定量的に測定しましょう。

• 医療費コストが削減できたか
• 従業員の生産性や業務効率が向上したか
• 企業イメージの向上がみられたか
• 福利厚生の利用率や満足度が向上したか

そのためには、サービス導入前に達成したい目標を決めておくことも大切です。導入効果が得られていなければ、あらためて組織のニーズを調査して、別のサービス導入や施策を検討する必要があります。

健康経営につながる福利厚生を導入しよう

健康経営への注目度は高まっており、従業員の健康維持や増進をサポートするサービスも増加しています。健康増進につながれば、従業員も安定して仕事に取り組めるようになり、生産性や業績の向上も期待しやすくなるでしょう。

本記事を参考に、健康経営につながる福利厚生サービスの導入を検討してみましょう。