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テクニカルサポートとは?役立つスキルや資格・やりがい

最終更新日:(記事の情報は現在から68日前のものです)
テクニカルサポートとは、IT製品やサービスの技術的な問い合わせに対応する人や部門の総称です。テクニカルサポートとはどのようなものか、仕事内容や求められる能力と資格などについて詳しく紹介します。

テクニカルサポートとは?

テクニカルサポートとは、IT製品やWebサービスなどの技術的な問い合わせに対して、電話やメール、チャットなどで回答を行う人や部門の総称です。

提供する製品やサービスに関するユーザーの疑問に的確に回答しなければならないため、製品やサービスの幅広い知識が要求されます。顧客の問い合わせ内容から発生している問題を理解し、遠隔で顧客の問題を解決する必要があるため、高いレベルの理解力や問題解決能力が求められる仕事です。

テクニカルサポートとヘルプデスクの違い

テクニカルサポートとヘルプデスクの違いは主に次の2点です。

  • 対応する顧客の質問内容の範囲
  • 顧客の問い合わせに回答するために専門的な技術知識を必要とするかどうか

一般的に、ヘルプデスクは顧客からのすべての問い合わせについて一次対応します。製品の使い方や、簡単な疑問・不具合であればヘルプデスクで回答可能な場合も多いでしょう。一方で、テクニカルサポートはヘルプデスクで解決困難な、高度なサービス知識や技術知識を要する問い合わせに対応します。

このように、テクニカルサポートはヘルプデスクと比較して、対応範囲や求められる知識が異なると覚えておきましょう。

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テクニカルサポートの仕事内容

テクニカルサポートの仕事内容は、顧客の技術的な支援がメインです。

製品やサービスを利用する顧客の疑問や不具合の解消をすることもあれば、顧客がサービスで実現したい内容を技術的な面で支援する場合もあるでしょう。また、電話やメール、チャットでの対応が難しい場合には、テクニカルサポートが客先へ出向いて問題解決をサポートする場合もあります。

単純に顧客のトラブルを解決するだけではなく、顧客の望む未来を技術的な支援により実現することがテクニカルサポートの仕事だと考えましょう。

テクニカルサポートに役立つスキル

テクニカルサポートに役立つスキルは次の4つです。

  • 問題解決能力
  • コミュニケーション能力
  • 電話やメールでの対応力
  • クレーム対応力

それぞれのスキルがテクニカルサポートの業務を行ううえでどのように役立つか、詳しく解説します。

問題解決能力

テクニカルサポートを行ううえで、最も重要なスキルの1つといえるものが問題解決能力です。なぜなら、テクニカルサポートの業務内容で最も多いのが、サービス利用中の顧客の問題を解決することだからです。

テクニカルサポートでは、ヘルプデスクが受けた顧客からのトラブル対応を引き継ぎ、技術的な知識や経験を活かし問題を解決します。顧客が抱えているトラブルを解決できなければテクニカルサポートとして活躍できないため、問題解決能力はテクニカルサポートがまず身に付けるべきスキルの1つといえるでしょう。

コミュニケーション能力

テクニカルサポートが問題解決をするうえで、コミュニケーション能力も重要です。顧客の問題を正しく理解し、解決方法を顧客にわかりやすく伝えられなければ、テクニカルサポートの重要な課題である顧客の問題解決をできないためです。

コミュニケーション能力がなければ顧客にどのような問題が発生して何に困っているかを理解できず、問題を解決に導けません。また、顧客の問題が理解できた場合でも、専門的な内容を顧客にもわかる平易な言葉を選んで伝えられなければ、顧客が自身で問題箇所を修正できません。

このように、コミュニケーション能力がないだけでテクニカルサポートとしての役割を果たせなくなってしまうため、コミュニケーション能力もテクニカルサポートにとって重要な能力です。

電話やメールでの対応力

テクニカルサポートには電話やメールでの対応力も求められます。

テクニカルサポートが顧客とコミュニケーションを取るツールは主に電話・メール・チャットです。これらのツールは対面で会話をする場合とは伝えられる情報量が異なり、コミュニケーションエラーの発生しやすいツールです。

とくにメールやチャットの場合、画面に表示される文字だけで相手の状況を理解し、こちらの意図することを伝えなければならないため、電話や対面で会話をするよりもコミュニケーションが難しいといえるでしょう。

そのため、テクニカルサポートで活用するメインツールである電話・メール・チャットなどでの対応力が高いことも、優れたテクニカルサポートとして活躍するためには必要な能力です。

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クレーム対応能力

クレーム対応能力がある人は、テクニカルサポートに向いています。

テクニカルサポートへ問い合わせを行う人は、製品やサービスを利用中に技術的なトラブルが発生した人です。トラブルが発生した場合の問い合わせはクレームとして行われることも多く、必然的にテクニカルサポートはクレーム対応が必要になる場面が多いです。

トラブルにより業務に支障が出ている顧客からは温度感の高いクレームを受けることも多いため、そのような場合にも冷静に忍耐強く対応する能力が必要になります。

テクニカルサポートが取得すべき資格

テクニカルサポートが取得すべき資格は多く、次のようなものが挙げられます。

  • ITパスポート
  • Microsoft 認定資格
  • 基本情報技術者
  • ITILファンデーション認定資格

それぞれの資格について、詳しく確認します。

ITパスポート

ITパスポートは、現在は廃止された「初級システムアドミニストレータ」の後継資格といわれるもので、IT関係の入門資格として選ばれることが多いです。国家資格ではあるものの取得難易度は高くないため、これからIT系の資格を取得していこうと考える人が最初に取得する資格として向いています。

ITパスポートを取得する過程でITに関する基本的な知識が身につくことから、テクニカルサポートとしての活躍を目指す人が、最低限の知識を習得するためにITパスポートを取得することは有効な手段です。

Microsoft 認定資格

多くの企業ではMicrosoft社の製品を利用しています。文書作成ソフトのWordや表計算ソフトのExcelが代表的なものです。

これらのMicrosoft製品を使いこなせない人がテクニカルサポートとして活躍することは難しいため、Microsoftの製品を使い慣れていない人は、Microsoft認定資格の取得を検討しましょう。

Microsoftの認定資格は多くあり、それぞれが「Fundamental」「Associate」「Expert」に分類されています。初級者レベルの「Fundamental」から中上級者レベルの「Associate」「Expert」まで用意されているため、自身の必要とする資格や能力に見合う資格を取得しましょう。

基本情報技術者

基本情報技術者は、ITエンジニアやテクニカルサポートを目指す人の登竜門的な資格で、IT関連の企業で本格的に働くことを目指す人が取得する資格です。

ITパスポートを運営しているIPA(情報処理推進機構)が運営する資格で、ITパスポート基本情報技術者もIT系の資格として非常に有名です。基本情報技術者は有名な資格だからテクニカルサポートとして求職時にも役立つうえに、資格取得の過程で、IT知識だけではなくビジネスパーソンとして必要な知識を身に付けられるメリットもあります。

ITILファンデーション認定資格

ITILファンデーションの認定資格も、人気の高いIT系の資格です。ITIL(アイティル)とは「Infomation Technology Infrastrcuture Library」の頭文字を取ったもので、イギリスの政府機関がITサービスの成功事例をまとめたものを指します。試験のグレードは5つにわかれており、ファンデーションは最も基礎的な資格です。

ITILを取得する過程で多くのITサービスマネジメントの成功事例について理解でき、テクニカルサポートとしての業務品質向上を目指せるでしょう。また、サービス運用に根拠をもって対応できることから、社内外に自信をもって説得力のある説明ができるようになります。

テクニカルサポートのやりがい

テクニカルサポートのやりがいには次のようなものがあります。

  • 顧客に直接感謝してもらえる
  • 問題解決能力が向上する
  • 常に最新のIT技術に触れられる

顧客に直接感謝してもらえる

テクニカルサポートでは、顧客に直接感謝の言葉がもらえることがやりがいです。

テクニカルサポートに連絡をしてくる顧客は、製品やサービス利用に対してトラブルや課題を抱えている状況です。そのような状況下で、顧客のトラブルや課題を解決することで直接感謝の言葉を伝えてもらえるシーンも多いでしょう。

顧客に直接感謝の言葉をもらえることは、テクニカルサポートだからこそ感じられるやりがいといえます。人のサポートをすることにやりがいを感じる人や、直接感謝の言葉を伝えてもらえると大きな喜びを感じられる人にテクニカルサポートは向いています。

問題解決能力が向上する

テクニカルサポートの業務を行っていると、問題解決能力が向上する可能性が非常に高く、自身の問題解決能力が向上することが嬉しい人にとっては大きなやりがいになるでしょう。

テクニカルサポートに寄せられる問い合わせは幅広いです。顧客の利用している製品やサービス、利用中のシチュエーションなどが異なるため、問題発生のパターンも異なって問い合わせの対応範囲も広がります。顧客によって異なる問題に対して丁寧にヒアリングを行い、それぞれの顧客に合わせた解決策を提示する必要があるため、テクニカルサポートの問題解決能力は必然的に向上するでしょう。

問題解決能力はテクニカルサポート以外のシーンでも大きな武器となるため、自身のスキルアップが嬉しい人にとってやりがいを感じられます。

常に最新のIT技術に触れられる

テクニカルサポートは常に最新のIT技術に触れられる点も、やりがいの一つです。

IT技術は日々進化し、常に知識をアップデートしなければなりません。テクニカルサポート以外の業務担当者は日々の業務に追われ、知識のアップデートのための時間を確保できないことも多く、知識が陳腐化しているケースも多いでしょう。

一方、テクニカルサポートは顧客の課題を解決するために常に最新の知識を身に付けていなければならず、顧客対応業務の中で知識をアップデートしていく必要もあります。最新知識を身に付けている人材として活躍できるため、キャリアアップの見通しは明るく、将来性がある点にテクニカルサポートとしてのやりがいを感じられるでしょう。

テクニカルサポートのきついポイント

テクニカルサポートのきついポイントとしては次のようなものが考えられます。テクニカルサポートのネガティブな面についてもそれぞれ解説します。

  • クレーム対応をしなければならない
  • 知識のアップデートが常に必要
  • 緊急対応時のプレッシャーが強い

クレーム対応をしなければならない

テクニカルサポート問い合わせを行う顧客は製品やサービスの利用にトラブルや不便を抱えています。トラブルが発生して業務に滞りが出ているような場合は問い合わせの温度感が高いことも多く、クレームに対してテクニカルサポートが対応しなければならないケースもあるでしょう。

クレーム対応は難易度が高い業務の1つで、精神的にプレッシャーもかかるため、テクニカルサポートのきつい面として知られています。

知識のアップデートが常に必要

知識のアップデートが必要な点は、テクニカルサポートのやりがいでもあり大変な面でもあります。

さまざまな顧客のトラブルや課題に対して適切な解決策を提示するためには、十分な知識をもっていなければなりません。ITの技術や知識は日々新しいものが出てくるため、技術や知識が陳腐化しやすく、陳腐化した知識では最新技術によって業務課題を改善したい顧客の要望に応えられないからです。

このように知識を常に新しいものにアップデートしなければならないため、テクニカルサポートの業務に対してきついと感じてしまうこともあるでしょう。

緊急対応時のプレッシャーが強い

テクニカルサポートでは緊急対応を求められる場合もあります。緊急対応のプレッシャーは非常に強く、きついと感じる場合もあるでしょう。

たとえば、全国に店舗を展開する顧客のネットワークにエラーが生じたシーンで、テクニカルサポートが果たすべき役割について考えます。全国展開している顧客の業務がネットワークエラーで止まってしまった場合、テクニカルサポートにはネットワークの即時回復が求められます。なぜなら顧客の業務が止まっている間、顧客の売り上げが停止して大きな損害になるからです。

一刻を争う状況において、技術的な知識を駆使してトラブルの原因を突き止めトラブルを解決することは、テクニカルサポートの業務の中でも非常に難易度が高くプレッシャーも大きいです。このような対応を経験した際に、テクニカルサポートはきついと感じる人は多いでしょう。

テクニカルサポートのキャリアパス

テクニカルサポートのキャリアパスには次のようなものがあります。各キャリアパスについて詳細を確認します。

  • ヘルプデスクのサポート担当
  • ネットワークやサーバーのエンジニア
  • システムやアプリ開発エンジニア
  • 社内SE
  • ITコンサルタント
  • マネジメント職

ヘルプデスクのサポート担当

テクニカルサポートとヘルプデスクは異なるものですが、この2つの職種を区別していない企業もあります。そのため、テクニカルサポートで経験を積んだ人がそのままヘルプデスクとして業務を行うことも十分可能です。

より詳しい技術的な知識をもつ人がヘルプデスクとして一次対応を行うことで、迅速な顧客課題の解決につながり顧客満足度が向上することが考えられます。顧客満足度が高まれば継続的な売り上げや解約率の低下に貢献できるため、テクニカルサポートからヘルプデスクにジョブチェンジした人は評価はされやすいと考えられるでしょう。

ネットワークやサーバーのエンジニア

テクニカルサポートで培った知識や経験をもとに、ネットワークやサーバーのエンジニアにジョブチェンジも可能です。ネットワークやサーバーのエンジニアとは、ネットワークにおいて設計・構築・運用・保守を行うエンジニアで、社会インフラを支える重要な役割を果たしています。

ネットワーク業務に関するテクニカルサポートを経験している人であれば、ネットワークの運用中に発生した問題に対して有効な解決策を多く知っているため、エンジニアになってからも活躍しやすいでしょう。

システムやアプリ開発エンジニア

システムやアプリのテクニカルサポートを行っていた人がそのままエンジニアになることも考えられます。

多くの顧客の要望を聞いてきた経験のあるテクニカルサポート出身者は、顧客が求めているシステムや機能を熟知しています。その知識を活かしてシステムやアプリの開発・改善に取り組むことで、顧客が求めているサービスの開発が行えるでしょう。

顧客の要望に対する知識は十分でも、エンジニアとしての現場経験がなく技術が身に付いていない場合も多いと考えられるため、十分なスキル開発をしてからジョブチェンジを目指しましょう。

社内SE

対応先が顧客から社内に変われば、テクニカルサポートは社内SEとしても活躍できます。

製品やサービスを利用する顧客からの問い合わせに対応していたテクニカルサポート人材が、社内の人から受けるシステムやネットワークの問い合わせに対応できるようになれば、社内SEにジョブチェンジができます。

テクニカルサポートで磨いた問題解決能力を駆使して、自社の経営課題をIT技術を用いて解決することで、社内SEとしても大きな活躍ができるでしょう。

ITコンサルタント

テクニカルサポートのIT知識やスキル・問題解決能力・コミュニケーション能力があれば、ITコンサルタントとしても活躍が見込めます。

ITコンサルタントの業務を簡単に説明すると、ITの知識やスキルで企業の課題を解決する仕事です。つまり、テクニカルサポートで行っていた自社サービスを用いて顧客課題を解決することとよく似ています。

手段が提供しているサービスだけではなく、より幅広い選択肢になるだけで、本質的な業務内容には大きな違いがありません。よって、テクニカルサポートで大きな活躍をしていた人は、ITコンサルタントとしても大きな活躍をしやすい人材だといえるでしょう。

マネジメント職

テクニカルサポートとして現場で活躍を積み重ねて、そのままマネジメント職を目指す場合もあるでしょう。

テクニカルサポートで培った相手の話を正しく理解するまでヒアリングし、相手のレベルに合わせた言葉で課題解決に導く力はマネージャーとしても重要なものです。テクニカルサポートで顧客に寄り添えていた人材は、マネージャーとなっても部下に寄り添えるよいマネージャーになれるでしょう。

ジョブチェンジをするのではなくテクニカルサポートとして十分な経験を積み、マネージャーへの昇進を目指すことも、テクニカルサポートのキャリアパスとしては優れた選択肢です。

優れたテクニカルサポートで顧客満足度を高めよう

テクニカルサポートとは、顧客のトラブルや課題に関する問い合わせに対して、技術的な知識や経験を駆使して対応する人材や部門のことです。

さまざまなスキルが身に付き、多くの資格を活かせる職種として人気の高いものです。

顧客のクレーム対応や緊急対応などがきついといわれる一方で、問題解決能力を高められたり顧客から直接感謝の言葉を伝えてもらえたりするなどのメリットもあります。

テクニカルサポートの対応が優れていれば、顧客満足度が向上し売り上げの向上や解約率の低下が目指せるため、テクニカルサポートは企業が存続するために非常に重要なポジションです。

ぜひこの記事を参考に優れたテクニカルサポートを目指し、その後のキャリアアップにもつなげましょう。

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