大企業向け給与計算アウトソーシングおすすめ6選 必須要件と比較ポイント

最終更新日 :

Success icon
URLをコピーしました

複雑な給与体系やグループ会社運用、内部統制への対応が不可欠な大企業の給与計算 。本記事では大企業向けおすすめサービス6選を比較解説します。属人化防止や監査対応の強化、リスク管理と業務品質を両立し、バックオフィスを安定運用するためのガイドとして、導入メリットに加え 、システム連携や証跡管理などの必須要件を解説していきます。

給与計算アウトソーシングには多くの種類があり「どれを選べばいいか」迷いますよね。後から知ったサービスの方が適していることもよくあります。導入の失敗を避けるためにも、まずは各サービスの資料をBOXILでまとめて用意しましょう。
【料金・機能比較表つき】給与計算アウトソーシングの資料をダウンロードする(無料)

給与計算アウトソーシングの比較表とサービス資料

\ 稟議や社内提案にも使える!/

目次

【比較表】大企業向け給与計算アウトソーシングおすすめ6選

大企業に適した給与計算アウトソーシングサービスのうち、おすすめできる6サービスをまとめました。このあとアウトソーシングで依頼できる範囲や必須要件、比較ポイントを解説していきますが、まずはどのようなベンダーがいるのかを把握しておきましょう。

※「ー」は要問い合わせ

給与計算アウトソーシングとは

給与計算アウトソーシングとは、毎月の給与・賞与計算を中心とした給与業務を、専門の外部事業者に委託することを指します。単に計算作業を代行するだけでなく、年末調整や住民税、社会保険対応、関連データの作成まで含めて任せられるケースもあります。内製や給与ソフト導入と異なり、業務そのものの実行を外部に移す点が特徴です。

アウトソーシングできる業務範囲

給与計算アウトソーシングでは、毎月の給与・賞与計算だけでなく、年末調整、住民税の更新、社会保険料の算定・改定、退職金計算、給与明細データや仕訳データの作成まで委託できるケースが一般的です。

大企業向け給与計算アウトソーシングへ依頼できる業務
・給与、賞与計算
・Web給与明細の作成
・住民税、社会保険の手続き
・年末調整業務
・勤怠集計
・従業員問い合わせへの対応 など

大企業向けサービスでは、交替制勤務や複雑な手当、グループ会社・複数拠点を前提とした運用にも対応します。どこまで任せられるかはベンダーごとに異なるため、成果物の範囲を事前に確認することが重要です。

内製/ソフト導入/外注の違い

社内での給与計算は柔軟に対応できる一方、属人化や人員確保、引き継ぎリスクを抱えやすい点が課題です。給与ソフトの導入は計算の自動化に有効ですが、例外処理や繁忙期対応、最終確認は社内に残ります。

一方、アウトソーシングは計算業務そのものを外部に委ねるため、ミス防止や繁忙期の負荷軽減、内部統制の強化につながります。大企業では、作業を減らすのではなく業務の持ち方を変える選択肢としても外注が検討されています。

大企業でもアウトソーシングが選択肢になる理由

従業員数や拠点が多い大企業では、給与計算の例外処理や確認作業が積み重なり、作業が特定の担当者に依存しがちです。さらに、監査対応や人事異動、制度改定への対応など、正確性だけでなく説明責任も求められます。

こうした背景から、給与計算を専門体制に任せ、支給の安定性と統制を確保する動きが進んでいます。アウトソーシングはコスト削減ではなく、リスク管理と業務品質を維持するための選択肢として位置づけられます。

給与計算アウトソーシングの費用相場

給与計算アウトソーシング各社のうち、金額を公開しているベンダーは多くありません。大企業向けサービスはほぼ金額を公開しておらず、確実な見積もりには問い合わせが必要です。

中でも金額を公開している企業の初期費用と月額費用を調査したところ、初期費用は最安で0円から、月額費用は2〜5万円前後が相場でした。いずれも従業員数や委託範囲、オプションによって上下するため問い合わせが確実です。

大企業が給与計算アウトソーシングを利用するメリット

大企業が給与計算をアウトソースするメリット

給与計算アウトソーシングを活用することで、大企業では業務の属人化を抑え、繁忙期を含めた安定運用を実現しやすくなります。加えて、監査対応や業務改善に必要な土台を整えられる点も大きな利点です。

属人化を防ぎ、ミスを構造的に防げる

給与計算は特定の担当者に業務が集中しがちです。その結果、担当者の異動や退職がリスクとなり、確認漏れや判断ミスが起きやすくなります。

給与計算のアウトソーシングサービスでは、業務フローや判断基準を整理したうえで複数人・複数工程で処理する体制が組まれるため、個人の経験に依存しない運用が可能です。人が替わっても品質が落ちにくい点が、大企業にとって大きなメリットです。

繁忙期でも人員確保と品質を両立できる

賞与支給月や年末調整、制度改定が重なる時期は、社内要員だけで対応すると残業や確認作業が集中し、ミスの温床になりがちです。アウトソーシングでは、こうしたピークを前提に人員配置やチェック体制が設計されており、繁忙期でも一定の品質を保った処理が可能です。

毎年の繁忙期対応を場当たり的に乗り切るのではなく、安定した体制を確保できる点が、大企業で選ばれる理由の一つです。

証跡、承認、修正履歴が揃い、監査指摘を減らせる

大企業における給与計算では、金額の正確性だけでなく「誰が・いつ・何を確認し、どのような判断で修正したか」の説明責任が求められるケースもあるでしょう。

大企業向けの給与計算アウトソーシングでは、データ受領から計算、確認、確定までの工程を手順として定義し、承認履歴や修正履歴を管理する運用のサービスが多くあります。そのため、監査時に「なぜこの金額になったのか」「修正の妥当性は何か」と問われても、根拠を時系列で提示できます。

属人的なExcel管理や口頭確認に頼る運用から脱却し、説明責任を果たせる状態を作れる点が、監査指摘の減少につながります。

人事が本来担うべき業務に時間を使える

毎月の締め処理や差分確認に追われる状態では、業務改善や制度運用の見直しに時間を割くことができません。給与計算をアウトソーシングすることで、定型的な作業や火消し対応から解放され、人事は標準化の推進や再発防止、現場や経営への説明といった本来の役割に集中できます。

単なる業務削減ではなく、人事機能を安定運用と改善に向けて再設計できる点が大企業にとっての実質的な価値です。

大企業向け給与計算アウトソーシングに求められる必須要件

大企業向け給与計算アウトソーシングの必須要件

大企業で給与計算をアウトソーシングする際には、あらかじめ備わっていることが前提となる項目があります。下記は実務上欠かせない要件であり、これらに対応していない場合は運用に支障が出る可能性もあるため注意が必要です。

複雑な給与体系・手当を前提とした計算対応力

大企業の給与計算では、複雑な給与体系や手当、例外処理が存在すること自体が前提です。そのため、交替制勤務や深夜・休日手当、遡及計算、月途中の入退社といったケースを想定した対応力は「できれば望ましい」ものではなく必須条件になります。

たとえば「WorkSync」では独自の制度や計算ロジックに対応しているほか、株式会社ジャパン・ビジネス・サービスの「人事給与サービス」ではオーダーメイド型のサービスを提供しています。

グループ会社・複数拠点を前提とした運用設計

大企業では、グループ会社や拠点ごとに異なる給与規程や締め日、承認フローが存在するのが一般的です。そのため、複数法人・複数拠点を前提とした運用設計に対応できることが前提条件となります。現状の複雑さを吸収できない場合、アウトソーシングによってかえって調整業務が増えるリスクがあります。

既存システムと連携できるシステム対応力

大企業では、勤怠・人事・経理などの既存システムがすでに稼働しており、全面的な刷新を前提とする運用は現実的ではありません。そのため、既存システムとのデータ連携や、締め後修正、差分データへの対応は必須要件です。連携が限定的で、データ加工や確認作業が社内に残ってしまうとアウトソーシングの効果は得られません。

たとえば「ペイロールの給与計算業務アウトソーシング」はデータ連携に優れており、人事システムや会計システム、勤怠データの自動連携が可能です。人事システムとの連携が可能であれば社員情報に変更があった場合に都度対応する必要がなくなり、工数削減につながるでしょう。

内部統制・監査に耐える運用と証跡管理

大企業の給与計算業務では、正確に計算することだけでなく、その過程を説明できることが必須です。データ受領から計算、確認、確定までの工程が定義され、承認履歴や修正履歴を管理できる運用でなければ、監査対応は成り立ちません。属人的な確認や口頭判断への依存は、大企業では許容されないリスクを抱えます。

ペイロールの給与計算業務アウトソーシング」はサービス内容に「内部統制監査レポート」があり、監査対応に耐えうるサービスであることがわかります。また日本郵政の「BPOソリューション」でも入退室のログ管理や操作ログの保存といった取り組みがなされており、内部統制については安心と言えるでしょう。

大企業がサービス選定で重視すべき比較ポイント

大企業が給与計算アウトソーシングを選定する際は、必須要件をクリアした上で、下記の比較ポイントを確認していきましょう。

  • 委託範囲と成果物は明確か
  • 従業員問い合わせへの対応は可能か
  • 属人化を防ぐドキュメント化・改善支援があるか
  • セキュリティ運用は問題ないか
  • 導入後のサポートは充実しているか

委託範囲と成果物は明確か

給与計算アウトソーシングでは、「何を任せられるのか」だけでなく「何が成果物として戻ってくるのか」を明確に確認する必要があります。計算結果がそのまま経理処理や監査対応に使われるため、成果物の内容と形式が業務品質に直結します。給与・賞与計算に加え、年末調整、住民税、社会保険対応、明細データや仕訳データの作成まで含まれるかはベンダーごとに異なります。

成果物が曖昧なまま契約すると、後から社内作業が残る原因になります。大企業では特に、委託範囲とあわせて成果物を明確に定義することが前提条件となります。

従業員問い合わせへの対応は可能か

多くの従業員を抱えていると、給与支給後の問い合わせ件数も一定数発生します。給与計算を外注しても従業員からの問い合わせ対応がすべて社内に残るケースは少なくありません。明細の見方や控除内容、住所変更に関する問い合わせなど、どこまでを外注先が対応し、どこからを社内で担うのかを確認する必要があります。

一次受けの有無や対応時間帯によって、支給後の人事負担は大きく変わります。問い合わせ対応の範囲と運用ルールが明確かどうかは、従業員数の多い大企業ほど実務への影響が大きい比較ポイントです。

ペイロールの給与計算業務アウトソーシング」や「WorkSync」では従業員からの問い合わせ対応もサービス範囲です。問い合わせ対応に工数が割かれている場合は、こういったサービスを選ぶことで業務効率が改善されるでしょう。

属人化を防ぐドキュメント化・改善支援があるか

大企業では人事担当者の異動や組織変更が定期的に発生するケースも多く、運用が特定の担当者やベンダーに依存しない設計が前提となります。サービス範囲として、業務フローや判断基準を文書化し、定期的に見直す支援があるかどうかが重要です。単に作業を代行するだけでなく、運用を可視化し、改善を積み重ねられる体制であれば、将来的な引き継ぎやベンダー変更にも対応しやすくなります。

たとえば日本郵政の「BPOソリューション」や「ペイロールの給与計算業務アウトソーシング」では業務プロセスの整理や仕組み化にも対応可能です。ます。また専門家のサポートを受けられる業者なら、安心して委託できるでしょう。グローバル企業の場合は海外の税法に詳しいことも要件に含まれます。

セキュリティ運用は問題ないか

大企業では給与データが扱われる範囲も広く、情報漏えいが与える影響も大きくなります。そのため、個人情報やマイナンバーといった情報を、どのような運用で管理しているかを確認することが欠かせません。認証取得の有無だけで判断せず、実際の業務プロセスまで確認することが重要です。

アクセス権限の管理、ログの取得、再委託の扱いなど、運用レベルで説明できるかが判断基準になります。社内の法務、情シス、監査部門に説明できる体制かどうかを見極めましょう。

導入後のサポートは充実しているか

大規模な組織では制度改定や組織変更が定期的に発生し、そのたびに給与計算の運用見直しが必要になります。そのため、アウトソーシングは導入して終わりではなく、運用変更に継続して対応できる体制が求められます。

具体的には、導入後も定期的なレビューや相談の場があるか、トラブル発生時の対応体制が明確かを確認することが重要です。サポートが限定的だと、結局社内で調整や改善を担うことになります。長期的な運用を前提に、どこまで伴走してもらえるかが比較ポイントになります。

大企業に適した給与計算アウトソーシングサービスおすすめ6選

大企業におすすめの給与計算アウトソーシングサービスを紹介します。

ペイロールの給与計算業務アウトソーシングは、フルスコープ型アウトソーシングで従業員からの問い合わせ対応までカバーできる給与計算アウトソーシングです。ペイロールの給与計算業務アウトソーシングは次のような特徴があります。

  • 従業員からの問い合わせ対応や各種申請手続きの代行
  • 英語対応でグローバル企業にも適正あり
  • 大企業を中心に、幅広い業種・業態に対応

ペイロールの給与計算業務アウトソーシングの導入事例(従業員数5,000名)

株式会社ハンズでは、店舗・従業員数の増加により、専門知識が必要な給与計算業務の負荷と属人化が課題となっていました。ペイロールの年末調整サービス導入を皮切りに、給与計算業務全体をアウトソーシング。複雑な制度変更にも柔軟に対応できる体制を構築しました。業務プロセスの見直しにより、従来4名で対応していた業務を大幅に削減し、人事部門が重要業務へ集中できる環境を実現しています。

※出典:ペイロール|100万人を超える受託実績を誇る給与計算アウトソーシングサービス「株式会社ハンズ様」(2025年12月23日閲覧)

WorkSync

株式会社シーエーシー
0.00 0件の口コミ
まだ口コミはありません このサービスの口コミを書く

WorkSync(ワークシンク)は、株式会社シーエーシー(CAC)が提供する人事・給与領域向けのBPaaS型アウトソーシングサービスです。クラウド型人事労務システム、BPOサービス、システム保守を組み合わせたオールインワン提供が特徴で、給与計算を超えた包括的なサービスを提供します。

  • 人事・給与領域をフルカバーするオールインワンサービス
  • 法制度改正にも即応し、効率的な運用を実現
  • 柔軟な料金体系でコスト最適化と運用負荷軽減

WorkSyncの導入事例(従業員数5,295名)

H.U.グループホールディングスでは、グループ各社で異なる人事・給与業務プロセスが課題となっていました。WorkSyncの人事給与BPOサービスを導入し、現行システムや業務プロセスを活かしたまま移管を実施。給与計算や社会保険手続きの標準化・安定運用を実現し、人事部門は戦略業務に注力できる体制を構築しています。

※出典:株式会社シーエーシー(CAC)「導入事例 – H.U. グループホールディングス株式会社 様 」(2025年12月23日閲覧)

人事給与サービス

株式会社ジャパン・ビジネス・サービス
0.00 0件の口コミ
まだ口コミはありません このサービスの口コミを書く

人事給与サービスは、人事情報の管理から給与明細作成まで幅広いサポートを受けられる給与計算アウトソーシングです。人事給与サービスは次のような特徴があります。

  • 給与計算、社会保険手続き、年末調整などの労務管理に対応
  • 部分的な業務委託から業務フローの構築、業務改善まで代行
  • 特に複雑な労務管理が必要な企業に適する

人事給与サービスの導入事例(従業員数1,600名)

医療関連企業のB社(約1,600名)は、システム刷新を機に給与計算・賞与計算・年末調整など人事給与業務のアウトソーシングを検討。自社システムを継続利用できる点が評価され、株式会社ジャパン・ビジネス・サービスを採用しました。導入後は業務の可視化と内製・外注の切り分けが進み、コスト削減と人事部門の業務効率化、問い合わせ対応時間の短縮を実現しています。

※出典:株式会社ジャパン・ビジネス・サービス「導入事例|人事給与サービス」(2025年12月23日閲覧)

エコミックの給与計算アウトソーシング

エコミックの給与計算アウトソーシングは、毎月の給与計算から賞与計算、年末調整、住民税更新までの給与計算関連業務をフルスコープで代行するBPOサービスです。サービスの主要な特徴は「オーダーメイド」「簡単」「安心」の3つで、利用中のシステムをそのまま活かしつつ、委託内容を柔軟にカスタマイズできます。

  • 委託内容を柔軟にカスタマイズ
  • 社内フォーマットをそのまま利用して情報提供が可能
  • 二重チェック体制や法改正情報の即時反映など品質重視の運用を徹底

エコミックの導入事例(従業員数1,399名)

株式会社モスフードサービスでは、年末調整を簡単年調で対応していましたが、WEB申告後の確認・差戻し対応や従業員からの問い合わせ対応に負荷を感じていました。エコミックの年末調整アウトソーシングを導入し、申告内容のチェックや問い合わせ対応までを委託。業務負担やストレスが軽減され、給与計算・月変対応を含む人事業務を安心して外部に任せられる体制を構築しています。

※出典:給与計算アウトソーシング業界トップクラス|エコミック「株式会社モスフードサービス様」(2025年12月23日閲覧)

給与計算のアウトソーシング・代行・委託サービス(MHCトリプルウィン株式会社)

MHCトリプルウィンの給与計算アウトソーシングは、給与・年末調整・社保・マイナンバーといった中核業務に加え、就業管理や従業員対応までトータルで支援する実務巻き取り型のサービスです。専属チーム体制による安定運用基盤を構築し、業務の属人化や法改正対応の課題を解決します。

  • 実務巻取り型の包括的サポート
  • 専属チーム体制による安定運用
  • 法改正への即応と長期実績

給与計算のアウトソーシング・代行・委託サービスの導入企業

大正製薬グループ(従業員数3,000名)、野村不動産ソリューションズ株式会社(従業員数2,000名)、ひかり味噌グループ(従業員数300名)ほか

※出典:MHCトリプルウィン「給与計算アウトソーシングサービス導入事例」(2025年12月23日閲覧)

BPOソリューション(日本郵政コーポレートサービス株式会社)

日本郵政コーポレートサービス株式会社が提供するBPOソリューションは、日本郵政グループ約40万人分の実績とナレッジを活かし、給与計算、社会保険、年末調整、マイナンバー管理などの人事・総務関連業務を代行します。

  • 日本郵政グループ約40万人分の実績とナレッジ
  • 大企業の大量運用に耐える拠点設置
  • 静脈認証や監視カメラ、業務用PCの厳格な管理など万全のセキュリティ対策

BPOソリューションの導入事例(従業員数約40万名)

日本郵政グループでは、約40万人分に及ぶ大規模な給与計算業務において、業務の標準化や品質のばらつきが課題となっていました。日本郵政コーポレートサービスのBPOソリューションを活用し、給与計算をはじめ社会保険、年末調整などをアウトソーシング。業務手順の整理・標準化と自動化を進めることで、工数削減と業務品質の向上を実現し、安定した給与計算運用体制を構築しています。

※出典:日本郵政コーポレートサービス株式会社「給与計算業務代行・アウトソーシング導入事例」(2025年12月23日閲覧)

大企業での給与計算アウトソーシング導入の流れ

大企業で給与計算アウトソーシングを導入する際は、事前準備から本番運用まで下記のように段階的に進める必要があります。

  1. 現状の棚卸し
  2. データ整備
  3. テスト運用
  4. 本番運用

特に、現状把握やデータ整備を十分に行わないと、切り替え後の運用に支障が出る可能性があります。

1.現状の棚卸し(手当定義、例外対応、締めフロー、承認ルート)

まずは現在の給与計算業務を正確に把握しましょう。手当の定義や支給条件、例外対応の有無、締め日から支給日までのフロー、誰がどのタイミングで承認しているかを洗い出します。大企業では「慣習的に処理している例外」が多く、文書化されていないケースも少なくありません。この棚卸しを曖昧にしたまま進めると、後工程で認識のズレが生じやすくなります。

2.データ整備(マスタ統一、入力ルール、差分管理)

次に、給与計算に必要な人事・勤怠・手当データを整理します。マスタ項目の表記ゆれや入力ルールの違い、拠点ごとの運用差があると、外注先での処理負荷が高まり、確認作業が増えます。どのデータをいつ確定させるのか、締め後修正はどこまで認めるのかといった差分管理のルールも明確にしましょう。

3.テスト運用(繁忙期を避ける)

本番移行の前には必ずテスト運用を行います。可能であれば賞与月や年末調整といった繁忙期を避け、通常月で並行稼働を実施します。実際のデータを用いて計算結果を突合し、例外対応や修正フローに問題がないかを確認しましょう。この段階で想定外のケースを洗い出しておくことで、本番運用時のトラブルを最小限に抑えられます。

4.本番運用

テスト運用で課題を解消した後、本番運用に移行します。初回支給月は特に注意が必要なため、確認工程や連絡体制を通常より手厚く設定するのが一般的です。運用開始後も、問い合わせ状況や修正件数を確認しながら、必要に応じてルールを調整しましょう。導入直後だけでなく、制度改定や人事異動に合わせて継続的に運用を見直すことが、安定運用につながります。

給与計算アウトソーシング導入の注意点と、失敗を避ける方法

給与計算アウトソーシングは業務負担やリスクを大きく減らせる一方、進め方を誤ると期待した効果が得られないこともあります。特に大企業では、関係部署が多く要件も厳しいため、導入前に確認すべきポイントを整理しておきましょう。

セキュリティ・監査要件を事前にすり合わせておく

給与計算では個人情報やマイナンバーを日常的に扱うため、セキュリティ対策や監査対応は導入後に詰めるものではありません。認証取得の有無だけで判断せず、アクセス権限の管理方法、作業ログや承認履歴の残し方、再委託の範囲などを事前に確認する必要があります。

自社の内部監査や外部監査で求められる水準を共有しておかないと、運用開始後に追加対応が発生し、負担やコストが増える原因になります。

委託範囲と責任分担を明確にする

アウトソーシング導入時に起きやすい失敗の一つが、委託範囲や責任分担が曖昧なまま運用を始めてしまうことです。どこまでを外注先が担い、どの時点で社内が確認・確定するのか、データ不備や締め遅れがあった場合の対応は誰の責任かを整理しておく必要があります。

これを明確にしないと、トラブル時に調整や確認が増え、かえって人事部門の負担が大きくなります。

外注後の業務負担が本当に減る設計かを確認する

給与計算を外注しても、データ加工や差分確認、問い合わせ対応が社内に残るケースは少なくありません。導入前に、どの作業が外注され、どの作業が引き続き社内対応になるのかを具体的に確認することが重要です。

特に、締め後修正や例外対応、従業員からの問い合わせがどこまで外注できるかによって、実際の業務負担は大きく変わります。設計次第で効果が左右されます。

大企業での給与計算アウトソーシングに関してよくある質問

最後に、大企業でのアウトソースに関してよくある質問を取り上げます。

従業員数が多くても、問題なくアウトソーシングできますか?

対応可能なケースが多いですが、従業員数そのものよりも、拠点数や給与体系の複雑さが影響します。大企業向けサービスでは、数千人規模や複数法人を前提とした体制を持つベンダーもあります。ただし、例外処理や締めフローを整理せずに進めると運用が破綻しやすいため、事前の棚卸しが重要です。

既存の給与ソフトや勤怠システムはそのまま使えますか?

多くの場合、既存システムを継続利用したままアウトソーシングできます。APIやCSV連携など、現行の運用に合わせたデータ受け渡しが一般的です。ただし、締め後修正やデータ形式のばらつきが多い場合は、事前にルールを整備しないと社内作業が残ることがあります。

内部監査や外部監査への対応は可能ですか?

大企業向けのアウトソーシングでは、監査対応を前提とした運用が取られることが多いです。作業ログや承認履歴、修正履歴を管理し、監査時に説明できる体制を整えられるかがポイントになります。どこまで証跡を提供できるかはベンダーごとに異なるため、事前確認が必要です。

導入にはどれくらいの期間がかかりますか?

規模や業務内容にもよりますが、数か月程度かかるケースが一般的です。現状の棚卸しやデータ整備、テスト運用を経て本番移行します。大企業では繁忙期を避けて進める必要があるため、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。

将来、内製に戻したりベンダーを変更したりできますか?

可能ではあるものの、運用設計次第で難易度は大きく変わります。業務フローや判断基準が文書化され、データを自社で引き継げる形になっていれば、内製化やベンダー変更は現実的です。ブラックボックス化を防ぐ設計になっているかを、導入時に確認しておくことが重要です。

サービス選びは比較して検討しよう

給与計算アウトソーシングを選ぶ際は、従業員数や複雑な給与体系に対応できるか、初期費用と運用コストが予算内に収まるか、最新の労働法や税法に対応できるかなどを踏まえて検討することが重要です。

給与計算アウトソーシングは、次の記事でも詳しく紹介しています。

給与計算アウトソーシングの比較表とサービス資料

\ 稟議や社内提案にも使える!/

BOXILとは

BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「 BOXIL SaaS 」、ビジネスメディア「 BOXIL Magazine 」、YouTubeチャンネル「 BOXIL CHANNEL 」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。

BOXIL会員(無料)になると次の特典が受け取れます。

  • BOXIL Magazineの会員限定記事が読み放題!
  • 「SaaS業界レポート」や「選び方ガイド」がダウンロードできる!
  • 約800種類の ビジネステンプレート が自由に使える!

BOXIL SaaSでは、SaaSやクラウドサービスの口コミを募集しています。あなたの体験が、サービス品質向上や、これから導入検討する企業の参考情報として役立ちます。

BOXIL SaaSへ掲載しませんか?

  • リード獲得に強い法人向けSaaS比較・検索サイトNo.1
  • リードの従量課金で、安定的に新規顧客との接点を提供
  • 累計1,200社以上の掲載実績があり、初めての比較サイト掲載でも安心
    ※ 日本マーケティングリサーチ機構調べ、調査概要:2021年5月期 ブランドのWEB比較印象調査
給与計算アウトソーシング選び方ガイド

給与計算アウトソーシング選び方ガイド

記事をシェア

Success icon
URLをコピーしました
BOXIL掲載のお知らせ

貴社のサービスをBOXILに掲載しませんか?

見込み客獲得や認知度向上をしたいサービスをお持ちの方は是非ご掲載ください。

スクロールトップボタン

TOPへ