ABテストツール比較おすすめ7選!メリットや選び方を解説
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ABテストとは
ABテストとは、コンテンツやデザインが異なるWebページを準備し、どちらがよりコンバージョンに結びつくかを調べるテストのことです。Webマーケティングにおける、CRO(Conversion Rate Optimization/コンバージョン率最適化)の方法の1つです。
ABテストツールとは
ABテストツールとは、Webサイトのコンバージョン率を向上させるために、AパターンとBパターンの2つのバリエーションを同時に掲載しておき、どちらが効果的かを測定するツールです。
ABテストツールを使うと、Webサイトの改善に必要なデータを客観的に収集できるだけでなく、プログラミングの知識がなくてもWebサイトの編集やテストができます。また、Googleアナリティクスなどと連携して、詳細な分析やレポートができるほか、ユーザーの属性や行動に応じて、最適なコンテンツを表示できるようになります。
ABテストの対象
ABテストの対象によって比較すべきポイントは異なります。そこでどのような対象をABテストできるのか、いくつか紹介します。
広告
広告の中でも特にABテストに向いているのがWeb広告です。同様の広告枠に出稿しても広告の文章や画像によって、費用対効果が大きく異なります。
たとえば「野菜 通販」のキーワードに広告を出稿する場合、「オーガニックであること」「低価格で購入できること」「産地から直送していること」など多くのアピールポイントが考えられます。同じキーワードに出稿している場合でも、クリック率やコンバージョン率は異なるので、ABテストには仮説の精度が必要です。
LP(ランディングページ)
LP(ランディングページ)におけるABテストで注意すべきはデザインです。たとえば、申し込みのボタンを赤色にするか緑色にするかのみでもクリック率は変化します。
LPのレイアウトもABテストの対象です。先に品質を訴求してから価格を紹介するのか、価格を打ち出してから品質を紹介するのかなど、コンテンツのレイアウトを入れ替えることでコンバージョン率を向上できます。
メール配信
メール配信のABテストでは、メールのタイトルや文面が検証対象となります。また、配信するタイミングも重要です。深夜に配信するのか、朝方の電車に乗っている時間に配信するのか、寝る前の暇な時間に配信するのかなど、タイミングによって開封率は大きく異なります。
配信するタイミング、ターゲット、内容について工夫することにより、メールからのコンバージョン率も改善できます。
ABテストを実施するメリット
ABテストを実施する主なメリットは、「低予算」「簡単実施」「データドリブン」の3つです。
低予算でCVRを改善可能
ABテストでは、Webサイトの大規模なリニューアルを実施せずに、細かい改善を繰り返していきます。そのため、低予算でのWebマーケティング施策が可能です。
ABテストの効果検証の精度を高めていければ、低予算であってもコンバージョン率やコストパフォーマンスの改善が期待できます。大規模なリニューアルや広告への投資に伴うリスクなしで、ABテストで売上向上につなげられるのは大きなメリットです。
ABテストツールで簡単に実施できる
ABテストでは、複数の要素やパターンにてコンバージョン率を比較検討しなくてはなりません。人力で行おうとすると、データ量の多さからミスが起きることもしばしばです。
そこで、素早く効率的かつ正確にABテストを行うためのツールが、ABテストツールです。これらのツールを使用することによって、非エンジニアでも簡単にABテストを実施できるほか、改善施策の精度向上にも役立てられます。
ABテストには、カイ二乗検定、フィッシャーの正確確率検定、ニ項検定、t検定などの理論が用いられています。それぞれ分布に差があるかを調べる統計学的な理論で、ABテストツールを使えば難しい計算なしに、テスト結果の有意差の判定が可能です。
データドリブンな施策につながる
ABテストを継続することで、チーム全体で主観を排除したデータドリブンなWebマーケティングが意識できるようになります。
ABテストでおもに比較検証するのは、グラフィック要素やキャッチフレーズといったクリエイティブです。クリエイティブな要素は、主観で判断されがちなため、ABテストでデータをもとに決定することでスムーズな施策に導けます。
ABテストツールの選び方
ABテストツールを選ぶ際は、次の流れで確認しましょう。
- ABテストツールの導入目的を確認する
- ABテストツール機能を確認する
- ABテストツールを導入する際の注意点を確認する
- ABテストツールの料金・価格相場を確認する
ABテストツールの導入目的を確認する
ABテストツールの導入を検討する際は、まず導入目的を明確にしましょう。主な導入目的は次のとおりです。
導入目的 | 詳細 |
---|---|
効率よくLP改善を行いたい | あらゆるコンテンツのABテストができる、LPOに強みを持つツールがおすすめ |
継続的にPDCAを回してCVRを改善したい | 細かなセグメント設定や流入分析・ヒートマップ分析など分析方法が豊富なツールがおすすめ |
ABテストツールの機能を確認する
ABテストツールでできること、利用できる機能は次のとおりです。上記の導入目的・課題をどのように解決できるか記載しているため、必要な機能を洗い出しましょう。
【基本的な機能】
機能 | 詳細 |
---|---|
セグメント設定機能 | デバイスやブラウザ、流入元や顧客データから属性を細かく切り分けたABテストを行える機能 |
テストパターン作成機能 | 管理画面上で簡単にテストパターンを作成できる機能 |
レポート機能 | ABテストの結果をレポート化する機能 |
アクセス解析機能 | 流入数や滞在時間、CV数などユーザーの行動を解析する機能 |
【特定の課題・用途・業界に特化した機能】
機能 | 詳細 |
---|---|
EFO | エントリーフォームの最適化を行える機能 |
LPO | ランディングページの最適化を行える機能 |
パーソナライズ機能 | 一人ひとりに適切な顧客体験を提供することでCVR改善へ導く機能 |
多変量テスト機能 | 複数の箇所を一度にABテストできる機能 |
リダイレクトテスト | 複数の異なるランディングページの比較や、ページデザインの変更を行った際に便利な機能 |
複数ページテスト | 1ページだけでなく複数のページのテストを実施したい際に便利な機能 |
Webサイト改善だけでなくエントリーフォームやランディングページの改善も視野に入れている場合にはEFOやLPOに対応しているツールを、複数のページをテストしたい場合や軽微な改善から大きな改善まで幅広く活用したい場合にはリダイレクトテストや複数ページテスト機能があるツールがおすすめです。
ABテストツールを導入する際の注意点を確認する
ABテストツールを導入する際、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。
確認事項 | 詳細 |
---|---|
サポート体制 | 導入後の不明点やトラブルがあった場合のサポート体制を事前に確認しておきましょう。 |
外部システムとの連携 | ヒートマップや細かな解析機能が付帯していないツールの場合でも、すでに使用しているマーケティングツールと連携できるものもあるため事前に確認しましょう。 |
ノーコードエディタ機能 | 社内にエンジニアがいない場合は、見たまま編集できるノーコードエディタがあると操作に手間がかからずスピーディーにABテストが行えます。 |
国産か海外製か | 海外製ツールの場合は、サポートや機能の表示が英語表記の場合があるため確認が必要です。 |
ABテストツールの料金・価格相場を確認する
ABテストツールの料金は、無料のものもありますが、有料の場合は月額43,000円程度が相場です。また、初期費用がかかる場合や、データ解析や広告配信連携はオプション料金が別途必要な場合があるため、必要な機能と要件が搭載されているツールの料金を確認しましょう。
LPOに強みを持つABテストツール
ランディングページの最適化を行うためのABテストや訴求軸テスト、セクションごとにテストできる多変量テスト機能を搭載しているタイプです。ノーコードエディターや簡単編集など見たまま編集作業ができるため、エンジニアやデザイナーに頼らずとも変更できることも特徴です。
たとえば、「CVX」はABテストだけでなく、デザインテンプレートが標準搭載しているため、LPの新規作成から行えるツールです。制作からテスト検証、改善までインハウス化したい場合におすすめです。
- Webサイトの分析から改善まで支援するLPOツール
- A/Bテストはもちろん、多変量テストにも対応
- Google Analytics 上でA/Bテストの結果の検証が可能
SiTestは、Webサイトの解析から改善まで一元管理できるオールインワンLPOツールです。Webサイト内での訪問者の行動分析から、A/Bテスト、表示するページのパーソナライズ化まで、コンバージョン率向上に役立つ機能を備えています。
A/Bテストに加え、複数要素のテストを一気に実行できる多変量テストも行え、テスト結果に基づいた改善もノーコードで行えます。Google Analytics と連携すれば、データを自動処理でき、コンバージョン改善のためのアクションプランをレポートで受取可能です。
SiTestの料金プラン・費用
料金プラン | 計測可能PV数 | 月額費用 |
---|---|---|
フリー | 3,000PVまで | 無料 |
エンタープライズ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
UI/UXコンサルティング | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
SiTestの評判・口コミ
- 導入実績850社以上※のLPOツール
- コンテンツブロック単位で分析が可能
- レポートをExcelやPDFで出力可能
DLPOは、ABテスト・多変量テスト・AIパーソナライズなどの機能が利用できるLPO(ランディングページ最適化)ツールです。ABテストとしては、コンテンツブロック単位で分析が可能なので、より詳細な分析ができます。専門知識がなくても設定ができるので、社内にエンジニアがいなくても安心。管理画面をレポート形式でPDFやExcelで書き出せるものポイントです。
※出典:DLPO「DLPO株式会社 - LPO・ABテストツール「DLPO」」(2024年6月19日閲覧)
DLPOの料金プラン・費用
- 初期費用:20万円
- 月額費用:10万円〜
DLPOの評判・口コミ
CVX
- 「IT導入補助金2023」登録ITツール
- ページ制作・ページ分析も可能
- 約200以上※のテンプレートで簡単LP作成
CVXは、株式会社ポストスケイプが運営するインハウスLP作成・運用改善に特化したLPOツールです。ページ制作やページ分析機能もついており、約200以上のテンプレートを使えば簡単にランディングページが作成できます。ABテストの立ち上げには数秒しかかからないので、計測結果を見ながら検証と改善を進めていくことも可能です。
※出典:ポストスケイプ「インハウスLP制作・LPO支援ツール CVX | コンバージョンラボ」(2024年6月19日閲覧)
CVXの料金プラン・費用
要問い合わせ
- 無料プラン(3,000PVまで)あり
- タグ実装から5分で利用開始
- サイト編集、Web接客も
Ptengineは、ABテストやヒートマップ、アクセス解析のほか、サイト編集、Web接客、パーソナライゼーションが簡単にワンストップで実行できる、Webサイト最適化プラットフォームです。
タグをサイトに設置するだけで5分で利用開始できます。ノーコードのWebサイトエディター、ワンクリックでのABテスト、ユーザーセグメント配信、誰でもみてわかる配信レポートを搭載。外部の顧客データを接続してデータを一元化し、より深くデータを分析できます。
Ptengineの料金プラン・費用
料金プラン | 計測可能PV数 | 月額費用 |
---|---|---|
Free | 3,000PVまで | 無料 |
Growth | 3,000〜500,000PV | 9,878円〜(月払いの場合) |
Premium | 50万PV〜数億PV | 要問い合わせ |
Ptengineの評判・口コミ
分析方法が豊富なABテストツール
豊富な分析方法で、WebサイトのCVRを改善に強みを持つタイプです。複数のテスト検証をはじめ、パーソナライズ機能、ポップアップ機能、EFO機能など、顧客に合わせたWeb接客機能が充実していることも特徴です。
たとえば、KAIZEN PLATFORMの「KAIZEN UX」では、フォームの詳細分析によるSTEP式フォーム化やパーソナライズ機能によってクロスセルやサイト内回遊を促すなどの効果が期待できます。
KAIZEN PLATFORM - 株式会社Kaizen Platform
- のべ900社以上※の導入実績
- 独自アルゴリズムで効果が高い案を判別
- 専任チームによる継続的なサポート
KAIZEN PLATFORMのKAIZEN UXは、タグを一行入れるだけですぐに始められるABテストツールです。のべ900社以上の導入実績、50,000件にもおよぶ施策※など、多くの実績から得た豊富な知見をもとに、スピーディーで高い分析力でサポートしてくれます。
動画広告の効果改善のKAIZEN AD、動画制作プラットフォームKAIZEN VIDEO、営業改善のKAIZEN SALES、DX推進サポートKAIZEN CONSULTING、動画制作オンラインスクールKAIZEN SCHOOLなど、ほかの動画を活用したソリューションを併用することでさらに便利に利用できます。
※出典:Kaizen Platform「KAIZEN UX|LPOやEFOなどのサイト改善なら」(2024年6月19日閲覧)
- EFO(エントリーフォーム最適化)ツール
- 導入フォーム数6,000以上※
- 入力支援機能とログ解析機能
Gyro-n EFOは、導入数6,000以上の実績のあるEFO(エントリーフォーム最適化)ツールです。既存のフォームの変更なしで、設定タグを貼るだけですぐに利用できます。フォーム入力中のリアルタイム入力支援機能、離脱率の高い必須項目やエラー発生項目を表示するログ解析機能を備えています。
SATORI、Pardot、マルケト、ハブスポットなどのMAツールの連携フォームにも実装可能です。
※出典:ユニヴァ・ジャイロン「EFOツール導入でコンバージョンが劇的に改善する理由【Gyro-n EFO】」(2024年6月19日閲覧)
Gyro-n EFOの料金プラン・費用
初期費用 | 月額費用 |
---|---|
- | 15,000円〜(税抜) |
Gyro-n EFOの評判・口コミ
Adobe Target
- ユーザーグループ単位での比較が可能
- AIによる自動ターゲティング
- Adobe Analyticsとの連携
Adobe Targetは、Adobeが運営するデジタルエクスペリエンスプラットフォームです。ABテストや多変量テストで、パターン比較を通してページの最適化ができ、ユーザーグループ単位での比較が可能です。またブラウザ・言語設定・OS・検索キーワードなどでAIによる自動ターゲティングも可能。Adobe Analyticsと連携すれば、Adobe Analyticsで作成したユーザーセグメントをAdobe Targetで利用できます。
Adobe Targetの料金プラン・費用
要問い合わせ
ABテストのやり方
ABテストを実施する際は次の流れで行うとよいです。
- 2つ以上のパターンを用意する
- コンバージョンの差を測定する
- 仮説と検証を繰り返す
それぞれのポイントについて解説します。
2つ以上のパターンを用意する
デザイン・機能・テキストなどが異なるWebページを準備します。キャッチコピーやレイアウト、購入ボタンなどを検証対象とする場合が多いです。
コンバージョンの差を測定する
それぞれのパターンをランダムに表示して、どちらがより高いコンバージョンに結びつくかを測定します。コンバージョンの結果から、どの要素を変更すると効果的か施策を考えます。
仮説と検証を繰り返す
仮説と検証を繰り返し、もっとも適切なパターンを適宜実行していきます。ABテストを繰り返すことで、CTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率)の高い、売上につながるWebサイトへと改善していけます。
ABテストを成功さあるためのポイント
ABテストを成功させるためには、PDCAサイクルをきちんと回すことが求められます。次の3つのポイントを意識して実施しましょう。
- 仮説を立てる
- 条件を揃える
- テストする
- 振り返り
仮説を立てる
ABテストは、仮説を立てることではじめて、どれくらいの効果があったのか、またどのように修正すれば効果を上げられるのかがわかります。反対に仮説を立てなければ、何のためにABテストを行っているのかがわからず、マーケティングの目的を見失いかねません。
施策を振り返る際に納得のいく結論を導き出すためにも、どのような違いがどういった結果を生み出すのかきちんと仮説を立てて、ABテストを実施しましょう。
条件を揃える
仮説にもとづいてパターンを準備する際に注意すべきは、ABテストのために設定した違い以外をできるだけ同条件にすることです。
たとえば、バナーのデザインをテストする場合、そもそもバナーを掲載する場所が異ると、デザインだけではなく場所が結果に影響を与えた可能性は排除できません。有意差を正しく測定するためにも、検証したいパターン以外は、極力統一して仮説を検証しやすいよう努めましょう。
テストする
テストする際はアクセス数が集まっているか、条件が同一かをきちんとチェックしてください。アクセス数が少なければ正しい結果と異なる分析に終わるかもしれません。また、誤って特定の条件にもとづいてABテストをしていないか確認しましょう。
ABテストをする際は、テストの結果が検証可能であるよう調整すべきです。
振り返り
結果を振り返る際は、当初の仮説にこだわりすぎず結果を見つめることが必要です。当初の仮説にこだわる認知バイアスによってデータを正しく分析できなかった結果、誤った結論を導き出すリスクがあります。
ABテストを正確に振り返り改善するには、客観的な視点から施策を振り返り、結果として仮説が間違っていても、次回からの仮説に活かせるように受け止める姿勢が必要です。
ABテストの注意点
ABテストを実施する際は、次の注意点も確認しておきましょう。ABテストの実施方法やツールの使い方によってはデメリットになる場合もあるので、あらかじめ内容を確認しておくとよいです。
一定数のアクセス数が必要
ABテストのデメリットは、検証のために一定数のアクセス数が必要なことです。
充分なアクセス数が集まらなければ、結果と施策の因果関係を証明できません。そのため、訪問者の少ないWebサイトでABテストを実施しても意味はありません。また、アクセス数を集めること自体に時間や予算が必要なケースも多いです。
継続的に行うことが必要
ABテストは、Webページの一つの要素について仮説を立て、テストと検証を繰り返していきます。一つのABテストの検証だけでも、ある程度の期間が必要で、結果に有意差が認められないことも。そのためABテストは、ねばり強く継続的に実施することが必要で、人的リソースの確保も必要となります。
ABテストでコンバージョン率の効果的な改善を
単に2パターンの比較といえど、ビジュアル作成や効果検証など手間がかかるのがABテスト。さまざまなABテストツールを比較検討し、スピード感のあるコンバージョン率向上を実現していきましょう。
ABテストは、他の分析ツールと組み合わせることで効果的に進められます。サイト訪問者がどのように文章を読んでいるか、どこから離脱しているのかを分析するには、下記記事でも紹介しているヒートマップツールが参考になるでしょう。
ABテストは適切なツールを使うのが効率的に進めるポイント。比較の際には、次のポイントを考慮するとよいでしょう。
- 有料か無料か
- 国産か海外製か
- ABテスト以外のCRO機能
ABテストを効果的に活用して、コンバージョンを高めていきましょう。
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