立ち上げメンバーはyentaで集めた――ナイルの新車サブスク「カルモ」のアプリ活用術
2018年1月にリリース、新車のサブスクリプションサービス「カルモ」
ーーまずは、ナイルさんの事業について教えてください。
企業のデジタルマーケティング領域における課題解決を支援している事業部と、自社でメディアを構築して集客するインターネットメディア事業部の二つを展開しています。
今回、新しい試みとしてマイカー賃貸「カルモ」という3つ目の事業を立ち上げている最中でして、将来的にモビリティサービス事業部という形に変えていく予定です。これから変化の著しい自動車の業界において、ITオリジンのプレイヤーであるがゆえの付加価値を提供していきたいと思っています。(高橋社長)
ーーカルモについて教えてください。
2018年1月26日にオープンしたばかりのサービスです。ネットで完結して、月定額で新車を賃貸できる、車のサブスクリプションサービスです。
一般的にはカーリースといわれる業態ですが、オンラインで契約が完結できたり、1年から最大9年という期間を選べたりするなど、ライフスタイや予算に合わせて車を選べるサービスはカルモが初めてだと思います。
ダイハツのミライースなどは、月額1万3,000円台から用意しています。月額料金には重量税や自動車税、自賠責保険といった法定費用の他、初期手続き費用も全部含まれています。そのほか、駐車場や車検の工賃などはユーザー側の負担になります。
ディーラーさんで買うよりは価格競争性があると考えています。そもそも、今時はいろいろなディーラーを回ることを面倒に感じている人も多いです。カルモなら、契約はネットで完結して、家まで車を宅配してくれるので手間がかかりません。(高橋社長)
yentaのつながりで「6人の採用と主要業務の提携先」を獲得
ーーyentaを使うまでの経緯を教えてください。
yentaは2016年1月にリリースされた頃から知っており、1か月に1回くらいマッチングした人と会っていました。そんな中、2016年4月ころ、ビジュアルデザイナーのIさんと会ったんです。
お話しした結果、週3くらいの業務委託で仕事を手伝ってもらったのですが、その方が非常に高いパフォーマンスを発揮してくれたのです。これは業務委託とかパートナーとか非正規雇用の方を探すのにはすごく使えるな、と思いました。
ストイックに使い始めたのは、カルモの構想ができた時期からです。2016年の終わりくらいに動き始め、約1年でリリースしました。その間、外部からいい人を採るというのも同時に進めたいと思いまして、yentaを使いました。(高橋社長)
ーー実際に、どのような感じでyentaを活用しているのですか?
yentaを普通に使うと、つい情報交換で終わってしまいがちですが、私は、明確に採用かフリーの方へ業務委託をお願いするというのを目的にしています。
マッチングした人へ送るメッセージも、こういう事業を立ち上げようと思うんですけど、メンバー探しています。ご興味あったら話を聞いてくれませんかと、割と本気度の高いリクルーティングぽい文面で送っています。
結果的に情報交換になってしまうのはいいんですが、そういうメッセージを送ると、まったく興味のない人はだいたい無視してくれます。少しでも我々に興味のある方と会えるようにして、精度を上げていきたいと考えています。
カレンダーを見て翌週の予定に空きがあったら、yenta枠として押さえて、10通くらいメッセージを送ります。そうすると、イメージ的に2〜3通は返信がくるので、アポを取ってその枠に入れていきます。(高橋社長)
ーーどういう基準でマッチング相手を振り分けているのですか?
一般的な媒体に求人を出してもいい人が来ないポジションがあります。たとえばエンジニアや腕のいいデザイナーさん、経営人材などは、求めても簡単には出会いません。
yentaではそういう人がたくさん登録しているので、表示されたら右スワイプ(興味あり)に振り分け、マッチングしたらメッセージを送信するようにしています。(高橋社長)
ーーカルモの人材をyentaで採用した経緯を教えてください。
まずは2016年4月につながったビジュアルデザイナーのIさんがカルモにジョインしてくれました。続いて、2016年1月にあるIT企業の取締役の人とyentaでマッチングしたので、カルモの構想を壁打ちとしてプレゼンしました。
すると、ある車雑誌の編集長Mさんを紹介してくれ、その方にまたプレゼンしたところ、大手カーリース会社を紹介してくれました。
Mさんと一緒にリース会社にプレゼンしに行ったところ、カルモの一番幹となる業務提携が実現しました。yentaを起点にリレーして、業務提携まで行けたのはよかったです。このMさんも現在は業務委託として、カルモのメディアを手伝ってもらっています。
3人目はビジュアルデザイナーのIさんから紹介を受けて、フロントエンドエンジニアの方が入社してくれました。4人目が、こちらの高橋です。
マイケル高橋という名前でフードファイターとして名をはせたこともある人です(笑)。マーケティングに強い人を探していたところ、yentaでマッチングしたので、本気度の高い文面でメッセージを送りました。(高橋社長)
ーー高橋信也さん(以下、高橋さん)のキャリアを教えてください。
マイケル高橋という名前で「TVチャンピオン」や「フードバトルクラブ」などに出演していて、早食い世界一決定戦で世界2位になったこともあります。
ある日、たくさん食べたら賞金が出るお店があって、チャレンジしたら新記録を出したんです。それまでの記録保持者が前回のテレビチャンピオンの優勝者だったということで、そのあとTBSから大々的に連絡が来たのがきっかけです。
仕事としては、もともとネット畑で、その中でもサイバーエージェントには10年以上在籍しました。その後、スマホゲームアプリの開発会社の執行役員をしていましたが、その時に、高橋社長からyentaのメッセージをいただきました。2017年8月のことです。(高橋さん)
ーー高橋社長が高橋 信也さんと初めて会ったときはどうでしたか?
yentaでマッチングして、弊社に来ていただいてカルモの構想を話したときは、いやどうでしょうね、みたいなリアクションでした。ただ、スマホゲーム系で働かれていたので、うちのスマートフォンメディアの事業と相性がいいと思い、そちらからお手伝いいただくことになりました。ワンチャンうちへの入社あるかなと笑(高橋社長)
カルモのプレゼンをしていただいたのはよく覚えています。IT×自動車という分野で、興味がなかったわけではないのですが、ちょうど自身で会社の設立準備中だったため、その場でいきなりジョインというところまでは意思決定はできませんでした。
そこで、お互いのことを理解するためにも、スマートフォンメディア事業に、週1日くらいで伺う形を取りました。(高橋さん)
ーーその後、どんな流れでカルモの人材を獲得したのですか?
高橋(信也さん)には業務委託で4か月ほど手伝っていただいた後、2018年1月にカルモのグロースハックグループの責任者としてジョインしてもらいました。カルモのさまざまなKPIの達成をミッションとしてやってもらいます。
2018年2月には、5人目として高橋(信也さん)からの紹介で、Rさんがジョイン。6人目はこれもyentaでマッチングしたデータサイエンティストの方がジョインしてくれました。(高橋社長)
ーー御社にとってyentaの魅力はどんな点でしょうか。
ベンチャー企業にとっては、採用力はすごく大事なんです。とても実力のある人がゴロゴロいますが、全員正社員で採用する必要はありません。そういう外部のスゴイ人たちにハーフコミットなどで広くジョインしてもらい、付加価値の高い良いサービスを作って行ければと思っています。yentaはピンポイントでアプローチできるのが魅力です。今後も、欲しいポジションができたらどんどん使っていこうと思います。
インタビュー後記
ビジネスマッチングアプリ「yenta」は、筆者もヘビーユースしており、毎月何人もお会いしています。数え切れないくらいビジネスの案件が立ち上がり、親しい友人もできました。ちなみに、本連載も、yentaがきっかけで実現しています。
とはいえ、ナイルさんの活用事例も半端ではありませんでした。新規事業部のグロースハック責任者を含む6名と、主要業務の事業提携先をゲットしたというのは驚きです。高橋社長は「yentaの使い方をハックしている」と言っていましたが、納得です。
筆者は、yentaでメッセージを送ってくれた人を中心にお会いしていましたが、自分から積極的にメッセージを送るのも大切だとわかりました。また、高橋社長はyentaでの出会いに目的を決めていたのも、真似させていただこう
記事中に紹介したサービス
完全審査制のビジネスマッチングサービス「yenta」
完全審査制のビジネスマッチングサービスです。さまざまな企業のプロフェッショナル同士をつないでくれるのが特徴で、ユーザーの質が高く人気を集めています。1日に10人レコメンドしてくれるので、会いたいか会いたくないかをジャッジ。相手とマッチングしたら報告が来るのでメッセージなどでやりとりする仕組みです。無料でも十分に利用できるのですが、レコメンドの表示回数を増やしてくれるブースト機能や、相手の条件をフィルタリングできるフィルタ機能を利用できる有料プランも用意されています。