[PR] ABMでマーティングとセールスの組織的融合を実現する方法 - SCTX2019特集
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ターゲット企業にアプローチするABM
近年、アメリカでブームとなり定着したABM(アカウントベースドマーケティング)の波が日本にも訪れている。従来のマーケティングではリード数を増やすことが商談数・成約数向上のカギを握るとされてきたが、ABMでは名指しでターゲティングした企業に届くアプローチを徹底して行っていく。
ABMのスタートはカスタマーサクセスから始まる。ターゲットとする企業は名指しで、そこにのみ届くような施策を行っていく。無駄のないマーケティングの手法と言えるだろう。ABMとはどのようなものなのか、メリットや実践するためのノウハウについて、「未来のマーケティングを共創する」をビジョンに掲げ、ABMの実践をサポートするFORCASを提供するの株式会社FORCASの代表、佐久間氏が語った。
ABMのメリット
従来から行われているリード・ベースド・マーケティングでは、リードを広く集めてターゲットになりそうな企業を見つけ商談に進み、契約を獲得する流れが一般的だ。ところがABMでは反対に、成約につながりやすいターゲットアカウントを特定してから商談に向けたアプローチを行う。成約につながりやすいということは、自社のプロダクトによって成功を得られやすい企業と言い換えられる。よって、ABMの起点はカスタマーサクセスを定義することにある。
カスタマーサクセスを目指して契約を獲得し、サービスを展開することで新しいターゲットが見えてくる。従来と異なりリードが少ないマーケティングでは不安を覚えるかもしれないが、成功パターンが確立してサイクルが生まれれば、ターゲティングも容易になってくるだろう。限られたターゲットに向けた施策は無駄がなく、生産性の向上にもつながる。
ABMが成熟期を迎えているアメリカでは、セールスとマーケターによる共創や組織的な融合が進んでいる。
従来のマーケティングでよくみられる問題
これまでのマーケティングでは、マーケターとセールスの間に壁があり、同一企業内であっても協働が難しかった。理由はミッションの違いにある。
マーケターはリード数を増やすことが責任であり、セールスは商談から契約を獲得するのが業務だ。リード数に対して契約数が少なければ、マーケターは営業の商談の質を疑うかもしれない。反対に、営業は契約につながらない見込み客リストを提供する、マーケターのリサーチの質を疑うようになるだろう。むやみにリード数を増やしても、それが本当のターゲットでなければ営業が行う施策はすべて無駄になってしまう。
大企業でもマーケティング部門と営業部門の間に次のような問題がある。マーケターが見込み客に一斉送信で現在の商談に関連のない内容のメールを送ってしまう。それによって商談がうまく進まないこともあり、営業はマーケターにメールアドレスを渡さない。メールアドレスがないとマーケティングの施策を行えないマーケターは営業に対し不満が募る。
このように、マーケターとセールスの間に溝が生まれた状態では、効率的に業務が進められないばかりか、顧客になりえた見込み客を取り逃してしまう事態になりかねない。
ABMの実行には連携が必要不可欠
共創を意識してABMを実行すると、前述のような問題は起こりづらくなる。とはいえ、共創を掲げたABMを実行するのは容易ではなく、まずは社内にある問題を解決しながら部門間を超えて連携していく必要がある。
これまでマーケターはリード数の増加を、セールスは契約数の増加を目指して取り組んでいたが、ABMではカスタマーサクセスが共通の目標となる。共通して「顧客に成功という価値を届ける」方向を向くことで、マーケティングと営業の連携、あるいはインサイドセールスとフィールドセールスの連携が生まれてくる。
カスタマーサクセスの視点に立ったターゲティングを行った後は、顧客の課題に沿ったアプローチを行う。セールスが日常に行っている、顧客の課題に沿った1to1アプローチをマーケターも行えば、セールスとの齟齬を防ぎながら成果につなげられる。もちろん、セールスがマーケターに顧客にコンタクトするための情報を渡すことも大切だ。
佐久間:マーケターとセールス、インサイドセールスとフィールドセールス、どちらも対立した関係性になってしまうことがままあります。ABMを実行するにあたり、対立のもとになる要因を排除して問題を解決する必要があります。 マーケターが用意したリードが悪ければ、それがなぜ悪いのかマーケターにフィードバックしていく。たとえば、自社のプロダクトでは成功を提供できないような顧客にアプローチしないように働きかけます。 そうして、ニーズがある企業、ない企業を言語化してターゲットリストから除外する。あるいは、想定以外で価値を届けられそうな企業があれば事例化してマーケティングと連携していけば、成功パターンからのマーケティングのサイクルが生まれます。
共創を実現させるために
異なる部署間で協力し合うことで、好循環が生まれ社内でイノベーションが生まれる。これを理解したからといって、実行するのは難しいという企業も多いだろう。「共創」を成功させるために何が必要なのだろうか。
佐久間氏はFORCASの導入企業である日立製作所の取り組みを例に挙げ、「小さな成功の共有」の積み重ねが肝だと語った。大企業でも、同様の課題観を持つ社員間で小さな成功を共有することで、それが組織としての動きにつながるという。
「同じ課題に向かって」取り組み、「成功を共有」することで、互いへの信頼感へとつながっていく。
ターゲティングについて
ターゲットとなる企業が10社程度であればターゲットにした理由付けも簡単だが、数百に及べばターゲットにした合理的な理由を挙げてマーケティングを行うのは難しい。合理的な理由がなければ、部署をまたいだ共創は困難だ。
FORCASでは、ターゲットになりうる企業が実際に利用しているサービスの情報に始まり、企業が開示している戦略や財務分析から見える特徴、採用活動から見える特徴などのデータを分析してターゲティングを行っていくという。
たとえば、自社のサービスを利用している企業が使っている複数のサービスを調べて、同様の複数のサービスを利用している企業を洗い出し、まだ自社のサービスを利用していない企業があればリコメンドする。リコメンドする企業は、現在の顧客と非常に近いことを、分析データを持って示せる。これが営業のストーリーになる。
必要な情報を確実に届ける
ターゲットが決まったら、ターゲットが必要としている情報だけを届けるようにする。重要な見込み客が30社あぶりだされたとしたら、一社一社ていねいに1to1アプローチを行う。この際に重要になるのが「無駄な情報を送らない」ことだ。
必要とされる情報を届けアプローチを行うことで、それに対するリアクションが確実に得られる。イベント集客の際にも、イベントにマッチした企業にのみ招待を送れば、返信の確率が上昇する。逆に、必要としない情報を届けてオプトアウト(メール受け取り拒否)されてしまうこともない。
ABMでは潜在的な見込み客を掘り起こすことも必要
ABMでは、すでに何らかのリアクションをしている見込み客に対しアプローチを行うのではなく、潜在的に自社を必要としている層を見出すマーケティングが重要になる。オンラインだけでなく、オフラインでコンテンツを届けることが大切だ。イベントなどの体験型コンテンツは、ライブゆえの緊張感を持つため良いコンテンツとなり得る。
佐久間:イベントは企画を作り込んで最高のものを作り上げるように意識しています。一部の人に届くコンテンツをオフラインで作り、今度はそれをマーケターがオンライン化してホワイトペーパーなどにまとめます。企画は迷ったら「ニッチに振る」のが鉄則です。具体的な1人を動かせないコンテンツは意味がない。
セールスが「ターゲットに届けたい」と確実に思えるコンテンツをマーケターが作らなければならない。また、カスタマーサクセスや開発を巻き込んで既存顧客をスターにし、成功事例をケース化していくことが最も重要。最強のコンテンツは明確な成果を出した利用事例だからです。そうして、社内全体の共創が実現できていきます。
会社全体で共通のゴールに向かって、お互いにフィードバックを行いながら新しい価値を共に作り上げていく。この喜びを得られるのがABMの価値だと考えています。
さらに、ユーザーとサービス提供者のインセンティブが一致するSaaSなら、ユーザーとビジョンを共有した共創が実現できるでしょう。SaaSとABMを組み合わせれば、社内、パートナー、さらにユーザーを巻き込んで、同じビジョンのもと新たな価値を作り上げていく共創を実現することも可能だと考えています。
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