タレントマネジメントシステムとは?目的・メリット・機能・使い方を簡単に
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- タレントマネジメントシステムとは?図解で簡単に
- タレントマネジメントシステムの目的と必要性
- タレントマネジメントの目的
- タレントマネジメントシステムの必要性
- タレントマネジメントシステムの仕組み
- タレントマネジメントシステムのメリットごと機能一覧
- 人材データベースを簡単に構築できる
- データの多角的な分析・可視化ができる
- 人材配置をシミュレーションできる
- 評価管理を仕組化・効率化できる
- 人的資本の情報開示に役立つ
- タレントマネジメントシステムの失敗しない使い方
- 経営戦略にタレントマネジメントを組み込む
- 従業員に協力を求める
- 中長期目線で活用する
- タレントマネジメントシステムで資本である人材を育てよう
- BOXILとは
タレントマネジメントシステムとは?図解で簡単に
タレントマネジメントシステムとは、社内の従業員データを集約し、そのデータを定量・定性的に分析できるツールのことです。
タレントマネジメントシステムで管理できる従業員データとしては、主に次のものがあります。
- 基本情報(氏名・生年月日・性別・学歴)
- 雇用情報(雇用開始日・雇用形態・所属部署・役職)
- 能力情報(スキル・資格・語学レベル・適性検査結果・研修履歴)
- キャリア情報(職務経歴・プロジェクト経験・希望キャリア)
- 成果情報(業績・設定目標・人事評価結果・表彰歴)
- コンディション情報(エンゲージメント・職場満足度・メンタルヘルス)
タレントマネジメントシステムの重要な役割が、これらのデータの蓄積と分析です。客観的数値をもとにした経営の意思決定と戦略構築に役立ちます。
タレントマネジメントシステムの目的と必要性
タレントマネジメントの目的
そもそもタレントマネジメントとは、人材を重要な経営資源と捉え、従業員の能力やスキルを最大限に活用して経営目標の達成を目指す手法のことを指します。
タレントマネジメントという概念は1990年代に米国において考案され、2010年代に日本でも普及しはじめました。タレントマネジメントが日本でも注目を集めるようになった背景には、少子高齢化に伴う労働人口の減少、人材の流動化、働き方の多様性などがあります。
これにより人材の獲得競争が激化し、企業は限られた人材で成長しなければならなくなりました。そのために重要になるのが、スキルや経験などの人材情報を整理し、適切な採用・配置・育成を行う「タレントマネジメント」です。
タレントマネジメントシステムは、この「タレントマネジメント」を効率的に実現するために開発されたツールです。
タレントマネジメントシステムの必要性
タレントマネジメントの実践に欠かせないのが人材情報です。人材情報を分析することで、自社にとって必要な人材やスキルが可視化され、配置や育成の最適な戦略を構築できます。
しかし、人材情報を集めてデータ化し、分析することは容易ではありません。従業員数が多くなればなるほど必要なデータ量が増加します。分析も表計算ソフトを用いて行うことは不可能ではありませんが、高度な知見と頻繁なデータ更新が必要です。
人力で行うには難易度が高いこれらの作業を簡単にできるようにしたのが「タレントマネジメントシステム」です。
タレントマネジメントシステムの仕組み
タレントマネジメントシステムは、従業員みずから必要な情報をシステムに入力すると、あらかじめ設定した項目ごとに自動でデータベースに蓄積されていく仕組みです。さらに管理者がデータを整形する必要がないため、人材情報の収集を大幅に効率化します。
また、データ分析のロジックもあらかじめテンプレート化しているシステムが多いため、離職傾向分析やハイパフォーマーの傾向分析などを簡単操作で実行できます。
なお、タレントマネジメントシステムの多くはクラウド型の製品として開発されており、サーバーやセキュリティ対策が不要ですぐに導入が可能です。
タレントマネジメントシステムの製品を一覧でチェックしたい方は、タレントマネジメントシステムおすすめ比較記事をご覧ください。
タレントマネジメントシステムのメリットごと機能一覧
タレントマネジメントシステムの主なメリットごとに活用できる機能の詳細を紹介します。
人材データベースを簡単に構築できる
タレントマネジメントシステムのメリットのひとつが「人材データベース」を構築できることです。
タレントマネジメントシステムでは、従業員から提出されたデータや組織が保有するデータを登録することで、自動でデータベース化される仕組みがあります。そのため、所属する人材の内訳が簡単に可視化でき、スキルや経歴、評価履歴などさまざまな軸ですぐに適した人材を検索できます。
収集できるデータの項目も柔軟にカスタマイズできる製品が多く、自社オリジナルのデータベースを簡単に構築可能です。
機能 | 詳細 |
---|---|
情報収集 | 従業員に必要情報を入力するためのフォームを配信する機能 |
プロフィール検索 | キーワードやソート、属性で該当の従業員を検索できる機能 |
スキル管理 | 組織内のスキルを可視化する機能。スキル分布(スキルマップ)を作成できる製品もある |
研修・学習管理 | 研修・個人学習の計画や進行管理、効果の検証ができる機能 |
データの多角的な分析・可視化ができる
従業員データをもとにさまざまな角度で簡単にデータ分析・レポーティングできることはタレントマネジメントシステムの大きなメリットです。
エンゲージメントや従業員満足度などを調査できるアンケート機能を搭載している製品も多く、従業員データとかけ合わせることでより深い分析が可能になります。
分析データをもとに組織・人材マネジメントの戦略を構築することで、生産性の向上や離職率の改善が期待できます。
機能 | 詳細 |
---|---|
アンケート | 従業員にアンケートフォームを配信できる機能。エンゲージメントや従業員満足度、メンタルヘルスなどのアンケートテンプレートを搭載している製品が多い。アンケート項目のカスタマイズも柔軟に可能 |
適性検査 | システム上でSPIや独自検査を実施できる機能。製品によっては、外部の適性検査結果をインポートして分析ができる |
分析 | 登録データやアンケート結果からデータをクロス分析できる機能 |
ダッシュボード・レポート | 分析情報をダッシュボードやレポートで可視化できる機能。グラフやマップ、数値でわかりやすく表示可能 |
退職・コンディションリスクアラート | 分析結果から退職リスクが高い従業員やコンディションが悪い従業員がいた場合に、管理職や人事担当者に通知する機能 |
また、タレントマネジメントシステムで分析できることの例を紹介します。(分析できることは製品によって異なる)
年齢構成比率 | 女性管理職比率 | 評価分布 | 給与分布 |
保有スキル・資格分布 | ハイパフォーマー傾向 | キャリア傾向 | 労務負荷 |
退職者傾向 | エンゲージメント | 従業員満足度 | ハラスメント |
人材配置をシミュレーションできる
人材配置を簡単にシミュレーションできることもタレントマネジメントシステムを利用するメリットです。
タレントマネジメントシステムは顔写真を入れた組織図を作成でき、ドラッグ&ドロップで配置シミュレーションできる機能がほとんどの製品で搭載されています。
データベースや分析結果をもとにシミュレーションすることで、最適な人材配置に役立つでしょう。
機能 | 詳細 |
---|---|
組織図 | 顔写真とともにツリーを作成できる機能 |
配置シミュレーション | 配置想定をドラッグ&ドロップで直感的に操作できる機能 |
評価管理を仕組化・効率化できる
タレントマネジメントシステムができることは目標や評価のデータ蓄積だけでなく、目標設定や評価フロー自体を仕組み化・効率化できます。
タレントマネジメントシステムの多くには、目標・評価のテンプレートシートや評価ワークフローの設定、1on1支援機能などが搭載されています。これらの機能を活用することで、評価者・被評価者いずれの評価業務も効率化できます。
さらに、評価者によって変わりやすい評価方法やフローを統一でき、公平な人事評価制度の構築に役立ちます。
機能 | 詳細 |
---|---|
目標管理 | 個人やチームごとの目標を設定できるフォーム機能。リアルタイムで追跡・共有できる |
評価管理 | 評価項目の設定や振り返りの記入ができるフォーム機能。項目ごとの評価ウェイトや評価基準も定められる。 |
目標・評価テンプレート | 目標や評価フォームのテンプレート。MBOやOKR、コンピテンシー評価、360度評価などさまざまな評価方法に対応(対応の評価方法は製品によって異なる) |
評価ワークフロー | 対象部署・従業員ごとの承認者や承認順を設定できる機能。承認が完了すると、次の承認者に確認依頼の通知が届く |
進捗管理 | 目標・評価の記入や承認の状況を一覧で確認できる機能。未記入者や未承認者に催促通知を送れる |
甘辛調整 | 評価決定の最終調整を行える機能。被評価者の評価点数を一覧化できたり、評価者ごとの評価傾向を分析できたりする |
1on1支援 | 1on1の進行をサポートする機能。1on1の面談記録フォームや目標進捗の状況管理、面談テーマの設定などが行える。製品によっては、1on1のスケジューリングや事前アンケートなどができる機能を搭載 |
人的資本の情報開示に役立つ
データを蓄積できるタレントマネジメントシステムは、人的資本の情報開示にも有用です。
有価証券を発行している企業は人的資本の情報開示が義務化されました。そこで注目を集めているのが、人材データの蓄積と分析が得意であるタレントマネジメントシステムです。情報開示の義務化に伴い、人的資本の情報開示用ダッシュボードを搭載する製品も増えています。
人的資本ダッシュボードを活用することで情報開示に必要なデータを簡単に抽出・可視化でき、開示に必要な作業を大幅に削減可能です。
さらにリアルタイムで人的資本情報を確認できるため、人的資本の変化を短いスパンで定点観測できます。
機能 | 詳細 |
---|---|
人的資本ダッシュボード | 人的資本の情報開示項目に沿ってデータの抽出とダッシュボードを作成できる機能。製品によっては国際規格ISO30414に準拠している |
タレントマネジメントシステムの失敗しない使い方
タレントマネジメントシステムを導入するだけで、タレントマネジメントの実践や生産性の向上ができるわけではありません。次のポイントを抑えながら、タレントマネジメントシステムを活用することが重要です。
経営戦略にタレントマネジメントを組み込む
タレントマネジメントは、経営戦略を練る際のひとつの手法です。タレントマネジメントシステムを導入しても、経営陣がタレントマネジメントの概念理解や、経営戦略へ組み込む意識をもっていなければ、せっかく集めたデータや分析も宝の持ち腐れになります。
タレントマネジメントシステムを使う際には、まずは経営陣の中でタレントマネジメントの考え方や意識を浸透させ、何のデータや分析があればより精度の高い戦略を構築できるのか共通認識をもつことが重要です。
従業員に協力を求める
タレントマネジメントシステムを使う際には、対象の管理職や一般従業員の協力が欠かせません。従業員みずからの情報提供やアンケート回答を含むシステムの利用が必要だからです。
また、タレントマネジメントシステムは能動的に活用してこそ効果を発揮するものであり、データ入力が中途半端だと、人材配置や採用、能力開発の意思決定が正しくできません。
そのため、タレントマネジメントシステムを導入する意義を浸透させ、従業員にとってどのようなメリットがあるのかを周知しましょう。従業員への周知を徹底することで、収集するデータの品質向上や能動的な活用が期待できます。
中長期目線で活用する
タレントマネジメントシステムを導入する際には費用や手間が多くかかることから、費用対効果を求めてしまいがちですが、導入してすぐにその効果を発揮するとは限りません。
特にそれまで従業員データを管理していなかった場合は、必要な情報の収集だけでも多くの手間がかかります。
そのため、タレントマネジメントシステムはそもそも短期的なものでなく、中長期的に活用するものであることを経営陣と従業員それぞれが認識する必要があります。
また、収集したデータや分析結果をどのように活用しているか、その結果どのような変化が生まれたかを全社報告することが重要です。自分たちの協力がどのような影響を与えたか、メリットがあったかを認識することで能動的な活用を促進できます。
タレントマネジメントシステムで資本である人材を育てよう
タレントマネジメントシステムとは、スキルや経験などの従業員データを一元管理・分析できるシステムです。企業は、プロジェクトごとに最適な人材を探し出したり、人材育成や後継者発掘に役立てたりすることで、競争力のある経営戦略が実現できます。
今後激しさを増す人材の獲得競争に勝ち抜き、企業としてさらなる成長をとげるためにも、最適なタレントマネジメントシステムを導入して、企業の重要な資本である人材を育てましょう。
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