従業員満足度調査は意味がないのか?│実態調査結果や実施ポイントを紹介
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厚生労働省も推奨する従業員満足度調査
従業員満足度調査は、組織内の従業員が業務や労働環境に対してどのように感じているかを把握するための調査のことです。
厚生労働省は、生産性向上と人材確保のための取り組みとして、魅力ある職場づくりを推奨しています。そのためには、評価や処遇の改善、人材育成、ワーク・ライフ・バランスを実現できる職場環境の整備が効果的です。
厚生労働省が行った調査※によると、従業員満足度と顧客満足度の両方を重視する企業は、顧客満足度のみを重視した企業に比べ、業績の向上や人材確保の効果が高いことがうかがえます。
また、魅力ある職場づくりは、短期的な取り組みではなく、従業員目線で継続して行うことが重要であると伝えています。
※出典:厚生労働省「従業員の職場定着など、雇用管理面でお困りの事業主の皆さまへ」(2024年5月24日閲覧)
従業員満足度調査は意味がない?実態調査からわかるその理由
しかし実際には、従業員から「従業員満足度調査は意味がない」と言われることがあります。
組織コンサルティング事業を営む識学は「社員満足度調査に対するエンゲージメント調査」を実施しました。
社員満足度調査を受けたことがあり、不満を感じたことがある男女を対象に行ったその調査によれば、「社員満足度調査と聞いてイメージするものは?」という質問には、約40%が「無意味」と答えています。
「満足度調査の結果がどの程度反映されていると思うか?」には、約73%の方が「反映されていない」と回答。社員満足度で会社が改善されると思わないとする方は、「会社の風土は簡単には変わらない」「結果を受けて改善ができる責任者がいない」ことなどから、従業員満足度調査には意味がないと感じているようです。
また、全体の約77%の回答者が「本音以外を書いたことがある」と答えました。
こうした結果から、改善のアクションにつながらない従業員満足度調査は、従業員から敬遠される傾向がうかがえます。その結果、従業員は「どうせ改善されないなら」と本音で回答せず、企業側も本当の課題を発見できない悪循環が生まれています。
※出典:PR TIMES「「社員満足度調査」へのホンネ。7割以上の人が「本音以外を書いたことがある」と回答」(2024年5月24日閲覧)
従業員満足度調査を有効活用するポイント
従業員満足度調査が企業・従業員双方にとって有意義なものにするために、次のポイントに留意することが重要です。
目的を明確にする
従業員満足度調査の目的を具体的かつ明確に定めることが重要です。
たとえば、組織内の課題や問題点の把握、従業員のニーズや要望の把握、組織文化の改善など、明確な目的を設定することで、調査の方針やアプローチが明確化され、設問内容も具体的になり、より効果的な調査ができます。
従業員に実施目的を周知し、理解を得る
従業員に対して、満足度調査の実施目的やその重要性を十分に伝え、理解を得ることが大切です。従業員が調査の目的を理解し、その重要性を認識することで、調査への参加意欲が高まり、より正確で有益なデータを収集できます。
透明性を保ち、従業員が調査への信頼を持つことも重要です。
分析結果の共有や対策の実行をセットで行う
調査結果の分析や報告だけでなく、適切な対策や改善策を実行することが欠かせません。施策実施の際には、定期的なフィードバックや進捗報告を行うことも大切です。
これにより、従業員は満足度調査には「意味があった」と思うようになり、定期的な調査にも協力的になることが期待できます。
目的に応じた従業員満足度調査ツールを選ぶ
調査は、アンケートの作成や集計・分析といった手間が多いため、ツールやサービスを利用して効率的に実施することが継続できる秘訣です。
その際、組織のニーズや目的に適した従業員満足度調査ツールを選定することが重要です。ツールの選定に際しては、調査項目の柔軟性やカスタマイズ性、データ分析機能の充実度、使いやすさなどを考慮し、組織の要件に最適なツールを選択することが重要です。
従業員満足度調査を無駄にしないために
従業員満足度調査を有効に活用するためには、適切なサービスの選定が不可欠です。自社のニーズや予算に合わせて、複数のサービスを比較検討しましょう。その際には、機能の充実度や使い勝手、無料プランや無料トライアルの提供状況などを十分に考慮することが重要です。
また、導入前には実際に試験運用を行い、従業員満足度調査の適切性や効果を確認しましょう。これにより、従業員の声を有効に活用し、組織全体の改善につなげられます。
従業員満足度調査ツールは、次の記事でも詳しく紹介しています。
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