パルスサーベイとは?目的・効果・活用場面・質問事項と実施方法

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- パルスサーベイとは
- モラールサーベイとの違い
- パルスサーベイのメリット
- より現状に近い従業員満足度の把握
- 従業員エンゲージメントの向上
- 従業員満足度調査の費用を削減
- パルスサーベイのデメリット
- パルスサーベイの効果的な活用場面
- オンボーディングで活用する
- 従業員へのストレスチェックで活用する
- 人事施策の効果検証で活用する
- パルスサーベイの実施方法
- 質問項目を決める
- 質問項目をもとに調査を実施
- 調査結果の集計〜分析
- 課題への対策を検討し実行
- パルスサーベイに活用できるツール
- Wevox
- カオナビ
- Geppo
- クアルトリクス 従業員エクスペリエンス(EX)|Qualtrics
- ラフールサーベイ
- SmartHR
- hanaseru
- パルスサーベイで従業員エンゲージメントを向上させる
- BOXILとは
パルスサーベイとは
パルスサーベイとは、従業員満足度調査の際に利用される、意識調査手法の1つです。
「パルス」は「脈拍」のことを指し、脈拍チェックのように、1~2分程度で答えられる10問前後の簡単な質問を高頻度で行います。週次、月次のように定期的かつ高頻度で繰り返すことによって、従業員の意識をリアルタイムに調査できます。
モラールサーベイとの違い
同じ従業員満足度調査手法に「モラールサーベイ」があります。
モラールとはやる気のことを指し、モラールサーベイは「士気調査」「社員満足度調査」とも呼ばれます。パルスサーベイが簡単な質問を高頻度で繰り返すのに対して、モラールサーベイは難しい質問を低頻度で実施し、従業員の意識をより明確にしようとします。従業員への意識調査を包括する概念とも言われます。
パルスサーベイのメリット
パルスサーベイを行うメリットは次のとおりです。
- より現状に近い従業員満足度の把握
- 従業員エンゲージメントの向上
- 従業員満足度調査の費用を削減
それぞれのメリットについて説明します。
より現状に近い従業員満足度の把握
パルスサーベイは短いサイクルで定期的に簡単な調査を行います。常に最新の従業員満足度を把握できるので、小さなできごとによるストレスにいち早く気づき、ケアすることで離職を防げます。
対応すべき問題をスピーディーに抽出するのに優れたアプローチ方法です。
従業員エンゲージメントの向上
パルスサーベイは、個人が感じている問題を組織全体の課題と捉え、改善点をフィードバックします。そのため、特定の個人に負担を与えずに問題を解決できます。結果としてチームワークの向上や離職率の低下に貢献すると考えられます。
従業員満足度調査の費用を削減
一般的な従業員満足度調査は年に1〜2回の頻度で行われ、質問項目も多岐に渡りがちです。アンケートの記載・収集・分析からフィードバックに至るまで数か月を要したり、調査会社に外注すると数十万円から数百万円の費用が発生することもあります。
大規模な従業員満足度調査と比較するとパルスサーベイで質問できる項目は限られていますが、短期間かつ低コストでアンケートの記載からフィードバックまで実現可能です。
従業員満足度調査で調べたい項目が限定されている、定期的に追跡したい指標がある場合はパルスサーベイの方が有効だと考えられます。
パルスサーベイのデメリット
パルスサーベイのデメリットは、分析から活用までのサイクルが短いことです。短いスパンで活用を求められるため、場合によっては負担になることもあります。
ツールを活用して調査の時間やコストを削減し、効率よく調査が行えるように準備するのが大切です。
パルスサーベイの効果的な活用場面
パルスサーベイは次の場面で活用すると、より効果を実感できます。
- オンボーディングで活用する
- 従業員へのストレスチェックで活用する
- 離職率を下げるための人事施策に活用する
それぞれの活用方法について説明します。
オンボーディングで活用する
パルスサーベイの「短スパン」を生かし、オンボーディングの際に組織になじめているかを観測することで、離職率低下、新規採用者の早期戦力化といった効果が期待できます。
オンボーディングとは採用した従業員が組織に定着するまでのプロセスのことです。オンボーディングの進行度合いは各従業員で異なり、年1~2回の従業員満足度調査ではフォローしづらいため、パルスサーベイで客観的に計測するのが有効です。
従業員へのストレスチェックで活用する
パルスサーベイを活用することで従業員のストレスや職場環境に対応できます。
ストレスは職場環境やプラベートな出来事など、さまざまな要因によって短期的に変化し、パフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。
調査頻度が高いパルスサーベイで原因を特定し、早期に対応するとよいでしょう。
人事施策の効果検証で活用する
パルスサーベイは「新しい人事制度の導入」「管理職の研修などの人事施策」の効果検証にも活用できます。
実際に効果はでたのか、どのような効果があったのかなど、制度や施策の測定に役立ちます。
パルスサーベイの実施方法
パルスサーベイは次の4つのステップで実施します。
- 質問項目の決定
- 質問項目をもとに調査を実施
- 調査結果の集計〜分析
- 課題への対策を検討し実行
それぞれのステップについて説明します。
質問項目を決める
目的によってさまざまな質問が考えられますが、従業員エンゲージメントを把握したい場合は、下記サンプルのような質問をするといいでしょう。
- 自分の仕事は上司や同僚などに評価されていると思いますか?
- キャパシティを超える業務量を割り振られていませんか?
- 部署内の人間関係は良好だと思いますか?
- 仕事に関して問題が発生した場合、上司や同僚などからサポートを受けやすいですか?
質問項目をもとに調査を実施
作成した質問項目アンケートに起こし、メールやビジネスチャットで従業員に送付します。パルスサーベイツールを使用する場合は、サービス上で発行できる回答用URLを共有します。
回答しやすい時間帯にアンケートを送る、答えやすい雰囲気をつくるなど、回答率をアップさせるように配慮してください。

調査結果の集計〜分析
集計したアンケートの回答率や結果を「良い点」「悪い点」に分けて分析し、今後の施策を検討します。
パルスサーベイはスピード感ある調査、分析、フィードバックが大きなメリットなので、分析した結果はできるだけ早く従業員にフィードバックしましょう。
課題への対策を検討し実行
洗い出した課題に対して対策を検討、実行します。パルスサーベイ実施後の具体的な施策について説明します。
評価制度の対策
公平な評価制度を実施することで、従業員エンゲージメントやモチベーションの向上につながります。「ピアボーナス®」や「1on1」といった制度を導入するといいでしょう。
※「ピアボーナス®」はUnipos株式会社の商標です。商標権者から使用許諾を得ています。
マネジメント教育の施策
特定のチームや部署で問題が発生している場合は、上長のマネジメントに問題があるかもしれません。マネージャー層にマネジメント教育を実施し、部下を正しく導くように指導しましょう。上司のマネジメント問題を解決することで、チームが活性化し業績アップが期待できます。
パルスサーベイに活用できるツール
パルスサーベイに活用できるおすすめのツールを紹介します。各サービスの機能や特徴について説明しているので、サービスを比較する際の参考にしてください。
- アンケートの配信・回答・集計が簡単
- アンケートの分析データから課題を把握・改善
- エンゲージメントを9つの観点で可視化
Wevoxは、従業員エンゲージメントの可視化し、改善サイクルを生み出す従業員満足度調査ツールです。設問パッケージを使って作成できるアンケートは、1回あたり約3分で回答可能。スマートフォンやタブレットにも対応しており、回答の配信も簡単に行えます。
アンケート結果を自動で集計・分析し、リアルタイムでデータが反映されるので、パルスサーベイの負担を軽減します。分析したデータをもとに従業員エンゲージメントを数値化。現状の組織の強みや弱みを解析し、課題を早期発見。改善策の提案や、優先的にサポートすべき従業員を抽出することで、組織や個人の効果的なケア対策を効果的に行えるため、組織の離職率低下や生産性向上につながります。
- アンケート機能で従業員の本音をキャッチ
- 面談記録を蓄積しモチベーション変化を"見える化"
- パルスサーベイ機能で離職予兆や組織課題を早期に発見
カオナビは、従業員の本音や思考を可視化するパルスサーベイ機能を備えた人材管理システムです。
収集したアンケート結果を元に業員の本音を可視化。また従業員のスキルや評価履歴、面談記録を蓄積し一元管理できるため、モチベーション変化を可視化しよりよい組織へ。有料オプションのパルスサーベイ機能では、定期的に短いアンケートを実施し結果を蓄積することで、組織課題の発見につながります。早期に対策し離職防止、エンゲージメント向上が期待できるツールです。

- 答えやすいから高回答率
- 面倒なオペレーション業務はすべて代行
- 打ち手につながりやすい
Geppoは、コンディションを可視化できるHRテックツールです。毎月厳選した3問の質問に答えてもらうだけで、従業員負荷がもっとも低いパルスサーベイを実現。これにより離職防止や適材適所、現場の声の吸い上げなどさまざまな目的に活用できます。
アンケートの配信はもちろん、回答促進からコメントの読み込み、レポートまで、運用で手間のかかる作業をすべて代行。また、直感的なインターフェースとアラート機能で、変化の兆しを見逃すことを防止します。2017年HRアワードの人事労務管理部門で優秀賞受賞した実績もあります。
クアルトリクス 従業員エクスペリエンス(EX)|Qualtrics - クアルトリクス合同会社
- パルスサーベイを自動化
- 収集したデータをリアルタイムで集計・分析
- 目的に合わせて分析データを活用
クアルトリクス 従業員エクスペリエンス(EX)は、パルスサーベイを自動的に実施できるツールです。パルスサーベイにより集められたデータは、組織ごとのダッシュボードへリアルタイムに表示。人事担当者やマネージャーなど、それぞれのポジションで必要な情報を的確に届けます。
時系列での変化を確認でき、従業員の状態を正確に理解可能です。特定の従業員の継続的なケアや、ダイバーシティやキャリア開発のような全社的なプロジェクトの追跡にもデータを活用できます。
- 約3,000社※の社員18万人以上※のメンタルヘルスデータデータを蓄積
- さまざまな角度から組織課題を分析できる
- 離職防止と組織の生産性向上を実現
ラフールサーベイは、組織課題の調査・分析・対策までをトータルサポートし、離職防止や生産性向上につなげられるサービスです。
個人と組織を多角的に分析し、どの部署に課題があり、どのような対策を打つべきかを個別に報告・提案してくれます。経営リスクを事前に回避することで、離職防止と組織の生産性向上、魅力的な企業ブランドの構築を可能にします。
※ラフールサーベイ公式サイトより(2022年7月25日閲覧)
- 信頼性の高い従業員サーベイの実施
- アンケートの依頼から分析までをひとつに
- 課題発見につながる深い分析
SmartHR(スマートエイチアール)は、人事・労務を一元管理し、業務効率化や生産性向上を目指せるクラウド型人事労務ソフトです。従業員サーベイ(従業員満足度調査)では、アンケートフォームの作成や配信、回収、集計、分析までが、SmartHRひとつで実施できます。
エンゲージメント調査や不定期アンケートなど、あらゆるサーベイに対応可能です。「ワークエンゲージメント」と呼ばれる、全世界で標準化されているエンゲージメントの考え方をベースに、SmartHR内の「従業員データ」を組み合わせ、信頼性の高い従業員サーベイを設計します。部署や役職など、従業員それぞれの属性ごとに、どのような課題があるのかをスムーズかつ正確に特定します。
hanaseru - パーソルイノベーション株式会社
- 資格を有したコンサルタントがアドバイス
- 毎月電話またはWebにてカウンセリング
- ミッションや人間関係、仕事、キャリアなど幅広い課題に対応
hanaseruは、独自の資格をもったカウンセラーからアドバイスをもらえる従業員満足度調査ツールです。hanaseru独自の資格をもったコンサルタントが、従業員満足度調査の結果にたいして管理職の方へアドバイスをします。従業員満足度調査を実施したものの、調査結果を活用できていない企業や分析に時間をかけられない企業におすすめのサービスです。
パルスサーベイで従業員エンゲージメントを向上させる
パルスサーベイは1~2分程度で答えられる質問を高頻度で行う従業員向けの意識調査です。調査頻度が高いため、ストレスチェックや人事施策の検証など、刻一刻と変化する従業員意識を調査する手法として優れています。
パルスサーベイで従業員の状況をいち早く把握し、問題をスピーディーに解決することで、従業員エンゲージメントの向上が期待できます。
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」、Q&Aサイト「BOXIL SaaS質問箱」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
BOXIL会員(無料)になると次の特典が受け取れます。
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BOXIL SaaS質問箱は、SaaS選定や業務課題に関する質問に、SaaSベンダーやITコンサルタントなどの専門家が回答するQ&Aサイトです。質問はすべて匿名、完全無料で利用いただけます。
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