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CTIとクラウドPBXの違い・仕組み│用語・機能をわかりやすく

最終更新日:(記事の情報は現在から297日前のものです)
CTIとPBXは技術の仕組みや実現できることが異なります。本記事では、CTIやPBXの違いや仕組みを解説。また近年サービスが増えている「クラウドPBX」とCTIのメリットや機能、両方を組み合わせて実現できることを紹介します。

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CTIとPBXの違いと仕組み

CTIとPBXは、どちらも企業の電話業務を効率化しますが、それぞれ仕組みが異なります。CTIは通信の効率化と顧客対応の向上が可能な技術であるのに対し、PBXは企業内の電話システムの管理とコスト削減を可能とする技術です。

コールセンターを例にすると、「PBX」が外線電話と内線電話の接続・制御を行い、「CTI」が電話回線とコンピュータを連携させます。

CTIの仕組み

CTI(Computer Telephony Integration)は簡潔にいうと、電話とコンピュータを連携させる技術・システムです。

CTIにより、受話器をもたずにパソコンとヘッドセットで架電や受電ができるようになり、CRMシステムと連携すれば顧客情報にすぐアクセスできます。

他にも、次のことが可能です。

  • 入電時に顧客情報や稼働状況を踏まえて自動でオペレーターに分配
  • 顧客データベースと連携し顧客情報を瞬時に表示
  • オペレーターと自動音声の切り替え
  • 管理者がオペレーターと顧客の対応をモニタリング

これらの技術やシステム機能により、コールセンター業務の効率化や顧客サービスの向上が期待できます。

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PBXの仕組み

PBX(Private Branch Exchange)は「構内交換機」とも呼ばれるように、企業内の電話網を管理し、内線同士の接続や外線と内線の接続を効率的にコントロールする技術・システムです。

PBXには、大まかに3つの制御機能があります。

  • 着信制御……親番号への入電を子番号に振り分ける機能。外線契約した電話番号を「親番号」に設定し、回線を共有した別の番号を「子番号」として追加しておきます。
  • 転送制御……不在時や通話中の入電を別番号へ転送したり、任意の回数の呼び出しに応答がなければ別番号に転送したりできる機能。
  • 保留制御……通話の保留状態・通話再開ができる機能。着信のあった電話機のみで再開できる「自己保留」と、保留した電話機以外でも再開できる「パーク保留」があります。

近年は、インターネットを活用したIP-PBXやクラウドPBXが普及し、これらの新しい形態のPBXは、従来の機能に加えてより高い柔軟性とコスト効率を提供しています。

PBXシステムは、内部通信の管理と通話コストの削減に貢献し、外部からの通話を適切な部門や個人に転送することで顧客対応の迅速化を実現しています。

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クラウドPBXとは

クラウドPBXは、サーバーを活用して従来のPBX機能をクラウドベースで提供する通信サービスです。物理的な交換機の代わりに、クラウド上のサーバーを通じて通信インフラを運用する技術で、企業は専用のサーバー設備を設置する必要がありません。

クラウドPBXは、初期設置にかかる費用や運用に関わるコストを削減できる特徴があります。物理的な機器を設置する必要がないため初期投資が少なく、維持管理にかかる費用も低減できます。

また、クラウドPBXは拡張性に優れており、ビジネスの成長や変化に応じて容易にスケールアップやダウンが可能です。

ただし、クラウドPBXはネットワーク依存度が高いことを考慮する必要があります。サービスの品質はインターネット接続の安定性に依存するため、サーバーへのアクセスが不安定だと通信品質に影響を及ぼすかもしれません。そのため、十分なネットワーク環境の確保が重要です。

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CTIとクラウドPBXのメリット

CTIとクラウドPBXは、現代ビジネスの通信環境において重要な役割を果たします。CTIやクラウドPBXの導入メリットを紹介します。

CTIを導入するメリット

CTIの導入は、主にコールセンターや顧客サービス業務においてメリットをもたらします。主なメリットは次のとおりです。

効率的な通話管理ができる

CTIを使用すると、着信通話を自動的に適切なオペレーターにルーティングできます。これにより、顧客の待ち時間が短縮され、受電の処理効率が向上します。

顧客満足度の向上につながる

CTIは、顧客からの通話があった際に、オペレーターの画面へ顧客情報をリアルタイムで表示します。これにより、オペレーターは顧客にパーソナライズされた対応を提供でき、顧客満足度が向上するでしょう。

また、オペレーターが変わっても対応の質が保たれるといったメリットもあります。

通話データの分析と活用ができる

CTIによる通話内容の自動保存と分析によって、顧客サービスの質を評価し、改善するためのヒントを得られます。業務改善や戦略策定に役立つ重要な情報源となるでしょう。

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クラウドPBXを導入するメリット

クラウドPBXは、従来のPBXと異なり、次のようなメリットがあります。

コスト削減と柔軟性につながる

クラウドPBXであれば物理的なPBX機器を設置する必要がなく、初期投資と運用コストの削減につながります。また、クラウドPBXは拡張が容易で、ビジネスの成長に合わせてスケールアップやダウンを柔軟にできる点もメリットといえるでしょう。

遠隔地を含めた通信網を構築ができる

クラウドPBXはモバイル端末との連携が可能で、リモートワークや在宅勤務でも使用できるといった利点があります。遠隔地のオフィスや在宅の従業員も容易に通信網に組み込めるため、業務拡大や柔軟な働き方に対応しやすいのが特徴です。

インフラの簡素化になる

クラウドPBXの導入により、企業の通信インフラがシンプルになります。これにより、通信関連の運用業務が削減され、ITリソースを他の重要な業務に集中させられるでしょう。

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CTIとクラウドPBXの機能

次に、CTIとクラウドPBXのそれぞれがもつ機能例を紹介します。

CTIの機能

着信呼自動分配装置(ACD)

CTIの着信呼自動分配装置(ACD:Automatic Call Distribution)は、着信通話を最適なオペレーターに自動で分配する機能です。たとえば、顧客が特定のサービスに関して問い合わせをした場合、問い合わせを専門のサポートチームに直接ルーティングできます。

音声自動応答システム(IVR)

音声自動応答システム(IVR:Interactive Voice Response)は、自動音声の声に従い顧客が電話キーパッドを使用してみずから情報を入力し、必要な情報や問い合わせ部門に直接アクセスできるようにするシステムです。

たとえば、顧客が商品の在庫状況を確認したい場合、IVRを通じて特定の番号を押すことで、関連する情報を入手できたり、専門の問い合わせ先にすぐつながったりします。

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自動録音機能

CTIの録音機能は、通話の内容を自動で記録する機能です。顧客サービスの質を評価するための分析資料として活用します。

この機能により、通話の詳細を振り返り、オペレーターのトレーニングやサービス改善のための情報が得られます。

クラウドPBXの機能

代表番号での発着信

クラウドPBXがもつ機能のひとつに、代表番号での発着信が挙げられます。代表番号宛てにかかってきた電話を、社内の別の電話機だけでなく、パソコンやスマートフォンといった幅広い端末で着信できる機能です。

同時に、社内の電話機以外からも代表番号を使っての発信ができるため、従業員個人の電話機を使った場合でも、個人の電話番号を知られることなく業務に活用できます。

ダイヤルイン機能

クラウドPBXのダイヤルイン機能は、1つの電話回線に対して複数の電話番号を取得できるサービスです。ビジネスの拡大や部署の増設に応じて、追加の電話番号が必要になった際に活用できます。

たとえば、異なる部署やプロジェクトチームごとに個別の番号を割り当てることで、外部からの通話を適切なチームや担当者に直接ルーティングできます。これにより、顧客からの問い合わせやビジネスパートナーからの連絡が、正確かつ迅速に適切な担当者に届けられます。

また、ダイヤルイン機能は特定のキャンペーンやイベント用に一時的な電話番号を設定する際にも有用です。特定のプロモーションやイベントに対応する専用の電話番号を設けることで、反響を効果的に追跡して分析できます。

チャット機能

クラウドPBXにはチャット機能が付いていることも多く、従業員間におけるコミュニケーションのサポートにも活用できます。クラウドPBXであれば1つのアカウントで電話やチャット、会議などのやり取りができるため、複数のコミュニケーションツールを使わずとも迅速な情報交換や意思決定が可能です。

クラウドPBXとCTIを連携して実現できること

クラウドPBXは、CTIと組み合わせることでより効果を発揮します。クラウドPBXとCTIを連携すると、次のようなことが実現できます。

不在時の折り返し対応を減らせる

CTIの機能によって、顧客からの通話が適切なオペレーターや担当者に自動でルーティングされます。また、クラウドPBXの機能によって社外にいても顧客からの通話を着信でき、顧客を担当する営業担当者やサポートスタッフに直接転送されるため、不在時の折り返し対応が必要な場面も減少するでしょう。

オペレーターの業務効率が向上する

CTIシステムによる顧客情報の即時表示機能とクラウドPBXのスムーズな通話管理が組み合わさることで、オペレーターの業務効率が大幅に向上します。

さらに、オペレーター自身の稼働状況や着信数や通話時間、稼働時間などの具体的な数字を管理できるため、コンバージョン率や顧客満足度改善のためのPDCAサイクルを回すのにも役立つでしょう。

CTIとクラウドPBXを効果的に活用しよう

CTIとクラウドPBXを連携することによって、両方の機能を最大限活用できます。

また近年では、CTIとクラウドPBXの両方の機能を搭載したサービスも登場しています。

コール業務の効率化と顧客対応の質を向上するために、CTIとクラウドPBXを上手に利用していきましょう。

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