ポカリスエットはなぜ「ラマダン明け」に売れたのか?国内ブランドが海外で勝ち残るには

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記事の情報は2017-11-09時点のものです。

いまナショナルブランド・メーカーは、取引相手の食品スーパーやコンビニやファストフード店向けに、食材の調達加工をローカル対応にせざるをえない状況だ。法政大学 経営大学院 教授の小川孔輔氏が、大塚製薬やキッコーマンの例を挙げた。

「食ビジネスの変革」で業界再編 、マーケティングの未来はどうなる?

それでは、今後のマーケティングはどうなるのだろう? 

ネスレの例を見ると、受験生に人気のあるキットカットは、お土産としてご当地展開で成功している。アサヒ飲料の十六茶もご当地の素材をブレンドし、カルビーも美瑛産のじゃがいもなどの地域限定商品や、国産野菜のポテトチップを生産している。

「これまでは素材元や加工については、あまり考えてこなかった。しかし今後は消費者の生活スタイルがガラリと変わるだろう。ドイツではベジタリアンのコンビニは当たり前で、もっと厳しいヴィーガン(絶対菜食主義者)対応のコンビニもある。彼らはミルクや卵など動物由来のものは一切食べない。こういう流れが日本にも来るはずだ」(小川氏)

また同氏は「10年か20年後に食ビジネスで変革が起き、世界中で肉を食べなくなる可能性がある」という点にも触れた。実はシリコンバレーの投資家が、いま植物由来食材と加工技術についておおいに注目しているそうだ。

「植物性オルタナティブ食品(大豆などでつくる肉モドキ製品)の現規模は3500億円ほどで、年率8%の伸びだ。スーパーで売れるのは“Beyond Meat”というマス向けバーガーだ。植物性代替肉をつくるために、元マクドナルドのCEOやビル・ゲイツ、三井物産などの既存グローバル企業が莫大な投資をしている」(小川氏)

このような動向によれば、近未来には食の在り方が大きく変わると予測される。つまり、「食ビジネス」自体がガラリと変わる可能性があるのだ。

そうなれば食品メーカーの再編もありえるし、新興企業の参入も起こりえる。マーケティングの未来には、さらにドラスティックな第六の段階が待ち受けているのかもしれない。