1年間リモートワークで働いてみた|体験談から見えたメリット・デメリット

働き方改革の推進で、よく耳にするようになった「リモートワーク」という働き方。時間を有効に使える、満員電車に乗らなくていいなどメリットはイメージしやすい。一方で、リモートワークで仕事に支障は出ないのか、社内の人とうまくコミュニケーションはとれるのか、など不安に思う人も多い。そこで今回は1年間リモートワークで働く人の体験談をもとに、リモートワークのメリット・デメリットなどについて考えていこう。

1年間リモートワークで働いてみた|体験談から見えたメリット・デメリット

リモートワークとは

リモートワークとは、従業員が会社に出社せず、自宅やコワーキングスペースなど、自由な場所で仕事をする働き方のこと。働き方改革の推進により、この制度を導入する企業も徐々に増えている。

「リモートワークを導入してほしい」は6割

BIGLOBEが2018年3月に発表した「働き方改革に関する意識調査」で、「導入してほしい制度」について尋ねた質問がある。6割の人が導入に前向きな意見を持っていることがわかる。

一方、導入に否定的な人は2割で、これは裁量労働制の次に高い結果となっている。

出典:BIGLOBE「働き方改革に関する意識調査」

働き方を自由にするはずのリモートワークに対し、不安を抱く人がいるのはなぜなのか。リモートワークを実践する人の体験談から、メリットや課題について考えていこう。

1年間リモートワークで働いてみたAさんの体験談

都内在住のAさんは昨年12月からIT系ベンチャー企業で働いており、まもなく1年。会議のため週1日は出社し、残りは自宅でのリモートワークを実践している。

出社かリモートワークか、どちらでも選択できる会社だが、リモートワークを選ぶ一番の理由は育児と仕事の両立だったという。

小学生と幼稚園児がいて、帰宅時間はそれぞれ違う。また、幼稚園は送り迎えが必要なため、自宅で勤務していれば両立できると考えたそうだ。

メリットは通勤時間を有効活用できること

リモートワーク日が出社日と違うのは、子どもを送り出した後の時間の使い方だ。通勤する時間を、家事などをする時間に充てられることが大きいと、Aさんはいう。

「朝のうちに準備しておけると、夕方仕事が終わった後もスムーズに夕食の準備ができます。出社している日は、お迎えまでの時間がタイトで、電車が5分でも遅れると走らなくてはならないこともあります。気持ちの余裕がずいぶん違いますね。」(Aさん)

また、幼稚園の参観や行事などの際には、リモートワークならば全休を取る必要がなく、短い時間でも勤務が可能だ。これは、収入面からするとメリットになる。

デメリットは情報共有の難しさ

一方で、リモートワークで困ることもあるという。

会社との情報共有はクラウドを利用したチャットツールだが、文字の情報だけでは社内の状況や雰囲気を判断しにくいそうだ。

逆もまた然りで、自分がやっている仕事が会社側にも見えないため、人事評価の面で不利にならないかという不安を感じることもある。

また、仕事とプライベートのメリハリがつかないと感じることもしばしばあるという。

たとえば、代休や夏休みなど子どもが家にいる場合は、仕事に集中するのは難しい場合もある。

自分の暮らしに仕事を溶け込ませるという感覚

リモートワークを通じて、メリットもデメリットも実感しているというAさん。しかしやはり自分のワークスタイルには、リモートワークは必要だと話す。

「仕事とプライベートのメリハリがつかないと感じることもありますが、そんな日はあえて出社する日を作ることもあります。また、課題となる情報共有は、なるべく自分から進んで発信をすることで大きな問題はありません。

自分の暮らしの中に、仕事をどう溶け込ませるかと考えたときに、今のリモートワークは無理がありません。逆に、回数に制限があったり、一度申請したら出社できなかったり、ガチガチに縛られている制度だったら、とても働きにくいと感じていると思います。」(Aさん)

本当の働き方改革は、自分で働き方を選択すること

Aさんの事例は、出社やリモートワークを自由に選択できるスタイルだったが、現状それができる企業はむしろ少数派だろう。

リモートワークはマネジメントの難しさもあり、制度を導入する企業側からすれば「導入するなら全員で、週に何回」などルールが決まっている場合が多いのだ。

また、働き方改革では、リモートワークの他にも、育児休暇や有休休暇の取得率向上、長時間労働の是正などさまざまな施策がある。

しかし会社側がこれをただ押し付けるだけでは、従業員にとって新たな弊害を生むことは、ここ数年でわかってきている。「時短ハラスメント」はまさにそれを象徴する言葉なのだ。

少子高齢化、労働力不足など社会構造も急速に変化する。ライフスタイルの多様化、働き方の多様化の中で、今われわれが本当に目指すべきなのは、「自分で自分の働き方を選択できる」社会ではないだろうか。