働き方改革関連法が6月29日、参院本会議で可決され成立した。政府・与党がことし最大の国会テーマとして位置づけてきたもので、労働基準法など8つの法改正を一括して審議している。
安倍首相は、「70年ぶりの大改革であります。長時間労働を是正していく。そして、非正規という言葉を一掃していく。子育て、あるいは介護をしながら働くことができるように多様な働き方を可能にする法制度が制定されたと思っています」と、その意義を強調した。
同法は「高プロ」「同一労働同一賃金」「残業時間の上限規制」の導入が柱で、原則2019年4月より適用される。これら「3つの柱」とともに、これまで紹介してきた働き方改革に関連するニュースをまとめて掲載する。
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働き方改革関連法、成立した「3つの柱」
29日に可決、成立した関連法は、3つの柱を中核としている。それぞれについてみていこう。
(1)「高プロ制度」創設
「高プロ制度」――高度プロフェッショナル制度は、高収入の専門職を労働時間の規制から外すというもの。「脱時間給制度」とされており、残業代はなく、賃金は成果により規定される。無駄な残業の削減、労働生産性の向上を目的としているが、「残業代ゼロ法案」「過労死推進法案」とも揶揄され、反対意見が非常に多いなかで可決された。
成立した法の概要は次のとおり。原則2019年4月より導入。
- 年収1,075万円以上の一部専門職を対象とする
- 働いた時間でなく成果で評価する
- 4週間で4日以上、年104日以上の休日取得義務を設ける
次の記事では、高プロについて詳しく解説するとともに、対象者や対象予備軍が知っておくべきポイントを整理している。
(2)罰則付き残業時間の上限規制導入
これまでは、労使間の合意があれば、実質の残業時間は「青天井」だった。今回の法成立により、例外や特例はあるものの、残業時間の上限が「罰則付き」で規定される。
概要は次のとおり。大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月導入。
- 残業は年720時間、単月100時間未満に
- 違反すると懲役や罰金
次の記事では、規制の詳細を紹介するとともに、診断チャートも掲載している。
(3)「同一労働同一賃金」の適用
正規と非正規との不合理な待遇差の解消をはかるため、非正規雇用労働者の待遇改善を主旨としている。給与だけでなく賞与や福利厚生も対象となる。導入時期は、大企業で2020年4月、中小企業で2021年4月。
次の記事では、ガイドラインに沿って詳細を解説している。
働き方改革関連ニュースまとめ
ここでは、これまでビヨンド(beyond)で掲載してきた、働き方改革に関連する記事を紹介する。4月の導入に向けて参考にしていただきたい。