「週休2日は必要だが実現困難」建設業の働き方改革が進まないワケ

公開日:
建設業のメディアサイト「施工の神様」と、施工管理技士のための転職サイト「施工管理求人ナビ」を運営しているC4は、建設現場の「週休2日」「女性活躍」「タバコ」「強面」といった状況についてアンケート調査を実施、6月6日にその結果を発表した。
「週休2日は必要だが実現困難」建設業の働き方改革が進まないワケ

建設業の現場のリアルな声とは

建設業の働き方改革については、以前Beyondでも取り上げた。

同記事では、建設業の年間労働時間は他産業に比べて大幅に長いことが明らかになっている。2016年度の結果では、建設業:2,056時間、他産業:1,720時間という実績だ。

また、建設工事全体では、約64%が4週4休以下で就業しているという現状もある。このように、建設業では、未だ働き方改革がほとんど進められていない状況となっているのだ。これに対し、国土交通省は「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定し、この中で、今後、長時間労働の是正、給与・社会保険、生産性向上の3つの分野での取り組みを進めていくことを報告した。

では、このような政府の方針に対し、実際の現場で働き手の意識はどうなのだろうか。今回、C4が実施したアンケート調査によると、「週休2日は困難」と回答した人が約7割もいたことがわかった。つまり、政府の方針と現場のリアルな声との間には、差があることが判明した。

以下で解説していく。

「週休2日」は必要だが約7割が実現困難と回答

出典:プレスリリース

まず、この発表では、建設現場では、いまだに「週休2日」が浸透していないことを指摘している。そして、このような休みの少なさが若手就業者の減少につながっているとの推測から、国や自治体、業界団体は働き方改革の一環として「週休2日」を推進しようとしているのだ。

今回、「施工の神様」が実施した「建設現場の週休2日は、実現できると思う?」との問いには、実現できる」と回答したのは31%にとどまった。一方、「実現できない」は28%、「困難だが、実現するしかない」という回答は41%で、合計で69%が「週休2日は困難だ」と思っていることがわかった。

つまり、実際に建設現場での働き手は、「週休2日」は必要だと考えていながらも、現状では難しいと認識しているのだ。(調査概要:Webアンケート / 2018年2月16日~23日 / 施工の神様の読者 219名)

「週休2日」の困難な理由:「工期が間に合わない」が3割以上

出典:プレスリリース

次に、その理由を尋ねたところ、「工期が間に合わない」が33%、「給与が減る」が26%、「建設現場の古い固定観念」が17%、「下請けの多重構造」が13%、「発注者との関係」が10%、「その他」が1%という結果になった。(調査概要:Webアンケート / 2018年2月16日~23日 / 施工の神様の読者 219名)

出典:プレスリリース

また、建設現場が週休2日になると、日給月給の職人の手取りが減ってしまうという問題が指摘されているという。また、施工管理者の中には「休みよりお金が欲しい」という人も少なくないという。そこで、そもそも建設現場は「週休2日」にすべきなのかというアンケート実施した。

その結果、「すべき」が52%、「すべきでない」が6%、「選択制にすべきが」42%となった。

「選択制にすべき」との回答者に個別質問したところ、「若手不足は週休2日の問題ではなく、業界に魅力がないからだ」「個人の裁量で休むか、稼ぐかを判断したい」などの意見があったという。

一方、「すべき」との回答者の中には「強制的にでも週休2日にしなければ、いつまでも週休2日にならない」という意見があった。(調査概要:Webアンケート / 2018年2月16日~22日 / 施工の神様の読者 219名)

建設業で現場工事に携わる働き手には個人事業主として業務を請け負う人も少なくない。週休2日になった分、売上が減ってしまうのだ。週休2日にした分工期を延ばすだけではなく、単価を上げるなどの対応を取らない限りは週休2日は広がらない。「選択制にすべき」との回答の背景には、そんな事情もあるのではないだろうか。