調査は2017年8月~12月、カーナビゲーション、ディスプレイオーディオメーカー(DA)、自動車メーカー、一次部品メーカーを対象に、同社専門研究員による直接面談、電話・メールによるヒアリング、ならびに文献調査を併用しておこなわれたもの。
同研究所によると、2022年のカーナビ世界市場規模は、3,117万台に拡大するという。一方で、カーナビの代替候補であるポータブルナビゲーションデバイス(PND) は、スマートフォンナビに浸食されて大きく縮小する見通し。
またスマートフォンの普及拡大は、カーナビとディスプレイオーディオメーカーのスマートフォン連携といった新たな需要分野にも成長をもたらすと見られる。
注目すべきはカーナビデバイスの多様化
今後は各国のスマートフォン普及率や政府による大衆車政策により市場環境が変化、カーナビの在り方も変わる可能性が高い。
たとえば、アメリカではクルマを後進運転する際に歩行者を巻き込む事故を防止するために、新型車に後方の安全確認をする1個以上のバックモニターカメラの搭載を義務付けるKT法が施行され、ディスプレイオーディオの需要が高まっている。
また新興国ではすでに普及しているスマートフォンナビや価格をおさえられるポータブルナビゲーションデバイスといった棲み分けが進んでいる。
今後は車載機とスマートフォンとの連携機能のさらなる最適バランスが追求されるだろう。
2016年のカーナビ世界市場規模は2,296万台、前年比110.3%と順調に拡大
2016年のカーナビ世界市場規模は2,296万1000台で、前年比110.3%と自動車販売台数の拡大に合わせて伸びている。最近はナビ機能だけではなく、音楽・映像配信などのインフォテインメント(情報・娯楽)システムの果たす役割が大きくなっており、今後その傾向はさらに高まっていくという。
出典:プレスリリース
2022年の市場規模は3,117万台までの拡大を予測
世界規模でみると、カーナビ市場はまだ伸び続けており、2022年の世界カーナビ市場規模は、3,117万台に拡大すると予測されている。
たとえば先進国では高級車の自動運転化にともない、e コクピットのような走行系連携のハイエンドシステムの成長を牽引する。一方、新興国では自動車の大衆化(モータリゼーション)にともない、ディスプレイオーディオ(DA)とスマートフォンナビ、スマートフォン単体利用が大多数を占めると見られている。
一方でカーナビの価格低下傾向は、世界的な現象となっており、参入企業間の競争により厳しさを増しているという。
各国の文化や言語、生活環境といった市場環境や特性を反映しつつ、地域別需要に適合していくことが、市場成長の恩恵にあずかる鍵となるのではないだろうか。