菜種梅雨とは?意味・由来・梅雨との違いは?

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記事の情報は2018-11-12時点のものです。

3月中旬から4月上旬に曇りや雨の日が続くと、天気予報で「菜種梅雨(なたねづゆ)が続いていますが」と気象予報士の方が話していることがありますよね。まだまだ梅雨の時期にはほど遠いこの時期に「梅雨」という表現をするのを不思議に思った方も多いのではないでしょうか。この記事ではそんな菜種梅雨の意味や名前の由来、菜種梅雨の異名などについて詳しく解説していきます。
菜種梅雨とは?意味・由来・梅雨との違いは?

菜種梅雨(なたねづゆ)とは

菜種梅雨(なたねづゆ)とは、3月下旬から4月上旬ごろに曇りや雨が続き、梅雨のようなぐずついた天候が続くことをいいます。菜種梅雨は梅雨のようにずっと続くということはなく、期間は一日中あるいは数日程度のことがほとんどです。

菜種梅雨の意味と由来

菜種梅雨は3月下旬から4月上旬ごろ、つまり菜の花が咲く季節に降り続く雨のことを指します。梅雨の時期ではないものの、雨の日が続くことから菜種梅雨と呼ぶようになりました。

菜種梅雨になる原因

天気予報で気象図が表示されると、高気圧と低気圧が青や赤のマークと線で表されていますよね。基本的に高気圧で覆われればその地域は晴れ、低気圧で覆われれば雨や曇りになります。

日本では冬の間高気圧に覆われるため晴れの日が続きますが、春になるとその高気圧が北上し、南側では前線が停滞しやすくなります。前線が停滞するとくもりや雨が続き、菜種梅雨の原因となるのです。このため、東・西日本の太平洋側では見られるものの、東北地方や北海道ではあまり見られない現象であると言われています。

菜種梅雨の異名

菜種梅雨という名前もなかなか風流な呼び方ですが、菜種梅雨にはほかにも別名があります。

たとえば「春雨(はるさめ)」や「春の長雨」はその名のとおり春に降り続く雨であることを表した呼び名です。食べる「春雨」もありますが、この春雨の由来は菜種梅雨であり、しとしとと降る細い雨が続く様子からそう名付けられたといわれています。

そのほかにも「催花雨(さいかう)」という呼び方もあります。催花雨とは「花」を「催す(咲かせる)」「雨」という意味で、3月から4がつにかけての花を咲かせるために降る雨であることを表しています。

一番読み方が難しい春霖は「しゅんりん」と読みます。「霖」は長雨を表す漢字であり、春の長雨を表しています。春が訪れ花の蕾も膨らみ、草木が芽吹く様がイメージされますね。

菜種梅雨が長く続いたことはある?

菜種梅雨は基本的に数日で終わることがほとんどです。しかし稀に、菜種梅雨が1か月近く続くこともあります。

そんな菜種梅雨があったのは1985年のこと。東京では3月に5日間しか晴れの日はなく、快晴になった日はなんと0日だったそうです。そのため1985年の3月は「暗い3月」とも呼ばれました。

菜種梅雨を越えれば気持ちの良い春がやってくる

菜種梅雨は数日で終わるとはいえ、気候も良い3月下旬から4月上旬の時期にぐつついた天候が続くのは気分が滅入ってしまいますよね。でもそんな菜種梅雨を乗り越えれば、花々が咲き誇る春がやってきますよ。