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ABC分析とは?手法が3分でわかる | 業務分析・マーケティング用語

最終更新日:(記事の情報は現在から1399日前のものです)
ABC分析の手法を初心者でも分かるよう解説します。ABC分析とは、重点分析とも呼ばれる手法で、たくさんある指標の中から重視するポイントを決め、優先度を決めて管理していこうという方法です。

ABC分析とは

ABC分析とは、重点分析とも呼ばれる手法で、多くの指標の中から重視するポイントを決め、優先度を決めて管理していこうという方法です。

たとえば、売上高、販売個数、売上利益などを重要度順に並べて、管理対象の優先度を選定する場合にABC分析を利用可能です。

ABC分析は特に、売上分析の場で用いられることが多い手法ですが、そういったマーケティングだけでなく、効率よく正しい戦略を立てて経営を行うために、さまざまな場面で重要となる考え方です。

またABC分析では、対象を変えることによってさまざまな観点から管理方法を見直せます。

たとえば「商品の売上」でのABC分析は、商品ごとの売り上げ順に並べランクを分けます。「Aランクの商品は売上高が高いので商品の在庫を増やそう」「Cランクの商品は棚から外すべきなのか」と判断できます。

ABC分析のグループ分けのグラフ出典:ボクシル編集部にて作成

このように現状把握し、今やるべき戦略を優先順位をもとに考えられるのがABC分析のメリットです。売上高からのABC分析だけでなく、対象を「販売個数」「売上利益」などに変えることによって、その観点から管理方法の戦略を立てられます。

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商品のランクを「A」「B」「C」に分ける

ABC分析では、全体の数値のほとんどは一部の要素が生み出しているというパレートの法則が応用されています。

商品の売上高に応じて「A」「B」「C」のランクに分けることで、売上に貢献している商品売上に貢献していない商品を明確化させます。

ABC分析の活用シーン

  • 店舗の売上に貢献している「重点商品」を把握したい
  • 余計な在庫を持たないことで、コストを抑えたい
  • 顧客グループ別にメッセージ送信の優先順位を決めたい

ABC分析の活用事例

どのようにABC分析が使われているのか、その事例をみてみましょう。

事例1. 居酒屋

居酒屋を経営しており、売れ筋メニューを識別化したいと考えました。そこでABC分析を実施。まず、各メニューの売上高と販売数を洗い出し、売れている順にA・B・Cに分類しました。

その結果、AとBのメニューは、商品のクオリティ向上や在庫強化によってさらなる売上アップをはかり、Cのメニューはクーポン配布などによって売上改善をはかるべき、という課題が明確化されました。

また、「メインメニュー」「サイドメニュー」「ドリンクメニュー」など、メニューの種別ごとにもABC分析を実施したとこで、各種別で強化すべきメニューが明確になりました。

事例2. 文具店

文具店を経営しており、売上やコスト、不良品などのデータをランクづけしようと考えました。そこでABC分析を実施。まず製品別売上データを抽出。売上の多い順に並べ、売上構成比と累計構成比を計算しました。

そして、下記のようにカテゴリー分けを実施。

  • 累計構成比50% → ランクA(ボールペン、サインペン)
  • 累計構成比40% → ランクB(鉛筆、シャープペン、消しゴム)
  • 累計構成比10% → ランクC(筆箱、定規)

ランクAの商品の在庫を優先的に確保することでの欠品防止、ランクCの商品の仕入れすぎの防止に大きく貢献しました。

ABC分析は売上分析の初歩

ABC分析によってできる売上分析は、店舗を経営している人に欠かせない分析。どんな商品が売れ筋かを理解することで、その商品の仕入れや露出を強化し、お店の売上をアップできますよね。

中には、店長やスタッフの経験や勘に従って売れ行きを予測し、仕入れやメニュー開発をしているお店もあるかもしれませんが、その方法は賢いとはいえません。必ず成功するとも限りませんし、再現性も低く、担当スタッフが変わった際に大きく売上を落とす可能性もあります。

だからこそ、ABC分析の結果を用いて、それを経営に活かすことが大切なのです。

ABC分析の手法(売上分析の場合)

それでは、ABC分析の具体的な手法をみていきましょう。

構成比を計算

まず、商品全体の売上金額、粗利額、販売個数などの売上データをまとめます。
この記事では「売上」に着目したいので、売上金額の多い順に並べ替えましょう。

次に、各商品の構成比を計算します。構成比とは、その商品の売上が全体の売上に占める割合のことで、「対象商品の売上金額÷全体の売上金額」で求められます。

累計構成比を算出

続いて、累計構成比を算出します。累計構成比とは、すべての構成比の合計のことです。

たとえば、12時間時計で「2時間」「3時間」「4時間」を足し合わせると、累計で9時間となります。この累計9時間は時計全体の12時間の75%分となり、これが累計構成比となります。

累積割合を見て分類

構成比の累積を見ていくと、ある法則が見えてきます。上位数商品だけで、売上金額の70%程をカバーしているのです。

そこで、累積売上割合によって3つにグループ分けします。

  • Aグループ:累積売上割合7割までの商品
  • Bグループ:7割~9割の商品
  • Cグループ:9割~10割の商品

上のように分類して商品にランク付けします。Aグループに分類されたものが、売上への貢献度が高い商品。商品発注や販売管理において、一番重視すべき商品ということになります。
逆に、Cグループのものは最低限の管理で構いませんし、場合によっては入れ替えを検討しても良いかもしれません。

こうやって重要度別にランク付けし、重視するもの・重視しないものを見える化するのがABC分析の考え方です。「売上」に絞って解説していますが、「販売個数」や「粗利額」など、事業に応じて重視する指標を変えてABC分析をしてみてください。

※この考え方は「パレートの法則」に基づく考え方と言えます。
パレートの法則とは「売上高の8割は、全商品の2割が生み出す」というものです。

ネットショップの場合は、Cグループのものも注目

実店舗の場合は、陳列スペースにも限りがあるので、ABC分析に沿ってCランクのものは取扱頻度や露出を下げる、もしくは新商品への入れ替えを検討するという選択が有効になります。

しかし、ネットショップの場合はそうとも言えません。
というのも、ネットショップの場合は幅広い商品を取り扱うことで、ニッチ層へのアプローチが可能になるからです。

在庫を管理するコストも低いので、Cグループのものだからといって取扱いを中止せず、あえて放置しておくという方が良いでしょう。

SEO対策における「ロングテール」と同じ考え方です。ネットショップにおいては、Cグループの商品が幅広い店舗のほうが、客層が広くトレンドによる影響が受けにくいともいえます。

より詳しく知りたい方は『自分を変えたい人のためのABCモデル』もぜひ参考にしてみてください。元は行動科学を受講する学生向けに書かれた本だそうですが、行動分析学の基礎理論から応用編までがわかりやすく丁寧に記されており、社会人の方も十分参考になる内容だと評判の書籍です。

パレート図を作成

ABC分類をしたら、次にパレート図を作成しましょう。パレート図を作る手順は下記のとおりです。

  • ABC分類表を作る
  • ABC分類表をグラフ化する

ABC分類表を作る

まずは、売り上げや構成比、ランクをまとめた「ABC分類表」を作成します。

パレートの法則 ABC分類表出典:ボクシル編集部にて作成

売上割合に応じて商品をランク分けし、ランクごとに色分けしておくのが良いでしょう。ExcelやGoogleスプレッドシートを使うのがオススメです。

ABC分類表をグラフ化する

ABC分類表を作ったら、それをベースにグラフを作成しましょう。パレート図は売上の棒グラフ累計構成比の折れ線グラフをひとつのグラフで表すのが特徴です。文具店のABC分類をパレート図にすると、下図のようになります。

パレートの法則 ABC分類表出典:ボクシル編集部にて作成

一見難しそうに見えるパレート図の作成ですが、Excelなどの表計算ソフトを使えば簡単に作成できます。Excelの場合は、グラフ作成のテンプレート内にあるパレート図をクリックすることで、スムーズな作成が可能です。

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