MotionBoardの使い方・できること | BIツールの機能とあわせて解説

膨大なデータは見える化され意味のある分析に変えなければ、宝の持ち腐れです。これを実現するのがBIツールです。今回は、価格と使いやすさを備えたクラウド型BIツールのMotionBoardを紹介します。

MotionBoardとは

ウイングアーク1stが提供するMotionBoardは、企業の成長に貢献することをゴールとして設計されたツールです。データの表現・可視化機能に優れ、社内に散在するデータを1つにまとめ、オリジナルのダッシュボードを作成できます。

わかりやすさを追求したUIとニーズの多い業務・業種向けのテンプレートが用意されているので、データの扱いに慣れていない人でも利用しやすいことが特徴です。

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MotionBoardの属するBIツールというシステムについて簡単に解説していきます。

BIツールとは

BIツールは、Business Intelligence Toolの略で、企業に蓄積された大量のデータを収集、分析して迅速な意思決定をサポートしてくれるツールです。近年はIT技術の飛躍的な進歩により、ビッグデータをビジネスに活用できるようになりました。BIツールは大量のデータから、新しい価値を見出す分析を専門家でなくても実現できる貴重なツールです。

BIツールが活用される場面

BIツールは、売上情報や人事データ、予算管理など多くの集計および分析をする場面で利用されます。大規模なデータを短時間で分析しわかりやすく表示してくれるので、意思決定のスピードを速められます。また、BIツールによって、新たな角度からの経営判断をできるようになるでしょう。

BIツールの具体的機能

BIツールの代表的な機能について具体的に説明します。

レポーティング機能

BIツールには分析結果を可視化して表示するレポーティング機能があります。定型・非定型レポートなど種類は多岐にわたります。昨今ではスマートフォンから閲覧できるBIツールも増加。また、見やすいダッシュボード形式でリアルタイムに情報を参照できるツールもあります。

OLAP分析

OLAP分析（On-line Analytical Processingの略）です。いわゆるデータ分析の代表的な手法の一つが、このOLAP分析です。

データマイニング

データマイニングをすると、勘や経験だけでは思いつかないような相関関係を導き出せます。統計学のような専門知識を持たなくても、多くの部分が自動化されているおかげで初心者でも複雑な統計分析が可能です。また、データマイニングのなかには、多次元分析のような高度な分析も多数含まれます。

シミュレーション

シミュレーションでは、過去のデータをもとに条件の変化によって売上や利益がどのように変化するのかを予測できます。具体的な利用シーンとしては、経営者が予算編成を行う場面などが代表例です。

次の記事では、BIツールの市場規模について詳しく解説しています。

また、次の記事では、BIツールの導入事例について詳しく解説しています。

MotionBoardでできること

必要な情報をスマートな画面で確認

MotionBoardの大きな特徴は、データの見やすさです。BIツールを使う人は経営者層やアナライザー、さらには現場と多岐にわたります。見たい情報も役割によって異なり、MotionBoardはそれぞれに応じた多彩な表現をダッシュボードで表示可能です。円、折れ線をはじめとした27種類のチャートはボタン1つで切り替えられるほか、業務・業種向けに豊富なテンプレートが用意されています。

Excelのフローを流用

Excelでデータ入力・加工を行っていた企業は、同様の流れでMotionBoardにて運用できます。MotionBoard AgentやMotionBoard Bridgeといったオプションを活用すれば、Excel更新時にデータの自動アップロードが可能です。

Bridge Serviceでクラウドとオンプレミスを接続

クラウド版とオンプレミス版を接続することで、強固なセキュリティ対策ができます。クラウド型は便利な反面、データを外部に保存するというセキュリティ上の不安を覚える企業もあるでしょう。本来であればVPNなどの構築が必要ですが、Bridge Service（Professional Editionの機能）を活用することでその問題が解決します。クラウドとオンプレミスという異なるネットワークを簡単な操作でセキュアに接続できます。

自社データに外部データを重ねる

MotionBoardでは、自社データに加えて外部データを組み合わせた分析も可能です。統計データや市場データ、地理情報などを取り込み、より多角的な分析を行えます。

以前提供されていた「3rd Party Data Gallery」は2024年にサービス終了しましたが、現在はオープンデータや外部システムとのAPI連携など、さまざまな形で外部データを活用できます。必要なデータソースを柔軟に組み合わせられるため、分析の幅を大きく広げられます。

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MotionBoardの詳しい情報は製品カタログに記載されています。詳細な機能や特徴を知りたい方は、次のボタンよりダウンロードするとよいでしょう。

MotionBoardの導入メリット

MotionBoardを導入したことで得られるメリットについて説明します。

リアルタイムで確認できる

MotionBoardはデータをもとにシンプルなダッシュボードで可視化してくれます。もし、データが逐一更新される形式であれば分析状況をリアルタイムにチャートへ反映できます。Excelでは限界があるものの、MotionBoardはインメモリ技術によって、膨大な情報であったとしても高速処理が可能です。

多くの人が情報を活用できる

わかりやすいユーザーインターフェースのため、プログラミング知識がなくても分析を進められます。個人、部長、経営者などそれぞれの立場でダッシュボードを作成し、戦略立案に役立てられるでしょう。

多くのデバイスに対応

スマートフォンやタブレットといったデバイスに対応しているため、外出先でもオフィスにいるときと同じ操作が可能です。また、ネットワークが利用できない環境であっても分析可能な、オフライン分析機能を搭載しています。

効率的なレポート作成が可能

棒グラフや円グラフといった基本的なグラフのほかに、たとえば次のような表示方法を利用できます。

• レーダー
• ゲージ
• シグナル
• 散布図
• バブルチャート
• ウォーターフォール
• ガントチャート

そのため、予算実績管理ボードやスナップショット、フィールドセールスダッシュボードといったレポートを簡単に作成できます。

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MotionBoardの価格

MotionBoardの料金は、利用するエディションやユーザー数によって異なります。クラウド版は比較的導入しやすい価格帯で提供されており、状況に応じてプランを柔軟に選択できます。

一般的なクラウド版の例としては、Entry Edition や Standard Edition などがあり、ユーザー数単位で料金が決まる仕組みです。プラン構成や価格は改定されることがあるため、最新情報はウイングアーク1stの公式サイトまたは製品カタログで確認することをおすすめします。

初期費用が比較的抑えられており、スモールスタートから段階的に利用範囲を拡大しやすい点が特徴です。

MotionBoardの導入事例

MotionBoardを実際に導入している企業をいくつか紹介します。

NTTドコモソリューションズ株式会社

課題：グループ115社17万人への決裁文書管理と監査体制の強化

NTTグループ115社、約17万人が関わる決裁プロセスにおいて、紙文書や各社別のシステム運用が残存していました。リモートワーク普及に伴い、電子化・標準化・グループ横断での統一管理が急務となり、膨大な決裁文書を自動的に保管・活用する仕組みや、監査・ガバナンス対応を支える基盤が求められていました。

効果：決裁文書の自動保管とガバナンス強化を実現

「invoiceAgent（ウイングアーク１st提供）」をServiceNowと連携し導入。2023年4月に70社10万人規模で運用開始し、現在では115社17万人に拡大。年間保存ファイル数は650万件から1,000万件超へと増加しています。これにより、アクセスログ管理・所在明確化による監査負荷軽減・グループ横断での統一的な電帳法対応が実現しました。

※参照：ウイングアーク１ｓｔ「アラガン・ジャパン株式会社 | 導入事例」（2025年11月25日閲覧）

株式会社商船三井

課題：電帳法対応と1万人規模への影響を最小化したい

商船三井では、取引関係書類を含むさまざまな文書をSharePoint上で管理していましたが、スキャンした書類は電子帳簿保存法が求めるスキャナ保存要件を満たしていませんでした。経過措置期間終了を見据え、法令を順守できる文書管理の仕組みが急務である一方、グループ約1万人の従業員に負荷がかかるような運用変更は、生産性低下やサポート負荷増大につながる懸念がありました。現場の使い方を極力変えずに、コンプライアンスと業務効率の両立を図ることが大きな課題でした。

効果：SharePoint運用を維持したまま電帳法対応と業務効率化を実現

解決策として、既存のSharePointによる文書管理を維持しつつ、「invoiceAgent 文書管理」と「invoiceAgent Bridge Service」を組み合わせた仕組みを構築。SharePoint上の監視フォルダに投入されたファイルを自動でinvoiceAgent 文書管理へ保管し、タイムスタンプ付与など電帳法対応に必要な処理を行うようにしました。さらに、基幹システム SAP S/4HANA と連携し、会計伝票からワンクリックで証憑を参照できるようにしたことで、監査・税務調査時の対応もスピードアップしました。

その結果、1万人規模で利用していても運用開始後の問い合わせは最小限に抑えられ、現場の業務フローを大きく変えることなく電帳法対応を完了。あわせて、全社で保管ルールを統一したことで、SharePoint上の検索性が向上し、経理部門だけでなく全社的な業務効率化にもつながりました。

※参照：ウイングアーク１ｓｔ「株式会社商船三井 | 導入事例」（2025年11月25日閲覧）

旭川信用金庫

課題：老朽化したBIツールと相続業務の負荷でDXが進まない

旭川信用金庫では、既存のBIツールが古いOSしかサポートしておらず、専用PCを維持し続ける必要がありました。Windows更改を行うとツール自体が使えなくなる懸念もあり、蓄積した情報を十分に利活用できないことがDX推進の大きな壁となっていました。

また、営業店では専門知識が求められ、手続きも複雑な相続業務を個別に対応しており、慢性的な人手不足のなかで事務負担が非常に大きい状況でした。本部に相続センターを設置して業務を集中化したい一方、パッケージ型の専用システムは高コストで柔軟性に欠けるという課題も抱えていました。

効果：相続業務の本部集中化と年間3,000時間の事務削減を実現

旭川信用金庫は、MotionBoardとSVFを組み合わせた統合プラットフォームを採用し、既存BIツールの置き換えとDX基盤の構築を同時に実現しました。MotionBoardの「データ分析」「入力」「ワークフロー」機能を活用して相続管理システムを内製し、相続センターでの本部集中化を実現。勘定系システムから出力して確認していた多数の照会票を、必要情報を集約した1枚の相続照会票に置き換えるなど、業務プロセスを徹底的に効率化した結果、年間約3,000時間分の営業店事務の削減を見込めるようになりました。

※参照：ウイングアーク１ｓｔ「旭川信用金庫 | 導入事例」（2025年11月25日閲覧）

MotionBoardで情報を次のアクションに結びつける！

MotionBoardは、難しいというBIのイメージを払拭し、だれもがデータを最大限活用できるツールとして認知されています。膨大なデータの中から、企業にとっての宝となる情報を見出し、次のアクションを起こす。競争化時代に生き残るためには、こうした仮説検証サイクルを繰り返していかなければなりません。

次の記事では、おすすめのBIツールも含め、BIツールについてより詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

BIはサービスによって、機能や価格もさまざまです。目的に沿ったサービスの比較で効率的なサービス活用が可能になります。次のチャートでは、厳選したサービスの特徴や価格を比較できます。

注目のBIツール、サービス資料まとめ

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