勘定奉行がクラウド化に本気のワケ、なぜ「SaaS型」会計ソフトに移行すべきなのか?

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近年、業務システムをオンプレミスからクラウドへ移行する企業が増えてきました。そんな中で、会計ソフト「勘定奉行」で知られるオービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)が、自社製品のクラウド/SaaS化を加速させています。同社が勘定奉行のSaaS化に力を入れる理由や、SaaS型会計ソフトの選び方のポイントについて聞きました。【オービックビジネスコンサルタント提供コンテンツ】

クラウドERPを選択する顧客の割合が1年で大幅増加した

業務システムのクラウド化は加速度的に進行しており、これまで高い堅牢性を求めてきた金融機関でさえも、基幹システムのクラウド移行を表明しています。こうした中、オービックビジネスコンサルタント マーケティング部 部長の西 英伸氏は、この流れが中堅・中小企業にも顕著に波及していると述べています。

「弊社はIaaS・PaaSなどのクラウド環境で利用できる『奉行V ERP』シリーズを展開していますが、2017年の1年間で、『奉行V ERP』シリーズの導入を決めたおよそ4割のお客さまがIaaS・PaaSを選択されました。そのわずか1年前は9割がオンプレミス、1割がクラウドでしたので、ここに来てお客さまの業務システム環境はクラウドへと移行が進んでいる状況です」

オンプレからクラウドへ移行が進む2つの背景

オンプレミスからクラウドへの移行が急速に進む背景には、2つの要因があります。

西氏は、まずセキュリティに対する懸念の払拭を挙げています。

「これまでは情報漏えいなどが起こったらどうするのか?と思われていましたが、最新クラウドはそのシステムの冗長性を含め、セキュリティ対策は非常に進んでおり、下手に企業内で保有するより安全にシステムを運用できるという認識がお客さまの間でも進んできました」(西氏)

次に、「制度改正への迅速な対応が求められること」 が理由として挙げられます。

「2019年10月に消費税が10%に引き上げられるのがわかりやすい例です。ほかにも制度改正は頻繁に行われており、オンプレミスで基幹系システムを導入されている企業では、その都度プログラムの更新などみずから対応する必要がありました。クラウドを選択することで、制度改正対応の手間を削減できるのでは、という期待が集まっている面もあります」(西氏)

基幹系業務ソフトをクラウド化するメリットとは?

業務ソフトのSaaS化による利点について、オービックビジネスコンサルタント マーケティング部リーダーの赤松 佳樹氏は次のように説明します。

「まず、企業内でサーバーを設置する必要がなくなります。そうなればサーバーの運用も不要になりますので、少数精鋭主義の中堅・中小企業にとって、その分本業にリソースを投下できます。同時に、セキュリティ対策からも解放されますし、プログラムの自動更新、データバックアップの自動化が実現するため、制度改正対応に頭を悩ませることもなく、万が一の際の事業継続も担保されます」(赤松氏)

加えて、SaaS化によって業務場所の制約が解消され、出張先や自宅、外出先からも業務が行えるようになります。これは、働き方改革を推進する上でも極めて重要な点です。

さらに、職務分担や複数拠点間での情報共有も、適切なアクセス権限のもと容易に実現できるため、全社的なITガバナンスの向上に寄与します。また、税理士などの専門家との会計データの共有、金融機関や関連システムとのAPI連携により、広範囲な業務の効率化が図れます。

西氏はこの点について、SaaSモデルはソリューションプロバイダーにとっても有益であると述べています。

「オンプレミス時代は、彼らが直接の窓口になるため、導入後も何かとお客さまからの問い合わせや要望に対応する必要がありました。しかし、SaaSであれば、導入が決まった後は当社が直接お客さまとやりとりできます。ソリューションプロバイダーからも『より営業活動に集中できるようになった』という声を聞いています」

会計ソフトのSaaS移行で押さえておくべき3つのポイント

会計ソフトのSaaS化が即座にすべての企業に適するわけではありません。オンプレミスから移行を検討する際は、以下の点を重視すべきと西氏と赤松氏は説明します。

ポイント(1)従来通りの業務プロセスが維持できるか

「そのとおりです。まず確認していただきたいのは、『今までできていたことができるかどうか』という点です。時代にキャッチアップするためにSaaS化したのに、できることが今までの半分になってしまった、というのは元も子もありません」

ポイント(2)現場経験者にとって使いやすいインターフェースとなっているか

赤松氏は、「今までできていたことができるかどうかだけでなく、最前線の担当者にとって使いやすいシステムかどうかという点もよくチェックすべき」と語ります。

「本来、会計ソフトは会計・経理のプロがプロとしての仕事するための道具なので、料金や目新しい機能だけに目を奪われるべきではありません」(赤松氏)

ポイント(3)SaaS製品自体が将来的な成長性を有しているか

さらに赤松氏は使うSaaS型会計ソフトのビジョンも見極めておいた方がいいと補足します。

「業務ソフトとしての完成度のみにとどまらず、その先の展開をどう考えているか。AIやビッグデータなどの重要なITトレンドにキャッチアップしているか。将来にわたって継続的な成長が期待できるサービスを選ぶことが重要だと考えます」

SaaS型会計ソフトの大本命「勘定奉行クラウド」

こうした市場動向を的確に捉え、オービックビジネスコンサルタントは2018年2月より「勘定奉行クラウド」の提供を開始しました。本サービスは、日本マイクロソフトのクラウド基盤「Microsoft Azure」を活用し、セキュリティ・パフォーマンス・可用性の各面で極めて高い水準を誇ります。

ここにきて、OBCがクラウド・SaaSに注力している理由とは何なのでしょうか。西氏は次のように語ります。

「一言でいえば、機が熟したからです。当社のお客さまである中堅・中小企業層のクラウドへのマインドシフト、自信を持って提供できるSaaS版の完成、IaaS基盤として利用しているMicrosoft Azureの国内データセンターの2拠点開設など、クラウド戦略を加速させるにあたって不可欠な条件が整ったことが大きいです」

「勘定奉行クラウドは、前述したSaaS移行の要件をすべて備えている」と西氏は語ります。

「勘定奉行クラウドは、産業界の幅広い業務に対応するのはもちろん、会計士・税理士といった専門家、金融機関、既存のさまざまなシステムやソリューションとつなげることを重要なコンセプトに、安心かつ生産性の高い業務の実現をめざし妥協を排して作り上げました。高い業務知識を持って企業の最前線で活躍される方々に高く評価いただけるサービスになったと確信しています」

本取り組みを推進する原動力となったのが、Microsoft Azureの採用です。「奉行クラウドシリーズ」では、100%マイクロソフトのテクノロジーを活用しており、高度なセキュリティをはじめとして、優れたパフォーマンスや高い可用性を実現しています。

競合ソフトとの差別化ポイントは「会計・経理経験者にとっての使いやすさ」

クラウド会計ソフト市場には、すでに多くの新興スタートアップがSaaS型会計ソフトを提供しています。その中で、「勘定奉行クラウド」と新興企業のSaaS型会計ソフトとの差別化について、西氏は次のように語ります。

「新興スタートアップが提供する会計ソフトは、経理知識がなくても、手間をかけずに会計業務ができることを利点としています。ただ、その反面既存の会計ソフトを使ってきた経理経験者にとっては使い勝手がいいとはいえません。慣れの問題と言われるかもしれませんが、彼らは恒常的に多忙であるため、一時でも業務効率が低下するのを避けたいと考えています」

また、競合製品の中には、“SaaS”を標榜しながらもアップデート版を手動で取得しなければ最新機能が使えないケースも見受けられます。西氏は「勘定奉行クラウドは、SaaSであってSaaSでないようなサービスとは一線を画し、しかも長年お客さまの声を反映してきた高い操作性をそのまま実現しています」と述べています。

ユーザー企業と税理士が使ってわかった「勘定奉行クラウド」の良さ

この特徴は、専門家や先進的に「勘定奉行クラウド」を採用した企業からも裏付けられています。会計・税務分野の専門家であり、クラウドツールの活用にも精通するアタックス税理士法人 クラウド推進室 室長 公認会計士・税理士の丹羽亮介氏は、次のとおり評価しています。

「『勘定奉行クラウド』の会計が出るのを心待ちにしていた。初めて見たときの印象は『とても洗練されている』というもので、勘定奉行がこれまでの歴史の中で培った会計システムとしての使いやすさやスピードを備えていると思った。ユーザーの使いやすさを考えた仕組みで、予定仕訳の自動化はカレンダー形式のわかりやすいUIで誰でも直感的に利用できる。また、領収書などから起票する機能では科目ごとにフォルダを分けて証憑を管理できるなど、すでに会計システムを使っており、一定の会計知識を有する企業にとって非常に使いやすく受け入れやすいクラウド会計ソフトである」

加えて、各種クリエイティブ業務を担うある企業では、直感的な操作性と経理経験者に寄り添うサービス設計を評価し、「奉行クラウド」を導入しました。サービス選定責任者は次のように語ります。

「クラウド会計を数社検討したが、パフォーマンスが物足りなかった。しかし、『勘定奉行クラウド』は法人向けのプロフェッショナルなシステムとして入念に作り込まれており、パフォーマンスがオンプレミスと遜色ないほど優秀だった。『IPOを目指すなら多くの実績がある勘定奉行がよいのではないか』という監査法人のアドバイスも導入の後押しになった」

さらに「奉行クラウド」は、現時点での高い完成度にとどまらず、AIやビッグデータなど先端テクノロジーの導入も視野に入れています。今後のロードマップでは、FinTechをはじめとした新たな金融サービスや企業情報の分析・シミュレーション機能の提供も計画されています。

会計は企業活動の「心臓」未来図を描きながらSaaS化を模索せよ

企業が基幹業務システムのSaaS化を検討する際、最初に取るべきステップは何でしょうか。

赤松氏は「数ある業務の中でも、会計という分野は企業の存続に直結するいわば“心臓部”です。人事・給与をはじめ、企業内外のあらゆるシステムと連携する可能性があります。これを効率よく進めていくことを考えると、クラウド移行は早々に実現されるテーマでしょう。将来、自社はどう成長を遂げたいか。未来図をしっかり描きながら、この重要なサービスの選定を検討していただければと思います」

また、西氏は「まずは、トライアルの機会にソフトに触ってみることが大事」と提言しています。

SaaS型への移行は、時代の潮流である一方、選択するサービスや導入方法によって成果に大きな違いが生じます。経理の専門家でも直感的に利用できるという特長を有する「勘定奉行クラウド」は、SaaS型会計ソフト分野における有力な選択肢の一つであるといえるでしょう。

クラウドで押さえておくべきポイント総まとめ

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