SMTPリレーとは?メールリレーの基本と代表的サービス・選び方
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- SMTPリレーとは
- そもそもSMTPとは?
- SMTPが生まれた背景
- SMTPリレーサービスとは
- SMTPサーバーの役割
- SMTPリレーのメリット
- サーバー運用の負荷を軽減できる
- 大量のメールをスムーズに送信できる
- 配信精度を高められる
- システムの連携が可能
- メールリレーサービスの選び方
- 目的を明らかにする
- システムを利用する範囲を決めておく
- 実績とサポート体制をチェックする
- 代表的SMTPリレーサービス
- blastengine
- ベアメール
- Amazon Simple Email Service
- SendGrid
- WEBCAS メールリレーサービス
- Customers Mail Cloud
- SMTPリレーサービスを活用しよう
- BOXILとは
SMTPリレーとは
メールマーケティングでは、会員登録したリード(見込み顧客)に対して新商品を通知したり、ニュースレターを送付したりするアプローチが一般的です。
しかし、メールシステムに遅延が生じる場合や、トラブルによってメールが送付されないケースも珍しくありません。そういったトラブルを避け、届けたい相手に確実にメールを送信するサービスとしてSMTPリレーサービスを利用する企業が増えています。
簡単にいえばメールの送信代行ですが、従来型のメールサーバーを利用した送信方法よりも安定したメール運用が可能だといわれています。
そもそもSMTPとは?
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)とは、メールを送信する際に必要となる仕組みであり、一定の手順にしたがってメールを送信するための約束事を定めたものです。すべてのメールはこの約束事に沿って送信されており、メールを受信する際にはPOPというプロトコルに準拠します。
SMTPやPOPに関して詳しくは、次の記事を参考にしてください。
SMTPが生まれた背景
本来、電子メールはSMTPの仕組みを利用すればだれでも簡単に送信できます。そのため、身元を明かさず相手に勧誘メールのようなスパムメールを送りつける行為が横行してしまい、インターネット社会の大きな問題となりました。
その対策のひとつとして、一定時間内に送信可能なメールの量を制限する仕組みが開発され、短時間に大量に送信しているアドレスからのメール配信が難しくなりました。
しかし顧客向けに一括でメールを送信したり、自動でメール返信をしたりなどの正当な理由で大量のメール送信をしたい企業も少なくありません。
そういった企業にとってメールの送信制限はマーケティングを阻害する要素となりかねず、信頼のおける送信者からの大量メール配信を可能にする仕組みが望まれるようになりました。
SMTPリレーサービスとは
そういった経緯で提供されはじめたのがSMTPリレーサービスです。これは信頼できる第三者機関を通すことで短時間での大量のメール配信を可能にするもので、顧客への自動配信メールやニュースレターの一括配信などをスムーズに行えるようになりました。
現在、多くのプロバイダが1日のメール配信数に上限を設けているようですが、SMTPリレーサービスを上手く活用することによって、スパムメールと判断されずに大量のメールを顧客に送付できるようになります。
SMTPサーバーの役割
SMTPサーバーはメールを送信する際に必要で、送信先のサーバーまでメールを届ける役割があります。
メーラー(メールソフト)から配送を依頼されたSMTPサーバーは、送信先のアドレスを管理するSMTPサーバーまで送ります。つまり、SMTPサーバー同士のやり取りによってメールの送受信が行われているわけです。
SMTPサーバーはよく郵便局に例えられます。送信されたメールは最寄りの郵便局に集められ、そこから宛先に一番近い郵便局にメールを送信し、そこから相手のもとに届けられます。そのやり取りのルールを決めたものがSMTPなのです。
SMTPリレーのメリット
SMTPリレーの概要について説明したところで、そのメリットについて具体的に説明します。
サーバー運用の負荷を軽減できる
メールリレーサービスを利用することで、メールサーバーに関するトラブルやメール運用の負荷を軽減できます。特にメールサーバーの保守・運用をする必要がないメリットは大きいといえるでしょう。
メールサーバーを構築し、運用するにはかなりのコストがかかり、バウンスメールやシステムの遅延、迷惑メール対策などに多くの時間をとられてしまいます。そういった保守活動は提供会社が行ってくれるため、余計なコストを削減でき、効率的なメールマーケティングを実現できます。
メールリレーとは
メールリレーとは、サーバー間でメールのやり取りをすることをいいます。送信されたメールはまずそこを管轄するSMTPサーバーに送られ、宛先のアドレスのサーバーに転送されます。
大量のメールをスムーズに送信できる
大量のメールを迷惑メールと判断されることなく安定して送信できるのは非常に大きなメリットです。
企業は日々何千通ものメールを顧客宛に送信する場合もあるため、迷惑メールと判断されてしまうことは大きな痛手となります。また、迷惑メールと判断されなかったとしても、サーバーの処理能力の低下といった要因で、メールの遅延や不達が生じる可能性もあります。
そういったリスクを回避し、届けたい相手に確実にメールを届けられるのはメール配信に特化したサービスの大きな強みといえるでしょう。
配信精度を高められる
メールリレーサービスを提供している業者のなかには、日々の配信方法を独自のノウハウで調整しているとこが多く、精度の高いメール配信を可能にしています。
特にメールリレーサービスで使われるSMTPサーバーは大量のメールを送信できるのみならず、大手のプロバイダや携帯通信キャリアから信頼を得ているため、短時間に大量のメールを配信しても、相手に遅滞なく確実に届けられます。
システムの連携が可能
メールリレーサービスの多くは、簡単にメール送信が可能なAPIをはじめ、さまざまなシステムとの連携が可能になっています。配信効果の分析ができるものもあり、自社のマーケティング環境に適した機能をピックアップして利用できます。
既存のサービスとの連携が可能なケースも多いため、すでに自社運用のメール配信システムを活用している場合でも、連携によって必要な機能の強化が可能です。
メールリレーサービスの選び方
最後にメールリレーサービスの選び方について説明しておきます。
目的を明らかにする
盲目的にサービスを取り入れるのではなく、まずビジネス上の目的を明らかにすることが重要です。
メールリレーサービスを導入すれば通常のメールにやり取りに影響を与えずに一括配信や自動配信が可能になりますが、必ずしも配信数が多ければ多いほどよいとは限りません。自社のビジネス環境に合った機能・価格帯のサービスを選びましょう。
システムを利用する範囲を決めておく
導入するサービスの特徴と強みを理解し、どの程度の作業をシステムに任せるのかはっきりさせておくことが重要です。
どれほど多機能でも実務で活用しなければ意味がありませんから、自社が最も重視すべき機能を明らかにして、その部分に強みをもつサービスを選択しましょう。一からシステムを導入しなくても、自社で使っているシステムとの連携のみで実現できるケースもあります。
実績とサポート体制をチェックする
導入するメール配信システムを提供している企業の実績とサポート体制はチェックしておきましょう。
どういう企業が導入していてどういう効果を上げているか、いざというときのサポート体制はどうかなど、下調べをしておきましょう。導入コストが安いからといって必ずしも自社に合ったサービスとは限りません。
代表的SMTPリレーサービス
それでは、代表的なSMTPリレーサービスについて紹介します。また、次のボタンからは本記事で紹介しているメールリレーサービスのさらなる詳細を無料でご覧になれます。ぜひご活用ください。
blastengine - 株式会社ラクスライトクラウド
- 利用中のシステムと連携した大量メール配信やトランザクション配信に
- API連携、SMTPリレーによるシステム連携に特化
- 日本語による国内サポート体制
blastengineは、システム連携に特化した国内向けメール配信エンジンです。国内のサポートスタッフによる電話とメールのサポートを受けられ、ニーズに応じてオンラインツールでの製品説明にも対応してくれます。
メール配信予約といった配信系API、開封アドレスリスト取得といった配信結果を取得するAPIなど、APIドキュメントとライブラリを豊富に提供しており、無料のトライアルプランで費用をかけずに検証可能です。日本国内へのメール到達率99%以上※の実績をもつサービスです。
※出典:ラクスライトクラウド「エンジニア向けメール配信システム「ブラストエンジン(blastengine)」」(2024年4月4日閲覧)
- クラウド型のメールリレーサービス
- 月間1万通以下から100万通以上の規模まで幅広い料金プラン
- コントロールパネルによる簡単設定
ベアメールは高いメール到達率を実現するクラウド型のメールリレーサービスです。顧客の会員登録の自動返信メールや商品購入時の確認メールなど、適切なタイミングでメールを届けたい場合に有効です。送信数にしたがって細かい料金プランが定められており、自社に適したプランを柔軟に選択できます。
Amazon Simple Email Service
- 独自のコンテンツフィルタリング機能
- 既存のアプリケーションとの統合が可能
- 利用料金は実際に使った分のみ
AMAZON SESは、企業のマーケティング担当者やアプリ開発者のために設計されたクラウドベースのEメールプラットフォームです。独自のコンテンツフィルタリング機能をもち、既存のアプリケーションとの統合もスムーズです。
- 月間1,000億通以上※の配信実績
- 接続先をSendGridに変更しリレーサーバーとして活用可能
- 永続的に利用できるトライアルバージョン
Sendgridは、現在月間で300億通以上の配信実績を誇るクラウドタイプのメール配信サービスです。ほぼすべての機能を利用できる無料トライアル版があるので、実際に使って納得してから有料版に切り替えられます。また、別途追加料金はかかりますが、リストの作成や配信、A/Bテストなどをブラウザ上で行える機能の付加も可能です。
※出典:構造計画研究所「SendGridとは | SendGrid」(2024年4月4日閲覧)
上記のAMAZON SES、Sendgrid、ベアメールは次の記事で徹底解説しているので、こちらもあわせてご覧ください。
WEBCAS メールリレーサービス
- メールリレーサーバーのクラウドサービス
- 簡単設定ですぐに導入が可能
- わかりやすい料金設定
WEBCASメールリレーサービスは、大量一斉配信の配信性能を強化するクラウド型のメールリレーサービスです。企業のメール送信をWEBCAS環境の配信エンジンにリレーすることで、パソコン向け・携帯向けのメール配信サービスの高速化を実現します。
Customers Mail Cloud - HENNGE株式会社
- SMTP・APIで連携
- 充実した配信レポート
- ドメイン認証とメール送信の暗号化をサポート
Customers Mail Cloudは、クラウド環境で簡単かつ確実にメール送信ができる配信サービスです。メルマガや一括送信メールの作成に適しており、既存サーバーにリレー設定をするだけで簡単に使えます。高精度なエラー解析によりバウンス率の減少に寄与します。
SMTPリレーサービスを活用しよう
SMTPリレーサービスについて基本的なところから解説してきました。
いまやほとんどの企業がメールを使ったマーケティングを実践しており、大量のメールを短時間に配信したいマーケターは多いはずです。
そういった方向けにメールマーケティングに特化した配信サービスも多くあります。ぜひこれを機会にメールリレーサービスを導入してみてはいかがでしょうか?
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
BOXIL会員(無料)になると次の特典が受け取れます。
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