絶対評価と相対評価の違いとは?人事評価における特徴やメリットを解説
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- 絶対評価とは
- 絶対評価のメリット
- 絶対評価のデメリット
- 相対評価とは
- 相対評価のメリット
- 相対評価のデメリット
- 人事評価は絶対評価と相対評価のどちらが適切か
- 絶対評価が重視されるようになってきた4つの理由
- 絶対評価のもつ透明性
- 社員のパフォーマンスの向上
- 従業員の多様性を尊重する風潮の強まり
- 絶対評価を運用する際の注意点
- 厳密な評価基準を作る
- 評価基準を対象者に伝える
- 継続的な評価基準の見直しと改善をする
- 相対評価を運用する際の注意点
- 評価結果のフィードバックとフォローアップ
- 相対評価の結果を適切に利用する
- 過度な競争を避けるための配慮をする
- 人事で求められる評価とは
- 納得感があるかどうか
- 評価制度を柔軟に扱えるかどうか
- 従業員のキャリア開発を支援するかどうか
- 組織文化や値観に合致しているかどうか
- 公正な人事評価は難しい?
- BOXILとは
絶対評価とは
絶対評価とは、あらかじめ定められた評価基準に則って評価する手法のことをいいます。同じ組織や集団に属する他者の能力に左右されず、設定した基準や数値化された数値目標などに照らして評価します。
学校の成績が絶対評価だった場合、集団内の順番ではなく、個人の点数によって成績が決まります。たとえば、評価基準がテストの点数だけだったとすれば、全員が満点をとったら、全員の成績が最高評価「5」になります。
絶対評価のメリット
絶対評価をするうえでのメリットは、次のとおりです。
公平性と透明性が確保される
絶対評価では、あらかじめ定められた明確な基準にもとづいて評価が行われるため、公平性と透明性が高まります。このアプローチにより、評価される側は自分のパフォーマンスを明確な基準で判断でき、結果に納得感をもちやすくなるでしょう。
個人の能力が向上しやすい
絶対評価は個人の能力や成果を明確に可視化するため、自己改善や能力開発の方向性を容易に見出せます。個々の目標に沿ったパフォーマンスの評価が行われるため、個人のキャリア開発にも有用です。
評価基準が目標達成へのガイドラインとなる
絶対評価は具体的な目標や基準を設定することが特徴です。これにより、評価される側は自身の業務において何を目指すべきか、どのように改善すれば良いかを理解しやすくなるでしょう。
絶対評価のデメリット
一方、絶対評価をするうえで考えられるデメリットは、次のとおりです。
評価の主観とばらつきが発生する
絶対評価は評価者による主観や解釈の影響を受けやすいといったデメリットがあります。とくに、数値化しにくい能力や行動に関する評価では、評価者の個人的な見解が結果に大きく影響することがあるでしょう。
モチベーションが低下するリスクをもつ
絶対評価では、全員が高い評価を受ける可能性がある一方で、一定水準に達していないと全員が低評価になる可能性もあります。その結果、評価の厳しさに対する不満やモチベーションの低下を招くことも考えられます。
評価基準の設定と管理が必要
絶対評価の基準を設定する際、業務の性質や目標達成度に応じて複雑な基準が必要です。評価プロセスが複雑になればなるほど評価管理も煩雑になり、評価者は運用に手間がかかります。その結果、適切な評価制度の運用ができない恐れがあります。
相対評価とは
相対評価とは、集団のなかで個人の成績や昇進を周りと比較して、あらかじめ決めておいた評価ランクの枠に割り振る評価手法のことをいいます。
人事評価においては、組織内での個人と他者を、数値目標の達成度やスキルテストの成績といった一定の基準にもとづいて相対的に比較することで、最終的な評価を決めていきます。
相対評価のメリット
相対評価をするうえで考えられるメリットは、次のとおりです。
順位をつける評価方法なので評価しやすい
相対評価では、個々のパフォーマンスを直接比較し、順位付けすることで評価を行います。この方法は評価者にとって判断基準が明確であり、評価プロセスを簡素にできるでしょう。
モチベーションが向上しやすい
相対評価では、同僚間の競争が促進されるため、個人のモチベーションを高める効果があります。これにより、個人の能力や成果を最大限に引き出すことが期待できます。
組織全体の成果も向上しやすい
組織内での競争を活発化させることにより、全体の成果の向上につながるでしょう。個人が互いに切磋琢磨することで、個人の能力だけでなく、組織全体のパフォーマンスも向上する可能性があります。
相対評価のデメリット
一方、相対評価をするうえで考えられるデメリットは、次のとおりです。
所属するグループや人数によって評価が変わる
相対評価は、評価される個人が所属するグループの特性や人数に大きく影響される可能性があります。たとえば、優秀なメンバーが多いグループに属している場合、平均的な成果でも低い評価を受ける場合があります。
また、グループの人数が少ない場合、人数が多い場合と比べて個々の成果の差が大きく見えがちです。このように絶対評価の場合と比べると、環境に応じて評価に大きく影響を及ぼす恐れがあります。
チームが崩壊してしまうリスクもある
競争を促進する相対評価は、個人間の協力関係を損なうリスクがあります。評価制度が過度に競争を奨励すると、チームワークや協調性が低下してしまうかもしれません。
ストレスの増加
相対評価は、常に他者との比較にもとづくため、評価される側にストレスを与える可能性があります。ストレスは職場の雰囲気を悪化させたり、長期的には職場の離職率の増加につながったりすることもあるので注意が必要です。
個人の成長に焦点を当てづらい
相対評価は他者との比較に重きを置くため、個人の成長や自己改善の視点が後回しになる傾向があります。
とくに、個人の特性や能力開発のニーズを軽視し、短期的な成果に焦点を当てることが多いため、長期的なキャリア開発や個人の能力向上に対するサポートが不十分になりがちです。
人事評価は絶対評価と相対評価のどちらが適切か
絶対評価と相対評価、どちらの評価方法が優れているのかを一概に決めるのは難しいことです。企業によっては、評価段階によって手法を柔軟に変えるやり方を採用しているケースもあります。
たとえば、一次評価では試験や業務の成績による絶対評価を行い、二次評価では相対評価によって集団内の順位付けを行うといった方法もよく実施されています。
それでも完全に平等な人事評価をするのは難しいのが現実です。評価の目的や状況に応じて、できるだけ不公平感のない評価方法を選択すべきでしょう。ただし、近年は人事評価において、絶対評価を重視する傾向が見られます。
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絶対評価が重視されるようになってきた4つの理由
上述のように、人事評価は企業ごとに独自のポリシーで実施されることが多く、相対評価のみの企業や、絶対評価と相対評価を使い分けるケースも少なくありませんでした。
しかし最近は、相対評価よりも絶対評価に重きを置く企業が増えつつあり、理由としては次の4つがあるといわれています。
絶対評価のもつ透明性
絶対評価では相対評価と違い、個人の評価に他者の影響がありません。そのため、どのような基準にもとづき、どういう結果になったのかを、だれにでもわかりやすく伝えられます。評価される側も納得感があり、成績の良し悪しを「自己責任」と受け止めやすくなります。
そういった絶対評価の「透明性」が人事評価の信頼性を上げ、多くの社員が「正当に評価されている」と感じることで、より精度の高い人事評価制度の確立につながるでしょう。
社員のパフォーマンスの向上
絶対評価は、社員のモチベーションや生産性の向上に有効だと考える企業が増えています。
人材の動機付け要因のひとつは、達成したことを認められ正当に評価されることです。それがさらなるモチベーションにつながり、生産性の向上に寄与します。
また、絶対評価によって個人的な目標の達成度を客観的に把握できるため、次の具体的な目標が立てやすくなり、個人的な目標の達成がどのように組織に貢献するかイメージしやすくなります。それによって個人のパフォーマンスが向上し、ひいては組織全体の生産性が高まります。
従業員の多様性を尊重する風潮の強まり
現代の職場では、従業員の多様性を尊重する風潮が強まっています。
異なる背景やスキルをもつ従業員が働くなかで、一律の基準をもとに評価する相対評価では、個々の能力や貢献を公正に評価することが難しくなりつつあります。
絶対評価は、個々の従業員がもつユニークな能力や成果を既定の基準で評価するため、多様性を尊重する社会では相対評価よりも用いられやすくなっています。
絶対評価を運用する際の注意点
絶対評価を運用する際には、次の点に注意しましょう。
厳密な評価基準を作る
絶対評価の効果を最大化するためには、厳密で明確な評価基準の設定が不可欠です。
評価基準は、評価対象者の能力やポジション、職務内容を考慮して設定されるべきで、全評価対象者に対して適切かつ達成可能な目標値を含んでいる必要があります。
基準があいまいだと、評価結果に対する信頼性が損なわれ、不公平感を生む可能性があるので注意しましょう。
評価基準を対象者に伝える
絶対評価基準は、評価対象者に明確に理解され、共有される必要があります。
評価基準を事前に公表し、どのような行動や成果が評価されるのかを明確にすることで、評価対象者は自分の行動を調整し、目標達成に向けて努力できます。
そのため、評価基準を作成したら、評価基準や評価プロセスを対象者に周知させることが大切です。
継続的な評価基準の見直しと改善をする
絶対評価の基準は、時代や市場環境、組織の変化に応じて継続的に見直しと改善が必要です。
業務内容の変化や新しい技術の導入、従業員がもつスキルセットの変化などによって、評価基準も更新されるべきです。
評価基準の見直しは、組織の目標達成に向けた戦略的なステップとして機能し、組織と従業員の成長につながるでしょう。
相対評価を運用する際の注意点
絶対評価に重きを置く企業が増えつつありますが、なかには相対評価を運用していきたいといった企業もあるでしょう。相対評価を運用する際に注意すべき点を紹介します。
評価結果のフィードバックとフォローアップ
評価結果を評価対象者に伝える際は、丁寧なフィードバックとフォローアップが不可欠です。
絶対評価とは異なり評価基準が厳密化されていないため、評価結果の背景や評価の理由を明確に伝え、どのような改善が必要か、具体的な行動計画を提案しましょう。
相対評価の結果を適切に利用する
相対評価の結果は、昇進や報酬、キャリアパスの決定などに利用されますが、これらの決定が完全に評価結果をもとにしてはいけません。
評価結果は一つの参考情報として利用し、個人の長期的な成長とキャリア発展を考慮したうえでの決定が重要です。
過度な競争を避けるための配慮をする
相対評価は組織内の競争を促進することもありますが、過度な競争はチームワークを損なう恐れがあります。
評価プロセスが個人間の協力関係を壊さないように配慮し、協力的な職場環境を維持することが重要です。
人事で求められる評価とは
そもそも人事評価の目的は、モチベーション向上や適切な人材の配置、能力開発、公正な報酬の決定など多岐にわたります。そのため、評価制度は企業の目標や文化、ニーズに合わせて設計するのが重要です。
納得感があるかどうか
人事評価の重要な側面の一つは、評価される従業員が評価に納得感をもてるかどうかです。
納得感があれば、従業員は自身の成長や仕事への貢献を認識し、モチベーションの向上につながります。納得感を高めるためには、透明性のある評価基準、公平な評価プロセスそしてフィードバックの提供が必要です。
評価制度を柔軟に扱えるかどうか
絶対評価と相対評価のどちらかに決めるのではなく、企業の状況や業種、従業員の特性に応じて評価方法を柔軟に変えていきましょう。
たとえば、クリエイティブな職種では絶対評価が適していることも多いですが、営業職のように成果が数字で明確に表れる職種では相対評価が効果的な場合もあります。
従業員のキャリア開発を支援するかどうか
人事評価は単に業務の成果を評価するだけでなく、キャリア開発を支援するツールとしても機能するべきです。長期的な成長を促し、スキル向上やキャリアアップの機会を提供することで、組織全体の発展につながるでしょう。
組織文化や値観に合致しているかどうか
人事評価制度は、組織文化や価値観と整合性をもつ必要があります。従業員にとって理解しやすく、企業のビジョンや目指す方向性が反映された評価制度を採用することで、組織の一体感を高め、共通の目標に向かって進めるでしょう。
公正な人事評価は難しい?
絶対評価と相対評価の双方にメリットとデメリットがあり、どちらを選択するかは企業によってさまざまですが、最近は絶対評価を採用しているケースが増えています。
ただ、相対評価が劣っているわけではなく、評価の目的や、対象となる組織の性質によって柔軟に選択すべきであることに変わりはありません。そもそも、だれもが100%納得できる公正な人事評価をすることは難しいため、試行錯誤を重ねながら絶対評価と相対評価について検討していくべきでしょう。
完璧ではなくても、納得感のある人事評価に近づけることは企業努力によって可能です。たとえば、1on1ミーティングを取り入れて、チームメンバーの成績とスキル向上を日常的に評価しつつ、期待値をすり合わせることは有効でしょう。
人事評価の手法は定期的に見直されるべきものなので、今の環境で絶対評価と相対評価のどちらが有効かを検討し、評価業務を効率化する人事評価システムと適応させながら柔軟に取り入れましょう。
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BOXILとは
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