インボイス制度に対応した経費精算システム7選 | 選び方や注意点
目次を閉じる
- インボイス制度による変更点
- 買い手(インボイス受領側)
- 売り手(インボイス発行側)
- インボイス制度による経費精算の変更点
- 取引先が適格請求書発行事業者かを確認
- 請求書がインボイス制度の要件を満たすか確認
- 適格請求書が必要か判断
- インボイス制度に対応した経費精算システムの機能
- 適格請求書の項目を反映
- 消費税率10%と8%の計算
- 請求書を読み取るOCR
- 適格請求書に該当するかチェック
- インボイス対応の経費精算システムの選び方
- 導入済みのシステムと連携できるか
- 電子帳簿保存法に対応できるか
- サポート体制は整っているか
- 経費精算システムの費用・料金比較表
- インボイス制度に対応した経費精算システム7選
- 楽楽精算
- バクラク経費精算
- マネーフォワード クラウド経費
- HRMOS経費(旧eKeihi)
- ジンジャー経費
- BIZUTTO経費
- J'sNAVI NEO
- インボイス対応の経費精算システムで業務を効率化しよう
- BOXILとは
インボイス制度による変更点
2023年10月から「適格請求書等保存方式」、いわゆる「インボイス制度」が開始され、経費精算業務にも大きな変更点が生じています。そこで、インボイス制度でどのような変更があるのか、買い手と売り手それぞれの変更点を確認しておきましょう。
買い手(インボイス受領側)
適格請求書を受領する買い手側は、適格請求書発行事業者以外からの課税仕入について消費税の仕入税額控除を適用できなくなります。また、仕入税額控除の適用を受けるためには、要件を満たした適格請求書と帳簿の保存が必要です。これらの要件を満たさない場合、消費税の仕入税額控除の適用を受けられません。
売り手(インボイス発行側)
売り手は、適格請求書を発行するための事業者登録と、適格請求書の発行が必要です。インボイス制度で発行する適格請求書には、これまでの請求書の記載事項に加えて登録番号や適用税率などを記載します。送付した適格請求書の保存を求められる点は、買い手側と同様です。
【関連記事】
インボイス制度による経費精算の変更点
インボイス制度の導入後、経費精算の観点で大きな影響を受けるのは請求書を受け取る(買い手)側です。受領する企業における変更点について解説します。
取引先が適格請求書発行事業者かを確認
経費精算の担当者は、適格請求書を受け取ったら、取引先企業が適格請求書発行事業者として登録されているかを確認します。基本的には次のステップを踏んでチェックします。
- 法人番号公表サイトにて、企業名から法人番号を調べる
- 適格請求書発行事業者公表サイトにて、法人番号から適格請求書発行事業者として登録されているかを調べる
1.法人番号公表サイトにて法人番号を調べる
法人番号公表サイトでは、企業名をもとに法人番号を検索できます。適格請求書事業者の登録番号は「T+13桁の法人番号」であるため、法人番号がわかれば2にて適格請求書発行事業者かがわかります。すでに法人番号がわかっている場合は、1のステップは不要です。
2. 適格請求書発行事業者公表サイトにて調べる
適格請求書発行事業者公表サイトにて、法人番号をもとに適格請求書発行事業者であるかをチェックします。まとめて複数社を調べるのも可能です。後述の経費精算システムでは、対象事業者であるかチェックしてくれる機能をもつシステムもあります。
請求書がインボイス制度の要件を満たすか確認
インボイス制度導入後の請求書は、適格請求書発行事業者とそうでない事業者の2種類に分かれます。受け取ったあとは適格請求書発行事業者の請求書が、適格請求書としての要件を満たしているか確認します。
インボイス制度で必要な記載要件は、次のとおりです。
- 適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象である場合は、その旨がわかる記載)
- 税率ごとに区分して合計した税込対価の額と適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
※参考:国税庁「適格請求書等保存方式の概要」5ページ
適格簡易請求書であるかも確認
会食や飲食物においては、適格請求書の代わりに適格簡易請求書にて許容されるケースがあります。いわゆるレシートや領収書では、適格請求書のように厳密に宛名を記載するのが難しいため、宛名の箇所を割愛してもよい適格簡易請求書へ合致しているかチェックしましょう。
適格簡易請求書を交付できる事業者は次のとおりです。
- 小売業
- 飲食店業
- 写真業
- 旅行業
- タクシー業
- 駐車場業(不特定かつ多数の者に対するものに限る)
- その他これらの事業に準ずる事業で不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業
※参考:国税庁「適格請求書保存方式(インボイス制度)の手引き 2022」13ページ
免税事業者における経過措置
インボイス制度では、経過措置期間として80%ないし50%の控除を設定しています。早くにインボイス制度への対応を依頼するに越したことはありませんが、必要に応じてこれらの利用も検討しましょう。
期間 | 控除割合 |
---|---|
2023年10月1日~2026年9月30日 | 仕入税額相当額の80% |
2026年10月1日~2029年9月30日 | 仕入税額相当額の50% |
※参考:国税庁「適格請求書保存方式(インボイス制度)の手引き 2022」41ページ
適格請求書が必要か判断
3万円未満の取引を含め基本的には適格請求書ないし適格簡易請求書が必要になったインボイス制度ですが、一部の取引においては適格請求書がなくても仕入税額控除を受けられます。適格請求書が不要な取引の代表として次のものがあげられます。
- 3万円未満のバス、鉄道、船舶(公共交通機関特例)
- 3万円未満の自動販売、自動サービス機
- 出張旅費等(出張旅費特例等)
適格請求書が不要な経費については、一定の事項を記載した帳簿の保存にて仕入税額控除が適用されます。
※参考:国税庁「インボイス制度 -オンライン説明会- 〜応用編〜」10ページ
インボイス制度に対応した経費精算システムの機能
インボイス制度の導入で煩雑になった経費精算を効率化できるのが、インボイスに対応した経費精算システムです。
適格請求書の項目を反映
インボイス制度へ対応した経費精算システムには、適格請求書発行事業者の登録番号や品目ごとの消費税率を記入できる項目があります。また今後の法改正にともなって項目に変更が必要な場合にもSaaSであれば、サービス提供会社がアップデートをしてくれるため工数を減らせます。
消費税率10%と8%の計算
標準税率10%と軽減税率8%が一つの適格請求書内に混在する場合、計算を楽にしてくれます。各税率で端数処理を行ってから合計の金額を記載する際も、システムにて自動で計算してくれるためミスなく処理が可能です。
請求書を読み取るOCR
領収書や請求書を読み取るOCRは、経費精算システムへ搭載されることの多い機能です。スマートフォンアプリにて読み取るだけで画像やPDFを文字起こしし、仕訳の項目へ転記してくれます。AIを搭載し読み取りの精度を高めたAI-OCRならさらに効率化が見込めます。
適格請求書に該当するかチェック
経費精算システムによっては、適格請求書発行事業者に該当しているか、請求書がインボイスの記載要件を満たしているかを自動チェックしてくれます。地味でありながらインボイス制度には欠かせない作業なため、どの企業でも工数削減に貢献してくれるはずです。
インボイス対応の経費精算システムの選び方
インボイス制度に対応した経費精算システムを選ぶ際には、すでに導入しているシステムと連携しやすいか、電子帳簿保存法へあわせて対応しているか、サポート体制は適切かなどの観点をもとに比較しましょう。
導入済みのシステムと連携できるか
会計ソフトや請求書受領システムなどすでに利用しているシステムがある場合、それらと連携できるかを確認しましょう。API連携があれば、スムーズに接続できるため運用も簡単です。また経費精算システムを提供している会社自身が関連ソフトを販売していることもあるため、あわせて検討するとよいでしょう。
電子帳簿保存法に対応できるか
電子帳簿保存法の改正により、2024年1月1日以降、電子データで受け取った領収書を紙で保存できなくなりました。そのため、経費精算システムは電子帳簿保存法に対応しているかもあわせてチェックするとよいでしょう。日本文書情報マネジメント協会による「JIIMA認証」がなされているかを判断軸にするのもおすすめです。
JIIMA認証のうち、電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証製品一覧についてはこちらより確認できます。
サポート体制は整っているか
初めてのシステムは混乱が起こりやすいため、どのようなサポートをしてもらえるかを事前に確認しておきましょう。電話やメール、チャットなどによる対人でのサポートのほか、よくある質問やマニュアルのような文書もチェックすべきです。必要に応じて、口コミも調べると安心です。
経費精算システムの費用・料金比較表
【特典比較表つき】『経費精算システムの資料15選』 はこちら⇒無料ダウンロード
一覧で料金・機能を比較したい方にはBOXILが作成した比較表がおすすめです。各社サービスを一覧で比較したい方は、下のリンクよりダウンロードしてください。
【特典比較表つき】『経費精算システムの資料15選』 はこちら⇒無料ダウンロード
※ダウンロード可能な資料数は、BOXILでの掲載状況によって増減する場合があります。
インボイス制度に対応した経費精算システム7選
インボイス制度の施行にともない、インボイス対応の経費精算システムはさまざまな企業から提供されています。
楽楽精算は、既存の経費精算ルールをそのままシステム化しやすい経費精算システムです。専任サポートスタッフがマンツーマン対応で導入支援してくれるため、システム導入に慣れていない企業は検討するとよいでしょう。申請項目やレイアウト、承認フローなどを自由にカスタマイズできるため、運用をあまり変えなくて済むのもメリットです。
バクラク経費精算は、AI-OCRによる自動読み取りに強い経費精算システムです。AI-OCRにて適格請求書かを判定したり、改行された登録番号を読みとったり、領収書の使いまわしを判定したりしてくれます。スマートフォンアプリもあり、画像の撮影も容易です。
マネーフォワード クラウド経費 - 株式会社マネーフォワード
マネーフォワード クラウド経費は、サービス連携による工数削減が強い経費精算システムです。交通系ICカードやクレジットカードなど2,000を超えるサービスと連携しており、明細データをもとに経費申請しやすいのが強みです。規定に合わせてエラーを出したり、チャット機能で指摘したりもできます。
HRMOS経費(旧eKeihi) - イージーソフト株式会社
HRMOS経費は、税理士法人監修の経費精算システムです。さまざまな経費の申請、承認、支払処理を一元管理します。インボイス制度に関連した機能では、国税庁のデータベースに照合して事業者名を表示したり、仕入税額控除対象を区別して仕訳したりしてくれます。
ジンジャー経費は、人事業務を支援するジンジャーの経費精算システムです。シンプルな機能なため、簡単に操作しやすく料金も抑えられています。システムの導入から運用までサポートしてもらえるため、低価格ながらその点は心配不要です。スマートフォンからの操作も可能で、多くの企業の要件に対応します。
BIZUTTO経費 - アルプスシステムインテグレーション株式会社
BIZUTTO経費は、使いやすさと無駄のない価格体系が特徴の経費精算システムです。経費申請の入力時のアシストや画面レイアウトなど、使いやすさにこだわりを持っています。決済サービスや送金サービスなどデジタル化を促進する外部サービスとの連携にて効率化を目指せます。
J'sNAVI NEO - 株式会社JTBビジネストラベルソリューションズ
J'sNAVI NEOは、経費精算と出張管理ができる経費精算システムです。JTBならではの出張手配機能により、出張コストの最適化にも貢献してくれます。また、社内規定に合わせたカスタマイズが可能です。導入時は訪問サポートも行い、担当者が集中してサポートしてくれます。
インボイス対応の経費精算システムで業務を効率化しよう
インボイス対応の経費精算システムであれば、適格請求書の保存や計算、請求書読み取りに強く、経費精算の工程を大幅に削減します。経費精算システムのうち最適なサービスを選ぶには、ニーズや予算に合わせて、複数のシステムを比較検討することが大切です。
下のボタンからはBOXILが厳選したサービスの資料を無料でダウンロードできます。ぜひサービス選定の参考にしてください。
本記事で紹介しきれなかったサービスについては下の記事にて解説しています。より多くのサービスから検討したい方はあわせてチェックしましょう。
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」、Q&Aサイト「BOXIL SaaS質問箱」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
BOXIL会員(無料)になると次の特典が受け取れます。
- BOXIL Magazineの会員限定記事が読み放題!
- 「SaaS業界レポート」や「選び方ガイド」がダウンロードできる!
- 約800種類のビジネステンプレートが自由に使える!
BOXIL SaaSでは、SaaSやクラウドサービスの口コミを募集しています。あなたの体験が、サービス品質向上や、これから導入検討する企業の参考情報として役立ちます。
BOXIL SaaS質問箱は、SaaS選定や業務課題に関する質問に、SaaSベンダーやITコンサルタントなどの専門家が回答するQ&Aサイトです。質問はすべて匿名、完全無料で利用いただけます。
BOXIL SaaSへ掲載しませんか?
- リード獲得に強い法人向けSaaS比較・検索サイトNo.1※
- リードの従量課金で、安定的に新規顧客との接点を提供
- 累計1,200社以上の掲載実績があり、初めての比較サイト掲載でも安心
※ 日本マーケティングリサーチ機構調べ、調査概要:2021年5月期 ブランドのWEB比較印象調査