AI搭載の離職防止ツールおすすめ6選！退職者の傾向やリスク分析ができる

離職防止にAIは役立つ？

離職防止においては、従業員が会社や仕事に対してどう思っているのか、モチベーションが下がっていないかなど、一人ひとりの傾向を分析し、適切な対応を行うことが重要です。しかし、人的リソースの制限やデータの複雑さから、効果的な離職分析ができていない企業も少なくありません。

AIを活用することで、膨大なデータをすばやく自動分析し、従業員の離職リスクや退職者傾向を評価できます。またAIでは、人間同士の主観的なコミュニケーションと比べて、客観的な評価が可能です。

離職防止にAIを取り入れるメリット

離職防止にAIを取り入れるメリットとして次のものがあげられます。

• 多面的な分析によって離職の予兆を把握できる
• 公正で客観的な判断によって安定したデータが得られる
• 過去のデータをもとに離職者の傾向を掴める
• 離職を防止するための施策も提案してくれる

多面的な分析によって離職の予兆を把握できる

AI搭載の離職防止ツールでは、膨大なデータを瞬時に分析し、従業員のさまざまな言動パターンや傾向を把握できます。たとえば、個人成績の変化やサーベイ回答の推移など、多様な要因を総合的に評価します。これにより、単一の視点では見逃してしまうような離職の予兆を早期に発見可能です。

公正で客観的な判断によって安定したデータが得られる

AIは人間の偏見や感情を排除し、客観的な分析を行うため、安定したデータを取得できます。しかしながら、上司や周囲の観察による状況判断も重要です。客観的なデータと主観的な判断を組み合わせることで、より精度の高い離職リスク判定や防止策の立案が可能になります。

過去のデータをもとに離職者の傾向を掴める

AIは大規模かつ長期間にわたるデータを蓄積し、過去の離職者の行動パターンや要因を分析します。これにより、離職の背後にある共通の要因やパターンを把握できます。特定の部署やプロジェクト、あるいは上司との関係性など、特定の条件下で離職が起きていることが判明すれば、対応すべき施策もおのずと明らかになるでしょう。

離職を防止するための施策も提案してくれる

データ分析で浮き彫りになった離職リスクや退職者傾向に対して、AIが適切な解決策や予防策を提案するサービスもあります。これは、サービス開発元が得た膨大なデータをもとにAIが学習し、傾向に応じて提案してくれるため、自社が対策を打つうえで大きなヒントになるでしょう。

離職防止にAIを取り入れるデメリット・注意点

AI搭載の離職防止ツールには多くのメリットがあると同時に、デメリットや注意点も存在します。

• AIによる評価が従業員の反発を招く可能性もある
• AIの分析には限界があり、人間によるジャッジも必要

AIによる評価が従業員の反発を招く可能性もある

AIがパフォーマンスや行動を評価する場合、従業員によっては「評価が公正でない」と感じる場合があります。とくに、能力や成果を数値化する際にそのリスクがあるでしょう。従業員の反発を招くことで、モチベーション低下や離職のリスクが高まる可能性があるため、従業員にAI評価の基準や仕組みを事前に説明し、透明性を確保することが重要です。

AIの分析には限界があり、人間によるジャッジも必要

AIは客観的なデータを分析によって傾向やパターンを把握できますが、人間のような経験や洞察力はありません。AIの分析にも限界があるため、感情や人間関係など、複雑な要素に関する判断には人間の判断が必要です。従業員の個別のニーズや状況に応じた柔軟な対応が求められる場合があります。

AI搭載の離職防止ツールおすすめ6選

続いて、AIを搭載した離職防止に役立つツールを紹介します。

• 従業員のスキルや特性を資本と捉える「タレントマネジメント」を支援するシステム
• 離職防止から人的資本経営、リスキリングなど人事に必要な機能が揃っている
• スキルの習得状況や全体のレベルを「生成AI」が分析する

タレントパレットは、株式会社プラスアルファ・コンサルティングが運営するタレントマネジメントシステムです。タレントマネジメントとは、従業員がもつスキルや個性を「経営資本」として捉え、採用や配置、育成につなげる手法のことです。タレントパレットには、離職防止をはじめ、人的資本経営やリスキリング（スキルの再教育）、労務など人事に必要な機能がオールインワンで搭載されています。

同システムでは、従業員のスキルやモチベーション、評価、勤怠といった人材データをダッシュボードに集約可能です。人材データは独自のプロンプト（指示やコマンド入力）を通じて、「生成AI」が分析します。データをもとにスキル習得状況や全体のレベルなどを解析し、解説文を生成可能です。

また、AI技術を活用した「人材検索機能」も搭載しています。必要な人材を入力することで、蓄積された人材データからAIが「求める人材像」をマッチングしてくれます。たとえば、「新規事業にコミットしてくれる人材」とキーワードを入力すれば、新規事業に適した人材を抽出可能です。最適な人材選定によってミスマッチを防げるため、離職率の低下につながるでしょう。

• 「適性検査」と「従業員サーベイ」を実行できるサービス
• AIが従業員に合ったマネジメントやケアの方法を提示してくれる
• すべての機能を利用できる無料トライアルを提供している

ミキワメは、採用ミスマッチを防ぐための「適性検査」と、離職を防ぐための「従業員サーベイ」を実行できるサービスです。本人の性格や心理状態を分析することで、活躍できる人材かどうか判断したり、マネジメント方法が合っているのか見極められたりします。

ミキワメでは、可視化された情報をもとに、一人ひとりに合ったマネジメントやケアの方法をAIが提示してくれます。従業員の本当の心理状態は、主観的なコミュニケーションでは見えにくいです。AIによって客観的な分析と提案ができるようになれば、離職防止につながるでしょう。

すべての機能を利用できる「1か月間の無料トライアル」を提供しているので、一度お試しで使ってみるのがおすすめです。

• 「従業員の声」からエンゲージメント向上・チーム力アップにつなげるツール
• AIが従業員に対するサポートの「優先度」を可視化して効果的な打ち手を提案してくれる
• SlackやMicrosoft Teamsなど外部のクラウドツールとも連携可能

Wevox（ウィボックス）は、サーベイを通して「従業員の声」を集めて組織状態を見える化し、エンゲージメントやチーム力を向上につなげるツールです。サーベイの種類は、精密な「エンゲージメントサーベイ」をはじめ、自社独自にカスタマイズできる「カスタムサーベイ」、組織のカルチャーを分析できる「カルチャーサーベイ」など多岐にわたります。離職や休職防止につなげる「ストレスチェック」や、個人の特性を細かく分析できる「個人特性診断」も可能です。

Wevoxには、AIによるサポート分析機能が備わっています。支援が必要と判断された従業員に対して、AIがサポートの「優先度」を可視化し、効果的な打ち手を提案してくれます。データに基づいた心理状態の分析も可能です。AIが一人ひとりの心理状態を分析し、チーム全体のエンゲージメント向上に必要なアクションを提示してくれます。SlackやMicrosoft Teamsなど外部のクラウドツールとも連携可能です。AI分析の結果をすぐにチャットで共有するといった使い方もできます。

• 離職防止や成長支援、採用管理を目的とした組織改善ツール
• AIを活用した「退職リスク」の判定が可能
• 課題に対して「AIメンター」がアドバイスしてくれる

パルスアイは、離職防止や成長支援、採用管理を目的とした組織改善ツールです。「従業員アンケート」を実施して課題をスコア化させ、組織力アップにつなげます。

同ツールでは、AIを活用した「退職リスク」の判定が可能です。仕事内容やパフォーマンス、人間関係、健康などの項目から、「退職予兆捕捉率〇〇%」といった数値で判定します。それだけでなく、AIチャットへの相談も可能です。アンケート結果から課題が見つかった場合、チャットに相談内容を送ることで「AIメンター」がアドバイスしてくれます。

パルスアイでは、退職リスクだけでなく、組織コンディションや従業員満足度などさまざまな指標をダッシュボードで管理可能です。離職防止はもちろん、AIを活用しながら効率的に組織力を高められるツールといえるでしょう。

• 「今の気持ち」を入力することで従業員のモチベーションを見える化
• 3つのボタンから「今の気持ち」を選択するだけで、全体の結果がマップに集約される
• スマートフォンで顔を写して気持ちを判定する「AI気持ち判定」の機能も搭載

Willysm（ウィリズム）は、サイオステクノロジー株式会社が提供するモチベーション・マネジメントシステムです。従業員が「今の気持ち」を入力することで、モチベーションの状態を見える化します。

気持ちは「Excellent（素晴らしい！）」「Well Done（よくやった！）」「Not So Good（あまりよくない）」の3つのボタンから選択するだけです。結果をマップに集計することで、従業員やチームのエンゲージメント状態の客観的な把握に役立てられます。

加えて、特許を取得している「AI気持ち判定」も利用可能です。従業員はスマートフォンのカメラで自分の顔を写すだけで、AIが「本人の気持ち」を自動判定します。導入形態は「クラウド版」「オンプレミス版」「Windows版」の3つから選択可能です。

離職予測AI - 株式会社シキナミ

• 社内に蓄積された勤怠・離職・休職データを「離職予測AI」が分析する
• 離職や退職パターンに応じた施策もAIが提案してくれる
• 高度な暗号化処理やアクセス権限、アクセスログ記録などセキュリティも強固

離職予測AIは、株式会社シキナミが運営する、AI搭載の離職防止ツールです。勤怠データや離職・休職者データなど、社内に蓄積されたデータを「離職予測AI」が分析し、従業員一人ひとりの離職リスクを測定します。人間同士のコミュニケーションや感覚では捉えきれない、客観的な離職・休職のパターン分析が可能です。パターンを見つけた後は、各パターンに応じた施策をAIが提案し、最終的に企業が実行します。

高度な暗号化処理をはじめ厳密なアクセス権限、アクセスログの記録などセキュリティ対策も強固です。客観的な離職リスクを見える化し、リスクの高い従業員に対して迅速な対策を施すことで、離職防止につなげます。

AI搭載の離職防止ツールを利用して、退職者の予測やリスク分析を

AI搭載の離職防止ツールでは、人間の偏見や感情が排除された多面的かつ客観的な分析が可能です。従業員の言動パターンや傾向を分析することで、離職リスクを把握できます。ただし、正確な離職リスクを知るためには、AIの精度や機能の充実度が重要です。

AIの精度をはじめ、インターフェースの使いやすさや外部サービスとの連携機能など、複数のツールを比較検討しましょう。無料プランや無料トライアルを提供しているAI搭載の離職防止ツールもあるため、導入前には試験運用を行うことも重要です。

離職防止ツールについては、次の記事でも詳しく紹介しています。