厚生労働省主導で時間外労働の削減が重視されるなか、働き方改革をうたう企業が増えてきている。
従業員は現状の労働時間に満足しているのか。マクロミルは実態を把握すべく、東京23区に勤めるフルタイムの正社員を対象に、労働時間に対する調査を行った。
1日の平均労働時間は「8.9時間」 約1/4が「8時間未満」と回答
対象者に直近3か月における、休憩時間を除く基本労働時間に残業時間を含めた1日の総労働時間を調査した。その結果、最も多い回答は「8時間以上~9時間未満」で39%、「8時間未満」が24%であった。
労働基準法の第32条では原則として、「1週間に40時間・1日に8時間」を基本労働時間と定め、それを超える時間を残業時間としていることから、労働時間が8時間未満の「ほぼ残業なし」の会社員は 24%であることが今回の調査で判明した。また、1日の平均労働時間は8.9時間だった。
(出典:プレスリリース 【図】1日の総労働時間(過去3ヵ月平均)※休憩時間を除く)
ほぼ半数が現在の労働時間に満足 年齢上昇につれて満足度は減少傾向に
現在の労働時間に対する満足度は、ほぼ半数の43%が「満足」(とても満足+やや満足の合計)と回答した。一方で「不満」(とても不満+やや不満の合計)と答えた割合が26%だった。
世代別に「満足」と回答した人の割合を比べると、20代では半数を超えているが、30代が43%、40代が35%と、年齢が上昇するにつれて「満足」の割合が低下している。
(出典:プレスリリース 【図】労働時間に対する満足度(世代別))
労働時間「現状維持」を希望する人が半数
現在より労働時間を増やしたいか、減らしたいかの調査では、「今のままで良い」が最多の49%で現状維持を希望している人がほとんどのようだ。
一方、「減らしたい」は43%で「今のままで良い」の割合に迫っている。「増やしたい」という人もわずかながらいるようだ。また、世代別における大きな差はないという。
(出典:プレスリリース 【図】労働時間を増やしたいか減らしたいか)
「ノー残業デー・労働時間の上限設定」が主流に 企業の労働時間軽減の取り組み
企業は、労働時間を軽減するための取り組みを実施しているのか。また、実施企業はどのような施策を実施しているのかも調査している。
取り組みの実施率は66%で、主な取り組みと実施率は以下の通りだ。
- ノー残業デー:37%
- 残業時間の上限設定:29%
- 残業の事前申請:25%
以下の施策は実施率10%以下にとどまった。
- プレミアムフライデーの実施
- リモートワークの導入
- 就業時間になったら自動消灯
また、会社独自の生産性向上のための施策としては以下が挙げられた。
- 立ち会議の実施
- 不要なコピー出しや資料準備は行わない(女性・34歳)
- フレックスや在宅勤務可能などの取り組み(男性・57歳)
- 会議削減や直行直帰の推奨(男性・43歳)
(出典:プレスリリース 【図】 労働時間軽減の取り組み)
その他の調査項目
- 現在の労働時間に、満足している理由・満足していない理由
- 直近1年間の労働時間は、その前の1年間に比べて増えたか減ったか
- 今よりも労働時間を増やしたい・減らしたい理由
- 労働時間が減った人へ:減った労働時間分を、何に当てているか
- 勤め先企業の労働時間軽減施策(自由回答より抜粋)など
今回の発表の詳細やその他の調査結果は、マクロミルが運営するHoNoteに掲載されている。
※2019年12月6日編集部注:記事の設定変更に伴い記事を更新しました。内容は初回公開時から変更ありません。