「 Z世代」の特徴は「ソーシャルよいこ」
Z世代は「ソーシャルよいこ」だった――。
1995年もしくは1996年以降に生まれた「Z世代」。中学生時代にソーシャルメディアを使いはじめ、高校生になるとスマートフォン持ち、それまでの世代とは価値観もライフスタイルが異なると言われている。
同調査では、この世代の特徴を「ソーシャルよいこ」と呼んでいる。その理由は、いつも友人とつながり、見知らぬ人とも交流する。そして、他人の目を気にする、ことだという。
モバイル・デジタル戦略でもはずせないターゲットとなる「 Z世代」。その価値観やライフスタイルの特徴を紹介する。
もっとも差があったのはSNSの使い方
同調査は、16歳から35歳のミレニアル世代の若者2,824名を対象に、デバイスやメディアとの接し方、コミュニケーションのあり方、ライフスタイルに関する考え方などを尋ねたものだ。「Z世代」とその年長世代である「Y世代」(1983~1995年に生まれた世代)との価値観の違いを明らかにした。
まず、「16~21歳」、「22~28歳」、「29~35歳」の3つの年代別に分け、価値観・ライフスタイルに関する104の選択肢から該当するものを回答してもらった。
この結果、16~21歳と29~35歳が選んだ項目でもっとも大きな差が生じたのは「1つのSNSで複数のアカウントを使い分けている」だった。また、2位は「直接会ったことのない人ともSNSでやりとりする」となった。
SNSの使い方が年代によって大きく変化しつつあることが示されたとしている。
また、16~21歳では「人の目が気になる」人が4割を超え、「人づきあいが苦手」とする人も3割近い結果となっている。SNSでやりとりをする一方で、リアルな人間関係に難しさを感じている若者は多いようだ。
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ミレニアル世代の4つのタイプとは?
そして、全回答者2,824名をその回答傾向からクラスター分析によって4つのタイプに分類したのが下図である。
人生を悲観的に捉える「省エネペシミスト」
「省エネペシミスト」の特徴は、人づきあいが苦手なことだ。また、努力や訓練が必要なことはやりたくない、目立ちたくない、「がんばりたくない」などの傾向があるという。自分たちが声をあげても世の中は変わらない、努力しても報われないことが多く、人生を悲観的に捉えている。
人生がハッピーな「人生ガチ勢」
「人生ガチ勢」は、「省エネペシミスト」と対象的に、今の生活が楽しく満足している。人生はきっとなんとかなると人生を楽観的に捉えている比率が高い。友人は多い方が幸せ、自ら楽しい雰囲気や場所を作ろうとする社交家の傾向が強い。一方で、伝統的な仕事観や上下関係を重視する点など、保守的な側面も持っていると分析している。
新しいもの好きで人の目が気になる「ソーシャルよいこ」
そして、「ソーシャルよいこ」であるが、これは16~21歳、とりわけ女性に多く該当した。このタイプはSNSの使い方が極めて特徴的である。新しいもの好きで、トレンドに敏感、情報感度が高い一方、人の目が気になる人が多い。これが、Z世代の特徴とも重なる傾向にあると同調査では分析している。
大きな特徴がない「様子見フォロワー」
最後の「様子見フォロワー」は男性の構成比率が高い。大きな特徴が見出しにくいフォロワー層といえるとしている。
好かれる「よいこ」でいたいZ世代
Z世代会議 メンター 佐藤尚之氏は、この結果についてこう分析する。
「Y世代に多い「省エネペシミスト」たちがZ世代では「ソーシャルよいこ」に移行していく傾向だ。人とそんなに会いたくないけどソーシャルならつながってもいいという人たちの増加だ。その人たちは好かれる「よいこ」でいるために他人の目を気にしすぎて八方塞がり。悪目立ちを特に嫌う。特に女性のZ世代でそれが増えていることに注目している」(佐藤氏)
Z世代はY世代と比べても、SNSに対する依存度は高い。リアルな人付き合いは苦手だが、インターネット上では人とつながっていたい、そして好かれたいという意向を持っているということだ。これが「ソーシャルよいこ」ということなのだ。
中学生時代の生活は、その人の人格形成を大きく左右し、対人関係のしかたなどにも大きな影響を及ぼす。Z世代以降、世の中はどんどん「匿名性」の高い人付き合いが中心になっていくのかもしれない。
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