春雨はどんな雨のこと?意味・由来・春に降る雨の名前

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記事の情報は2018-11-12時点のものです。

春雨(はるさめ)と聞いて、最初に思いつくのはどんなものでしょうか。お鍋などに入れて「食べる」春雨でしょうか、それとも「春に降る」春雨の方でしょうか。実はこの二つは密接な関係があり、「春に降る」春雨は「食べる」春雨の由来になっているのです。この記事では春雨の意味や由来、その他の春に降る雨の名前について詳しく解説していきます。
春雨はどんな雨のこと?意味・由来・春に降る雨の名前

春雨(はるさめ)とは

春雨(はるさめ)とは、春に降る雨のことを指します。春雨の別の読み方として「菜種梅雨(なたねづゆ)」がありますが、その字が表すとおり「菜の花が割く時期に降る梅雨のような雨」つまり3月下旬から4月上旬にかけて雨や曇りが続くぐずついた天候のことをいいます。

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「春に降る」春雨と「食べる」春雨

春雨は天候の呼び名であると同時に、食べ物のことを指す名称でもあります。天気と食べ物の名称が同じなんて、ちょっと不思議ですよね。

このようになったのは、「春に降る」春雨が食べる「春雨」の由来になったためです。春雨は春に降る「しとしとと降る細い雨」のことを指します。一方で「食べる」春雨は、小さな穴の開いた機械に生地を流し込み、高いところから熱湯に落とすことで作られる食品です。

その生地の落ちていく様子が、細く静かに降る春の雨のようだといわれるようになり、春雨という名前が付けられてといわれています。こうした由来を知ると、お鍋などでいただく春雨にも、どこか情緒を感じられるようになりますね。

春に降る雨の名前

「春に降る雨」ということで名づけられた春雨ですが、春に降る雨にはほかにもさまざまな呼び名があります。季節の移り変わりや天候についてここまで細かく言葉で表現するのは、日本人ならではです。ぜひ他の呼び名もチェックしてみましょう。

春時雨(はるしぐれ)

春時雨(はるしぐれ)は、春に降る時雨のことで、晴れたと思ったら振り出したり、降り出したと思ったら止んだりを繰り返す雨のことを指します。雷を伴っている春時雨は、「春雷(しゅんらい)」とも呼ばれます。

小糠雨(こぬかあめ)

小糠雨(こぬかあめ)は春先にしとしとと降る雨のことを指しています。特に、雨粒が霧のように細かい雨のことを小糠雨と呼びます。

桜雨(さくらあめ)

桜雨(さくらあめ)とは、桜が咲く3月下旬から4月上旬にかけて降る雨のことです。桜の花にかかってしまう雨なので、桜の花が散ってしまうかと心配になりますが、このように呼ぶと情緒深くなりますね。

春霖(しゅんりん)

春霖(しゅんりん)の「霖」は長雨を表す漢字で、春霖とは春の長雨を表しています。数日雨が続くような場合には、春霖または春霖雨と呼ぶこともあります。

風流な呼び名で春の雨を楽しもう

春に降る雨には、さまざまな呼び名があることからも伺えるように、昔の人は天気にさまざまな呼び名を付けて楽しんできました。蕾が膨らみ、草木の芽吹くこの時期、雨はまさに恵みの雨だったのでしょう。これを機会にそんな情緒のある春の雨の呼び名を楽しんでみてはいかがでしょうか。