契約書の正しい郵送方法 | 押印・割印・契印・印紙・封筒の宛名の書き方は?送付状とテンプレートも
電子契約システムなら、郵送や収入印紙が不要なのでコストと手間を削減できます。また、クラウドで保管できるため場所をとらず、社名や契約書名で検索をかければ容易に見つかります。電子契約システムの資料は次のボタンより無料でダウンロード可能です。
おすすめ電子契約システムの資料を厳選。各サービスの料金プランや機能、特徴がまとまった資料を無料で資料請求可能です。資料請求特典の比較表では、価格や細かい機能、連携サービスなど、代表的な電子契約システムを含むサービスを徹底比較しています。ぜひ電子契約システムを比較する際や稟議を作成する際にご利用ください。
記事で電子契約サービスを比較したい方はこちら。
目次を閉じる
契約書の正しい郵送方法
契約書の送付方法については、郵便法で定められています。正しく送付しなければ、罰金を科される可能性もあるので理解しておく必要があります。
契約書の送付は基本的に日本郵便のみ
契約書は信書に該当する
「信書」とは郵便法および信書便法において「特定の受取人に対し、差出人の意思を示し、又は事実を通知する文書」と定められています。総務省のガイドライン※では、次の文書が信書に該当するとされています。
- 書状
- 請求書の類
- 会議招集通知の類
- 許可書の類
- 証明書の類
- ダイレクトメール(文書自体に受取人が記載されている文書)
契約書は上記のうちの「請求書の類」に分類されます。契約書のほか、次のようなビジネスに関連する書類の多くが含まれています。
- 納品書
- 領収書
- 見積書
- 申込書
- 申請書
※出典:総務省「信書便事業|信書のガイドライン」(2024年4月25日閲覧)
※参照:「」
信書は、法令で定められた方法により送付する必要があります。信書を送れるのは日本郵便株式会社(日本郵便)と国が許可した信書便事業者のみです。
メール便や宅配便といった認められていない方法で契約書を送付すると法令違反となり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
日本郵便のサービスであっても、「ゆうパック」「ゆうメール」「ゆうパケット」「クリックポスト」では、信書である契約書を送ることは認められません。
契約書のおすすめ郵送方法
契約書を郵送する場合は、次の日本郵便のサービスをおすすめします。
- レターパック
- 簡易書留
- 配達証明
レターパック
レターパックとは、専用の厚紙封筒で、A4サイズ・4kgまで全国一律料金で郵便物を送れるサービスです。郵便窓口、コンビニエンスストアや郵便局のネットショップで購入可能で、切手不要でポスト投函可能です。土曜日・日曜日・休日も含めて毎日配達しており、追跡サービスで配達状況をインターネットで確認できます。
レターパックには、対面で直接手渡す「レターパックプラス」(赤色)と、郵便受けに届ける「レターパックライト」(青色)の2種類があります。利用料金は、レターパックプラスは520円、レターパックライトが370円※です。
契約書の郵送には、対面手渡しで配達の記録(受領者の署名や押印)が残り、郵便局が集荷も行ってくれるレターパックプラスがおすすめです。
※出典:日本郵便「レターパック」(2024年3月7日閲覧)
簡易書留
簡易書留とは、郵便局で引き受けた日時と配達した日時が記録される郵便サービスです。書留を出したときに窓口で渡してくれる受領証に記載の引受番号で、配達状況をインターネットで確認できます。休日にも配達してくれ、費用は基本料金+簡易書留料金350円※1となります。
簡易書留のメリットは、一般書留に比べて料金が割安なこと、5万円※2までの損害賠償があることです。
簡易書留は、郵便局の窓口に持ち込んで郵送します。配達時は受取人に直接渡され(宅配ボックスのある戸建て住宅を除く)、配達の記録(受領者の署名や押印)が残ります。
※1,2 出典:日本郵便「書留」(2024年4月25日閲覧)
配達証明
配達証明とは、一般書留のオプションサービスで、配達した事実を証明してくれるサービスです。引受けから配達までの送達過程を記録し、配達後に相手に届いたことを証明する「郵便物配達証明書」を差出人に送ってくれます。
配達証明は、あくまで郵便を「届けた」証明であって、実際の受取人がだれであるかの証明ではありません。
費用は、基本料金+一般書留料金480円※1+配達証明料金350円※2になります。一般書留付帯の10万円※3の損害賠償があり、追加料金を払えば最大500万円まで賠償してくれます。
※1,3 出典:日本郵便「書留」(2024年4月25日閲覧)
※2 出典:日本郵便「配達証明」(2024年4月25日閲覧)
郵送する契約書には割印や契印は必要か
契約書に割印や契印がなくても契約の効力には影響しません。ただし、ビジネス慣習上、契約書に割印や契印を押すことは一般的です。契約書に必要な割印や契印について解説します。
割印とは
割印とは2通以上の契約書を作成し双方で保管する場合に、契約書が同一のものであることを証明するための押印です。割印は、2つの契約書をずらして並べて、2つの契約書にまたいで押印します。
割印についてもっと詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてみてください。
契印とは
契印は1通の契約を作成したのち、途中のページを差し替えたり抜き出したりする不正がないことを証明するために、ページの継ぎ目にまたいで押印するものです。
契約書を郵送する際には、鉛筆で丸をつけたり、付箋を貼ったりして、押印箇所を相手に示すのもよいマナーでしょう。
郵送する契約書に先に押印するべきか
2者で契約する場合、契約成立には原則として契約書を2通作成し、それぞれに双方の署名押印をし、双方が1通ずつ保管します。契約書を作成して契約相手に送る場合は2通になりますが、そのときに問題になるのはこちら側の押印を先にして郵送してよいのかどうかです。
民法では契約書の押印についてとくに規定されていません。そのため、どちらが先に押印しても、契約の効力に影響はありません。
ただし、売買契約や業務委託契約のように、どちらかからどちらかへ金銭を支払うような契約の場合は金銭を受け取る側が先に押印します。つまり、契約を受託するほうが先に押印することとなります。これは、金銭を支払う側のリスクを避けるためのルールです。
・A社が契約書を作成
・署名押印せずに2通の契約書をB社に郵送
・B社は契約書に署名押印をして2通とも返送
・そのうちの1通をA社が署名押印してB社に再返送
また、守秘義務契約書のように金銭の授受がない契約の場合は、どちらが先に押印しても問題ありません。契約書を作成した側が先に署名押印して郵送し、1通に署名押印してもらい返送してもらうのが一般的です。
押印に関連して、社判についてはこちらも参考にしてみてください。
郵送する契約書の収入印紙について
契約書に収入印紙の貼付が必要な場合は、原則として1通だけに貼って郵送します。
印紙税法では、印紙税の納税義務者は課税文書の作成者となっています。つまり、契約書を作成した側が収入印紙代を負担するということです。
ただし、契約書を2通作成して双方が1通ずつ保管する場合、2通とも収入印紙が必要なため、1通ずつ印紙代を分担することが一般的です。
よって、2通のうち1通にだけ収入印紙を貼ってその上に消印を押して郵送し、契約書に先方の署名押印と割印をもらったうえで返送してもらいましょう。収入印紙の消印は、印紙の再使用を防ぐためのものなので、契約者どちらか一方の消印だけで問題ありません。
収入印紙が必要な契約が多い企業は、電子契約システムの導入がおすすめです。電子契約は収入印紙が不要なため、印紙代の費用を抑えられます。
興味のある方は、次のボタンから電子契約システムのサービス資料を無料ダウンロードして比較してみてください。
おすすめ電子契約システムの資料を厳選。各サービスの料金プランや機能、特徴がまとまった資料を無料で資料請求可能です。資料請求特典の比較表では、価格や細かい機能、連携サービスなど、代表的な電子契約システムを含むサービスを徹底比較しています。ぜひ電子契約システムを比較する際や稟議を作成する際にご利用ください。
契約書を郵送するときのマナーとは
契約書を入れる封筒の表には住所、宛名を正しい方法で書き、送付状を必ず同封するようにしましょう。これは契約書の郵送の場合だけではなく、ビジネス文書全般の郵送におけるマナーです。
切手の扱い
切手は、必要な料金分をできるだけ少ない枚数で貼ります。何枚も貼るのは、残り物をかき集めたようで、あまりよい印象を与えません。記念切手でもかまいませんが、絵柄がビジネス上ふさわしいかどうかは判断が必要です。
レターパックを利用すれば、切手不要でポスト投函できるため、請求書の郵送の手間を削減できます。
住所の書き方
住所は都道府県から縦書きします。住所は漢数字を使って「一丁目二番三号」のように書きましょう。
宛名の書き方
宛名は住所よりも一段下げ、中央に住所を書いた文字よりも大きな文字で書きます。
また、(株)のような略字は使わずに「株式会社」と正式名称を使いましょう。宛先が個人宛の場合は、会社名に「御中」をつけず、個人名にだけ「様」をつけます。部署名もわかっていたら略さないで書くことがベストです。
クリアファイルにはさんで封入
契約書を郵送する際は、クリアファイルにはさんだうえで封筒に入れるようにしましょう。契約書が折れ曲がらないようにするほか、配達までの水濡れや汚れを軽減できます。
返信用封筒
返信用封筒に自社の住所を書き、切手を貼って同封しておくと、契約相手がスムーズに押印して返送できます。
封筒に「契約書在中」と書く
契約書を入れた封筒やレターパックには、「契約書在中」の文言を書くかスタンプを押すと親切です。
受け取る側は、契約書の入っていることがわかれば、速やかに適切な部署や担当者に届けられるでしょう。
送付状の同封を忘れずに
最後に、送付状の同封も忘れないようにしましょう。送付状とは、同封の契約書の内容、同封部数を記載した連絡文です。いきなり契約書だけ送ってきても、他の案件も抱えていれば相手にとっては何の案件かわかりません。そもそも、送付状がない契約書だけの郵送は、挨拶なしにいきなり本件に入るようなものなのでマナー違反にあたります。
送付状の正しい書き方
基本的に記載するのは次のとおりで、通常のビジネス文書と書式は変わりません。
日付
右寄せで発送日を記載します。
宛先
相手先の会社名、部署名、担当者名を省略せず左寄せで記載します。敬称のつけ方は封筒と同様です。
差出人
右寄せで差出人となる会社名、部署名を記載します。それだけでもよいですが、問い合わせ先として差出人自身の名前を(問い合わせ先:○○)と入れておくとより親切です。
件名
中央揃えで契約書の題名を記載します。
本文
ここからは通常のビジネス文です。
ただし、契約締結のお礼と同封している契約書の部数、署名押印および収入印紙の貼付の依頼、返送先と期限は最低限盛り込んでください。
契約書が複数枚になる場合の、袋とじ製本する方法についてはこちらを参照してください。契印を押す場所も一箇所で済みます。
送付状の無料Wordテンプレート
送付状のサンプルとしてテンプレートをご用意しました。こちらは一般的な送付状のテンプレートです。
契約書作成に役立つおすすめサービス
「契約書」の作成や契約関連の各種手続きに役立つおすすめのサービスを紹介します。
クラウドサインは、これまでの紙で進めてきた契約書の作成から締結のための押印まで、オンラインですべて完結させられる電子契約サービスです。契約書のテンプレートも豊富で、これまで契約作成にかかっていた数日間を短縮し、契約をスピード締結できるようになります。
契約締結のスピード化
今まで数日間かかっていた契約書作成、郵送、押印などの作業を、わずか数分で完了できます。契約締結のスピードアップで、取引先とのコミュニケーションもよりスムーズになるでしょう。
不要なコストを削減
これまで紙を発行することで発生していた紙代や印刷コストはもとより、郵送代や収入印紙の費用も削減できます。また、郵送にかかっていた事務手続きの低減も期待できます。
原本保全の確実性向上
契約書をクラウドで一元管理することは、コンプライアンスの強化につながります。これまでの紙では紛失のリスクや詳細更新事項の目視が必要であった原本確認が容易になるとともに、バックアップデータが原本となるため、データとしての検索性や確認の精度向上に最適です。
クラウドサインの導入事例
クラウドサインの導入事例をまとめました。気になる会社の導入事例を無料でダウンロードしていただけます。
パーソルキャリア株式会社 | 株式会社メルカリ | ラクスル株式会社 |
---|---|---|
契約締結のリードタイムを圧縮することで 機会損失を防いでいます。 | 紙だとできない「一括処理」がクラウド化により実現。 70 倍速の効率化です! | クラウドサインで 「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」 |
ルールとマナーを守った契約書の郵送で信頼関係を
契約書の業務は作成で終わるのではなく、相手に確実に届け、署名押印してもらい、返送後にこちらでも署名押印して初めて完結するものです。契約書が確実に届く郵送の方法とマナーは非常に重要です。
契約書の郵送ルールとマナーを守れていれば、契約書を送付する取引相手から信頼を得ることにつながるでしょう。さらには、長期に渡るパートナーシップが築ける可能性もあります。
契約書の作成・管理を効率化する電子契約システムは、次の記事でより詳しく紹介しています。
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
BOXIL会員(無料)になると次の特典が受け取れます。
- BOXIL Magazineの会員限定記事が読み放題!
- 「SaaS業界レポート」や「選び方ガイド」がダウンロードできる!
- 約800種類のビジネステンプレートが自由に使える!
BOXIL SaaSでは、SaaSやクラウドサービスの口コミを募集しています。あなたの体験が、サービス品質向上や、これから導入検討する企業の参考情報として役立ちます。
BOXIL SaaSへ掲載しませんか?
- リード獲得に強い法人向けSaaS比較・検索サイトNo.1※
- リードの従量課金で、安定的に新規顧客との接点を提供
- 累計1,200社以上の掲載実績があり、初めての比較サイト掲載でも安心
※ 日本マーケティングリサーチ機構調べ、調査概要:2021年5月期 ブランドのWEB比較印象調査