割印とは?契印との違いや位置と押し方・使える印鑑・契約書としての法的効力【Q&A集】

契約書に押す「割印(割り印)」の意味、目的、契約上正しいマナーや間違われやすい「契印」の違いなど徹底解説します。これを読んで自信を持って契約書を作成しましょう!
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- 1.割印とは
- 「割印」の意味・「割印」とは
- 「割印」で回避できる契約上のトラブル
- 2.割印を押す正しい位置
- 3.割印(わりいん)と契印(けいいん)の違いは?
- 契印は契約書の差し替え、抜き取りを防ぐもの
- 契印と割印の違いは「証明する内容」の違い
- 契印が1か所だけでいい場合
- 契印につかえるのはどの印鑑?
- その他の印鑑の使用方法
- 4.割印と印鑑に決まりはあるのか
- 割印につかえるのはどの印鑑?
- 割印の法的効力は?割印がないと契約も成立しない?
- 5.【Q&A】よくある質問
- Q.1 割印は実印ではなく認印でも大丈夫?
- Q.2 契約書に割印がない場合、契約書の効力はどうなるの?
- Q.3 訂正印と捨印の違いは?押し方も教えてほしい!
- Q.4 契約書の割印を失敗してしまったらどうしたらいいの?
- Q.5 綺麗な割印の仕方を教えて欲しい
- Q.6 割印を押す順番や位置は?
- 割印のマナーを知っていれば必ず活用できる
- 6.電子契約を活用するメリット
- 7.「契約書作成」に役立つオススメサービス
- クラウドサイン
- BOXILとは
1.割印とは
「割印」の意味・「割印」とは
割印とは、複数ある書類にまたがった位置(場所)に印を押すことで、1つの印章がそれぞれの文書で「割れて押されている」印章のことです。書類が2部になる場合など、同一のものまたは関連する書類であることを証明するために「割印」を使用します。
たとえば業務委託契約書を作成し、委託者と受託者で1部ずつ契約書をもつ場合、2部にまたがって割印をします。
画像引用:ボクシル編集部にて作成
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「割印」で回避できる契約上のトラブル
そもそも契約とは、一部の契約種類を除けば「口約束」でも法的拘束力があり、契約が成立します。しかし、口頭契約では後々の「いった言わない」のトラブルになる可能性があるため、その内容を紙に記載して記録、証明をする意味合いで「契約書」を作成する必要があります。
「割印」は、契約を結んだ後にどちらかが、あるいは両方が自分の都合のよいように内容を改ざんしてしまうリスクを回避してくれます。
つまり、互いに持っている契約書が、互いに合意した段階で作成した内容から変わっていない、互いに持っている契約書は同一のものであることを証明してくれます。
以下の記事では、契約書に割印がなかったらどうなってしまうのかを解説しています。

2.割印を押す正しい位置
割印の押し方と位置には、法律で定められたものはありません。とはいえ、通常のビジネスマナーとして以下の押し方を覚えておきましょう。
【2部の場合】
2部ある契約書を、縦または横に少しずらした形で重ね、重ね合わせた部分をまたぐように、両方に押すことが通常です。つまり、片方には押印の半分、もう片方には残りの半分が押してある状態です。
【3部の場合】
3者で結ぶ契約書の場合は、3通の契約書を少しずつずらして重ね、3通すべてに押印がまたいである位置に押すことが必要です。
画像引用:ボクシル編集部にて作成
3.割印(わりいん)と契印(けいいん)の違いは?
契印は契約書の差し替え、抜き取りを防ぐもの
「契印」も「割印」も契約書に改ざんがないかを証明する印鑑ですが、用途が違います。
契約書が1枚なら問題はありませんが、2枚以上の場合、途中のページをだれかが、差し替え、抜き取りなどをして当初の契約内容とは違ったものにしてしまう可能性があります。しかし最終ページには押印があるので、どちらが正しいのかはわかりません。
そういうことを避けるために、契約書が複数ページになった時にページの継ぎ目ごとに押していくものを契印といます。
契印と割印の違いは「証明する内容」の違い
つまり、割印は複数の契約書が同一であることを証明する手続きで、契印は1つの契約書の内容が改ざんされていないことを証明する手続きなのです。
契印が1か所だけでいい場合
画像引用:ボクシル編集部にて作成
しかし、何十ページにも及ぶ契約書になった場合に、すべてのページの継ぎ目に契印を押していくのは非常に手間です。
それを避けるためには、一旦ホチキスなどで綴じた契約書の継ぎ目の上から製本テープなどを貼り、容易にページが抜けないようにし、裏表紙と製本テープをまたいだ場所にだけ契印を押す方法があります。これでも、契約書の差し替えなどがないことが証明できるので契印としては成立します。
契印につかえるのはどの印鑑?
契約書を取り交わした際に使用する契約印を利用します。契約者双方の捺印が必要となります。
その他の印鑑の使用方法
割印、契印以外にも契約書の原本性を高めたり、真実性を証明したりするために印鑑にはさまざまな役割があります。割印、契印以外の使い方としては次のようなケースが挙げられます。
消印
消印とはいえば郵便局で切手の上に押印するスタンプのことを想像するかもしれませんが、ビジネスにおいても消印は使用します。収入印紙の添付が必要な書類を作成する際に、その書類と収入印紙にまたがって押印することを消印と呼びます。消印を押すことによって印紙の再使用を防ぎます。消印を忘れると、収入印紙と同額の過怠税が課せられるケースもあるので注意してください。
訂正印
訂正印とは文章の一部を訂正する際に押印するハンコのことを指します。訂正箇所に印鑑を押すことによって、本人が文書の訂正を行って他者が改ざんしたものでないことを証明します。
訂正印を押す際は、契約書に押印した文章と同様の印鑑を用いるのが一般的です。
捨印
捨印とは文書内容に訂正があった場合に備えて、前もって訂正印にする印鑑を書類の欄外に押印しておく手法のことを指します。捨印を押しておくことにより、後日訂正が必要になった場合でも、相手方に押印してもらう必要がなくなるので手間が省けます。
もっとも訂正が発生するかも判断できない状態で捨印を押しておくことは、知らない間に契約を書き換えられてしまうリスクがあるので注意が必要です。このようなことから捨印の効力はあきらかな誤りに限って発生して、契約内容の重要な部分については捨印に押しても変更できないと一般的には理解されています。
ほとんどの場合はリスクはありませんが、万が一の場合を考慮するなら捨印は押さずに何かあったときに都度、訂正印を押印してください。また、必要にどうしても捨印が必要な場合は、捨印を押印した書類のコピーを手元に保管しておいてください。
止印
止印とは、契約書の余白部分に後日、内容が書き足されないように文末に押印する印鑑のことを指します。契約書であっても両当事者の印鑑は必要なく、書類作成者が代表して押印すれば大丈夫です。印鑑にかえて、文末に「以下余白」と書いて止印と同様の効力を発生させる場合もあります。
4.割印と印鑑に決まりはあるのか
画像引用:ボクシル編集部にて作成
まずこの説明の前に、実印・認印・三文判といった印鑑の種類について定義を説明しておきます。
実印とは
法人の場合は本店所在地を管轄する法務局で、個人の場合は住民登録をしている市区町村の役所で、その印影を登録した印鑑のことです。
なんらかの書類を作成し印鑑を押した場合、その印鑑に対する印鑑証明書を発行して本人が確認して押したものだ、ということを法的に証明できる印鑑とも言えます。
その際の印鑑自体の形や印影には制限はありません。極論を言えば100均で購入した印鑑でも、登録すれば実印になります。
認印とは
認印とは実印以外の印鑑すべてです。印鑑証明書が発行されないので、本当に本人が押したのかどうかは証明できません。しかし契約書に押した場合は証明ができないだけで、契約書の法的な効力は発生します。
三文判とは
三文といえば江戸時代の貨幣単価で現在になおすと100円くらいなので、100均でもどこでも売っているような量産型の印鑑となります。
割印につかえるのはどの印鑑?
割印は契約書に押した契約印である必要はありません。実印である必要はなく、認印でも何でも契約の効力には影響はありません。
割印の法的効力は?割印がないと契約も成立しない?
割印を押さなければならない、ということは法律では定められていません。したがって、割印が無くても契約の効力は発生します。
ただし、仮に契約内容について訴訟が発生した場合は、割印が押してあると契約時に約束した正しい契約内容は何なのか、ということが明らかになります。「正しい」契約に沿った主張をしている側にとって有利になる利点があります。
しかしながら、繰り返しになりますが割印がないからといって契約の無効を訴えることはできません。
5.【Q&A】よくある質問
以上が、割印についての基礎知識でしたが、そのほか以下のような「よくある質問」にお答えしておきます。
Q.1 割印は実印ではなく認印でも大丈夫?
実印でも認印であろうと問題ありません。また、契約書の署名に使用した印鑑と同じでなくても問題ありません。
Q.2 契約書に割印がない場合、契約書の効力はどうなるの?
割印は単純に「お互いに持っている契約書が同一のものである」ことを証明するだけの効力のため、契約そのものの法的な効力は左右しません。
ただし、文中でも書いたように、訴訟などが起こった場合は契約内容に沿った主張をする側にとっては割印があるほうが有利でしょう。
Q.3 訂正印と捨印の違いは?押し方も教えてほしい!
訂正印とは、その名のとおり契約書の書面を訂正する場合に押す印鑑です。押し方は、訂正あるいは削除の部分を二重線で消し、その上部に正しい文言を記入します。そしてページ上段に「○行目、□字削除、▽字加入」というように記載します。そしてその横または下に契約印と同じ印鑑を押します。
これに対して、捨印とは契約書内に訂正が生じることを前提に、文書の欄外にあらかじめ押しておく印鑑のことです。つまり事前に押す訂正印です。
この捨印が押してあると、あとでいかようにも内容を改変できます。それでも問題がない内容、問題がない契約相手である以外には、押さないほうがいいでしょう。
Q.4 契約書の割印を失敗してしまったらどうしたらいいの?
たとえば、割印を押したときに、片方の契約書の印影が印鑑の端しか写らなかった場合などでも、割印としては問題ありません。
しかしもしも後日、訴訟になった時に今度は割印の正しさの証明をしなければいけない可能性はあります。
だからといってそれを避けるために、失敗した割印を二重線で消してさらに訂正印を押して、などのことをする必要はありません。
失敗した割印はそのままにして、その隣に再度、正しく割印をすれば大丈夫です。
Q.5 綺麗な割印の仕方を教えて欲しい
どの押印でもそうですが、印鑑マットを活用することにより綺麗な押印が可能になります。とくに割印の場合は、マットがやわらかいので割印の際の紙の厚みによる段差を和らげる効果が期待できるので、下になった紙にも綺麗な印影がつけられます。
また、分厚い契約書の場合は、紙の段差のため割印の難易度が高くなりますが。この場合は契約書を無理に重ねずに契約書の1ページ目だけを開いて、重ね合わせて押印することによって綺麗な印影がつけられます。
Q.6 割印を押す順番や位置は?
契約書には甲乙丙といった契約当事者が記載されていますが、割印に関して甲乙丙を順番に押印しなければならないといった規定は存在しません。順不同で割印を押しても割印として有効です。
また、通常は契約書の上部に押印するのが一般的ですが左右の位置に割印しても有効です。
ただし、契約書の上部に文章や装飾があって押印が見えにくくなるといった、特殊な事情がない限り上部に割印した方が無難かもしれません。また押印の順番についても甲乙丙のっ順番で押印した方が無難ですし、契約書によっては順番を決めているケースもあるので気になる場合は取引先企業に問い合わせるべきです。
割印のマナーを知っていれば必ず活用できる
契約書における割印の目的、意味、押し方、位置、注意点などがおわかりいただけましたでしょうか。この内容をよく理解して、ぜひビジネスや仕事に生かしてください。
6.電子契約を活用するメリット
契約書の真実性を証明するために割印は有効ですが、印鑑自体を偽造されるリスクがあるかもしれませんし、契約書類の訂正にも手間かかります。
こういった理由から近年は紙の契約書ではなく、電子契約書を活用して契約を締結しているケースも増えています。電子契約を活用することにより、従来の紙の契約と比較すると契約の真実性を証明しやすくなるのはもちろんスピードアップ、コスト削減といった効果も期待できます。
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