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電子契約システムに関する法律一覧!有効性や法的効力を解説

記事の情報は2021-08-30時点のものです。
電子契約システムの法的効力を担保する「民法」や「民事訴訟法」といった一般的な契約に関する法律に加え、「電子署名法」や「電子帳簿保存法」など関係する法律と、政府の動向などを解説します。

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電子契約システムの有効性

電子契約システムを活用して行った契約は一般的に紙の書類で交わした契約と同様に有効であると考えられています。そもそも、ほとんどの契約は原則的に契約当事者の合意があれば成立します。

また、電子署名法やIT書面一括法といった電子契約を基礎づける法律も存在しており、これらも電子契約の有効性を担保しています。

ただし、一部の契約については書面の交付が義務付けられているので、電子契約で完結できない契約類型も存在します。

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電子契約でも契約の有効性はある

日本では売買契約、贈与契約、賃貸借契約などの多くの契約類型は諾成契約とされています。

よって、両者の合意さえあれば紙の書類や電子的な記録がなくても契約自体は有効に成立します。ただし、トラブルが発生した際に契約書がないとどのような契約内容だったか客観的に確認できなくなってしまいます。

そのため、電子契約システムを活用して契約を交わす場合でも、「後から契約書内容を確認できる」「真性の書類であることを証明できる」ことが必要です。

よって、契約自体はどのような手段で結んでも有効ですが、電子契約システムを活用する場合は電子認証や電子署名といった技術を活用して、契約書の真正性を高めるべきです。

諾成契約とは?
諾成契約とは、契約当事者同士の合意さえあれば特定の形式・手続きを踏まなくても成立する契約のことを指します。

法的効力も認められている

電子契約の有効性を担保するために、電子契約関連の法律もいくつか制定されています。

一つの契機になったのは2001年4月で、電子署名法とIT書面一括法という電子契約を普及させるための法律が同時に施行されています。この他にも電子契約に関する法律がいくつか存在しており、電子契約の法的効力は認められています。

また、2020年には内閣府の規制改革推進会議で、行政手続きにおける書面主義や押印原則、対面主義などを排除してデジタル化を推進することを議論。規制に関する緊急要望が民間事業者から出されるといったように、世間全体で契約の電子化を推進しようとする兆候もあります。

電子契約システムを活用できない契約も

例外的に一定の要件を具備しなければ成立しない契約類型も存在します。こういった契約は電子契約システムで完結できません。

たとえば、電子契約システムで完結できない契約類型としては定期借地・定期借家に関する契約が挙げられます。借地借家法の22条、38条1項によれば、「定期借地・定期借家契約に関しては公正証書によるなど書面をもって契約しなければならない」とされており、電子契約システムでは完結できません。

その他にも、訪問販売で交付する書面や宅建業者の媒介契約書など、いくつかの契約類型について電子契約はできません。

ただし、現段階で電子契約できない契約類型についても電子化に向けた社会実験や法律の見直しが行われているケースもあるので、いずれは電子契約で完結できる契約類型が拡大する可能性も考えられます。

電子契約にまつわる法律一覧

電子契約は、「民法」や「民事訴訟法」といった契約一般に関して規定している法律と、「電子署名法」や「電子帳簿保存法」といった電子契約に特化してルールを定めている法律の両方の規制を受けます。

これらの法律の条文には、次の規定が存在します。

  • 法律で定められているルールに従って契約を結ばなければならない「強行規定」
  • 当事者の合意によって法律の規定とは違うルールで契約できる「任意規定」

強行規定に反した契約条項は無効となるので、電子契約においても各法律に則った契約書作成が必要です。

民法

民法は日本の主要な法律である「六法」の一つで、主に財産関係や家族関係を規律する法律です。電子契約か紙の契約かに関わらず、契約全般に関するルールが定められています。

たとえば、「契約は当事者の意思表示と承諾によって成立する(民法第522条)」といった契約に関する一般的なルールはもちろん、売買、賃貸借、請負など日常的によく使われる13種類の契約類型については「典型契約」としてさらに詳細にルールを定めています。

電子署名法

2001年4月に施行された電子署名法とは、電子署名に紙の契約における捺印や署名と同等の効果を持たせるための法律です。

紙の契約書の場合は民事訴訟法228条4項によって、「署名または押印があった場合は契約が真性に成立したと推定できる旨」が定められていますが、電子契約は物理的に署名・押印できないのでこの規定は適用できません

それを補うのが電子署名法3条で、電子署名によって締結された契約の真正性を推定するための根拠条文となっています。

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民事訴訟法

民事訴訟法も六法の一つで、民事訴訟における手続きを定めた法律です。電子契約システムを活用したか否かに関わらず、民間で締結した契約に関する訴訟は基本的に民事訴訟法に則って解決が図られます。

電子署名を活用していない電子契約についても、訴訟になった際に証拠として活用できる旨が民事訴訟法231条および裁判の判例として大阪高決昭和53年3月6日高民31巻1号38頁により示されています。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法とは、帳簿や領収証、請求書など国税関係書類の電子データ化を認める法律です。1998年に制定された法律ですが、徐々に適用範囲が拡大され2017年の法改正によってスマートフォンによる撮影データでも証憑として有効になりました。

ただし、電子帳簿保存法によれば帳票を電子データとして保存するにあたって、「真実性の確保」「可読性の確保」の2つの要件を満たす必要があります。

各種契約に関する特別法

電子契約に限ったことではありませんが、各種契約に関する特別法については契約締結の前に確認しましょう。

特別法によって規制が定められていると電子契約ができないこともありますし、そもそも契約内容自体に一定の制限が課せられているケースもあります。特別法が適用される契約類型について、社内にテンプレートがない場合、はじめて契約する場合は専門家によるリーガルチェックを受ける方が無難です。

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IT書面一括法

IT書面一括法はIT技術の発展により契約業務が変革することを見据えて、2001年4月に電子署名法と同時に施行された法律です。

顧客保護の観点から証券取引法、割賦販売法、旅行業法などの特別法によって事業者に書面交付を義務付ける規制が数多存在していました。しかし、これらの規制が電子商取引の普及を阻害する一因でした。

そのためIT書面一括法という法律を制定し、送付される側の承諾を条件に電子メールやFAXなどの通信手段による書面送付を認め、規制を緩和しました。結果、約50種類の法律において書面による交付が電子的な連絡手段で代替可能になり、電子取引が促進されました。


IT書面一括法は建設業法にも影響を与え、建設業界での電子契約を後押しするきっかけとなりました。

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e-文書法

e-文書法は財務・税務関係の帳票、取締役会議事録など商法や会社法、税法などによって保管が義務付けられている書類について電子データで保存することを認める法律です。

電子帳簿保存法と類似していますが、電子帳簿保存法は国税関連の書類に特化しているのに対して、e-文書法は帳票・契約書など全般を対象にしているため対象範囲が広い点で異なります。

電子データとしてこれらの書類を保管する要件としては経済産業省により、「見読性」「完全性」「機密性」「検索性」の4つの要件が定められています。ただし、4つすべての要件を満たす必要はなく文書の種類のよって1〜3要件、ほとんどの文書は見読性を満たせば良いとされています。

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印紙税法

印紙税法とは、契約書や領収書など特定の文書について課税する旨を定めた法律です。

印紙税法の中では電子契約は無税である旨は定められていませんが、印紙税法3条には次のように定められています。

別表第一の課税物件の欄に掲げる文書〜中略〜の作成者は、その作成した課税文書につき、印紙税を納める義務がある。
引用:e-Gov法令検索「印紙税法三条」(2021年8月30日参照)

また、印紙税法基本通達44条では

法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。
引用:国税庁「印紙税法基本通達 第7節 作成者等 第44条」(2021年8月30日参照)

と定められており、用紙などに課税事項を記載しない電子契約は課税文書に該当しないため、印紙税は必要ないとされています。

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総務省、経済産業省、法務省の電子契約に関するQ&A

昨今ではテレワークの推進が求められているものの、物理的な押印作業はテレワークの妨げとなります。

よって、電子契約を普及させテレワークを促進するために、総務省、経済産業省、法務省が連名で2020年に電子契約サービスに関するQ&A(正式名:利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A)を公開しました。

その中で、事業者署名型(指図型・立会人型)の電子署名も、「電子署名法2条で定義される電子署名に該当する」という見解が示されました。

Q&Aの要約

電子契約において問題となるのが、「契約の真正性を何で担保するのか」ということです。紙の書類の場合、押印や署名が挙げられますが、電子契約の場合は電子署名がそれにあたります。

電子署名は、電子署名法二条にて次のように定義されています。

第二条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。
引用:e-Gov法令検索「電子署名及び認証業務に関する法律」(2021年8月30日参照)

ただし、この条文には解釈の余地があり、さまざまな認証方法が存在する中で、具体的にどの手法が法律の定める電子認証に該当するのか不明確でした。

総務省、経済産業省、法務省が連名で発表したQ&Aでは「事業者署名型の電子契約システムも電子署名法二条の定める電子署名に該当する」という見解を示しました。

Q&Aの意義

総務省、経済産業省、法務省が連名で発表したQ&Aは、事業者署名型を電子署名として認めることで電子契約の普及のきっかけとなりました。

電子署名には大きく分けて「当事者型署名」と「事業者署名型」の2つの方式がありますが、実務では事業者署名型と呼ばれる簡易的な手段が用いられることが多いです。

この事業者署名型の電子契約システムが契約の本人性を証明しにくいため、「事業者署名型は法律が定義する電子署名として認めるべきか?」が専門家の間で議論の的でした。

この疑問を解決できたことは、Q&Aが発表された大きな意義となっているでしょう。

電子契約システムを導入で契約をスムーズに

電子契約システムが、民法や民事訴訟法、電子署名法、電子帳簿保存法などで法的効力が担保されていることを解説しました。

重要な契約については契約の真正性を高めるために電子署名を活用する必要もあり、契約の内容に関して当事者間でトラブルが発生した際に契約に基づいて問題を解決できる準備をしておきましょう。

また、書面による締結を求める契約類型、金融商品や土地の売買などトラブルになりやすい契約に関する契約類型などは電子契約で完結できない場合もあります。

電子契約に移行したい書類を電子化しても問題ないのか確認し、電子契約システムを導入してスムーズな契約を進めましょう。

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