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電子契約に関する法律一覧!有効性や法的効力を解説

最終更新日:(記事の情報は現在から270日前のものです)
電子契約システムの法的効力を担保する「民法」や「民事訴訟法」といった一般的な契約に関する法律に加え、「電子署名法」や「電子帳簿保存法」といった関係する法律と、政府の動向などを解説していきます。

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電子契約とは

電子契約は、わかりやすく言えば電子データでやりとりをして契約を行う方法です。紙の場合署名や押印が必要ですが、電子契約の場合は電子署名やタイムスタンプを使用します。またデータの保管はクラウドやサーバーで行うのが特徴です。

政府による社会のデジタル化促進もあり、近年電子契約を導入する企業も急増しています。これにともなって、契約やデータ管理を行う電子契約システムも多数リリースされています。

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電子契約の法的有効性

契約書の電子化に伴い気になるのが、電子契約の法的根拠や法的効力です。まず結論から言えば、電子契約システムを活用して行った契約は、一般的に紙の書類で交わした契約と同様に有効であると考えられています。

民法522条2項には、「2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。」と法律に記されているからです。ただし、民事訴訟といった裁判で電子契約を有効に成立させるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。

大まかな要件としては、「後から契約書内容を確認できる」「真性の書類であることを証明できる」などがあります。電子契約を行う際には、これを満たすために電子認証や電子署名といった技術を用いているシステムを利用するといいでしょう。

電子契約にまつわる法律一覧

電子契約は、「民法」や「民事訴訟法」といった契約一般に関して規定している法律と、「電子署名法」や「電子帳簿保存法」といった電子契約に特化してルールを定めている法律の、両方の規制を受けます。

これらの法律の条文には、次の規定が存在します。

  • 法律で定められているルールに従って契約を結ばなければならない「強行規定」
  • 当事者の合意によって法律の規定とは違うルールで契約できる「任意規定」

強行規定に反した契約条項は無効となるため、電子契約においても各法律に則った契約書作成が必要です。次の電子契約に関する法律を確認しておきましょう。

民法

民法は日本の主要な法律である「六法」の一つで、主に財産関係や家族関係を規律する法律です。電子契約か紙の契約かに関わらず、契約全般に関するルールが定められています。

電子契約に関わる法律は、民法第522条です。

第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

一般的に当事者同士で合意した時点で契約は成立とみなします。電子契約も例外ではないので、メールやチャットなどでのやりとりは注意するようにしましょう。

電子署名法

2001年4月に施行された電子署名法とは、電子署名に紙の契約における捺印や署名と同等の効果を持たせるための法律です。

紙の契約書の場合は民事訴訟法228条4項によって、「署名または押印があった場合は契約が真性に成立したと推定できる旨」が定められています。しかし電子契約は物理的に署名・押印できないため、この規定は適用できません

それを補うのが電子署名法3条で、電子契約に電子署名がされていれば、契約が成立したとみなされます。ただし、「本人性」と「非改ざん性」の要件を満たす必要があります。

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民事訴訟法

民事訴訟法も六法の一つで、民事訴訟における手続きを定めた法律です。文書の成立について定めているのは、民事訴訟法の第288条と4項です。

第二百二十八条 文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない

4 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。

つまり、文書は本物であると証明する必要があり、本人または代理人の署名があることで証明となるとしています。電子契約においては、電子署名が証明にあたるとみなされます。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法とは、帳簿や領収証、請求書、など国税関係書類の電子データ化を認める法律です。1998年に制定された法律であり、徐々に適用範囲が拡大されています。

2022年1月の法改正では、事前承認手続きの廃止・電子取引における、書面による保存の廃止・電子保存義務化の2年宥恕処置といった条項が変更されました。

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IT書面一括法

IT書面一括法は、2001年4月に電子署名法と同時に施行された法律で、正式名称を「書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律」といいます。

顧客保護の観点から証券取引法、割賦販売法、旅行業法などの特別法によって、事業者に書面交付を義務付ける規制が数多存在していました。しかし、これらの規制が電子商取引の普及を阻害する一因でした。

そのため政府はIT書面一括法を制定し、送付される側の承諾を条件に電子メールやFAXなどの通信手段による書面送付を認め、規制を緩和します。結果、約50種類の法律において書面による交付が電子的な連絡手段で代替可能になり、電子取引が促進されました。


IT書面一括法は建設業法にも影響を与え、建設業界での電子契約を後押しするきっかけとなりました。

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e-文書法

e-文書法は財務・税務関係の帳票、取締役会議事録など商法や会社法、税法で保管が義務付けられている書類について電子データ保存を認める法律です。

電子帳簿保存法と類似していますが、電子帳簿保存法は国税関連の書類に特化しているのに対して、e-文書法は帳票や契約書など全般を対象にしているため対象範囲が広い点で異なります。

経済産業省が定めた電子データとしてこれらの書類を保管する要件は、「見読性」「完全性」「機密性」「検索性」の4つです。ただし、4つすべての要件を満たす必要はなく文書の種類のよって1〜3要件、ほとんどの文書は見読性を満たせば良いとされています。

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印紙税法

印紙税法とは、契約書や領収書など特定の文書について課税する旨を定めた法律です。

印紙税法の中で電子契約は無税である旨は定められていませんが、印紙税法3条には次のように定められています。

別表第一の課税物件の欄に掲げる文書〜中略〜の作成者は、その作成した課税文書につき、印紙税を納める義務がある。
引用:e-Gov法令検索「印紙税法三条」(2023年3月25日参照)

また、印紙税法基本通達44条では

法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。
引用:国税庁「印紙税法基本通達 第7節 作成者等 第44条」(2023年3月25日参照)

と定められており、用紙に課税事項を記載しない電子契約は、課税文書に該当しないため、印紙税は必要ないとされています。

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電子契約法

ここまでは、主に電子契約の有効性に関する法律でしたが、最後に参考として電子契約の利用者を保護する法律を紹介します。電子契約法は、電子消費者契約法とも呼ばれており、ネット通販といった電子商取引において、消費者を救済するための特例を定めた法律のことです。消費者のパソコン操作ミスといった過失によって本来と違った商品・サービスを購入した場合でも、場合によっては取り消しができます。

たとえば、100個発注しなければいけないところを間違えて1000個と打ち間違えてしまったとします。このとき事業者が注文の確認画面で修正できる仕様にしていないといった、操作ミスの予防措置を講じていなければ契約は取り消し可能です。

電子契約を行う際の注意点

電子契約を行う注意点は、契約の種類によって電子契約に対応できないケースが存在することです。電子契約に関しては、2021年のデジタル改革関連法の施行、2022年の宅地建物取引業法改正などにより、不動産取引をはじめとして電子契約できる契約は増加しています。

一方でたとえば定期借地・定期借家に関する契約といったものは、現在社会実験中であり、電子契約には対応できていません。借地借家法の22条、38条1項によれば、「定期借地・定期借家契約に関しては公正証書によるなど書面をもって契約しなければならない」とされています。

取り扱う案件が電子契約できるか、事前によく確認しておきましょう。

電子契約システムで考えられるリスクと解決策

さまざまなメリットのある電子契約ですが、やはり電子化に不安を感じる方も多いでしょう。そこで次に、電子契約で考えられるリスクと、解決策について紹介します。

セキュリティ

電子契約におけるセキュリティリスクとしては、「改ざんリスク・情報漏えいリスク・破損リスク」などが考えられるでしょう。電子化されたデータはセキュリティがぜい弱であると、情報漏えいや改ざんが発生しやすく、痕跡も残りにくいためしっかり対策する必要があります。

具体的な対策としては、次のような機能を持つシステムを選び、正しく活用することが大切です。

  • ログイン時の多要素認証
  • 細かいアクセス権限の設定
  • タイムスタンプの付与
  • 電子印鑑・電子署名
  • 改訂履歴の記録

多要素認証とは、ログイン時にメールアドレスやパスワードによる認証のほかにも、ワンタイムパスワードや生体認証を組み込み、本人性の確証を高める方法です。タイムスタンプは契約書を承認する際に、日時と契約書の存在を証明する機能であり、文書の改ざんが防止できます。

無権代理

結論から言えば、電子契約でも無権代理を防止することは可能です。まず無権代理とは、契約者としての権限を持っていないにもかかわらず、本人の代理として契約を行うことです。これは契約無効といったトラブルにつながる危険性があります。

電子契約ではICカードといった、モノ要素による認証「当事者署名型」であればこれは回避できます。しかし電子契約システムでは契約画面へのURLを付けたメールを送付して、アクセスしてもらう「事業者署名型(指図型・立会人型)」が一般的です。

この方法では、メールアドレスの所有者がそもそも契約者としての権限を与えられておらず、後々無権代理として契約無効にされる危険性があります。しかし、次の対策を行うことで、リスクの低減は可能です。

  • 契約権限があるかを事前に書面で確認
  • 事前登録フォームへの情報登録
  • 契約書に契約権限に関する条項を盛り込む
  • 一定以上の役職者のみで締結する

事前登録フォームでは、契約権限がある人物の役職や使命、メールアドレスなどを登録してもらう方法で、管理もしやすいことがポイントです。また契約書に契約権限に関して異議申し立てや、損害を与えない旨を記載すれば、真正性を補充できます。

さらに、表見代理を主張しやすい部長や課長職以上で締結するよう、ルールを定めるのもおすすめです。可能であれば、代表取締役だけで契約を行うと、無権代理の問題は発生しなくなります。

総務省、経済産業省、法務省の電子契約に関するQ&A

昨今ではテレワークの推進が求められているものの、物理的な押印作業はテレワークの妨げとなります。

よって電子契約を普及させテレワークを促進するために、総務省や経済産業省、法務省が連名で2020年に電子契約サービスに関するQ&Aを公開しました。

ここで、事業者署名型(指図型・立会人型)の電子署名も、「電子署名法2条で定義される電子署名に該当する」と見解が示されました。

Q&Aの要約

電子契約において問題となるのが、「契約の真正性を何で担保するのか」です。紙の書類の場合は押印や署名がこれに該当し、電子契約の場合は電子署名が該当します。

電子署名は、電子署名法二条にて次のように定義されています。

第二条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。
引用:e-Gov法令検索「電子署名及び認証業務に関する法律」(2023年3月25日参照)

ただし、この条文には解釈の余地があり、さまざまな認証方法が存在する中で、具体的にどの手法が法律の定める電子認証に該当するのか不明確でした。

総務省、経済産業省、法務省が連名で発表したQ&Aでは「事業者署名型の電子契約システムも電子署名法二条の定める電子署名に該当する」と見解を示しました。

Q&Aの意義

総務省、経済産業省、法務省が連名で発表したQ&Aは、事業者署名型を電子署名として認めることで電子契約の普及のきっかけとなりました。

前述したように電子署名には大きく分けて「当事者型署名」と「事業者署名型」の2つの方式があります。しかし実務ではシステムを利用しメール送付とログインによって手軽に行える、事業者署名型が契約の手段として用いられるケースが多くを占めています。

この事業者署名型の電子契約システムが契約の本人性を証明しにくいため、「事業者署名型は法律が定義する電子署名として認めるべきか?」が専門家の間で議論の的でした。

この疑問を解決できたことは、Q&Aが発表された大きな意義でしょう。

電子契約システムを導入で契約をスムーズに

電子契約システムが、民法や民事訴訟法、電子署名法、電子帳簿保存法などで法的効力が担保されていることを解説しました。

重要な契約については、契約の真正性を高めるために電子署名を活用しなければならないケースも存在します。そのため契約の内容に関して当事者間でトラブルが発生した際に、契約に基づいて問題を解決できる準備をしておきましょう。

また、書面による締結を求める契約類型、不動産売買や金融商品などトラブルになりやすい契約に関する契約類型は、電子契約で完結できない場合もあります。

電子契約に移行したい書類を電子化しても問題ないか確認し、電子契約システムを導入してスムーズな契約を進めましょう。

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