NPS(ネットプロモータースコア)とは?顧客満足度との違い【図解】
NPSには多くの種類があり「どれを選べばいいか」迷いますよね。後から知ったサービスの方が適していることもよくあります。導入の失敗を避けるためにも、まずは各サービスの資料をBOXILでまとめて用意しましょう。
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目次を閉じる
- NPS(ネットプロモータースコア)とは
- NPSの計算方法
- NPSの効果
- NPSと似た用語との違い
- 顧客満足度との違い
- eNPSとの違い
- NPSのメリット
- NPSシステムは簡単に利用できる
- 事業の成長と相関関係にある
- 競合他社に対する立ち位置を確認できる
- NPSのデメリット
- 項目を作るのが難しい
- 個人差が大きい
- 回答率が低くなりやすい
- NPSツールを選ぶ際のポイント
- NPSツールの導入目的を確認する
- NPSツールの機能を確認する
- NPSツールを導入する際の注意点を確認する
- NPSツールの料金・価格相場を確認する
- BOXIL編集部がおすすめするNPSツール
- クアルトリクス (Qualtrics) - XM for Customer Experience
- NPX Pro
- Emotion Tech(エモーションテック)
- CREATIVE SURVEY
- Ambassador Relations Tool
- SurveyMonkey
- smile survey
- NPSを活用して事業成長を!
- BOXILとは
NPS(ネットプロモータースコア)とは
NPSとは、ネットプロモータースコア(Net Promoter Score)の略で、顧客ロイヤルティを数値化する指標です。
NPSを測るためには、「あなたはこの企業を親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?」とアンケートを実施し、0〜10点で評価してもらいます。
そして、点数から顧客を推奨者・中立者・批判者の3つに分類します。

これにより、企業やブランドに対してどれぐらい信頼や愛着があるかが数値化され、企業と顧客との関係性を見い出せます。
欧米の公開企業では1/3以上がNPS活用しており、日本でも重要な理論として注目を集めています。
NPSの計算方法
NPSの算出方法は、推奨者の割合から批判者の割合を引くことで求められます。

批判者しかいない状態である-100から推奨者しかいない状態の+100の間の数値にあてはまります。つまり批判者が少なく、推奨者が多い方が高い数値になる仕組みです。
仮に、推奨者が30%、批判者が40%だった場合のスコアは-10となります。
NPSの効果
NPSの最大の特徴は、その数値が業績に直結する点です。NPSは収益性と強い相関関係を示す調査結果が出ており、NPSが高い企業は成長率も高い傾向にあります。
一度の調査で終わるのではなく、継続的に取り組むことが必要です。そして、NPS向上に向けて要因を分析し、改善に向けた活動を実施することが重要となります。
NPSと似た用語との違い
NPSと似ている用語との違いについて解説します。
顧客満足度との違い
顧客満足度とNPSの大きな違いは、業績と相関関係にあるかどうかです。
顧客満足度調査では、「満足」の語義が曖昧なため、回答は顕在ニーズの充足に偏る傾向があります。大きな不満がない場合には「満足」と回答する人が多いでしょう。
そのため、「満足」と回答していたとしても、再度購入してくれるとは限りません。
一方で、NPSでは単なる顧客満足度ではなく、顧客の信頼度や愛着度を測る指標です。NPSを向上させることでリピート購入や購買単価の向上、ポジティブな口コミなど、業績に良い影響を与える役割があります。
eNPSとの違い
eNPSは、Employee Net Promoter Scoreの略で、従業員エンゲージメントを測定するための指標を指します。
従業員エンゲージメントは職場に対する信頼度・愛着度のことで、エンゲージメントが高ければ高いほど従業員は熱意をもって仕事に取り組めるとされています。
NPSのメリット
NPSのメリットは次のとおりです。
- NPSシステムは簡単に利用できる
- 事業の成長と相関関係にある
- 競合他社に対する立ち位置を確認できる
それぞれの内容についてくわしく解説します。
NPSシステムは簡単に利用できる
NPSシステムを使う際、投票の管理に統計の専門知識は必要なく、簡単に使用できます。数式の計算は直感的であり、Excelやスプレッドシートがあれば細かな分析もできます。
シンプルに質問に対する回答が点数で示されるため、測定が簡単なのもメリットのひとつといえるでしょう。最近ではSNSのシェアや口コミを分析に活用する企業も多いようです。
事業の成長と相関関係にある
NPSは、顧客のロイヤルティを数値化できる指標であり、スコアが高いほど顧客満足度やリピート率が高い傾向であるところも特徴です。実際、多くの企業でNPSの向上と、売上や契約継続率の向上に相関が見られています。
そのため、NPSは事業成長の兆しをつかむ重要なモニタリング指標として活用されています。
競合他社に対する立ち位置を確認できる
NPSは世界中の企業で利用されているので、競合他社との数値を比較すれば現在の立ち位置を確認できます。
ただし、業界が異なるとNPSの平均値が大きく変化するため、異業種の企業との比較はできません。あくまで同じ業界での指標として比較しましょう。
NPSのデメリット
一方で、NPSにはデメリットもあります。
項目を作るのが難しい
NPSは、質問の表現によって回答の印象が大きく変わります。
たとえば「おすすめしたいと思いますか」と「ぜひ勧めたいと思いますか」では、受け取り方が異なり、スコアにも差が出ることがあります。
また、調査対象の属性によっても反応が変わるため、適切な母集団の選定が欠かせません。
個人差が大きい
NPSのスコアは主観的な評価であるため、人によって点数の付け方に大きなばらつきがあります。
たとえば8点を高評価と考える人でも、NPS上は「中立層」として扱われてしまいます。また、文化や性格による傾向の違いもあるため、比較の際には注意が必要です。
回答率が低くなりやすい
NPSは基本的に「0〜10点で評価してください」といったアンケート形式で実施されます。質問がシンプルである一方、回答するモチベーションが低いとスルーされやすく、回答率が上がらないケースも少なくありません。
とくに満足・不満足のどちらでもない中立層は無回答になりがちで、データの偏りや母数不足につながることがあります。
NPSツールを選ぶ際のポイント
NPSツールを選ぶ際に注目したいポイントについて紹介します。
- NPSツールの導入目的を確認する
- NPSツールの機能を確認する
- NPSツールを導入する際の注意点を確認する
- NPSツールの料金・価格相場を確認する
NPSツールの導入目的を確認する
NPSツールの導入を検討する際は、まず導入目的を明確にしましょう。主な導入目的は次のとおりです。
| 導入目的 | 詳細 |
|---|---|
| NPS調査の結果から分析して改善につなげたい | NPSに特化したタイプやコンサルサポートするツールがおすすめ |
| カスタマイズした内容で顧客アンケートや満足度調査を実施したい | NPS以外のアンケート調査にも対応するタイプのツールがおすすめ |
NPSツールの機能を確認する
NPSツールでできること、利用できる機能は次のとおりです。上記の導入目的・課題をどのように解決できるか記載しているため、必要な機能を洗い出しましょう。
【基本的な機能】
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 自動集計 | アンケートを自動集計する機能 |
| 分析 | アンケートから多面的に分析する機能 |
| レポート | 分析データをレポート化する機能 |
| アンケート作成 | アンケート内容を作成する機能 |
| アラート | 低スコアのフィードバックがある場合にアラート通知を出す機能 |
| アクション管理 | 改善に必要なアクションの促進や、進捗を管理する機能 |
【特定の課題・用途・業界に特化した機能】
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| ネガポジ判断 | アンケートのコメントからポジティブ/ネガティブを判断する機能 |
| テキストマイニング | コメント内からよく使われるワードや相関性を分析する機能 |
スコア判断だけでなく、具体的な改善に取り組みたい場合や顧客へのフォローしたい場合にはネガポジ判断やテキストマイニング機能があるツールがおすすめです。
NPSツールを導入する際の注意点を確認する
NPSツールを導入する際、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。
| 確認事項 | 詳細 |
|---|---|
| 分析手法 | 課題に合わせた分析が実施できるかを事前に確認しましょう。 |
| 外部システム連携 | Web接客ツールやCRMなど、すでに導入しているシステムがある場合にはそれらと連携ができるかを確認しましょう。 |
| サポート体制 | 導入後のサポートについて、どのような体制で実施されるのかを事前に確認しましょう。 |
NPSツールの料金・価格相場を確認する
NPSツールの料金は、月額従量課金タイプか月額固定費用タイプで異なります。必要な機能と要件が搭載されているサービスの料金を確認しましょう。
ツールによっては課題感や利用人数、顧客数によって別途見積もりが必要なケースがあります。気になるツールは公式サイトから見積もり依頼や問い合わせましょう。
BOXIL編集部がおすすめするNPSツール
BOXILおすすめのNPSツールを紹介します。各サービスの特徴や機能を解説しているので、NPSツールを比較する際の参考にしてください。
クアルトリクス (Qualtrics) - XM for Customer Experience - クアルトリクス合同会社
- NPSをはじめ顧客の声を広く測定
- データを分析し、顧客の行動を予測
- 問題が起こる前に先手を打って改善
クアルトリクス カスタマーエクスペリエンス(CX)は、顧客の声を集め分析することで、NPSをふくめた指標の改善に役立つツールです。
顧客アンケートは、メールやSMS、Webページといったさまざまなチャネルと、スマートフォンやウェアラブル端末など多くのデバイスに対応しています。
顧客が答えやすい形式にてアンケートを実施して、データの母数を増やします。集めたデータは独自のテクノロジーで分析され、顧客の次の行動を予測。顧客の離反をはじめ、問題が表面化する前に対策を打てるところも魅力です。
NPX Pro - NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
- NPS®/満足度アンケートの設問テンプレートを標準搭載
- ドライバーチャート分析で優先改善課題を把握
- 改善アクションの履歴や進捗も管理可能
NPX Proは、アンケートの作成から配信、回答収集、分析まで可能なNPSツールです。
一括配信メールやSMS、Webサイトでアンケートを配信できます。設問テンプレートのほか、数値データやテキストデータ分析が可能なデータ分析フレームワークを備えています。
回答結果をリアルタイムに集計し、属性情報別のセグメント分析や時系列推移、コメント分析など多様な分析が可能です。
調査票の設計から改善アクションの展開まで、NPS公認資格をもつコンサルタントがサポートしてくれます。
Emotion Tech(エモーションテック) - 株式会社Emotion Tech
- NPS(ネットプロモータースコア)を活用したシステム
- クラウドによるモニタリング
- 高度な分析機能により「最も優先的な課題」がすぐにわかる
Emotion Techは、特許出願の「感情データ解析技術」を用いて、訪問ユーザが貴社ブランドに抱いているイメージを見える化できるシステムです。
ユーザが入力したネガティブ・ポジティブ評価を、クラウド経路で迅速に通知します。コメント欄のテキストマイニングやグラフ作成によるモニタリングも可能なため、改善活動の活性化やクオリティ向上に役立ちます。
CREATIVE SURVEY - クリエイティブサーベイ株式会社
- 簡単操作で高度なアンケート設定可能
- 優れたデザインで回答率を向上
- 柔軟なアンケート配信や分析など機能が充実
CREATIVE SURVEYは、ドラッグ&ドロップでアンケートを簡単に作成できるヒアリングツールです。自社ブランドに合わせてUIをデザインできるため、ブランド強化にも役立ちます。
美しく機能的なデザインのため、ストレスなく気軽に回答してもらえるのがポイントです。回答結果はリアルタイムに自動集計され、任意の条件で分析可能です。
回答者の判別や、一人ひとりの顧客に最適化されたアンケートを送れます。
Salesforceと連携できることも特徴のひとつで、商談率や受注率・売上の向上、解約率の減少などが期待できます。
Ambassador Relations Tool - 株式会社コンファクトリー
- 初期費用・月額費用0円で基本機能が使える
- 自由度の高いCRM機能
- 業務負担を減らすMA機能
ARTは、業種別のテンプレートを搭載したアンケート機能が特徴のシステムです。
CRMサービスと連携することで、常に最新の顧客情報に更新できたり、マーケティングオートメーション(MA)機能で、NPSの向上を効率的に進められたりするでしょう。
- AIやテンプレートでアンケートをカンタン作成
- 日本語によるサポートデスク
- 全世界で利用されているツール
SurveyMonkeyは、AIやテンプレートを利用して「今すぐに」アンケートを作り、社内共有し、解析可能となるツールです。
企業内に大規模アンケートの実施基盤がなくても、専門的な調査を素早く安価に実施できます。無料プランもあり、導入リスクをいっそう抑えられます。
- ドラッグ&ドロップ操作でアンケートを作成できる
- アンケート結果のクロス集計やグラフ表示が可能
- SFAやCRMと連携した顧客管理もサポート
smile surveyは、NPSや顧客満足度調査、会員限定アンケートなどに役立つセルフ型アンケートシステムです。設問パーツやアンケートテンプレートをもとに、アンケートを作成でき、回答のリアルタイム集計が可能です。
Salesforceと連携すれば、アンケートデータと顧客情報の一元管理に加え、NPS調査のスコア状況に応じた顧客フォローにも役立ちます。標準機能すべてを利用できる30日の無料トライアルを提供しており、実際の操作感も試せます。
NPSを活用して事業成長を!
収益性と強い相関関係にあるNPSですが、一度の調査だけでは不十分です。顧客ロイヤルティを上げ、売上向上につなげるためには継続的に調査し、改善活動を実施することが重要です。
短期的な売上向上だけでなく、長期的な成長にもつながるNPSの活用を検討してみてください。
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
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