コーポレートサイト運営現場は、DXが進まない会社の縮図だった[PR]
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進まないデジタルトランスフォーメーションの正体
多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の重要性を認識し、対策の必要性を感じている中、現場の改革スピードが上がらない本当の理由は何なのか。議論をし尽くしても消えない課題の正体について、まずはデータから読み解いていく。
2つのレガシーに企業は囚われている
複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムから変革せず、DXが実現できない場合、2025年以降、年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある。
これは経済産業省が2018年に発行したデジタルトランスフォーメーションレポートの中で、「2025年の崖」と表現された未来予測だ。保守・運用が属人的で継承が困難。そこにかかるIT人材と費用を浪費し、戦略的な投資ができない。レガシーなシステムがDX化への足かせになっているという。
またシステムの問題だけでなく、有識者の間で度々指摘されてきたのは「レガシーな組織」の問題だった。経営トップの危機意識欠如、IT人材不足や進まない採用、古いビジネスモデルや組織マインドへの依存。
これを示すデータが、2020年5月に公開された情報処理推進機構(IPA)の「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」の中にもある。
DXで成果が出ていると回答した企業の多くが、DXが全社的な取り組みであり、IT業務がわかる役員比率が高い傾向にあった。一方、大きな方針や上層部の理解がない企業では、DXの範囲は限定的になると同調査では指摘している。
そして、図らずも世の中にパラダイムシフトが起きた。
急速なテレワークへの移行。顧客接点はオンラインの重要度が増しているが、対応できる企業とそうでない企業の格差が浮き彫りとなっている。企業にとってDXは、未来の目標ではなく、目の前の課題へと変容しつつある。今まさに、企業トップは強い決断と覚悟で、前に進めていかなくてはならない。
一方、現場レベルに視点を移すと、どんな課題が見えてくるだろうか。
社員のスキルと意識にも課題
先出の調査によれば、DXを推進するための課題は個々の社員にもあると指摘している。
IT人材に関する設問では、「先端IT従事者に比べて、非従事者はスキルアップに対する意欲が低く、時間や費用をかけていない」ことが明らかになった。つまり、ITの部署ではない社員は、デジタル技術に理解や関心が薄く、スキルを高めていこうとする意欲も低いということだ。
多くの企業は、システム管理をITベンダーに長年に渡って依存し、社内でのIT人材確保やスキル習得へ力を注いでこなかった。それが、ここ数年顕在化した「人材不足」の一因でもある。
DXは、多くの部署や人、予算を動かし、顧客を含めた社外のステークホルダーに理解を得ながら進めていく一大プロジェクトだ。専門部署や推進者だけがどんなに躍起になっても、大きな成果は得られないだろう。
決して容易ではないが、まずは社員一人ひとりがデジタル変革に向き合い、部署単位で効果が見込める取り組みを着実に実行し、成果を積み上げていくことが重要だ。
コーポレートサイトには、DX課題の“縮図”があった
DX推進を阻む組織の問題が“縮図”となって表出するものがある。企業の顔である「コーポレートサイト」、そしてその運営体制だ。
企業のコーポレートサイト制作・運営に特化したクラウドサービス「ShareWith®」を提供する、野村インベスター・リレーションズの尾澤 仁さんは次のように語る。
「コーポレートサイトは、特に多くの部署や担当者が関与する“組織のサイト”です。管理・運営は、企業のサイト責任者であるWebマスターが担うことになる。そもそもリソースが足りない中で、各部署からの要望に応えながら更新頻度を上げ、訪問顧客を分析していかなければならない。大きな改修であれば部署をまたいだ合意形成が必要なため、推進するスキルも問われます。古いシステムと組織運営の板ばさみになり、疲弊しているWebマスターは多いですね」(尾澤氏)
まさに、IT人材不足を背景にした組織の問題がそこにあった。旧来の縦割り組織の中では、部署や人によってITリテラシーにも差があり、コミュニケーションコストもかかる。
「Webマスターがコントロールできていればまだよい方です。発言力の強い部門を抑え込めず、システムやコンテンツの追加が野放図に繰り返されて、混沌としたコーポレートサイトになってしまっていることも多い。逆に、そうなることを恐れるあまり、“閉じた運営”となり、更新が停滞してしまっているケースもあります」(尾澤氏)
古くて属人的なシステムの課題は見えているものの、新しいシステムを導入するための人手がない。まさにDX推進課題の縮図がそこにあり、形となってコーポレートサイトに表出している、といえるだろう。
コーポレートサイトの改善がもたらすもの
ここでDX本来の目的を確認しておこう。それは企業成長と競争力強化だ。そしてコーポレートサイトは、顧客・投資家・パートナー企業・採用候補者などあらゆるステークホルダーに企業価値を伝える使命を持つという意味で、重要な位置づけにあることは言うまでもない。
コーポレートサイトの改善は急務だが、人材不足はすぐには解消しない。新たに専任担当をつけられない以上、これまでのリソースで実現でき、効果が見込めるものを厳選して実行していくことが肝要になる。
しかし、コーポレートサイト改善が成功すれば、社内にもたらす好循環もある。さまざまな部署が横断して関わる改善プロジェクトの成果は、組織が勝ち取った成功事例として共有しやすい。DXに向けた社内の空気醸成のために、コーポレートサイトを戦略的に改善するのは有効だろう。
「ShareWith®」でサイト運営は劇的に変わる
コーポレートサイト運営の課題を解消するためには、どんな視点が必要なのか。一部だけに新しいシステムを導入するだけでは、運用上の属人性や社内外への依存解消、生産性向上は難しいだろう。
コーポレートサイトの負債(コスト・工数・属人性)は、何気ないカスタマイズや特殊仕様を積み重ねた結果でもある。望ましいのは、標準化された仕組みの中で各部門が自走し、安心して任せられる状態を作ること。そうすればWebマスターは、末端のページ更新に振り回されることなく、全体の戦略設計に集中できるようになる。
コーポレートサイト制作・運営に特化したクラウドサービス「ShareWith®」で提供されるCMSは、組織で使われることを想定して設計されたユニークなものだ。簡単に操作できるだけでなく、サイトの体裁が破綻しないよう、適切に“制約”を残していることが特徴で、広報、IR、採用、ESG(環境・社会・ガバナンス)、製品サービスといった複数部門の担当者が関わっても、安定的な更新運用を可能にした。
また、部門が発信したい情報体裁にマッチするデザインやグラフ、ニュースリリースなどを簡単に作成でき、IR情報の自動更新機能も備える。
さらに、リニューアルとなれば、インフラ設計やデザインを専門組織に依頼するのが一般的で、Webマスターはさまざまな部署の意向をくみ取りながら、作業者をディレクションしなければならない。これには十分なスキルと推進力が必要不可欠だ。
「ShareWith®」は、サーバーリプレイス、CMS移行、セキュリティ強化といった、調査や検証に手間のかかることもワンパッケージでサポートする。金融機関向けにはBCP/DRプランも用意した。広い守備範囲で、コーポレートサイトに欠かせないものを備え、Webマスターの工数を確実に削減する。コーポレートサイトに照準を絞ったクラウドサービスだから提供し得る、“ちょうどよさ”といえるだろう。
「ShareWith®」は、2015年9月にリリースされて以降、多くの企業のコーポレートサイトに採用され、上場企業を中心に導入社数は150社を超えた。また、上場企業に最も多く導入されているクラウドCMSでもある。
「アンケートでは、導入していただいたサイト運営責任者の方の87%が、生産性が向上したと回答しています。ただ、我々が進めたいのは単なる業務効率化ではなく、組織が抱えていた“負債”を取り除き、コーポレートサイトの持続的運営や企業のデジタルトランスフォーメーションを後押しすることです。複雑にカスタマイズされてブラックボックス化したシステムを標準化し、企業とステークホルダー接点をよりよい形に変え、企業の競争力を高めることに繋がればと思います」(尾澤氏)
デジタル元年、今こそ成長への軌道を描け
本年冒頭、政府は2020年を「デジタル元年」と位置づけ、ルール作りを本格化させると発表した。最近、経済活動にダメージを与えている事象も、結果的にはクラウド化の追い風となっている。今こそ、企業はデジタル化によって競争力をつけ、成長への軌道を描くときだ。
DX推進の課題は一朝一夕では解決できないが、Webマスターの仕事は「ShareWith®」で劇的に変えられる。まずは顧客との重要な接点であるコーポレートサイトの改善で、DXへの意思表明を実行すべきである。