ソーシャルCRMとは?SNSを活用した顧客育成の手法
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ソーシャルCRMとは?
ソーシャルCRMとはFacebookやTwitter、LINEなどのソーシャルメディア上でコミュニケーションを行うことにより、顧客満足度や企業に対するロイヤリティアップ、イメージ向上につなげるマーケティング手法のことを指します。
ソーシャルCRMの手法
ソーシャルCRMはSNSを通じた顧客とのやりとりであれば該当するため、その手法は多岐にわたります。
- 商品やサービス、社内の雰囲気などに関する情報発信
- 双方向のコミュニケーションが取れるSNSの特徴を活かしてユーザー参加型企画を実施
- SNSにてアンケートを実施
従来のCRM(顧客関係管理)との違い
ソーシャルCRMと従来のCRM(顧客関係管理)という概念は対立する概念ではありません。
従来のCRMでは顧客情報を記録、管理してメールや電話・DMなどによってアプローチするのが一般的でした。しかし、SNSの発達によってDM・メール・電話などよりも、ニーズの把握やアプローチがしやすくなってきたため、「ソーシャルCRM」という概念が誕生しました。よって、CRMという大きな括りの中のソーシャルCRMが存在する形となっています。
もっとも近年はメール、電話、SNSなど、さまざまなコミュニケーションチャネルを共通のCRMシステムを使ってシームレスに管理しようとするオムニチャネルやマーケティングオートメーションの概念も注目されているので、これからのCRMはSNSだけにフォーカスすれば良いわけではありません。
ソーシャルCRMのメリット
ソーシャルCRMに取り組むメリットは次の4つです。
- 顧客に自然な形で情報を双方向に伝えられること
- DMやチラシといった手法と比較するとコストが安い
- 顧客との結びつきは他の手法よりも強化しやすい
- 施策実行までの時間が短くて済む
SNSでの投稿はユーザーのタイムラインに自然な形で挿入され、ユーザーにアプローチするまでの手間もそれほどかかりません。
一度フォロワーにすれば安価にかつ継続的にユーザーの情報を発信できるのでリピーター対策、それによる収益性アップ対策の手法としても優秀です。よって、長く顧客と付き合いたいビジネスにとっては重要な手法です。
また、従来のテレビやラジオといったマスメディアを活用した手法と比較すると、より深く顧客を分析しなければならないため手間はかかりますが、反響が可視化できるうえに、コストもかからないなどさまざまな良い点が存在します。
ソーシャルCRMに向いている業種
顧客と商品・サービスのブランドのつながりを特に大切にしている企業にとってソーシャルCRMは重要な施策です。
たとえば、近年D2C(Direct to Consumer)の新興ブランドが注目を集めていますが、これらのブランドは企画から販売までの流通を垂直統合するだけではなく、SNSを使って情報発信をしたり、ユーザーとコミュニケーションをとったりと、いずれもユーザーとのつながりを大切にしています。
他にも、これらの企業にもソーシャルCRMがおすすめです。
- マスメディアの広告に対する投資は費用対効果が合わない
- Web広告を運用するスタッフや広告代理店を雇うほど事業規模は大きくない
- 商圏を拡大する必要はないローカルなスモールビジネス
ソーシャルCRMが注目される理由
ソーシャルCRMが注目される理由としては、SNSが私たちの日常に浸透しているといっても差し支えないレベルで普及していることと、それに合わせて消費者の購買行動も変化していることが挙げられます。
SNSの普及率
データマーケティング支援を行っているGlossom株式会社が発表した「スマートフォンでの情報収集に関する定点調査2021」によると、スマートフォンで情報収集している時間は1日あたり136.3分、そのうちSNSを利用している時間が77.8分とされています。この利用時間は毎年10%程度ずつ増加しており、日々の生活にSNSが普及していることはわかります。
また、日本で広く浸透しているSNSのLINEについてLINE株式会社が発表したデータによると、国内の月間利用者数は約8,600万人で日本の人口の約68%をカバーしていると発表しています。
他にもFacebookやinstagram、YouTubeなど有力なSNSは数多く存在しており、日本人の生活のなかにいかにSNSが浸透しているかが推測できます。
顧客の購買行動の変化
SNSが日常生活に浸透することによって、顧客の購買行動も徐々に変化しています。
従来、ユーザーの購買行動を説明するフレームワークとしてはAIDMA、AIDAといった理論が使われていました。しかし、インターネット以前のフレームワークなので現代の顧客の購買行動を説明できず、AISAS、SHIPSなどさまざまなフレームワークが新たに提唱されています。
いずれにしても現代の顧客の購買行動に対して言えることは、顧客がインターネットを活用して店舗やブランドと長期的な関係性を維持するようになったこと、そのブランドのSNSでの評価や口コミ、振る舞いをユーザーは冷静に見つめていることです。
ソーシャルCRMへの取り組み事例
昔から存在する大手のメーカーからユーザーとのコミュニケーションを重視する新興企業まで、さまざまな企業がソーシャルCRMに挑戦して多くの企業が成功事例をつくっています。ソーシャルCRMに挑戦した事例について「グルメイノベーション」の事例を紹介します。
グルメイノベーション
グルメイノベーションは、「宅麺.com」というラーメン通販サービスでTwitterをベースに顧客とコミュニケーションをとっており、フォロワーは2万人を超えています。
新商品の販売や会社のプレスリリース、メディア露出など一般的な広報活動はもちろんのこと、「宅麺」でエゴサーチして、リプライで随時顧客をアクティブサポートしているとのことです。
問い合わせ窓口としては電話やメールなどももちろん存在しますが、Twitterを活用することにより不満を伝える問い合わせやクレームの芽を事前に摘み取り、顧客満足度を向上させる効果があるのではないかと考えられます。
出典:Bizコンパス「ソーシャルCRM導入活用事例」
ソーシャルCRMに取り組み顧客満足度・好感度を高める
ソーシャルCRMとはSNS上でのユーザーへの情報発信・コミュニケーションを行い、企業イメージやロイヤリティアップを通じて、売上・利益創出につなげようとするマーケティング手法のことを指します。
顧客の購買行動が変化し、テレビや新聞などのマスメディアによる一方的な情報伝達の効果は徐々に薄れてきており、SNSのように双方にコミュニケーションを取れる媒体を活用して長期的にユーザーと良好的な関係性を構築することは必須になってきました。
本記事で紹介した事例以外にも業種・業界問わずにさまざまな企業がソーシャルCRMに挑戦しているので、ぜひ自社の状況にマッチした事例を探して、良い部分を自社のマーケティングに活かしてください。
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