介護業界向けRPAおすすめ比較！解決できる課題と事例

介護業界で活用できるRPAの機能

RPAとはソフトウェアロボットにより、業務の自動化を実現できるシステムのことです。主にホワイトワーカーのバックオフィス業務を自動化できるツールであり、総務や経理部門の生産性の向上に役立ちます。

RPAは基本的に画面上の操作を記録し、正確に再現する機能が中心のシステムです。Excelのマクロのように操作手順を記録したり、人間の代わりに情報を収集したりするのも得意分野です。

介護業界でもバックオフィス業務の効率化は必要であり、実際に多くの企業がRPAを導入しはじめています。ユーザーがソフトウェアロボットを作成できるサービスも多く、環境に応じて柔軟な運用ができるのも特徴です。

さらにRPAシステムの機能を詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。

介護業界における業務効率に関する課題

介護業界では、社員の業務過多による負担の増大や、働き方改革に関する課題を抱える企業が多くあります。普段の業務において解決すべき課題はどれか、確認してみましょう。

業務量の過多による社員への負担の増大

介護業界では長年にわたって人手不足に陥っている企業が多く、既存の社員は業務量の過多により、負担が増大しています。一方で、高齢化によって介護に対するニーズは右肩上がりに高まっており、介護スタッフ一人に対して、世話を求める多くの高齢者がいる状況です。

少子高齢化は歯止めがきかないのが現状であり、今後さらに介護が必要な高齢者が増えるため、早急にスタッフの業務効率と生産性の向上が必要な企業が目立ちます。

業務フローの見直しも必要

介護業界では業務フローの見直しにより、作業のムダ・ムラを削減する取り組みも求められます。上記のように人手不足が深刻なため、既存の労働力の生産性を向上させ、ケアの質を向上させる必要があります。

さらに介護スタッフと、ケアマネージャーとの連携の強化も図らなければいけません。業務フローに関する課題を抱える企業が多い中で、他社に先駆けて抜本的な業務改革を実行すれば、一人ひとりのパフォーマンスが改善され、競争優位の確立につながるでしょう。

ICTによる業務効率化やペーパーレス化も課題

ICT（情報通信技術）による事務作業の効率化や、ペーパーレス化も介護業界の課題です。多くの企業では、スタッフが高齢者のケアをしながらバックオフィス業務もこなしています。そこで、事務作業にかかる時間を短縮することで、高齢者のケアをはじめ、より重要な仕事にスタッフのリソースを割けるようになるでしょう。

近年は業界・業種にかかわらずDXの推進が求められているので、業務管理システムや勤怠管理システムなどを活用しつつ、効率的に業務を進められる体制を構築することが重要です。

さらにRPAを導入すれば、システム上の処理を自動化できるので、より重要な仕事にスタッフの時間を充てられるようになるでしょう。

介護業界の課題をRPAで解決できる理由

介護業界では、社員の業務量や業務フローに関する課題を抱えていますが、RPAシステムを使えば、業務効率に関する課題を解決できる可能性があります。主な理由をRPAの機能とともに、確認していきましょう。

定型業務の自動化によって業務負担を軽減

RPAは手順の決まった事務作業の多くを自動化できるため、業務負担を軽減できます。特に、慢性的な人手不足に陥っている組織の場合、手間のかかる作業の自動化は、業務ストレスの緩和にもつながるでしょう。

バックオフィス業務は手順の決まっている作業が多いため、RPAで一連の作業を自動化すれば、短時間で圧倒的に多くの業務をこなせるようになります。事務作業に充てていた時間を高齢者のケアに回せるようになれば、顧客からの評判も高まります。

業務プロセスの最適化を図れる

単純な流れ作業はもちろん、ある程度は複雑な業務であってもRPAによる効率化が可能です。記録・編集機能を活用することで、複数の工程を経る作業でも自動化ができるため、うまく業務プロセスに組み込めば、既存の労働力を変えずに生産性の向上を図れます。

RPAツールの中にはチャットボットの返信や、メールの自動返信機能などが実装されている製品もあるので、顧客対応も効率化できます。

他の管理システムと連携してDXを推進

勤怠管理や帳票の作成・管理に関するシステムとRPAを組み合わせることで、社内のDXをスムーズに促進できます。事務作業や経理業務はもちろん、工夫次第で介護対象者のケアにかかる業務も自動化が可能です。

介護業界は全体としてDXが遅れ気味であるため、積極的にデジタル技術を導入するとともに、RPAでシステムの自動化を図ることが重要です。

RPAを通じてデジタル技術の有用性が社内で認知されれば、経営陣も新たなシステムの導入に前向きになるでしょう。結果的に、さらなるDXの推進につながります。

介護業界におけるRPAの導入事例

介護業界におけるRPAの導入例を、業務改善の事例とともに紹介します。介護業界の課題をどのようにRPAで解決し、どのような成果を上げているか認してみましょう。

社会福祉法人 ことの海会

社会福祉法人ことの海会では、運営施設のサービス提供に関する請求業務を効率化するため、業界トップクラスの知名度をもつRPAツール「WinActor」を導入しました。毎月処理が発生していた膨大な事務作業の自動化に着手したことで、年間550時間の業務時間を削減に成功しています。

さらに、中小企業向けのワークフローシステムである「Streamline」と連携したところ、全体の3分の2のペーパーレス化を実現できました。手書きの稟議書も視覚化できるようになり、それまで2週間必要だった決裁が、3〜4日に短縮されています。

今後はRPAによる自動化のシナリオづくりができる人材を育成し、会計経理業務のさらなる効率化を目指しているようです。

※出典：エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社「導入事例 社会福祉法人 ことの海会さま | NTTコミュニケーションズ 法人のお客さま」（2024年1月29日閲覧）

一般社団法人 日の出医療福祉グループ

一般社団法人日の出医療福祉グループでは業務フローの標準化・統一化のため、ビジネスブレイン太田昭和社のサポートのもとで、有名なRPAツールである「WinActor」を導入しました。

まずは経営会議資料の作成からスタートし、経理業務の標準化を目指したようです。当初はRPAに懐疑的な意見もあったものの、業務の自動化により担当者の負荷が大幅に軽減され、RPAの有効性が広く認識されるようになりました。今後はさらに管理部門の業務標準化や、統合化に力を入れる予定です。

※出典：株式会社ビジネスブレイン太田昭和（BBS）「日の出医療福祉グループ様 | 事例」（2024年1月29日閲覧）

介護業界向けRPAの比較

BizRobo!は、面倒なパソコン作業を自動化し、社内のDXを加速できるRPAツールです。視覚的にソフトウェアロボットを作成できるインターフェースで、初めての利用でも、プログラミング知識なしで業務自動化を図れます。

RPAの活用に必要な機能が網羅されており、規模の拡大に合わせて、最適な価格体系で利用できるのも魅力です。医療業界やIT業界のみならず、自治体にも多く導入例があります。介護業界でも問題なく運用が可能です。

RPAロボパットDXは、1つのライセンスで複数の端末で利用できるRPAツールです。充実したサポートをすべて無料で受けられるので、初めてRPAを導入する組織でも、安心して運用をスタートできます。

さらに、ほとんどのアプリケーションやシステムに対応が可能で、1か月単位での契約も可能です。広く業界・業種に導入されており、介護業界の業務効率化にも役立つでしょう。導入にあたっては、集合型サポート・個別サポート・「超」個別サポートから自由に選べるのも特徴です。

AUTOROはノーコードで誰でも手軽に、業務効率化を実現するソフトウェアロボットが作成できるサービスです。バックオフィス業務の自動化はもちろん、広告レポートやECサイトの関連業務、システム間連携の自動化などにも対応しています。

幅広い領域で活用できるシステムで、IT業界を中心に広告業界やコンサル業界、コールセンターなどでも導入されています。個人にもチームにも適した仕様なので、小規模な組織の多い介護業界にもおすすめです。

WinActorは、国内トップクラスのシェアを誇るRPAツールで、定型業務の多くを自動化でき、作業時間やコストの削減ができます。日常的に利用しているアプリケーションはもちろん、社内で利用しているシステムも、改修せずに業務効率の改善が可能です。

パソコン1台の自動化からサーバーの運用まで対応しており、PDCAを回しやすいシステムであるため、業界・業種を問わず広く活用できます。IT業界を中心に広く利用されており、介護業界や官公庁への導入事例もあります。無料トライアル版も利用できるので、まずは操作性を確認してみるとよいでしょう。

BizteX robopは簡単操作で、ショートカットキーを中心にソフトウェアロボットが作成できるRPAツールです。丁寧な操作アシスト機能が付いており、導入時から運用まで充実したサポートを受けられます。

さまざまなSaaSとのスムーズな連携が可能であり、システム間の連携やデータチェックなども得意なシステムで、メールの送受信の自動化にも対応しています。予算やニーズに応じて、ベンダーが最適なプランを提案してくれるので、まずは気軽に問い合わせをしてみるとよいでしょう。

BizteX cobitは、インストール不要ですぐに利用できる、クラウド型のRPAシステムです。定型業務を指示すればワンクリックで業務を代行してもらえるので、手間をかけずに業務効率化を図りたい企業におすすめです。

ソフトウェアロボットは複数人での同時開発・同時実行が可能で、誰でも専門知識が不要で誰でも作成できます。Webサイトの情報収集やスプレッドシートの更新作業、ブラウザを使った作業の自動化など、さまざまなシーンで幅広く利用可能です。ベンダーによる導入サポートや、トレーニングも充実しています。

RoboTANGOは、繰り返し発生する定型業務を簡単に自動化し、業務コストの削減や、品質の向上を実現できるRPAツールです。1ライセンスをチームで共有して利用でき、月額5万円から気軽に導入できるのが魅力です。

3週間の無料お試し期間があるため、実際に触ってシステム構成や操作性を確認できます。最低利用期間も1か月なので、繁忙期やプロジェクト期間中のみ利用するといった使い方もおすすめです。サービスベンダーから、自動化に適した業務を提案してもらうのもよいでしょう。

RaBit - ラディックス株式会社

RaBitは、月額10,450円から、手軽に業務の自動化を進められるRPAツールです。初期費用66,000円からスタートでき、手間のかかるルーティンワークを自動化することで、社員の時間やコストの大幅な削減が可能です。

製造業界や飲食業界・アパレル業界・医薬品業界など、幅広く導入されており、介護業界でも広く活用できます。最低利用期間や契約期間の縛りもないため、期間限定で活用したり、繁忙期のみ導入したりするのもよいでしょう。

介護業界向けRPAで社員の業務効率化と負担を軽減しよう

RPAは定型業務の自動化に役立つツールであり、デジタルレイバーとして業界・業種を問わず広く導入されています。人手不足やスタッフの業務過多に悩む介護業界の企業にとっては、既存の労働力で生産性を向上できる可能性があるため、非常に有用なツールです。

RPAを選ぶ際には、導入形態（デスクトップ型・サーバー型・クラウド型）の選択をはじめ、機能性や使いやすさ、ベンダーのサポート体制などに注目しましょう。すでに業務データの管理システムを運用している場合は、スムーズに連携できるかも重要なポイントです。

複数の製品を比較検討したうえで、環境やニーズに合ったものを慎重に選ぶ必要があります。なお、介護業界ではRPAに関連して、次のようなサービスも導入されています。こちらも検討してみましょう。

• 介護業界向けグループウェア
• 介護業界向け勤怠管理システム