安全資産とは?種類と例 ・危険資産との違い・リスク分散のポイント解説

最終更新日: 公開日:

記事の情報は2018-08-17時点のものです。

分散投資を考えるうえで知っておくべき「安全資産」とは何か?その種類と性質について解説します。これから投資をはじめたいという人は、株式や債券などのリスク資産とともに、預金や国債、社債、地方債といった安全資産への投資もしっかりと考えましょう。
安全資産とは?種類と例 ・危険資産との違い・リスク分散のポイント解説

資産運用をするうえで必ず考えなければならないのがリスクとリターン。リターンは、多くの人が収益率という形で考慮するが、リスクは正確に把握するのが難しいと感じている人も多いことでしょう。

しかし、なるべく元本を損なわずに長期的に資産運用をするためには、ある程度リターンを我慢してリスクを分散させることも重要です。そこで注目すべきなのが「安全資産」の扱いです。

安全資産とは

安全資産とは、あらかじめ将来の収益が決まっている無リスク資産や、収益率に大きな変動がない安定した資産のこと。銀行預金や国債などの債権がこれに該当します。

これらは債務不履行になる可能性が極めて低く、確実に収益が期待できる資産といえるでしょう。日本のように、比較的経済が安定している国においては、預貯金や国債はデフォルトの可能性がゼロの安全資産といえるでしょう。

なお安全資産は、事前に利子とその支払いのタイミングが決められており、事前にリターンが予測できるという特徴もあります。

安全資産と危険資産(リスク資産)の違いとは

安全資産に対して、ボラティリティ(価格変動)の大きい株式などの資産を「リスク資産(危険資産)」と呼びます。

安全資産と比較して大きな利回りを期待できますが、価格変動によって元本割れを起こす可能性があることから、「リスク資産」という呼称になっています。一般的に安全資産はローリスク・ローリターンであり、リスク資産の多くはハイリスク・ハイリターンとされています。

安全資産の例を押さえよう

安全資産は比較的価格変動が低く、安定したリターンが望める資産です。たとえば、定期預金や国債・社債、地方債の他にも、金や保険、年金なども安全資産に分類されます。安全資産の例を詳しく紹介します。

現金

紙幣や硬貨といった現金、価格変動は一切ないため安全資産といえます。ただし、紛失などのリスクや国の財政破綻や過度なインフレによる実質的価値が目減りするリスクが存在します。日本のように通貨が安定している国においては、破綻の心配は比較的低いでしょう。

定期預金

金融機関への定期預金も安全資産です。元本が保証されているうえ、払い戻しの際には利子がつきます。ただし、市場の金利が低下している際の預金利子は非常に低く、利子がほとんどつかないこともあるので注意しましょう。

加えて預け先の金融機関が破綻してしまった場合、元本が保証されないリスクもあります。ただし、日本の場合はペイオフ制度があるため、一定の預金額と利息は保護されています。

金は厳密にはリスク資産とみなされることも多いですが、長らく普遍的な価値があると信じられてきた現物資産であるため、安全資産と認識する投資家もいます。

他の安全資産と違ってボラティリティリスクがありますが、株式や債券など、発行元が破綻した際に価値がゼロになるものと比べて、価値がなくなる可能性が低いです。物価上昇に伴って値上がりすることもあるため、インフレにも強い資産といえるでしょう。

国債

自国の国債は為替リスクなどもなく、満期まで保有するならば金利の変動によるボラティリティリスクの影響も受けないので安全資産といえます。一方、外国国債の場合は、為替の変動リスクがあるため安全資産とはいえません。

ちなみに、マスメディアなどが国債のデフォルト(破綻)の懸念を報じることもあるが、日本の場合は政情が安定しているため、国債の破綻リスクはほぼないものと考えて良いでしょう。

社債

社債の場合も、途中で売却しない限りはボラティリティリスクはないため安全資産といえます。

しかし、発行企業によっては元本償還や利息の支払いに関してリスクがあるケースもあります。特に当該企業の財務状況が悪化している場合、予定通りに利息の支払いや元本の償還が行われるとは限らず、結果として元本割れをしてしまう可能性もゼロではありません。

保険

元本の保証がある保険も基本的に安全資産とみなされます。保険には「掛け捨て型」と「貯蓄型」の2つのタイプがあり、貯蓄型の場合は、一定期間保険料を支払った後の満期金や解約の際の払戻金が保険料を上回ることもあります。

年金

年金も保険同様、安全資産です。ただし提供している保険会社が破綻してしまった場合は、元本の保証がされない可能性もあり、注意が必要です。

安全資産のリスク

現金のリスク

現金は所持している限り元本割れが起こるといったリスクはないですが、盗難や紛失の恐れがあるほか、火災などで物理的になくなってしまう可能性があります。

また、インフレによる影響で相対的な価値が減ってしまうことは珍しくありません。たとえば、アベノミクス以前の日本は長引くデフレ不況により、モノの価値よりも現金の価値の方が相対的に高くなっていました。

しかし大規模金融緩和などの効果によって、近年はインフレ傾向が強まっており、以前に比べると現金を現金のまま所持しておく「タンス預金」では、徐々に相対的な価値が目減しはじめています。

定期預金のリスク

安全資産の筆頭とも考えられている金融機関への定期預金だが、一般的には金利は高めであるものの、市場の金利が低下している状況ではほとんど利子がつかないこともあります。さらにはマイナス金利政策が行われている国では元本割れが起こる可能性も否定できません。

また、定期預金の場合は現金を簡単に引き出せず、キャッシュカードなどで現金の出し入れをすることもできません。さらに途中解約の場合は通常の金利が適用されるため、普通預金と変わらない金利にしかならないこともあります。当然、普通預金と同じく金融機関の破綻リスクも発生します。

金のリスク

金を安全資産とみなして保有しておく場合、株式や債券と違って配当や利子がつかず、保管する手間やスペースが必要です。また、他の安全資産に比べると、価格変動のリスクが大きいとされているので注意が必要です。

株式相場の影響を直接的には受けませんが、投資であることに変わりはないため、市場リスクは存在しますし、特に日本で金に投資する場合、円建てでの取引となるため、為替相場の影響は受けるので注意しましょう。

国債と社債のリスク

国債も社債も安全資産ですが、特に社債は発行企業の状況によって債務不履行となる可能性があります。また、どちらも投資信託や株式と比較すると利回りが低いです。

デフォルトのリスクは、日本の国債は高い信用があるため、基本的には安全と考えて問題ないでしょう。しかし、外国国債の場合は為替変動リスクがあるため、安全資産とみなせない点は注意が必要です。

保険と年金のリスク

保険や年金は、途中で解約してしまうと損をしてしまうことが多いです。たとえば、個人年金保険を解約した際に受け取れる払戻金は、基本的にそれまでに支払った保険料の総額よりも下回るのが普通です。その性質上、大きなリターンの期待もできません。

また、金利が数十年のスパンで固定されることも珍しくないので、その金利よりもインフレが進んでしまうと、相対的に価値が減ってしまう可能性があります。現金同様、インフレに弱いといえるでしょう。

安全資産とリスク資産を組み合わせ、分散投資をしよう

分散投資は投資の基本といわれますが、株式や債券といったリスク資産への投資と同時に、国債などの安全資産もポートフォリオに組み入れることによって、長期にわたって安定した資産運用が可能です。

安全資産と名のつく資産も本当に安全というわけではなく、本記事で説明したようなリスクは存在します。その性質とリスクをしっかりと考慮に入れたうえで、安全資産とリスク資産を上手く組み合わせて資産運用していきましょう。

おすすめの資産運用4選

資産運用は面倒な手続きが多く、始めるのに時間がかり、運用の変動を常にチェックしなければならなくて大変というイメージの方も多いかもしれません。

しかし、最近ではスマホを利用してカンタンにすぐ始められ、隙間時間で運用ができるサービスが多く提供されています。

手軽に始めれる資産運用ランキング形式で4つ紹介していきます。

SBI証券【iDeCo】

SBI証券【iDeCo】は、年金資産残高にかかわらず運営管理手数料が0円です。iDeCoは長期投資となるので、コスト抑えることで手元に残すお金を増やせます。

また、商品ラインナップも豊富で、コスト・多様性重視の「セレクトプラン」とは、総合的に選定された35商品である「オリジナルプラン」の2プラン要塞されています。

サポートも充実しており、固定電話・携帯電話どちらからでも問い合わせできます。新規問い合わせは土日も受けてつけているので、休日でも気軽に電話できます。

\多様な運用商品ラインナップ/

楽天証券

楽天証券は2019年新規口座開設数業界No.1(※1)の人気の証券会社です。

株式やFXだけではなく、NISA・iDeCoの申込みもできます。国内株式の手数料は0円で、楽天ポイントを貯めて、使うこともできます。楽天市場でもらえるポイントが+1倍になるので、楽天ユーザーにおすすめです。

\2019年新規口座開設数業界No.1/

※1:auカブコム証券・SBI証券・松井証券・マネックス証券・楽天証券で比較(2020年2月6時点楽天証券調べ)

マネックス証券【iDeCO】

マネックス証券【iDeCo】は、条件無し・どなたでも運営管理手数料は0円で運用できます。運用期間中の手数料は66円~171円/月必要ですが、安価で運用できる点はメリットです。

「運用商品が多すぎてどれを選べば良いか分からない」という方向けに、マネックス証券が厳選した26本をiDeCoで提供されています。

さらに土曜日も電話で専門スタッフに問い合わせできます。普段仕事で忙しい人でも気軽に相談できる点も人気のポイントです。

\運営管理手数料が0円&お客さま満足度94.5%!/

※2:マネックス証券iDeCo利用者645名からの2018年5月17日行ったアンケート結果

マネックス証券【NISA/積み立てNISA】

積み立てNISAは、最大800万円までの投資枠(20万円/年×40年間)の運用益が非課税となる点です。

本来投資による利益の20%に税金が必要ですが、積み立てNISAの場合は一切不要となります。

また投資対象は国が定めたリスクの高い運用を行っていない長期投資向けなどに限定されています。

さらに積み立てNISAは定期預金や個人年金保険などと異なりいつでも引き出しが可能な点も安心できるポイントです。

積み立てNISAの中でも人気が高い証券会社が、マネックス証券となっています。

特徴としては、取扱商品が145銘柄以上あり、引き落とし手数料が0円の点です。

\最大800万円までの運用益が非課税&いつでも引き出し可能/

※記載されている会社名および商品・製品・サービス名(ロゴマーク等を含む)は、各社の商標または各権利者の登録商標です。

※記事執筆時点の情報のため、最新ではない可能性があります。

※本記事は、一部アフィリエイトプログラムを利用し、編集部で「ユーザーに薦められる」と判断したサービスを紹介しております。商品に関するお問い合わせは、サービス提供企業へ直接ご連絡ください。万が一、当サイトをご覧いただき、サービス利用をされた場合でも、発生したトラブルに関しては一切の責任を負いかねます。あらかじめご了承くださいますようお願いいたします。