長い時間をかけて作った資料や、大事な会議で発表するプレゼン資料、これらが消えてしまうのは大きなリスク。
Windows 10は、最新バージョンOctober 2018 Update(バージョン1809)でファイルが消えるという不具合が発生して話題になりました。
データ消失を未然に防ぐためも、Windows 10でのバックアップ方法を理解しましょう。
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Windows 10標準機能を使った方法
Windows 10には標準機能としてバックアップの機能が備わっています。
システムの復元を使った方法
まず「システムの復元」について紹介します。
「システムの復元」とは、以前に取得したバックアップ時の状態に戻せるというものです。もしPCに問題が起きたとしても、昨日バックアップを取得していたらその時点に戻せるというものです。
ファイル履歴を使った方法
「ファイル履歴によるバックアップ」とは、あらかじめバックアップのスケジュールを設定しておき、一定の時間おきに変更のあったファイルなどをバックアップするというものです。
これを使うことで、ファイルが破損や消失してしまった場合に過去のデータから回復させることが可能です。
回復ドライブを使った方法
「回復ドライブ」とは、システムに何らかの問題が発生して起動できなくなった場合にあらかじめ取得しておいたバックアップから正常な状態へ回復できるようにするためのものです。
システム修復ディスクを使った方法
システム修復ディスクとは、OSに何らかの障害が発生して起動できなくなったなどに、Windowsのシステムを修復したり、過去のバックアップデータから復元したりする際に必要となるものです。
CD-R, DVD-Rなどといった光学メディアが必要で、USBメモリなどには作成できないので注意が必要です。
バックアップ方法(1)システムの復元
「システムの復元」を行う場合には、まず前提条件として以前に復元ポイントとしてバックアップを取得していることが条件となります。
「システムの復元」で使用する復元ポイントは、ユーザーが作成したデータではなくOSの設定ファイルなどのシステムデータ。システムの設定を変更した場合や、それ以外にも定期的に取得するのが良いでしょう。
システムの復元でのバックアップ作成手順
システムの復元には、バックアップを作成する「復元ポイントの作成」とバックアップからシステムを復元する「システムの復元」があります。これらを分けて解説します。
・復元ポイントの作成
「コントロールパネル」を開き、「システムとセキュリティ」-「セキュリティとメンテナンス」-「回復」-「システムの復元の構成」-「構成」の順で開くと、ウィンドウが表示されます。
ここで設定の復元が「システムの保護を有効にする」となっていれば復元ポイントは自動的に作成されます。
・システムの復元
「コントロールパネル」-「システムとセキュリティ」-「セキュリティとメンテナンス」-「回復」-「システムの復元を開く」の順で開きます。
表示されたウィザードで「次へ」をクリックすると、すでに保存されている復元ポイントが表示されるので、戻したいポイントを選びます。
システムの復元を行う際の注意点
「システムの復元」を利用して、バックアップや復元を行う際には注意点がいくつかあります。
・復元ポイントとして事前に取得していないと復元はできない
・個人で作成したデータのバックアップや復元はできない
・ハードディスクの容量が128GB未満の場合、システムの復元が実行できないケースがある
バックアップ方法(2)ファイル履歴
次にバックアップや復元に「ファイル履歴」を使う方法を解説します。
ファイル履歴に必要なのは、USBメモリや外付けハードディスクと、ファイル履歴の設定です。ファイル履歴のバックアップは、内蔵ドライブには取得できないので注意しましょう。
ファイル履歴でのバックアップ作成手順
具体的にファイル履歴を設定してデータをバックアップ、そして復元する際の「ファイル履歴の設定方法」と「ファイルの復元」をそれぞれ解説します。
・ファイル履歴の設定方法
- USBドライブなどをパソコンに挿入する
- 「コントロールパネル」-「ファイル履歴でファイルのバックアップコピーを保存」をクリックする
- 「ファイル履歴」が表示されるのでオンにする
・ファイルの復元方法
1. USBドライブなどをパソコンに挿入する
2. 「コントロールパネル」-「ファイル履歴でファイルのバックアップコピーを保存」をクリックする
- 「個人用ファイルの復元」をクリックする
- 回復したいファイルを選択して回復ボタンを押す
ファイル履歴の注意点
「ファイル履歴」を使ってバックアップや復元をする際には以下のような注意点があります。
・Windows 10がインストールされたドライブのデータしか保存できない
・本体のハードディスクには保存できない
・著作権保護された音楽や映像のデータは保存できない
・テレビ録画したデータは保存できない
バックアップ方法(3)回復ドライブ / システム修復ディスク
次に、回復ドライブとシステム修復ディスクについて解説します。これらはいずれもシステムが起動しない場合の起動修復に使えるツールです。しかし、以下のような大きな違いがあります。
・回復ドライブ:工場出荷状態に戻せるデータも含む
・システム修復ディスク:あくまで回復コンソールを起動させるだけで、データは持たない
回復ドライブの作成手順
回復ドライブの作成には、USBメモリ(32GB以上)が必要となります。これを準備したうえで、作成の流れとしては以下のようになります。
「コントロールパネル」-「システムとセキュリティ」-「セキュリティとメンテナンス」-「回復」-「回復ドライブの作成」の順で開き、回復ドライブの作成を起動させる。
以下の画面が出るので「次へ」進める
- USBメモリを差し込み、指示とおり進める
システム修復ディスクの作成手順
システム修復ディスクを作成するには、以下のような流れで行います。まず、CD-R, DVD-Rのような光学メディアを準備しましょう。
- 「コントロールパネル」から「バックアップと復元(Windows 7)」をクリックする
- 「システム修復ディスクの作成」をクリックする
- 以下の画面が出るので、メディアを入れて進める
回復ドライブ / システム修復ディスクでデータの修復方法
システムが起動しなくなった場合では、回復ドライブやシステム修復ディスクを使ったシステムの修復が必要となるケースがあります。
こうした場合は、以下のような流れで対応を実施します。
- CD/DVDドライブにシステム修復ディスクを入れて起動し、F8キーを何度も押す
- 回復コンソール画面が表示されるので、既存の回復ドライブなどを利用してバックアップから復元する。
システムイメージによるバックアップ
最後にシステムイメージによるバックアップについて取り上げます。これは通常のバックアップとは異なり、ドライブ全体の構成を含めて一つのファイルとして保存するものです。
システムイメージの作成方法
システムイメージは、どのような手順で作成するのでしょうか。実際に作成する際には、以下のような流れで行います。
- 「コントロールパネル」から「バックアップと復元(Windows 7)」をクリックする
- 「システムイメージの作成」をクリックする
指示にしたがって、そのまま続けます。
- 「システム修復ディスクを作成しますか?」と表示されるので、必要に応じて作成する
システムイメージからのデータの復元
作成したシステムイメージを使ってデータを復元するには、どのような手順ですれば良いのでしょうか。
実際にシステムイメージを使って復元するには、以下のような流れで行います。本記事ではWindowsからの復元について解説します。
- 「コントロールパネル」から「バックアップと復元(Windows 7)」をクリックする
- 「システムイメージの作成」をクリックする
指示にしたがって、そのまま続けます。
表示されているユーザーアカウントを選択し、パスワードを入力し「続行」ボタンを押します。
システムイメージを選択するをクリックし、次へを押します。
復元したいシステムイメージを選択し、「次へ」を押します。
内容を確認し、完了を押します。
「ドライブ内の復元対象のデータはすべて、システムイメージ内のデータによって置き換えられます。」と表示されるので、問題がなければ「はい」をクリックすると復元できます。
万が一のためにデータをバックアップしておこう
PCで作業しているデータが消えてしまうと非常に困ったことになりますよね。また、システムが壊れてしまうとさらに深刻な事態となります。
そうならないためにもさまざまな方法を取り入れてバックアップを行っておくことがとても大切です。適切なバックアップをとっておけば、万が一の際にも被害は最小限で済むはずです。ぜひ、今回の記事を参考にして日ごろからのバックアップの習慣をつけましょう。