OBCはなぜ奉行シリーズをクラウド化したのか?
奉行クラウドは、すべての経済現象をデジタル化し、データを集約・分析することで、電子申請やマーケティングに活用したり、自社の戦略に役立てたりする仕組みでもある。
和田氏は、クラウドのメリットの前に、奉行シリーズの進化の過程、すなわちクラウドに至るステップについて触れた。
同社では、5年前に奉行シリーズをオンプレからデータセンターのIaaS環境に移行した。この際にマルチクラウドで運用にすることで万全を整えた。
第二段階として、マイナンバー対応を踏まえたデジタル化を行い、勤怠管理や給与明細、年末調整申告書などの業務をクラウドで提供。
さらに第三段階の現在は、中堅企業向けクラウドERP(IaaS)「奉行ERP」と、中小企業向けSaaSモデルの「奉行クラウド」を展開中だ。
同氏は、後者の奉行クラウドにおける重要なポイントについて説明した。
「1つ目のポイントは今まで以上の機能と操作性。機能・操作性・スピード・信頼性を向上し、企業変化に対応できます。2つ目はつながる、ひろがるということ。DX時代にAPIでつながり、RPAで自動化させました。3つ目はセキュリティを重視し、安心して使い続けられること。さらに今後はAIの活用も視野に入れています」(和田氏)
奉行クラウドでは、1つ目のポイントで従来の使い勝手を継承しつつ、操作性も進化したという。入力しやすくなり、経理のプロも納得する高速性を実現した。
「オンプレよりもクラウドのほうが速い理由は、ローカルキャッシュで作業してクラウドにデータを書き込む仕組みを採用したからです。そのため回線が一時的に切れても、そのまま操作を続けられます」(和田氏)
また自動処理については、たとえば領収書を学習し、仕訳伝票を自動生成してくれるため、担当者の業務負担が大幅に軽減される。
作業時の端末はマルチデバイス対応なので、ユーザーに合わせてリッチクライアントやWebクライアントを使い分けられる。