領収書の再発行は可能な場合もあるが義務ではない・対処法と注意点リスク

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会社に経費の精算を申請する時に不可欠なのが領収書。そんな大事な領収書をなくしてしまったときは、どうすればよいのでしょうか。領収書の基本的な知識から関連法律、なくしてしまったときの対処法まで紹介します。

領収書の再発行はできるが義務ではない

民法486条により、領収書を一度発行する義務はあっても再発行する義務は規定されていません

原則として、領収書は売買成立時に証明として発行されるものです。コンビニやホテル、病院などでも「再発行は致しかねます」と店先や院内、公式サイトで明記しているところも多いです。

領収書を再発行するリスク

領収書を再発行することで二重計上されたり、経費の水増し請求に使われたりするリスクがあります。事業者としては、領収書の再発行を要求された場合でも再発行しないほうが安全です。

再発行した領収書が不正に経費精算などに使用された場合、発行した側も相手方の詐欺罪や脱税(法人税法違反など)の「幇助(ほうじょ)犯」として共犯の罪に問われるリスクがあります。

領収書の不正利用によるペナルティ

税務署に領収書の不正使用を指摘された場合、申告納税の仮装隠蔽とみなされ「重加算税」が課せられます。この場合、追徴税額の35%の金額を納付する必要があります。

なお、2021年の 電子帳簿保存法 の改正により、領収書の電子データの仮装隠蔽には、さらに10%が加重され、45%の重加算税が課されるようになりました。

※出典:財務省「 加算税の概要 」(2026年5月25日閲覧)

領収書に関する法律

民法486条 では、「(商品やサービスの代金を)弁済した者は、弁済を受領した者に対し受取証書の発行を請求できる」と定められています。また判例では、領収書の発行は「金銭の受け渡しと同時」が原則であるとされています。

5万円以上の領収書には収入印紙が必要

印紙税法により、税抜5万円以上の領収書には、収入印紙が必要と定められています。金額が5万円以上の場合は、必ず領収書に収入印紙を貼り付け、その上に割印を押して先方に渡す必要があります。

国税庁のホームページには、次の記載があります。

印紙による納付の方法によって印紙税を納付することになる課税文書の作成者が、その納付すべき印紙税を課税文書の作成の時までに納付しなかった場合には、その納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額(すなわち印紙税額の3倍)に相当する過怠税を徴収されることになり、また、貼り付けた印紙を所定の方法によって消さなかった場合には、消されていない印紙の額面金額に相当する金額の過怠税を徴収されることになっています。

※出典:国税庁「 印紙を貼り付けなかった場合の過怠税 」(2026年5月25日閲覧)

領収書に必要な収入印紙の貼付がない場合には、印紙税額の3倍に相当する「過怠税」が発生します。また、収入印紙の消印がない場合には、消印がない収入印紙の金額の過怠税を徴収されるため、注意しましょう。
再発行した領収書の場合も、課税文書に変わりはないため、収入印紙が必要となる条件は同じであることに注意が必要です。

ただし、電子契約における電子領収書は、印紙税法で定められた課税文書に該当しないため、金額によらず収入印紙は不要です。
なお、クレジットカードで決済された旨が明記されている領収書も、印紙税法上の課税文書に該当しないため、5万円以上であっても収入印紙を貼付する必要はありません。

電子契約と収入印紙についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ次の記事も参考にしてください。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法では、領収書のスキャナ保存に関する要件が緩和されています。企業は、電子帳簿保存法に対応しているシステムを導入することで、7年間の保管が必要だった領収書の原本保管が不要になります。


【関連記事】

領収書を紛失した場合の対処法

領収書を紛失した場合の対処法としては次のような方法があります。

  • 領収書の再発行を依頼する
  • 破損・汚損の場合
  • レシートを代用する
  • 出金伝票で代用
  • 支払証明書を依頼する
  • クレジットカード明細書で代用

領収書の再発行を依頼する

領収書を紛失した場合、事業者によっては依頼することで再発行してもらえる可能性はあります。たとえば、交通費の領収書を各鉄道会社の窓口で再発行してもらえるケースなどが該当します。

再発行を依頼された販売者側は、原則として拒否することが可能です。どうしても断れない場合には、領収書に情報を記入し、「再発行」と明記したうえで発行し、経緯の記録を残すのが最善の方法です。

経緯の記録には次のものが含まれます。

  • 再発行理由
  • 依頼主
  • 再発行と元の領収書の日付
  • 担当者

このように記載することで、領収書の発行者側は、税務署に二重発行の意思がないことを示せ、不正の疑惑を持たれるリスクを減らせます。なお再発行した領収書にも収入印紙が必要になるので、忘れないようにしましょう。

また、新幹線や飛行機代をはじめとした高額な交通費は、半年から1年以内であれば、インターネット上で再発行できる場合もあります。インターネット上のサービスを使った場合は、各社公式サイトで再発行対応の有無を事前に確認しましょう。

破損・汚損の場合

領収書を紛失したわけではなく、破損・汚損の場合には、元の領収書を渡せば再発行に応じてくれることが多いため、迅速に発行者に依頼しましょう。

レシートを代用する

レシートは領収書と同様に日付や金額が記載してあり、必要な項目はほぼクリアしています。小売店や飲食店などから発行されるレシートは、インボイス制度における「簡易適格請求書」として認められており、税務上は宛名がなくても有効な証憑となります。むしろ手書きの領収書よりも取引内容が明確なため、推奨されるケースが多くなっています。ただし、社内規定で別途ルールがある場合はそれに従う必要があります。

出金伝票で代用

出金伝票は本来、領収書が発行されないケースを社内で処理するための対処法です。ただしインボイス制度の導入以降、出金伝票のみで消費税の仕入税額控除が認められるのは「3万円未満の公共交通機関の運賃」や「3万円未満の自動販売機での購入」など、特定の例外要件を満たす場合に限られるため、税務上の処理には注意が必要です。

出金伝票に記録する場合は、次の4項目を記載しましょう。

  • 支払先
  • 日付
  • 領収書の但し書きに相当する内容
  • 支払金額

出金伝票は多くの企業で領収書代わりとして認められます。ただし、この出金伝票も本来の用途ではないため、濫用は避けるべきです。

支払証明書を依頼する

再発行が認められない場合でも、手数料を支払えば、購入したことを証明する「支払証明書」を発行してもらえるケースがあります。医療機関においては、支払証明書によって対応されることが多いでしょう。

クレジットカード明細書で代用

クレジットカードの利用明細書には、日付や金額、購入先が記載されているため、社内で支払いの事実を証明する証拠(経費精算の補足資料)としては一定の役割を果たします。

しかし、税務上、特に消費税の仕入税額控除を受けるための領収書(適格請求書)の代用としては、原則として認められません

なぜなら、クレジットカード会社が発行する利用明細書は、商品やサービスの提供者(販売元)が直接交付した書類ではないため、2023年10月に開始された「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」における適格請求書には該当しないためです。

したがって、税務上のトラブルを防ぐためには、クレジットカード払いであっても利用明細書に頼るのではなく、必ず購入先の店舗やサービス提供者から「適格請求書」の要件を満たした領収書やレシートを受け取り、保管しておくことが必須となります。紛失時の緊急措置として明細書を使用する場合でも、購入目的や詳細を記したメモを添えるなどの対応が必要ですが、消費税の控除対象外となるリスクがある点は留意しておきましょう。

システム導入で領収書保管を不要に

企業は、電子帳簿保存法に対応しているシステムを導入することで、領収書の原本保管が不要になります。従業員や経理担当者の領収書管理の業務を削減し、DXとペーパーレス化を推進させるために、 経費精算システム 会計システム の導入を検討してみましょう。

経費精算に向けて領収書を電子化する流れ

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