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2017-10-25

ベーシックインカムとは | 導入メリット・デメリット - 日本での影響は?

希望の党が掲げた政策で注目を集めたベーシックインカムとは、最低限の生活を送るための収入を政府が支給する制度です。従来の社会保障制度とは異なるベーシックインカムのメリット・デメリットを解説。導入した場合の影響国外の事例を紹介しつつ、概要とともに解説します。
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希望の党が政策に掲げるユリノミクスで盛り込まれたことから注目を集めたベーシックインカムですが、その詳細とともに、政策に盛り込まれた背景、メリット・デメリットを解説していきます。

ベーシックインカムとは

ベーシックインカムとは、「全ての人が最低限の生活を送れるように、そのための収入を無条件で政府が支給する」制度です。

年金や失業保険、生活保護など、日本の社会保障制度は支給のための条件・申請が必要ですが、これらとベーシックインカムが決定的に違うのは「無条件に支給」されるという点にあります。

ベーシックインカムがなぜ必要か

収入を無条件で支給するベーシックインカムという考え方が必要とされ、希望の党の政策に掲げられるようになった理由はどこにあるのでしょうか。

グローバル化がもたらす貧富の差

ベーシックインカムという考え方は意外に古く、18世紀には存在していたといわれていますが、近年では世界的にベーシックインカムに対する関心が高まってきています

その要因には、高度な情報化によって経済のグローバル化が進み、貧富の差が著しく拡大したことが挙げられます。

特に生活保護の条件を満たさない、ワーキングプアといわれる貧困層の拡大が大きな要因となっており、こういった人たちが社会保障を得られないという現状があります。

世界的な将来不安と社会保障の問題

AIが飛躍的な進化を続ける現在、将来的に人間が行っている仕事がAIに置き換わってしまうのではないかという世界的な将来不安、そして社会保障が抱えている問題も要因として挙げられます。

特に社会保障に関しては、日本だけでなく世界的に制度の複雑化、厳格化が進んでおり、生活保護を受けている人が仕事を始めると、かえって収入が減ってしまうなどの矛盾点があり、透明性や公平性に欠ける問題を抱えています。

ベーシックインカムの財源とは

このような要因や背景から、年金・失業保険・生活保護などの社会保障制度にあてていた財源を、ベーシックインカムの財源として置き換えることが考えられています。

これによって確保した財源で足りない分を、増税によって賄うという試算も行われているようですが、具体的な財源確保の方法や支給金額までは議論されていないのが現状です。

ベーシックインカムのメリットとは

ベーシックインカムという考え方が古くから存在することは解説しましたが、実験的な事例を除いた実施例はなく、制度として未知数であるが故に様々なメリットが提唱されています。

貧困対策

ベーシックインカムが必要となった背景でも触れましたが、「全ての人に無条件で収入を支給する」ため、生活保護を受けられない層への対策が可能であり、申請などの手間も不要になります。

また、成人だけでなく子供にも支給されることから、子供が多いほど世帯収入が増えることになり、その結果、少子化に歯止めがかかることが期待されています

労働意欲向上

ベーシックインカムは、生活保護のように「一定の収入があると打ち切られる」、ということがないため、働いて得た収入はベーシックインカムに上乗せされることになります。

つまり働いて収入が増えれば、それだけ自由に使えるお金が増えることになり、これによる労働意欲の向上が期待されているほか、上述の理由で働いていない生活保護受給者が労働市場に参加することにもつながり、労働者不足の解消も期待されています

労働環境の改善

ベーシックインカムによって生活に必要な最低限の収入が得られるため、「待遇面での不満がありながらも生活のために無理に働く」、という必要がなくなります。

これはワークシェアリングを含んだ柔軟な働き方や待遇面で、企業がなんらかの対応をしなければならないことも意味し、労働環境の改善が期待されるほか、同様の理由から、劣悪な待遇で労働者を酷使するブラック企業なども淘汰されるのではないか、といわれています。

政府主導の働き方改革の詳細については以下の記事を参考にご覧ください。

働き方改革実行計画とは | 9つのテーマに沿った政府改革案 | ボクシルマガジン
働き方改革実行計画とは、労働参加率向上、労働生産性向上、非正規の待遇改善、ワークライフバランス実現などを目的に、政...

社会保障制度の簡素化とコスト削減

ベーシックインカムでは、全ての人に同額の収入を支給するというシンプルな仕組みを持っていることから、支給手続きの簡素化が可能です。

これの財源に社会保障制度の財源を割り振った場合、従来の社会保障制度で、煩雑な手続きに要していた人員や手間を簡素化することができ、結果的に大幅なコスト削減につながることが期待されています。

ベーシックインカムのデメリットとは

上述したメリット同様、ベーシックインカムでは未知数である故に、実施が不安視されるデメリットもあります。

主に財源に関することが主になりますが、人々の考え方に左右される要因も考えられます。

財源の確保

現在の日本では社会保障費が増加傾向にありますが、その実績は2013年の場合で総額110兆円、そのうち医療費を除く75兆円が年金・失業保険・生活保護などにあてられています

仮に、医療以外の社会保障費を全てベーシックインカムに割り当てたとすると、一人あたりの月額支給額は約6万円という計算が成り立ちます。

しかしこれでは生活に必要な最低限の収入とはいえません。

これを解消するためには消費税の大幅増税、別の形での税収の検討が必要など、財源確保のための大幅な税制改革を迫られることは避けられないでしょう。

個人への責任負担が増大

ベーシックインカムでは、支給に際しての資格や条件が一切存在せず、得た収入の使い道は完全に支給を受けた個人に委ねられます。

これは個人の資質によって大きく変わってきますが、ベーシックインカムを将来に向けた貯蓄や投資に充てる人もいれば、今を楽しむために使い切ってしまう、もしくは借金を重ねてしまう人もいるかもしれません。

このように借金によって生活苦に陥ってしまった場合でも、もはやセーフティネットは存在せず、この意味で個人への責任負担は大きくなると考えられています。

労働意欲の低下

ベーシックインカムのメリットと表裏一体となりますが、労働意欲の低下が問題になる可能性が指摘されています。

最低限の生活が保障されるベーシックインカムでは、待遇面に不満を抱えながら仕事をする必要がないばかりか、誰もがやりたがらない過酷な労働を収入のために行う必要もありません。
そればかりか、労働自体を拒否する人も出てくるかもしれません。

このような状況が労働人口の低下を招き、必要な公共事業の実施すらままならない、という事態に陥ってしまう可能性もあります。

ベーシックインカムの検討事例

テスト導入予定のカリフォルニア

カリフォルニア州ストックトンでは、住民を対象としたベーシックインカム制度を、実験的に2018年から導入することが予定されており、アメリカで大きな注目を集めています。

ストックトンは財政破綻都市となったことから、住民の収入が同州の平均を大きく下回る他、犯罪が多発しており、これを解消するためにベーシックインカム導入に踏み切りました。

財源にはベーシックインカム支援団体「Economic Security Project」から提供された資金があてられ、選ばれた住民に月額500ドルが支給されるようになります。

ストックトンのタブス市長はベーシックインカム導入を「従来の収入に替わるクリエイティブで必要不可欠な代替案」と捉え、少なくとも3年間の実施を目指しており、その結果と効果が期待されています。

スイスでの国民投票

2016年6月、スイスではベーシックインカムの是非を問う国民投票が行われました。

その内容は通常考えられているベーシックインカムと違い、制限付の内容となっていました。
具体的には、収入が2,500スイスフランに満たない人には不足分を支給する反面、それを超える人には一切の恩恵が得られない「負の所得税」ともいえるものでした。

結果は75%を超える反対多数で否決。

ベーシックインカムの財源をどうするかという不安や、一部の人しか恩恵を得られない仕組みが支持を得られなかった要因とみられていますが、ベーシックインカムへの理解や具現化が難しいという事実を象徴した出来事といえるでしょう。

カナダでのMincome

あまり大きく報道されることのなかったベーシックインカム導入の成功例として、1974〜1979年の間にカナダで実験的に行われた「Mincome」があります。

政権交代によって、なし崩しに消滅してしまった政策でしたが、その内容は最低限の生活のため、あらゆる給付金を毎月支給するというものでした。

これによって住民にポジティブな効果がもたらされただけでなく、「ワーキングプア層の生活が安定」「実施前後で住民の労働時間に大きな差が現れなかった」という調査結果が残されていました。

ここから読み取れる事実は、ベーシックインカム導入で懸念されている「労働意欲の低下」は大きな問題にならない可能性がある、ということでしょう。

さらなる理解と議論が必要なベーシックインカム

数少ない実験成功事例「Mincome」をご紹介しましたが、国家レベルでの成功例がないばかりか、導入された実績もないベーシックインカム制度は、いずれにしても未知の政策といわざるを得ないでしょう。

スイスの例にもあるように、国民の理解を得るためにベーシックインカムの財源はどう確保するか、どのような支給制度にするのかという点を明確にしなければならないのはもちろん、実績がないために不安視されている要因があるのも事実です。

しかし、日本でも社会保障制度の破綻がささやかれ、将来的な不安要素が拡大している現在、なんらかの対策を講じることが喫緊の課題といえます。

ベーシックインカムがそのための突破口となるのか。
より深い理解と、議論が必要になってくるでしょう。

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