AMAZON SES×SendGrid×ベアメール徹底比較!メールリレーサービスの機能・メリット・評判
現在のメールリレーサービスの代表としてAMAZON SES・SendGrid・ベアメールをピックアップし、それぞれの機能とメリットについて紹介します。
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メールリレーサービスとは
ビジネスシーンでのメール活用はすでに一般化していますが、現在はAMAZON SESやSendGridなどの便利なメール配信システムを利用し、安定的に大量のメールを送信する体制を構築している企業が増えています。
こういったサービスはメールリレーと呼ばれ、安定したメール配信システムによってメールマーケティングを強力にサポートしています。
SMTPリレーサービスとは
SMTPは 「Simple Mail Transfer Protocol 」の略で、ほとんどのメールサービスで利用されているプロトコルです。メールリレーとはメールをサーバ間で転送することをいい、多くの場合、信頼できる第三者機関を経由することでセキュリティを担保しており、SMTPリレーサービスと呼ばれています。
仕組みは以下の記事で詳しく説明しているので、こちらを参考にしてください。
メールリレーサービスで可能になること
メールリレーサービスを利用するとニュースレターや自動配信メールなどを安定的に送信できるようになります。
メールリレーサービスの提供業者はサーバーへの送り方のノウハウをもっているため、一斉に大量のメールを配信しても相手に届くよう手配してくれます。
多くのプロバイダは迷惑メールやスパムメールの対策として、SMTPリレーの数に制限を設けていますが、メールリレーサービスによって相手のサーバーのポリシーに合わせた送り方が可能です。
メールリレーサービスのメリット
メールリレーサービスの活用について簡単に解説しておきます。
メールの配信精度を高められる
メールを届けたい見込み顧客(リード)に対して確実にメールを配信できる点は大きなメリットといえるでしょう。
そもそも配信できなければ開封もされないので、そこからの問い合わせや資料請求にはつながりませんよね。
コストの削減ができる
自前でメールサーバーを構築するには相応のコストが掛かり、メールの不達や遅延、迷惑メール対策などに時間を割く必要が出てきます。メールリレーサービスの活用によって、サーバー構築や運用など余計なコストを削減でき、効率的で遅延のないメール配信が実現できます。
強固なセキュリティのもとで運用できる
メールは非常に有用なマーケティングツールとしての地位を確立しつつも、それを悪用したスパムメールも増加し続けています。
セキュリティがぜい弱なメールサーバーの場合、悪意のある送信者からスパムメールの踏み台にされてしまう可能性もあるため、運用には十分注意が必要となります。
メールリレーサービスの場合、SPFやDKIMといった認証技術や通信暗号化に対応しているため、知識がなくても強固で安全なセキュリティのもとでメール運用が可能になります。
他のシステムとの連携が可能
さまざまなクラウドサービスとの連携が可能な点も大きなメリットといえます。
特にAPI連携は盛んに行われており、メール配信効果の取得が簡単にできたり、自社の既存システムにメール配信機能を組み込んだりできます。
クラウド環境でメール管理に必要なさまざまな機能が提供されていますから、自社に必要な機能をピックアップして活用できる点は大きいでしょう。
AMAZON SES×SendGrid×ベアメールそれぞれの特徴と価格・評判
このように、メールリレーサービスはビジネスにおけるメール運用を強力にサポートしてくれるため、すでに多くの企業が積極的にサービスの導入を行っています。
以下では、そのなかでも代表的なサービスであるAMAZON SES・SendGrid・ベアメールの3つを取り上げて、機能や価格などを比較してみます。
AMAZON SESの特徴
AMAZON SESは、マーケティング担当者やアプリ開発者が独自のメールアドレスとドメインを使って簡単に費用対効果の高いメール送受信システムを確立できるクラウドベースのEメールプラットフォームです。
特徴1:高い配信精度
独自のコンテンツフィルタリングや専用のIPアドレス、評価ダッシュボードなどの機能があり、送信側の評価を担保し、顧客に対して確実にメッセージを送れるよう配慮されています。あらゆる規模の企業を想定しており、良い評価を維持できれば大量のメール配信も問題なく行えます。
特徴2:わかりやすいコスト体系
利用料金は実際に使った分のみで、固定費や最低料金といったものはないため、費用対効果がわかりやすいです。また、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)でホストされているアプリケーションから送信すれば、毎月62,000通分のメールについては無料で送信可能です。
特徴3:コンテンツのパーソナライズ
メールの内容をパーソナライズするためのテンプレートを作成でき、顧客のエンゲージメント率を高められます。システム上で自動的にメッセージから置換タグを消去し、指定された固有の値に置き換えてくれるため、顧客がこちらと関わりを持ちたくなるようなコンテンツを簡単に配信できます。
AMAZON SESの代表的機能と価格
Amazon SESの特徴的機能として、同社のSMTPインターフェースやAWS SDKを使用して既存のアプリケーションとAmaon SES直接統合できる点が挙げられます。
また、メール送信機能を既存のソフトウェアと統合可能なため、すでに独自のシステムでメールマーケティングを行っている企業でも、補完的機能として導入が可能です。
価格表
Amazon SESでは、実際に利用した分のみ料金が発生するシステムになっています。
利用状況 | 支払額 | 追加料金 |
---|---|---|
Amazon EC2でホストされているアプリケーションからのEメール送信 | 月62,000件まで無料 それ以上は1,000件ごとに0.10USD |
添付ファイル1GB につき0.12USD EC2を使用する場合はその料金 |
それ以外のクライアントやソフトウェアからのEメール送信 | 1,000件ごとに0.10USD | 添付ファイル1GBにつき0.12USD |
Eメールの受信 | 最初の1,000件までは0USD それ以降1,000件ごとに0.10USD |
受信メールチャンク1,000件につき0.09USD |
SendGridの特徴
SendGridは月間300億通以上の配信実績を誇る世界的に利用されているクラウドベースのメール配信サービスです。だれでもアカウントの取得ですぐに利用可能で、サーバー構築も面倒なメンテナンス作業も不要。無駄なコストを削減しながらメールの一括配信が可能になります。
特徴1:リレーサーバーとして活用可能
既存のメールサーバーの接続先をSendGridに変更するだけで、リレーサーバーとして活用できます。送信ドメインの認証や配信状況の確認、バウンス先への配信停止処理など地味に時間のかかる作業を一任できます。
特徴2:マーケティングメール機能が充実
別途追加料金はかかりますが宛て先リストの作成や配信、A/Bテストまで、すべてブラウザ上で行えるなど、マーケターにとって嬉しい機能が満載です。使い方も簡単で、特別な知識は必要ありません。メルマガなどの大量一括配信に適したシステムとなっています。
特徴3:無料トライアルあり
ほぼすべての機能を利用できる無料トライアル版があり、利用期限はありません。実際に使ってみて納得してから有料版を導入できる点は他のサービスにはない大きな特徴といえるでしょう。
SendGridの代表的機能と価格
SendGridの特徴的機能として、開封やクリック、バウンスなどの各種イベントの発生や効果をリアルタイムに分析できるアナリティクスや、ほぼすべての機能をAPI経由で利用でき、他のシステムとの統合がしやすい点が挙げられます。
いずれもメールマーケティングでは欠かせない機能であり、企業のマーケターの強い味方となってくれるでしょう。メールインフラの構築が一切不要なので、システム面の知識がない人でも安心です。
価格表
には、期間無期限のFreeプランを含め、Essentialsプラン、Proプランの3つのプランがあり、いつでも自由に変更ができます。
プラン | 通達上限(月間) | 価格(月額) |
---|---|---|
Free | 12,000通 | 無料 |
Essentials(40k) | 40,000通 | 1,180円 |
Essentials(100k) | 100,000通 | 2,980円 |
Pro(100k) | 100,000通 | 9,480円 |
Pro(300k) | 300,000通 | 22,980円 |
Pro(700k) | 700,000通 | 45,980円 |
Pro(1.5M) | 1,500,000通 | 90,720円 |
Pro(2.5M) | 2,500,000通 | 123,120円 |
ベアメールの特徴
ベアメールは高いメール到達率を実現するためのメールリレーサービスです。ビジネスメディアの運営で不可欠な会員登録時や商品購入時の完了メール・確認メールなど、顧客に確実にメールを届けたい場合にサーバーからのブロックを避け、高い到達率でメール配信を可能にします。
特徴1:IPレピュテーションの管理・運用
自社のIPがキャリアやIPSに対して安全で信頼できるものと認識させるためのIPレピュテーションの向上に寄与し、相手に確実にメールを配信する手助けをしてくれます。レピュテーションの管理・運用がサービスに含まれているので、ユーザーは運用を意識することなくメール配信が可能になります。
特徴2:1時間あたり200万通の高速配信
独自の配信技術によりキャリアやISPからのブロックを回避しながら高速配信で1時間あたり200万通ものメールが届けられます。配信後はエラーメールなどを素早く把握できるため、ビジネスメルマガの運用にうってつけです。
特徴3:低コストで運用可能
クラウド型のメールリレーサービスのため、専有タイプに比べて低料金でサービスを利用できます。
用途に合った料金プランを選択でき、大量のメールを配信する場合でも、定期的に限られたメール配信をする場合にも利用しやすくなっています。また、メールサーバーを管理する必要がないため、人的コストの削減にもつながります。
ベアメールの代表的機能と価格
ベアメールの特徴的機能として、コントロールパネルから簡単に設定が可能な点が挙げられます。配信ログの確認や検索、通数状況の閲覧、ログのダウンロードなどが簡単にできます。
またテキストメール、HTMLメール、デコメールなどの配信も簡単にできるほか、携帯やスマートフォンへのメール配信にも対応しています。
価格表
さまざまな用途に利用できるよう幅広い料金プランが用意されています。※以下は一部の料金表示となっていますので、すべての料金体系は公式ページでご確認ください。
プラン | 初期費用 | 月額利用料 | 超過料金/1通 |
---|---|---|---|
1万通 | 50,000円 | 5,000円 | 0.15円 |
3万通 | 50,000円 | 10,000円 | 0.15円 |
5万通 | 50,000円 | 20,000円 | 0.15円 |
10万通 | 50,000円 | 30,000円 | 0.15円 |
50万通 | 50,000円 | 50,000円 | 0.15円 |
100万通 | 50,000円 | 75,000円 | 0.15円 |
メールリレーサービス導入のポイント
最後にメールリレーサービスを実際に導入する際に考慮すべきポイントについて簡単に説明しておきます。
自社のメール配信環境との整合性
メールリレーサービスは数百万通ものメールを安定的に配信できるシステムが多いですが、多く配信できるサービスがベストというわけではありません。あくまでも自社が毎週・毎月配信するメール数にしたがって最適なプランを選択する必要があります。
プランの変更は後からでも変更できますから、まずは自社の配信環境に合った機能・価格帯のものを選択するようにしましょう。
最も重視すべき機能の充実度
数ある機能のなかで、自社がもっとも重視すべき機能がどれぐらい充実しているかをチェックことが重要です。たとえ便利な機能でも使いこなせないケースや業務でまったく使用しない機能を導入してしまうケースは少なくありません。
必要な機能に優先順位をつけて、確実に使いこなせるようにしましょう。既存のシステムとの連携で解決できる問題も多くあります。
サポート体制について
いざというときのサポート体制はどうなっているか前もって確認することも大事です。
特に提供企業が情報セキュリティに関してどういった姿勢でいるのか、どういう取り組みをしているのかを調べておきましょう。個人情報保護法に対応しているかチェックすることも重要です。
メール配信サービスを使いこなす
メール配信サービスの代表例としてAMAZON SES・SendGrid・ベアメールの3つをピックアップして、機能や価格の比較をしてきました。
どれも優れたサービスであり、今後ますますユーザーが増えることが予想されます。
無料で使えるものもありますから、まずお試しで導入してみて使い勝手を確認してみましょう。周囲の評判も大事ですが、自社の環境に合ったサービスを然るべきタイミングで導入することが重要です。
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