タレントマネジメントシステムのシェア・市場規模を解説！一番選ばれている人気サービスは？

タレントマネジメントシステムの市場規模

BOXIL編集部が2024年2月に実施した調査をもとに、タレントマネジメントシステムの市場規模を算出^※1しました。2023年のSaaS型タレントマネジメントシステムの市場規模は、およそ1,924.5億円だと算定できます。また、導入を検討しているユーザーの動向や導入予定時期をもとに算出すると、2024年の市場規模は2,472.9億円に到達する見込みで、2025年の市場規模は3,086.2億円規模に成長すると予測^※できます。

※1 調査期間 2023年2月16日〜2月27日 スマートキャンプで実施した「SaaSの利用実態調査」をもとに、1社あたりの利用金額と法人数から算定
※2 同調査の導入時期と導入予定時期から算定

タレントマネジメントシステム市場の成長率は？

同調査では、まだタレントマネジメントシステムを導入・利用していない情報システム業務担当者に対して、導入予定も調査しました。その結果、「利用を検討している」または「導入予定」と回答した企業は全体の21.8%と、多くの企業が前向きに検討を進めていることがわかります。

導入予定時期	回答数	割合
時期は未定だが利用検討中	57	13.1%
半年以内には利用開始予定	19	4.4%
1年以内には利用開始予定	8	1.8%
2年以内には利用開始予定	11	2.5%
現時点では未定・利用予定はない	341	78.2%

タレントマネジメントシステム市場の成長の要因としては、キャリアアップを目指すための転職が一般的になり転職市場が活発になっていることが背景にあります。そんななか、優秀な人材を確保し続けるために適切な人材配置や人事異動、公平な評価の重要性が認知されるようになりました。

また、人手不足の解消や生産性の向上を実現するために、個人が持つスキルを最大限活用できる環境を用意する必要がります。そこで、従業員のスキルや業務適正などを判断し、人事異動のシミュレーションもできるタレントマネジメントシステムへの注目が高まりつつあります。

2024年以降は人事システムの多機能化が進み、タレントマネジメント機能を備えた人事評価システムや人事評価機能を備えたタレントマネジメントシステムなどがさらに登場することでしょう。

タレントマネジメントシステムのシェア率

BOXILが実施したタレントマネジメントシステムの利用ユーザー90人を対象にしたSaaSの利用実態調査^※によると、タレントマネジメントシステムのシェア率は、カオナビがトップで23.3%でした。次点でタレントパレットが20.0%、COMPANY タレントマネジメントシステムとSmartHR、SAP SuccessFactorsがそれぞれが4.4%と続いています。

※調査期間 2023年2月16日〜2月27日 スマートキャンプで実施した「SaaSの利用実態調査」をもとに集計

シェア率とあわせて口コミ・ユーザー満足度もチェック

シェア率だけでなく、各タレントマネジメントシステムの口コミやユーザー満足度を確認しておくことで、自社にあったサービス選びができるようになります。タレントマネジメントシステムの口コミランキングもあわせて参考にしてください。

ここからは、シェア率の高いタレントマネジメントシステムはなぜ選ばれているのか、タレントマネジメントシステムに特化したSaaSに絞ってBOXILに寄せられた口コミやサービスの特徴をもとに解説します。

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^{※ダウンロード可能な資料数は、BOXILでの掲載状況によって増減する場合があります。}

• 人材育成後のスキルを想定して人材を数値化
• 異動希望者募集や異動者フォローもこれひとつで
• 360度評価やコンピテンシー評価にも対応

カオナビが選ばれている理由としては、とくに組織変更や配置転換を行なった際のシステム反映の速度が挙げられます。また、配置変更自体の設計や考案なども、スキルや評価をもとに行えるためスムーズに進められる点が評価につながっています。

採用から評価、人材育成までトータルで管理できる点も評価されているポイントです。また、異動があった際にもスキルや過去の評価を参照できたり、顔や個人のプロフィールが簡単に参照できたりすることで、組織再編の際にスムーズなチーム作りにつながっているようです。

• データを活用した科学的人事を実現
• スキルや従業員満足度、離職兆候、ストレスチェックをデータで管理
• 採用前〜人材活用までトータルサポート

タレントパレットが選ばれている理由としては、とくにデータや数値に基づいた定量的な人材配置ができる点が挙げられます。異動のシミュレーションができるだけでなく、人件費や部署の構成人数などに基づいて要因分析ができることが評価につながっています。

また、AIが要件にマッチした人材を自動でレコメンドして人材配置を行う機能もあるため、提案された案を手動調整することで異動の最適化が実施できる機能も特徴的です。

• ダッシュボードで人事情報や給与情報を自動更新
• キャリアプランサポートのための機能が充実
• 機能紹介やデモなどのサポートも

COMPANY タレントマネジメントシステムが選ばれている理由としては、研修や労務情報などを一つに集約できることから、1つのシステムで複数部署が管理に利用できる点が挙げられます。

また、人事異動を複数人で共同編集できるのは他サービスにはない特徴です。変更案をそのまま全体の異動案に反映できるため、部署ごとでの調整がスムーズに行えるでしょう。

• 人事・労務領域の圧倒的ペーパーレス化を実現
• 知識不要の分析ダッシュボードで従業員情報を可視化
• アプリからでも簡単に入力できる

SmartHRが選ばれている理由としては、とくに情報の集約性が挙げられます。入社前手続きから年末調整、人事評価、従業員サーベイなど多種多少な人材に関する情報を集約できるため、管理業務の効率化を実感しているユーザーが多いようです。

また、それらのデータを活用して配置のシミュレーションを行い、組織図や辞令通達までできる機能があることも特徴です。

• グローバル企業でも利用できるタレントマネジメントシステム
• 条件指定でスキルに合った人材同士を比較可能
• 昇給や賞与の計画にも利用できる

SAP SuccessFactorsが選ばれている理由としては、評価や目標管理の公平化が実現できることが挙げられます。評価に関する機能が充実している点は評価につながっているようです。

一方で、「使いづらい」「重い」といった口コミも見られました。海外ベンダーのため日本人に最適化されたインターフェースではない点に注意しましょう。

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シェア率だけでなく機能で比較しよう

タレントマネジメントシステムを選ぶ際に重要なのは「自社の状況に合った機能が備わっているかどうか」です。あわせて各サービスの口コミなども見ておくと良いでしょう。