中堅企業や成長企業は、中小企業向けのシステムにとらわれないことが大切です。次の記事では企業のタイプごとにおすすめのサービスや選び方を紹介しています。
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予算管理システムの選び方やおすすめ製品をチェックする
予算管理システムには多くの種類があり「どれを選べばいいか」迷いますよね。後から知ったサービスの方が適していることもよくあります。導入の失敗を避けるためにも、まずは各サービスの資料をBOXILでまとめて用意しましょう。
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中小企業が抱える予算管理の課題
「作成」が目的化した非効率な予算策定
予算管理の集計に追われ、本来最も時間をかけるべき「予算内容の精査」や「戦略との整合性チェック」が後回しになっていませんか。
各部署からバラバラのフォーマットで送られてくるExcelファイルを整形。関数が壊れていないか、コピペミスはないかを一つひとつチェック。そうした手作業でのデータ集計と部門間の調整に追われ、予算を作ることがゴールになるケースは多々あります。
実際、 BOXILがExcelで予算管理している担当者にアンケート したところ、「予算管理業務のうち最も時間がかかっている業務」は、「各部署からの予算・実績データの収集と提出依頼」が最多で46.7%の回答でした。次いで「データ転記、集計、フォーマットの統一」が29.7%となっており、この2つで全体の76.4%を占めています。

しかし、これでは重要な投資判断が遅れたり、現場の実態とかけ離れた予算が組まれてしまうのも無理はありません。
経営判断を遅らせる「見えない」進捗
経営会議で社長から「A事業の経費、今どうなっていますか?」と突然問われても、すぐに正確な数字を出せず、「確認して後ほど報告します」と答えていませんか。
Excelファイルが各担当者のPCに散在し、データが一元管理されていない状況では、経営会議のその場で進捗を報告できません。また、気づいたときにはすでに大幅な予算超過が発生しており、取れる対応策が限られてしまう場合もあるでしょう。
「なぜ未達なのか?」に答えられない振り返り
「市況が悪かった」「営業努力が足りなかった」など、曖昧な理由で未達を片付けてしまっていませんか。
「なぜ目標を達成できなかったのか?」を分析しようにも、Excelファイルが点在していると情報の整理に時間がかかります。結果として、どの経費が、どのタイミングで、なぜ増えたのかを深掘りできません。
このような状況では、過去の失敗から学ぶことも、次期の予算精度を高めることもできないでしょう。
予算管理システムとは
予算管理システムとは、予算策定、進捗管理、実績分析などを一元的に行うツールのことです。予算の作成や修正、承認フローの管理、実績との比較分析までを効率よく進められます。
近年では、原材料や人件費の変動、経済情勢の不確実性などにより、予算管理の精度が企業成長に直結するようになりました。中小企業においても、属人的な管理から脱却し、柔軟で正確な経営判断を支える仕組みが求められています。
予算管理システムを導入するメリット
予算の作成や承認を効率化
予算管理システムでは、ワークフローの自動化やテンプレートの利用が可能なため、迅速かつ正確に予算編成を進められます。たとえば、手作業によるミスの削減や承認プロセスの迅速化に期待できます。これにより、重要なプロジェクトの開始が遅れなくなるでしょう。
予算の進捗状況をリアルタイムで把握
予算管理システムでは、データのリアルタイム更新やダッシュボード作成が可能なため、予算の進捗状況を知りたいときにすぐ把握できます。たとえば、最新の支出状況の確認や予算オーバーの早期発見が可能です。これにより、経営陣は迅速に対応策を講じられ、予算の無駄遣いを防げます。
予算の分析と改善を容易に
予算管理システムでは、データを可視化しやすく予算の分析と改善が容易です。たとえば、過去のデータをもとにした予算の見直しや資金運用の提案が可能です。これにより財務状況を正確に把握し、予算計画をより現実的かつ効果的に立てられます。
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中小企業の予算管理システムのシェア No.1はWorkday
BOXILが実施したアンケート※によると、シェアが最も高かったのは、 Workday Adaptive Planning で17.1%。次いで Loglass 経営管理 が13.2%、 Manageboard が11.3%、 BizForecast が8.8%、 DIGGLE が6.4%と続きます。これら5製品で全体の56.8%を占めていました。

※調査概要:インターネット調査にて予算管理システムの導入に携わった全国20〜60代の1,742人へ実施。「お勤めの企業の従業員規模を教えてください。」の質問へ「1〜9人」「10〜49人」「50〜99人」と回答した人に限定して、「導入した予算管理システムを選択してください。※複数のツール導入の経験がある方は、最も直近(最新)のツールの経験を1つ選択してください。」の回答を集計した。調査期間は2025年5月14日〜18日。本アンケート結果は小数点以下任意の桁を四捨五入しており、合計が100%にならない場合がある
予算管理システムの選び方・比較ポイント
脱Excelで現場から反発がないか
予算管理システムを導入する際にまず意識すべきは、Excelから脱却したシステムを使うか、Excelを活用したシステムを使うかの判断です。脱Excelを掲げるサービスは、ベストプラクティスを追求できる反面、Excelを使えなくなることの社内からの反発が想定されます。反対に、Excelを活かすサービスは、Excelをもとにデータを入出力するので現場に受け入れられやすいものの、Excelの併用が求められます。
たとえば DIGGLE は、システムに直接入力したり会計ソフトと連携したりして表計算ソフトの運用を刷新します。一方の CELF は、ExcelをアップロードすることでExcelに準じた業務アプリをシステムに構築できます。脱ExcelかExcel活用か、現場の声も聞きながら判断しましょう。
どのERPや会計ソフトと連携させるか
予算管理システムの中には、同じシリーズの製品と連携させることで便利に使えるサービスがあります。同じ会社のERPや会計ソフトと組み合わせて使うことで真価を発揮するので、すでに導入している関連サービスがあるなら、ぜひ導入の候補に入れておきましょう。
たとえば Manageboard は、マネーフォワード クラウドシリーズと連携することで、会計ソフトのデータを取り込みます。同じグループ会社の製品であるため、連携の設定がスムーズなのもポイントです。
予算管理の機能に特化させるか
中小企業に向いた予算管理システムは、予算管理の機能に特化したシステムです。大企業向けのシステムには人事や販売のデータも統合して、多角的な計画や予測をするサービスがあります。しかし、人事や販売データの統合は中小企業ではオーバースペックとなりやすいので注意が必要です。会社が成長して必要になったタイミングで、機能が豊富なサービスを検討するとよいでしょう。
中小企業向けの bixid は、freee会計や勘定奉行クラウドから取り込んだ会計データをもとに予算管理を実施。シンプルに扱えるので、現場従業員と一体になって予算管理に取り組めます。
型化か柔軟性か
予算管理システムは、予算管理を想定して細かく設計されている場合と、導入企業に運用を任せている場合があります。各システムが厳密にどちらかに分かれるというよりは、グラデーションのように傾向が見てとれるイメージです。細かく設計されていると運用しやすく、内部統制にも強いです。自由度が高いシステムは複雑な要件を作り込めるので柔軟性を求められる企業に適しています。
Loglass 経営管理 は、予算管理を想定して設計しているので、運用を0から設計しなくても予算管理を始めやすい設計になっています。その一方、 Forguncy のようなノーコードツールであれば、予算管理以外にも使えるので必要に応じた設計が可能です。
費用が想定内に収まるか
予算管理システムを導入するにあたっては、各社に見積もりを取って予算内に収まるか確認しましょう。BOXILで取得したアンケート※によると、 予算管理システム の費用相場※1は、初期費用が15万円、年間費用が10万円でした。
| 初期費用 | 年間費用 | |
|---|---|---|
| 費用相場※1 | 15万円 | 10万円 |
| 主な価格帯※2 | 5万円〜60万円 | 4万円〜50万円 |
※調査概要:インターネット調査にて予算管理システムの導入に携わった全国20〜60代の817人へ実施。そのうち、不適切な値(0または1,000円以下、1,111円のように不正な回答)を除外し、得られた522件の回答にもとづいてデータを算出した。回答期間は2025年7月11日〜12日。
※1「費用相場」は対象となる回答の中央値を指す。
※2「主な価格帯」は対象となる回答の四分位範囲を指す。なお、「主な価格帯」の一部は四捨五入をして整形している。
中小企業の予算管理システムであれば、これより費用を抑えられるケースが多いです。そのため、各社の費用を相場と照らし合わせながら、なぜ安いのか、なぜ高いのかを整理してコストパフォーマンスよくシステム導入しましょう。
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中小企業向け予算管理システム5選【シェア上位】
Workday Adaptive Planning
Workday Adaptive Planningは、シミュレーション分析や誤入力チェックを搭載した、予実管理の効率化が促進されるクラウドシステムです。Excelと連携してデータのインポートやエクスポートもできます。
- 手厚い導入支援で短期導入が可能
- Excelライクなインターフェースで直感的な操作が可能
- 日本国内を含め全世界多数の導入実績
Workday Adaptive Planningの評判・口コミ
そのため評価者の意向で評価の付け方が変わるので正しく評価されているのか疑問が残る。
Loglass 経営管理
Loglass 経営管理は、高度なシナリオプランニング機能が利用できる予算管理システムです。Loglass 経営管理は次のような特徴があります。
- 直感的なダッシュボードで予算状況を一目で把握
- 多様なデータソースと簡単に連携可能
- 自動レポート生成で工数を削減
Manageboard
Manageboardは、ノーコードで予算管理フローを構築できる予実管理クラウドです。Manageboardは次のような特徴があります。
- 財務3表を部門ごとのKPIと連携しながら管理
- ノーコードで作成できる事業構造や管理方法に合った予算管理フロー
- 部門や補助科目、サービス、担当などの軸で経営数値を分析可能
BizForecast
BizForecastは、情報収集や集計、加工に強い予算管理システムです。BizForecastは次のような特徴があります。
- Excelを活かした予算管理を目指す
- SaaSのほか、カスタマイズ開発でのエディションあり
- 連結決算、人事評価、目標管理用の機能も提供
DIGGLE
DIGGLEは、リアルタイムコラボレーション機能とビジュアル化された予算管理ツールを持つ予算管理システムです。DIGGLEは次のような特徴があります。
- リアルタイムコラボレーション機能
- ビジュアル化された予算管理ツール
- 中小企業向けの手頃な価格設定
中小企業向け予算管理システム2選【脱Excel】
bixid
bixidは、AIを活用した高度な予算予測機能を持つ予算管理システムです。bixidは次のような特徴があります。
- コストパフォーマンスに優れた料金設定
- マルチデバイス対応での柔軟なアクセス性
- 社内外の共有やコメントでコミュニケーションを促進
Scale Cloud
Scale Cloudは、PLとKPIを組織全体で一元管理し、予算達成とその再現性を高める経営マネジメントシステムです。Scale Cloudは次のような特徴があります。
- 先行指標KPIまで管理し未来予測や逆算思考を支援可能
- 組織全体で共通認識を持ちPDCAを回せる
- PL/KPI設計から運用定着まで専門家が伴走支援
中小企業向け予算管理システム2選【ノーコードツール】
Forguncy
Forguncyは、ノーコードでアプリを開発、運用できるシステムです。Forguncyは次のような特徴があります。
- 書式設定や関数など、Excelと同じ操作性でシステムを構築
- 目的に合わせて画面レイアウトを自由に設定
- 複数の外部システムと連携してデータを組み合わせ
Forguncyの評判・口コミ
その上でデータベースとして必要十分な機能がありとても満足。
いろんなレイアウト、切り口で情報をみられるのはグッドです!
CELF
CELFは、業務に使用しているExcelファイルを取り込んで簡易なアプリケーションをノーコードで開発するシステムです。CELFは次のような特徴があります。
- Excelに近い見た目と操作感で現場担当者が利用しやすい
- 予算管理以外にも幅広い用途がある
- テンプレートアプリがあり、はじめる際の参考にできる
予算管理システムを導入する際の注意点
予算管理システムは多くのメリットがある一方で、導入の仕方によってはかえって業務を複雑にしてしまう可能性もあります。中小企業が導入時に注意すべきポイントを3つ紹介します。
自社に合わないツールを選ぶと運用が定着しない
予算管理システムには多様な機能がありますが、自社の規模や業務フローに合っていないツールを選ぶと、使いづらさを感じるでしょう。操作が複雑だったり、現場の業務に合わなかったりすると、せっかく導入しても現場で活用されにくいです。
こうしたミスマッチを放置すると、現場の負担が増えるばかりか、入力ミスや情報の齟齬が発生しやすくなります。結果としてシステムを使う意義が見出せず、導入そのものが失敗に終わるリスクもあります。
初期導入コストや運用負担が想定以上になることもある
予算管理システムは導入時に初期費用がかかるほか、月額費用やサポート費用が発生する場合もあります。加えて、システムを活用するためにはデータ移行や設定作業、従業員への教育なども必要です。
こうした準備や運用にかかる手間を見落とすと、想定以上にコストや労力がかかるかもしれません。導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、導入前の計画と見積もりは慎重に進めましょう。
社内での活用促進に時間がかかる場合がある
どれだけ優れたシステムであっても、使うのは現場の従業員です。操作方法の習得や、新しい業務フローへの慣れには一定の時間がかかります。特にITツールに不慣れな職場では、抵抗感が生まれるかもしれません。
活用が進まないまま時間だけが過ぎると、導入効果が実感されず、モチベーションの低下につながります。最悪の場合、元のアナログな管理に逆戻りしてしまうこともあるため、段階的な導入や丁寧なサポート体制が欠かせません。
予算管理システムの比較ならBOXIL
予算管理システムを選ぶ際は、予算と規模に合ったプランか、使いやすい操作性か、必要な機能を備えているか、セキュリティ対策が万全かなどを踏まえて検討することが重要です。
予算管理システムは、次の記事でも詳しく紹介しています。
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