コンビニ大手4社の働き方改革を比較、 セブン、ファミマ、ローソン、ミニストップの「雇用改革」

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コンビニ業界が働き方改革の新たな打ち手を講じようとしている。24時間運営で都心部の深夜における購買需要を支え、地方の買い物弱者地域にまで顧客層を伸ばしてきたコンビニ業界各社の雇用方針を探る。(※2018年5月更新)

ローソンは、海外本国からの派遣社員やシニア活用で人材確保

ローソンでは、現在都内1箇所だけの人材派遣の拠点を、17箇所に拡大し、全国の人手不足に対応していきたい考えだ。ローソン各店舗からの養成に応じて、トレーニングを受けた派遣社員を派遣し、人員不足の補充をしていく。

また、ローソンは2016年、ベトナムの民間人材業者とも提携し、国を超えてスタッフを育成していく計画も立てた。日本に留学予定の学生にコンビニ業務を指南する研修所を開いたのだ。

確かに、都心のローソンに行くとレジにはズラリと外国人スタッフが並んでいる。昨今、コンビニの店頭で外国人スタッフが増えているが、単に店舗に雇用されているだけでなく、本国から派遣されてきている場合もあるのだ。

また、ローソンは以前からシニア層の人材確保にも努めており、全体の8%がシニアスタッフだという。セカンドキャリアとしてコンビニを選んでもらうために、各種広報活動を展開している。

シニアスタッフは、レジ打ちやLoppiの操作などには時間がかかるが、商品説明などのコミュニケーションはすぐに対応できるケースも多く、シニアに向けた教育訓練方法も取り入れている。オーナー向けにも、シニア用の指導書がまとめられ、面接やトレーニングをシニアに向けて行うにはどのようにすればよいか、などのノウハウが共有されている。

ミニストップは事前研修を強化し、派遣で人材不足に対応

ミニストップでは、雇用される側ではなく、店舗の人材不足にフォーカスを当て、人手の足りない店舗からの要請に応じて、従業員を派遣していく構えだ。外国人留学生の多い専門学校や自治体などとも連携し、パートやアルバイトの雇用を確保していきたいと考えている。

実に、95%の店舗を派遣対象とする意向を固めており、店舗の人材不足問題にともに取り組む本気度が伺える。

派遣されるスタッフは、レジ打ち、品出し、発注、清掃、ソフトクリーム製造などの技能を自社で訓練し、即戦力として店で働けるようにトレーニングしていく方針だ。そのため、派遣後は特に問題なく、すぐさま働けるような体制を整えている。

コンビニ業界では同一労働同一賃金がスタート

地域のコンビニの求人を実際に見てみた。たとえば、仮にローソンで時給900円であれば、近隣のミニストップも時給900円になっているケースが多い。

これは、「レジ打ち・品出し・清掃・店内調理」などの業務に対して、時給900円の値札がついていることを意味している。

すなわち、これらのスキルを保持していれば、職場を移ったとしても同じ業務に対しては同じ賃金が支払われるということであり、ある種の、ジョブディスクリプション制度が実現している。

これは、コンビニでの労働が市場原理の元で動いていることを意味している。労働市場の流動化にも一役買っており、サービス業をはじめ、深刻化する人手不足に直面する他業界にも影響が及ぶことは必至である。

非正規の現場から、着々と同一労働同一賃金はスタートしつつある。外国人技能実習制度が抱える闇も含めて、多様な人材が活躍できる日本社会の実現の一翼を担う存在として、コンビニ業界には期待したい。

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