買い物難民・買い物弱者とは?3つの対策・課題と原因 - なぜ生まれるのか

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「買い物難民」は、別名「買い物弱者」とも呼ばれ、交通や流通機能の弱体化で食料品や日用品を買えない人々を指します。これまで、過疎化の進んだ農村や山間部の問題として認知されていましたが、近年は都市部でも問題として顕在化してきています。買い物難民・買い物弱者の現状や要因、対策について解説します。
買い物難民・買い物弱者とは?3つの対策・課題と原因 - なぜ生まれるのか

買い物難民・買い物弱者とは

経済産業省によると「買い物難民」とは、流通機能や交通機関に難があり、日用品の買い物が困難である人々を指すそうです。またの名を「買い物弱者」と言います。

出典:買物弱者・フードデザート問題等の現状及び 今後の対策のあり方に関する報告書(経済産業省)

買い物難民の一般的なイメージとしては、電車やバスなどの交通手段がなく、近所にスーパーをはじめとしたお店のない状況を思い浮かべるのではないでしょうか。

この買い物難民ですが、現在は田舎に限らず大都市圏でも広がりを見せているようです。

次章では、買い物難民の生まれる原因を詳しく解説します。

なぜ買い物難民・買い物弱者は生まれるのか

買い物難民・買い物弱者の生まれる最も大きな要因は、農村や山間部の過疎化です。これらの地域では、顧客が極端に少なく、商店の経営は難しいです。

また、バスや電車も利用者が少なく、本数削減や廃止に追い込まれることは珍しくありません。その結果、近くには店がなく、店に向かうまでの足もない状況に陥り、買い物難民・買い物弱者が発生します。

増え続ける買い物難民・買い物弱者

経済産業省によると、買い物難民・買い物弱者は平成22年調査で、全国に600万人いるとされていましたが、平成27年調査では約700万人まで増加しているとわかりました。

今回の調査で、買い物難民・買い物弱者は、従来の農村や山間部の過疎地域だけでなく、都市部でも増加傾向だと予測されています。

買い物難民・買い物弱者は田舎という地理的な要因だけでなく、店舗の閉店をはじめとした社会的な要因によっても生じることが明らかになりつつあります。

買い物難民化は高齢者の間で特に深刻化

買い物難民・買い物弱者の問題は、特に高齢者の間で深刻化しているようです。

2016年の調査によると、60歳以上の高齢者の17%が「日常の買い物が不便と感じる」と回答しています。高齢者のおよそ5人に1人は買い物に何らかの不便を感じているそうです。

歳を取ると、自分で車を運転する機会も少なくなり、車の運転もおっくうになります。

若い世代であれば、徒歩や自転車で移動できますが、高齢者はそれも困難です。若者にとって、問題ない距離でも高齢者にとっては大きな負担となります。

こうして、高齢者は行動範囲が狭くなり、買い物難民・買い物弱者となりがちです。

大都市圏に広がる買い物難民・買い物弱者

国の調査によって、買い物難民・買い物弱者は増加傾向にあるとわかっています。注目すべきは、過疎地域だけでなく、大都市圏でも広がりを見せている点です。

大都市圏で広がる理由

近年、郊外型大型店の進出が目覚ましく、消費者を獲得するための競争が激化しています。それまで街を支えてきた商店街や食料品店は、この競争に勝てず、衰退・閉店します。

この結果、街の空洞化は進み、街中でも店も足もない状況が生まれます。

データで見る大都市圏の買い物難民・買い物弱者

農林水産省の2010年人口推計によると、生鮮品販売店まで500m以上離れている人口の割合は、地方圏と名古屋圏で同等とのことです。

また、500m以上で車のない人口の割合は、地方圏と大阪圏で同等という結果も出ています。すなわち、買い物に不便と思しき人が、都市部も地方と同じように増加している、ということです。

データからも、買い物難民・買い物弱者は、田舎だけの問題ではなく、大都市圏の問題でもあると言えます。

買い物難民・買い物弱者対策の三本柱

経済産業省では買い物弱者を応援するために、以下の3つの方法を提案しています。

  • 身近な場所に店をつくる
  • 家まで商品を届ける
  • 家から出かけやすくする

それぞれどんな方法なのか、代表的な対策事例を見ていきましょう。

身近な場所に「店を作ろう」

「JA広島ゆたか」では瀬戸内海の離島において、地域の過疎化や高齢化による店舗運営の課題を抱えていました。

そこで「山崎製パンYショップ」に加盟し、物流ネットワークを活用しました。豊富な品揃えで、前年比、客数40%、売り上げ15%アップしています。

家まで「商品を届けよう」

高知県のサンプラザでは、車による移動販売を続けていました。しかし、人口減のため採算が悪くなりました。

そこで、県から販売車両購入の補助を得ました。この資金で、車両7台で事業を継続、1台につき1日に10万円、年間で2900万円の売り上げを記録しています。

家から「出かけやすくしよう」

茨城県土浦市ではモータリゼーションの発達や市街地の空洞化により、中心街の活気がなくなりつつありました。

中心街活性化のため、地域団体の協力を得て地域通貨の発行とバス運行を開始、1日平均で約395人の方が利用しています。

今後も課題が多い買い物難民・買い物弱者

かつては過疎地域特有の問題とされてきた買い物難民・買い物弱者は、今では大都市圏にも広がりを見せています。高齢化を考えると、早急に対処する必要があるでしょう。

対策はしているものの、結果があまり伴っていないのが現状です。2017年の、総務省による買い物難民・買い物弱者対策調査を見ると、193事業中106事業が赤字とのことです。

買い物難民・買い物弱者は深刻化が予想されるため、関係各省庁で連携して取り組む重大な課題といえるでしょう。